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スペイン料理やアルコールの香料に使われるアニス
アニスとはセリ科の一年草で、古くから香料や薬草として使われてきたハーブになります。アニスの原産地はアナトリア半島・ギリシア・エジプトなどの地中海の東部地域になっています。アニスは花が開花する時期には高さが50センチメートルほどまで成長するようになっています。
アニスの果実は香辛料として使われることが多く、西洋茴香と記述されることもあります。果実は5ミリメートルほどのサイズで、2つに結合された心皮から形成されており、強い香りを持っているのがアニスの特徴です。
使い方や特徴をご紹介
アニスはスペイン料理やアルコールの香料などに使われることが多くあり、料理以外にもお菓子にも使うことができます。今回の記事では、古くから伝わるハーブ・アニスの特徴やおすすめの使い方などについて詳しく解説していきます。
アニスってどんなハーブなの?
まずはアニスはどのようなハーブなのかを見ていきましょう。アニスの歴史や特徴などについて、詳しく説明していきます。
世界でもっとも歴史の古いスパイスの1つ
アニスは古代のエジプトでミイラの作成の際に、臭いを消す方法の1つとして使われていた記録もある、世界最古のスパイスの1つとしても知られています。
世界最古のスパイスといわれているのは、エジプトの最古の医薬書であるエーベルス・パピルスにアニスの名称が記述されていることから、古代のエジプトではすでに効能などについて知られており使われていたハーブになります。
アニスは古代のエジプトだけでなく古代のギリシャ時代にも使用されていた記述があります。古代ギリシャ時代においては、薬草として使われており胃もたれを解消する役割や健胃剤としてだけでなく、駆虫剤・去痰剤・歯磨き粉の成分など幅広い分野で使用されていた記録があります。
アニスの栽培は9世紀ごろから、ヨーロッパの初代神聖ローマ皇帝ともみなされているカール大帝が、各地に設置した香料植物園で栽培が始まっています。ヨーロッパで栽培が普及したアニスですが、イギリスでは原産地から遠いこともあり栽培が普及せず輸入されていました。
13世紀ごろからイギリスでもアニスの栽培が始まりましたが、当初は修道院でしか栽培されておらず、希少性の高いハーブとして1305年にはロンドン橋をアニスを乗せた積み荷が通過する際には特別な税金をかけ、ロンドン橋の修繕費などに税金が使用されていました。
一時はイギリスで希少性の高いアニスでしたが、エジプトから種子が手に入るようになると15世紀から一般家庭でも栽培が始まるようになりました。
16世紀に著されているイギリスの本草書・バンクスの本草書において、アニスは肝臓の機能停止を防ぎ、ガスの排出を促し体液の流れを促進すると記述されています。
他にもアニスを持っていれば邪視による災難を防ぐことができるなど、薬草としてだけでなく魔除けの効能も持ち合わせていると伝えられていました。
個性的な甘い香味が特徴
アニスは、ほのかな甘さのある個性的な香りが特徴のハーブで、アニスの香りの主成分であるアネトールから出されています。アネトールの成分が入っているのはアニス以外にフェンネルシード・甘草があり、フェンネルシード・甘草もアニスと似たような甘い香りがします。
なお、シキミ科であるスターアニスにも、アニスと同じアネトールが含まれており名称もスターアニスとなっておりアニスと似たような香りがしますが、アニスと植物学上の類縁関係はありません。
スターアニスは、アニスと香りが似ておりアニスより安価で取引されているため、アニスの代用品として使われることがあります。
風味づけに使われることが多い
アニスは料理に使うスパイスよりも、水で割ると白濁になるギリシャのウゾや南フランスのペルノーなどアルコールの風味付けに使われたり、お菓子などの調理段階で使われることが多くあります。
お菓子では焼き菓子の風味付けとしてホールのままやすり潰してパウダー状にして振りかけて使うことがあります。なおアニスはパウダー状にすると香料が飛びやすくなってしまう傾向がありますので、使うときにすり潰すようにするのがおすすめです。
お菓子ではクッキーやケーキなどに香りづけで入れることが多く、甘い独特な香りが好む人もいます。他にもチーズやフルーツの砂糖漬けにする際の風味付けとして、好んで使う場合もあります。
料理のスパイスとしては中近東などでスープ・煮込み料理・パン・シチュー・スペイン料理の魚のブイヨンなどスペイン料理にはスパイスとして利用されることもあります。
