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日本百名山とは?
八甲田山は、青森県青森市と十和田市にまたがる標高1584メートルの山です。八甲田山という名前がついているので単独の山というイメージを持つかもしれませんが、実際には複数の火山で構成された火山群の総称を「八甲田山」といいます。
八甲田山の中心的な存在が高田大岳ですが、そのほかにも乗鞍岳、毛無山、櫛ヶ峯、下岳、小岳、南沢岳、横岳、大岳、雷山、田茂萢岳、前嶽などがあります。また八甲田山には睡蓮沼などの湿原地帯があるのも特徴です。
このように八甲田山は「八の甲状の峰(たくさんの縦状の峰)と多くの田代(湿原)がある」ため、この特徴が八甲田山の名前の由来になったといわれています。
さらに八甲田山は日本全国の有名な山々を紹介した山岳随筆「日本百名山」でも紹介されています。「日本百名山」の著者は随筆家でもあり登山家でもあった深田久弥氏で、「日本百名山」では深田氏本人が登山経験を持つ日本全国の山を100山紹介しています。
深田氏が「日本百名山」に取り上げた山は、すべて標高1500メートル以上の山です。これは深田氏の選考基準の条件の1つで、そのほかにも品格・歴史・個性を兼ね備えた山であることを「日本百名山」の条件としました。
つまり「日本百名山」に登場する八甲田山は、深田氏の厳しい選考基準をすべてクリアした山ということなので、日本の山としての品格と歴史、さらに特筆すべき個性をもつ魅力的な山といえます。
山岳随筆「日本百名山」に記載されている山
本人も登山家であった深田氏がつづった山岳随筆集「日本百名山」に登場する山々は、「標高1500メートル以上であること」「山としての品格・歴史・個性を兼ね備えていること」「深田氏本人が登山した山であること」の3条件を満たした山に限られます。
この中で深田氏が重要視した条件が「品格・歴史・個性」です。最初の条件として深田氏が挙げた「品格」は、人間に例えるなら人格のようなものだといいます。だれが見ても「美しい」「立派だ」と思う山には品格があると考え、これを第1基準としました。
第2基準となった「歴史」は、日本人と山との関わりに注目しました。日本では古くから自然の中に八百万(やおよろず)の神がいるとされ、山もその1つとされています。こうした山の山頂には祠が建てられ、山岳信仰の対象とされました。
このように古くから日本人にとって信仰の対象となった山には歴史があると考え、これを「日本百名山」の第2基準である歴史と考えたのです。