本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています
店舗や施設の営業状況やサービス内容が変更となっている場合がありますので、各店舗・施設の最新の公式情報をご確認ください。
第3基準とした「個性」は、唯一無二の個性を持つ山のことを指します。深山氏は、山の個性は芸術作品と通じるものがあると考えていました。
そのため山そのものが持つ特徴も個性になりますが、山でおこる特異な現象や山にまつわる伝統行事なども個性と考えます。さらにこれらの個性は「後世まで受け継がれて欲しい(守ってほしい)」という筆者本人の願いも含まれていました。
このように山岳随筆「日本百名山」には深山氏が独自で定めた選考基準がもとになっているため、観光登山ガイドとしての要素よりは、50年の登山キャリアを誇る深山氏が「日本人が誇るべき山」として紹介する山の専門書としての要素が強いです。
そんな「日本百名山」で紹介されている山たちは、北は北海道から南は鹿児島県まで、全国幅広いエリアにあります。ただし「日本百名山」では深山氏本人が登山していることと標高1500メートル以上であることも選定条件だったので、候補から外れた山も多いです。
例えば北海道では利尻岳や羅臼岳など9山が選ばれていますが、石狩岳や駒ケ岳などは選ばれていません。これは深山氏が登頂していなかったことが選定から外れた理由といいます。
なお八甲田山がある秋田県では、標高1625メートルの岩木山と標高1614メートルの八幡平が登録されています。また八甲田山と同じ奥羽山脈に属する岩手県の岩手山も「日本百名山」で紹介されています。
なお山岳信仰の地として有名な霊峰・富士山や栃木県の男体山(なんたいさん)、群馬県の浅間山、乗鞍信仰の聖地である乗鞍岳なども「日本百名山」に登録されています。
八甲田山について知ろう
品格・歴史・個性の3つを兼ね備えた山として日本百名山の1つに選ばれている八甲田山は、登山スポットだけでなく歴史や絶景などに触れる観光スポットとしても人気があります。ここからは八甲田山の山としての魅力について詳しく紹介していきます。
八甲田山の成り立ち
複数の火山群によって構成されている八甲田山は、大きく分けると「北部八甲田山系」と「南部八甲田山系」の2つに分かれます。
北部八甲田山系に属するのは、標高の高い順から大岳、高田大岳、井戸岳、赤倉岳、小岳、硫黄岳、前嶽、田茂萢岳、雛岳、石倉岳です。これに対して南部八甲田山系に属するのは、櫛ヶ峰、乗鞍岳、駒ケ峯、横岳、南部赤倉岳、逆川岳です。
ただしこれらの山の中には標高1500メートルに満たない山が多く含まれているため、八甲田山と呼ばれる山のすべてが山岳随筆「日本百名山」で取り上げられているというわけではありません。
八甲田山の個性ともいえるのが、火山の噴火によって山頂部にできたカルデラ湖です。カルデラ湖は、火山の噴火によってできた窪地に水がたまりできた湖のことで、観光スポットとしても有名な十和田湖は八甲田山を代表するカルデラ湖の1つです。
現在はカルデラ湖を形成するほどの大規模な火山活動はおこっておりませんし、南八甲田山系の火山は40万年前には火山の活動が終わっています。
ただし北八甲田山系の火山からは現在も火山ガスが噴出しており、1997年には訓練中の自衛隊員3名、2010年には山菜狩りをしていた女子中学生1名が火山ガスの噴射によって窒息死・中毒死する事件が起きています。
さらに注目しておきたいのが、八甲田山周辺の気候です。八甲田山がある青森県は、世界でも有数の豪雪地帯です。日本の国土の約半分は豪雪地帯に指定されているのですが、その中でも特に降雪量の多い地域を特別豪雪地帯といいます。
豪雪地帯に指定されている地域の多くは日本海側に位置するのですが、八甲田山がある青森県は太平洋側にありながら豪雪地帯に指定されています。さらに八甲田山は青森市と十和田市にまたがる山なのですが、両市とも特別豪雪地帯です。