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富士宮ルートとは
富士宮ルートは富士山の南斜面(静岡県側)から登るコースで、吉田ルートについで人気の登山道です。富士登山客の約2.5割がこのルートを使います。
富士山の登山コースの中で山頂までの距離が最も短いのが富士宮ルートです。剣ケ岳の距離も一番短いルートです。天気が良い時は駿河湾を一望できます。
富士宮ルートは登山口が五合目の標高2390mですので高度が高く、その上短い距離で高度が上がる為高山病に注意が必要です。
富士宮ルートは岩場が多く登りと下りが同じルートなので混雑する場合があります。基本は登りが優先です。譲り合いながら登山を楽しみましょう。岩場が多い為、下りの際に落下や膝を痛める危険性がありますので、注意が必要です。
富士宮ルートの距離と所要時間
富士宮ルートの出発地点は五合目登山口で標高2390mです。頂上の標高が3710mなので、山頂との標高差は1320mです。歩行距離は登り下り共に5kmです。所要時間は登りが5時間、下りが2時間40分です。
富士宮ルートのスタート地点は富士宮口五合目
富士山スカイラインの終点にある富士宮ルートの登山口が富士宮口五合目です。マイカーやバス、タクシーでアクセスが可能です。350台の駐車場や宿泊施設を兼ねた売店や、夏山期間中に警察の詰所になる富士山総合指導センターがあります。
富士宮ルートの富士宮口五合目は天候が良ければ宝永山や南アルプス、伊豆半島や駿河湾を一望できます。登山道を少し登ったところには、環境省が設置したバイオトイレ「富士山富士宮口五合目公衆トイレ」もあります。
五合目までのアクセス
富士宮口五合目までのアクセス方法は車、バス、鉄道、タクシーなどがあります。それぞれ所要時間が異なります。各公共交通機関の時間を調べて確認しましょう。
車でアクセスする場合は富士宮口五合目の無料駐車場を利用することができますが、夏山登山シーズンはマイカー規制が実施されています。必ずマイカー規制の日程を確認しましょう。
公共の交通機関でアクセスする場合は最寄りの駅から、富士宮口五合目までバスまたはタクシーを利用します。またツアーなどを利用する方法もあります。
車で登山口まで
富士宮ルートの富士山五合目まで車でアクセスする場合は、富士スカイラインを使います。富士スカイライン入口までは最寄りの高速道路(東名高速/新東名高速)を使い「御殿場IC」もしくは「富士IC」を下りて少しの距離を一般道路を走ります。
富士スカイラインは、富士宮市山宮から御殿場市茱萸沢(ぐみざわ)までを富士山中腹を通して繋ぐ通行無料の一般道路です。富士宮ルートの富士宮五合目までは、途中の二合目分岐(登山区間入口)で枝道へと曲がります。
二合目分岐から登山区間に入ると、勾配の急でカーブも多いので山道を走り慣れてないと運転が難しいので、特にスピードのでる下りでは慎重な運転を心がけてください。
富士スカイライン登山区間にマイカー規制が行われていない時は、富士宮ルートの五合目の駐車場に止めることができます。富士スカイラインは登山者だけでなく観光客も多く訪れる観光地なので、五合目の駐車場が満車になる可能性が高いので気を付けて下さい。
マイカー移動は時期に注意
静岡県にある3つの登山口の内の富士宮ルートと須走ルートの五合目駐車場では、夏季登山時の環境保全と渋滞緩和の為、自家用車のアクセスを規制しています。車でアクセスする場合は必ず確認が必要です。
マイカー規制中は「水ケ塚公園駐車場」に駐車し、富士宮口五合目までシャトルバスもしくはタクシーでのアクセスになります。所要時間はシャトルバスで約40分、タクシーで約30分です。
公共交通機関を使うなら
公共交通機関を使ってアクセスする場合は、富士宮口五合目までは最寄りの駅からバス、もしくはタクシーを利用します。事前に調べておく必要があります。JR富士宮駅、JR新富士駅、JR三島駅、JR静岡駅からバスもしくはタクシーを使ってアクセスするのが一般的です。
バスでの所要時間と距離は、JR富士宮駅とJR富士駅の場合は約2時間、距離が35kmから47kmです。JR三島駅の場合は約2時間、距離が50kmです。JR静岡駅の場合は約2時間(高速バス)、距離が87kmです。
富士宮ルートの特徴をご紹介!
