世界遺産・白神山地観光の見どころをご紹介!おすすめの散策コースもチェック

世界遺産・白神山地観光の見どころをご紹介!おすすめの散策コースもチェック

近年、観光地として人気の白神山地は、秋田県と青森県にまたがる約13万ヘクタールの広大な山地で、世界最大級のブナ原生林を中心とする貴重な生態系が世界遺産(自然遺産)に指定されています。白神山地の見どころの観光スポットやおすすめの散策コースをチェックしましょう。

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記事の目次

  1. 1.「白神山地」ってどんなところ?
  2. 2.白神山地観光のおすすめ散策コース
  3. 3.白神山地観光のおすすめ登山コース
  4. 4.白神山地観光をするなら入山マナーにも注意
  5. 5.白神山地観光での注意点
  6. 6.白神山地を観光して日本の自然の美しさに触れよう

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「白神山地」ってどんなところ?

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「白神山地」は、秋田県と青森県にまたがる約13万ヘクタールの広大な山地で、世界最大級のブナ原生林で覆われています。現在は、このブナ原生林を中心とする生態系が世界遺産(自然遺産)に指定されていますが、少し、白神山地の歴史を見てみましょう。

戦前までは、ブナ材は秋田スギや青森ヒバなど他の木材に比べて利用価値が低かったため需要は少なく、白神山地で大規模な伐採は行われませんでした。そのため、白神山地も開発は進まず、大部分が原生林として残されてきました。

ところが、戦後はブナ材利用の技術革新が進み、楽器などの材料として広く使えるようになりました。1982年には白神山地でもブナ材伐採のための林道建設工事が始まりました。

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しかし、高度経済成長も一息ついて、自然保護が強調されてきた時代だったこともあり、大反対運動が起こり林道の建設は撤回されました。時代の変化がブナの大原生林を救ったのです。

白神山地は近年のエコツーリズムの影響もあり、自然遺産の観光地として有名になりましたが、白神山地は猟を生業として独自の文化を育んできたマタギのホームグラウンドでもあります。白神山地にはブナ林や自然だけではなく、人間の文化も存在しているのです。

世界自然遺産に指定され、重ねて国指定鳥獣保護区に指定されたため狩猟は困難になりマタギの文化は消え去ろうとしていますが、白神山地のブナ原生林の中に独自の文化があったということも、忘れてはならない大切なことです。

世界遺産に認められた魅力とは

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世界遺産とは1972年にユネスコで採択された世界遺産条約に基づくもので、観光の重要なチェックポイントともなります。

日本は世界遺産に関していくつかの問題があり、1992年に主要国からは大きく遅れたものの125番目の締結国となりました。翌1993年、白神山地は世界遺産(自然遺産)に選定、登録されました。

白神山地が世界遺産(自然遺産)に選定された理由は、東京23区の2倍程度の面積を持つ世界最大級のブナ原生林に、多種多様な動植物が存在する貴重な生態系が認められたもので、全地球的に見ても白神山地は非常に重要であると評価されています。

白神山地観光のおすすめ散策コース

Photo byPexels

世界遺産・白神山地は、核心地域と緩衝地域に区分されています。核心地域は保全のため入山規制があり、観光で立ち入るのが難しい地域もあります。

しかし、緩衝地域やその周辺には、白神山地の自然を体感できる見どころ一杯の散策コースがいくつも設定されています。世界遺産を観光するための、おすすめのコースをチェックしてみましょう。

世界遺産を堪能しよう「世界遺産の径ブナ林散策道」

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「世界遺産の径ブナ林散策道」は、「アクアグリーンビレッジANMON」(冬季は休業です。)がスタート地点です。

長さ2キロメートル、1.5時間ほどで周回できる明るいブナ林が見どころの白神山地でおすすめのコースです。ショートカットもありコースの半分ほどを回ってチェックし、戻ってくることもできます。

世界遺産の径ブナ林散策道は、次に紹介する暗門渓谷ルートと近接しており、暗門渓谷ルートへの抜け道もあります。歩道は整備されていて初心者向けのコースでもあります。なお、アクアグリーンビレッジANMON、津軽峠へは弘前駅から弘南バスで直通バスが出ています。