アニスで作られたアニス油は、キュラソー・ベネディクティン・アブサンなどアルコールリキュールの香料の1つとしても使われています。
アニスを使ったおすすめ料理
続いてアニスを使ったおすすめの料理を紹介していきます。アニスの香料を活かしたおすすめの料理を使い方も含めて2つ見ていきましょう。
「スペイン風スペアリブ」
1つ目に紹介するアニスを使ったおすすめの料理は「スペイン風スペアリブ」になります。用意するものは、通常のスペアリブ料理に加えてオレンジアニスソースの材料が必要になります。
オレンジアニスソースは、1/2三温糖・塩・オレンジ果汁・アニス・シナモン・醤油・バターになります。スペアリブは焼くところまでは通常のスペアリブの作り方と一緒です。
オレンジアニスソースは、醤油・バター以外の材料を強火で煮詰めて、煮詰め終わったら弱火にして醤油・バターを入れましょう。バターが全て溶けたら火を止めたら、焼き上げたスペアリブに作ったオレンジアニスソースをかけると、スペイン風スペアリブの完成です。
なお、オレンジ果汁は100%のオレンジジュースでも代用できます。オレンジアニスソース以外にも、トマトと一緒にアニスを煮込みスペアリブと絡めるレシピもありトマトの酸味とアニスの甘い風味のコラボを楽しむこともできます。
「スパイスカレー」
アニスを使ったおすすめの料理2つ目は「スパイスカレー」になります。今回は鶏もも肉を使ったスパイスカレーを紹介します。アニスの使い方はホールタイプで作るのがおすすめです。鶏もも肉・タマネギ・トマト缶を用意しましょう。
スパイスはホールタイプとパウダータイプを使い分けます。ホールタイプのスパイスはクミン・ブラックペッパー・アニス・ローリエになります。パウダータイプのスパイスはカレー粉・シナモンの他にコリアンダーなどお好みの香辛料を用意しましょう。
鶏もも肉などを食べやすいサイズにカットします。鍋に油をひいてホールタイプのスパイスを全て入れ中火で炒めたらタマネギを入れて塩を少し入れます。
タマネギを全体に馴染ませたら鶏肉とトマト缶を入れて蓋をして鶏肉が柔らかくなるまで煮込みます。最後にパウダータイプのスパイスを入れて全体に馴染ませると完成です。
アニスを使ったおすすめお菓子
最後にアニスを使ったおすすめのお菓子を紹介していきます。お菓子の風味付けとして使われることが多いアニスを使ったおすすめのお菓子やアニスの使い方を見ていきましょう。
「パウンドケーキ」
アニスを使ったおすすめのお菓子1つ目は「パウンドケーキ」になります。材料は無塩バター・白糖・卵・ベーキングパウダー・薄力粉になります。なお薄力粉がない場合はホットケーキミックスで代用できます。ホットケーキミックスを使う場合、ベーキングパウダーは不要です。
アニスの使い方はホールタイプを使いましょう。無塩バターと白糖を混ぜて白っぽくなるまで混ぜ、卵を数回に分けて入れていきます。
薄力粉・ベーキングパウダー・アニスを入れて粉っぽさがなくなるまで混ぜ型に入れて焼き上げると、アニスの甘い香りが広がるパウンドケーキが完成します。
「ベラベッカ」
2つ目に紹介するアニスを使ったおすすめのお菓子は「ベラベッカ」です。ベラベッカはフランスの地方でクリスマスの時期に食られているお菓子です。生地・フィリング・飾り用の材料が必要です。アニスはフィリングで使います。
生地の材料は強力粉・ブラウンシュガー・顆粒の塩・ドライイースト・無塩バターです。フィリングの材料はセミドライポワール・キルシュワッサー・漬け込みようのフルーツ・漬け込みようのアニス・ホールアニスです。
お好みでクルミなども用意しましょう。ベラベッカは漬け込みの作業などがありますので、前日から準備が必要です。セミドライポワールを適当なサイズに切りアニスと一緒にキルシュワッサーに一晩漬けこみます。
生地を作る際は、無塩バター以外の材料をボウルに入れ水を注ぎ混ぜ合わせ最後に無塩バターを入れます。生地を綺麗に丸めたらラップで包み、30度ぐらいの場所で30分ほど発酵させます。
フルーツ類を用意してホールのアニスやクルミなど入れて混ぜ、発酵が完了した生地を少しずつ千切って入れていきます。食べやすいサイズに分けて焼きましょう。シロップは水とグラニュー糖で作ることができますので、焼きあがったベラベッカにかけると完成します。
アニスは煮込み料理やお菓子作りにおすすめ
アニスの特徴的な香料やおすすめの使い方について紹介してきました。アニスは古くから使われているハーブで、スペイン料理やお菓子・リキュールの風味付けで使われています。アニスを使って美味しい料理やお菓子を作ってみてはいかがでしょうか。