富士宮ルートは4つの登山ルートの中で最も高い標高2390mから出発するので、歩行距離が最も短いコースです。山頂までの距離が短い為、全体的に傾斜が急で岩場が多いのが特徴です。天気が良ければ駿河湾も一望できます。
富士宮ルートは登りのコースと下りのコースが同じなので道に迷いにくいのですが、道幅が狭いところは渋滞が発生し譲り合いが必要になります。基本登りが優先ですが、譲り合いながら登山をしましょう。
富士宮ルートは山小屋と山小屋の感覚がほぼ等間隔なので、休憩やトイレや食事をする心配がありません。それぞれ山小屋での焼印サービスもあります。無料Wi-Fiがある山小屋もあります。
富士宮ルート五合目から六合目
オールコックの記念碑横にある案内板の前が富士宮ルートの登山道の入口です。しばらく登る環境省が作ったバイオトイレがあります。五合目レストハウスのトイレは混雑しているので、ここを利用すると良いです。
富士宮ルートの五合目から六合目の最初の急な坂を登った後は、ゆったりとした登り坂が続きます。所要時間は約20分です。
施設情報
富士宮ルートの六合目には雲海荘と宝永山荘という山小屋があり、宿泊や食事ができます。標高的に宿泊というよりは休憩や食事で利用されることが多いです。営業期間も6月下旬から10月中旬までと、山頂ルート閉鎖後も宝永山への登山に利用できます。
富士宮ルート六合目から山頂まで
富士宮ルートの六合目からこれまでの道と違って傾斜がきつくなり、地面が砂礫(されき)なので滑りやすいので注意が必要です。ここから山頂まではほぼ同じような傾斜の道が続きます。
七合目から標高が3000mを超えます。登山開始から約600mの標高を登ったことになります。高山病に注意して十分な休憩を取り体を慣らして行きましょう。ここからは岩場のジグザグ道が続きます。
八合目から30分ほど登ると、ようやく富士山の山頂の様子が確認できます。ここからはまた砂礫の道に戻ります。標高が高く酸素がかなり薄くなるので無理せずペースを落としましょう。富士宮ルートの御来光は八合目以上なら場所によっては見ることができるようです。
九合目からは宝永の大噴火で作られた宝永山を見下ろせるようになります。傾斜のかなり急になり九合五尺を越えるとはっきりと山頂の様子が見えます。山頂付近は渋滞が起こりやすくなります。また登るペースもそれぞれなので最新の注意が必要です。
山頂の鳥居が見えたらゴール間近です。富士宮ルートの山頂にある山小屋は頂上富士館だけで午前5時開店です。富士山登頂後に山頂の周りを一周する「お鉢巡り」は、距離にすると約2.6kmで所要時間は、約1時間30分です。
施設情報
富士宮ルートには山小屋は六合目から山頂まで7つあり、八合目には診療科があります。浜松医大の関係者の方達が常駐していますが、7月下旬から8月中旬の期間限定です。トイレは基本有料です。
富士宮ルートを含め、富士山の山小屋を利用する際には、事前に予約が必要です。山小屋は24時間営業ではありません。
所要時間
富士宮ルートの六合目から山頂までの所要時間は約4時間(休憩時間は含まない)です。高度の関係で酸素も薄くなり休憩が必要になりますので実際の所要時間はもう少しかかります。
富士宮ルートの山小屋情報
富士宮ルートの山小屋ですが、五合目のレストハウスと山頂の頂上富士館を含め9ケ所あります。自分の登山計画にあった山小屋を利用しましょう。宿泊の際は事前予約が必要です。
山小屋を使用するには?
富士山の山小屋は仮眠を取るための簡易宿泊所です。設備は必要最低限なのでエアコン、お風呂、シャワーなどはありません。山小屋では水は貴重な資源なので手洗いや洗面の水もありません。寝室は基本男女混合でスペースも横になれるギリギリです。
富士宮ルート各地点の山小屋はこちら!