人気のスポット「暗門渓谷ルート」

Photo bymorfar

「暗門渓谷ルート」はアクアグリーンビレッジANMONをスタートして、暗門川に沿った遊歩道をさかのぼる片道約2.6キロのルートで、手前から第三の滝(落差42メートル)、第二の滝(落差37メートル)、第一の滝(落差26メートル)とたどることができます。

第二の滝までは、川の横断が必要な場所に歩み板を設置するなど歩道として整備されていますが、第二の滝より上流側は歩道として管理を行っていないため、上級者向けのルートとなっています。

いずれの滝も迫力満点で、白神山地の見どころ満載のおすすめポイントです。なお、落石があるためヘルメット着用、および、通行届の提出も義務づけられています。

自然のままのブナ林を楽しめる「ブナ遺伝資源保存林」

Photo by tsukunepapa

「ブナ遺伝資源保存林」は、白神ライン(山道)の赤石大橋北側にある、1988年に日本海型ブナの遺伝資源を保存するために指定された18.13 ヘクタールの区域です。

白神山地の世界自然遺産の登録地域からは外れていますが、見どころは人為の影響の見られない良好なブナ林で、ブナの一生における各世代の変遷を観察できます。

コースは、アップダウンの少ない1.6キロの周回型で、所要約1時間です。歩道としてはあまり整備されていません。道に迷わないように地図をよくチェックしておきましょう。

樹齢400年!「マザーツリー」

Photo by Kabacchi

津軽峠近くの「マザーツリー」は、樹齢400年を超えると言われるブナの巨木でしたが、2018年9月の台風21号の強風で幹の中央部・地上9メートル付近でぽっきりと折れてしまいました。

しかし、営林署が保全処置を行い2019年には、再び、残った幹から発芽して生きていることが確認され、マザーツリーの復活も期待できるようになりました。

今後は、地上に落ちた部分もそのまま移動せず朽ちるにまかせ、自然の推移を学習する場として活用するということです。これまでどおり見学できるので、見どころとしてチェックしておきたいポイントです。駐車場から300メートルの散策では白神山地の林床植物を楽しめます。

日本の滝百選の景色「くろくまの滝コース」

Photo by Dick Thomas Johnson

赤石川の支流に位置する「くろくまの滝」は日本の滝百選にも選定されている観光におすすめの名瀑です。落差85メートルというスケールと四季を通じ豊富な水量が見どころで、観音様が手を合わせているように見える、白神山地の中でも美しく品のある滝です。

駐車場から滝までのブナやミズナラの白神山地の自然林に覆われた歩道は徒歩15分かかりますが、滝の飛沫で濡れることや、足元が滑ることがあるので注意が必要です。

白神山地観光の見どころ満載「十二湖散策コース」

Photo by ume-y

世界遺産・白神山地の数ある散策コースの中でも一番のおすすめは、高低差が少なく散策路も整備されている「十二湖散策コース」で、最も歩きやすく人気を集めています。

十二湖は宝永年間に起った大地震で白神山地の地盤が変形して形成されました。池の数は、実際には12ではなく33あります。近接する崩(くずれ)山の中腹に位置する大崩(おおくずれ)展望所からは33も見えずに大きな池が12だけ見えたことから十二湖と名づけられました。

33湖すべてをめぐるコースもありますが、おすすめは、起伏が少なく、軽装・スニーカーで手軽に歩くことができる、次にあげる見どころを順にたどるコースです。1時間30分ほどで一周できます。

Photo bymbll

「森の物産館キョロロ」は、 拠点となります。地元の物産販売、軽食コーナー、トイレ、有料駐車場などが利用できます。冬季は休業となりますので、休業前に訪れましょう。

「鶏頭場(けとば)の池」は、鶏の頭に形が似ていることから名づけられました。「崩山」を背にした澄みきった水面は白神山地でチェックしておきたいビューポイントです。

「青池」は、このコースいちばんの見どころで、青が基調の澄んだ水面に、周囲のブナの木々が鏡のように映り、水底にはいつ時代のものとも知れない倒木が横たわる白神山地の神秘の光景を堪能できます。