富士宮ルートの各地点には、8つの山小屋があります。事前に把握していることで、安心できるでしょう。それでは山小屋をご紹介します。
五合目:五合目レストハウス
五合目レストハウスはトイレ、食堂、売店、登山用品レンタル等が入った登山の起点となる施設です。天気が良ければ展望台から山頂、駿河湾も見えますが曇っていることが多いです。
住所 | 静岡県富士宮口新五合目 |
電話番号 | 0544-22-2230 |
六合目:雲海荘、宝永山荘
六合目には雲海荘と宝永山荘があります。標高がまだ高くないので、どちらかというと食事と休憩がメインになっています。もちろん宿泊可能です。営業期間が10月中旬までと長く、夏は富士山頂を目指す登山客と宝永遊歩道を歩く観光客で賑わっています。
名称 | 雲海荘 |
住所 | 富士山表口新六合目 |
電話番号 | 090-2618-2231 |
名称 | 宝永山荘 |
住所 | 富士山表口新六合目 |
電話番号 | 090-7607-2232 |
新七合目:御来光山荘
新七合目御来光山荘は五合目から所要時間約1時間30分の位置にあり、富士宮ルートの3分の1辺りにあります。頂上に行く自身のない人はここからご来光を見ることができます。山小屋は家族経営で売店には自家製の野菜やお米を使った料理も提供されます。宿泊は個室もあります。
住所 | 富士山表口新七合目 |
電話番号 | 090-4083-2233 |
元祖七合目:山口山荘
富士山表口元祖七合目山口山荘は五合目から所要時間約2時間、富士宮ルートのちょうど真ん中の標高3010mになります。昔ながらの石に囲まれた山小屋です。客室前の通路に設置した物干し台に宿泊用赤いの布団が干されています。
住所 | 富士山表口元祖七合目 |
電話番号 | 090-7022-2234 |
八合目:池田館
池田館は五合目から所要時間約3時間、標高は3250mに位置し、天気によっては影富士が見えます。宿床は寝袋が用意されていて二段ベットになっています。
住所 | 富士山表口八合目 |
電話番号 | 090-2772-2235 |
九合目:万年雪山荘
万年雪山荘は頂上まで約1時間の所に位置し、御来光を見ることもできます。食堂が午前2時から営業しています。寝床は1部屋4名から12名の全室カーテンで仕切られた個室です。少人数の場合は相部屋になる可能性があります。
住所 | 富士山表口九合目 |
電話番号 | 090-7025-2236 |
九合五勺:胸突山荘
胸突山荘は標高3590m地点にある山小屋で、山頂を除く山小屋としては富士山の四つのルートで最も標高の高い山小屋です。部屋は大部屋と最大7人収容のグループ部屋があります。売店は外からの窓からも買えるようになっており、宿泊者以外にも温かい食べ物を提供してます。
住所 | 富士山表口九合五勺 |
電話番号 | 090-7300-2237 |
山頂:頂上富士館
富士宮ルート、御殿場口ルート側の山頂にある山小屋「頂上富士館」は日本一標高の高い山小屋です。食堂や売店があります。宿泊も可能です。御来光スポットで知られる駒ケ岳が目の前に見れるので美しい御来光を見ることができます。
住所 | 静岡県富士市富士宮口頂上 |
電話番号 | 0550-84-3512 |
富士宮ルートでの注意点
富士宮ルートの注意点は、登りルートと下りルートが同じなので混雑時は譲り合いが必要です。原則は登りが優先です。距離が短いですが、岩場をひたすら登るルートなので転倒すると怪我の恐れが高いです。道幅がかなり狭い場所もあるので注意が必要です。
登山口で2300mとすでに標高が高い状態です。また短い距離で高度が上がる為、高山病に気を付けましょう。ハイペースで登ると危険です。スローペースで徐々に体を慣らして行きましょう。
登山道は混雑に注意!
富士宮ルートには特に7月中旬以降から週末、お盆の時期に大変混雑し、混雑中の登山は落石による怪我のリスクが高まります。また自分のペースで歩いたり、休憩することが難しくなる場合もありますので、できる限り混雑時間帯を避けた登山計画をおすすめします。
御来光時に合わせて山頂直下では混雑が発生します。夜間には八合目から頂上に到達するまでなかなか前に進めず、日中の2倍の時間がかかることが予想されますので、余裕がある登山計画を立てましょう。
トイレの利用方法を確認
富士山はかつて浸透放流式の垂れ流しだった為、白い川となって残されました。平成9年頃からトイレの改良が行われ、平成18年にはほぼ全てのトイレがバイオ式による環境にやさしい自己完結型になりました。
富士山のトイレへのゴミの投入は絶対に禁止です。使用済みのトイレットペーパーは備え付けのゴミ箱に捨てましょう。トイレを使用する際には100円から300円程度の協力金をお願いします。
事前準備をしっかりして富士宮ルートに挑戦してみよう
富士宮ルートは決して楽な登山ルートではありません。山頂は酸素も薄く気温も低い為、万全な準備と無理のない登山計画を立てましょう。
富士宮ルートは距離が短いのですが、初心者による弾丸登山などは短時間で高度をあげるので高山病のリスクがあります。途中で一泊するゆとりのある安全な計画を立て、安全な登山を楽しみましょう。