Photo byPexels

「沸壺(わきつぼ)の池」は、青池と同様に青く澄み、透明度の高さが人気です。源泉の「沸壷池の清水」(わきつぼいけのみず)は環境省選定の平成の名水百選に選ばれています。

「十二湖庵」では、「沸壷池の清水」を使った抹茶と干菓子がおすすめで無料でいただけます。「こころざし」という箱も設置してあり、心付けとして少額をいれることも可能です。冬季は休業となります。

「落口(おちくち)の池」は、白神山地の紅葉の有名スポットとしてチェックしておきましょう。十二湖庵の前にあります。座って抹茶をいただきながら落口の池を見ることができ、優雅な時間を過ごすことができます。

白神山地観光のおすすめ登山コース

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白神山地観光の代表的な登山コースをご紹介します。散策路ではない登山路になるので、本格的な装備が必要となります。

見晴らし最高!「高倉森自然観察歩道」

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「高倉森自然観察歩道」は、津軽峠(標高650メートル)を起点に高倉森(標高829メートル)を経て、アクアグリーンビレッジ ANMON(標高240メートル)までをむすぶ約5.6キロメートル、4~5時間を要する上級者向きのルートです。

見晴らしの良いスポットも多いので遠方の景色もチェックできます。遊歩道といっても先に紹介した散策路とは違いアップダウンが多く、トレッキングの十分な装備が必要です。

高倉森を過ぎると、起点近くのマザーツリーに対比したファーザーツリーというブナの巨木があり、これを過ぎると急勾配の下りになるため、ファーザーツリーから津軽峠に引き返す往復コースがおすすめです。

白神岳登山道

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白神岳登山道には5つのルートが設けられていますが、ここでは観光客に人気の代表的なルートを2つご紹介します。

登山経験者向け「マテ山コース」

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「マテ(蟶)山コース」は、白神岳への登山で一番ポピュラーなコースです。白神岳登山口の駐車場(標高200メートル)を起点として、白神岳(標高1232メートル)まで往復13キロメートル、登りで5時間程度かかります。危険箇所は特になく観光にも歩きやすい登山道です。

スタートしてしばらくは、昔の伐採の影響で青森ヒバが多数見られますが、やがてブナが増えてきます。相当の間は視界のあまりないブナ林の中を進みますが、十二湖分岐に達する前に尾根道となり白神山地の視界が開けてきます。

山頂には避難小屋とトイレがあり、日本海や男鹿半島など見どころも多いおすすめのパノラマ風景が堪能できます。

青池を楽しみながら「十二湖コース」

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「十二湖コース」では、手軽に楽しめる、大崩往復ルートがおすすめです。往復4.6キロメートル、登り2.5時間で大崩まで往復するコースです。大崩から見えるブナ林の中に散在する十二湖は、白神山地でもぜひチェックしておきたいポイントです。

本来の「十二湖コース」は、十二湖の青池を起点とし大崩・崩山・大峰岳を経由、マテ山コースと合流して白神岳山頂へ達するコースです。標高差約1000メートル、片道8時間です。

その上、アップダウンも多く、上級者向きのコースです。最近では、前述のマテ山コースで白神岳山頂に上り、下山路として十二湖コースを通るという使い方が一般に多くなっています。近年は、白神山地の登山道の手入れが少なくなり、荒れてきているので注意が必要です。

白神山地観光をするなら入山マナーにも注意

フリー写真素材ぱくたそ

白神山地・世界遺産地域の核心地域では自然環境の保全が最優先とされているので、立ち入ろうとする観光客には守るべき規則があります。ここでは代表的な規則をチェックしてみましょう。

ルートは外れない

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特に核心地域は自然のまま残すという方針で、白神山地で道の整備は行なわれなくなりました。人が安全に通行できるとされた道は限られています。また、通行が許された道でも危険箇所があり、怪我をしないため常に気を引き締めていることが大切です。

ルートを外れると思わぬ事故に遭遇することもあります。きちんとルートを守って楽しく登山をしましょう。

守られている環境を大切に

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白神山地の植物を採取することや踏み荒らすこと、ペットを連れて来ることは禁止されています。ゴミはすべて持ち帰らなければなりません。また、世界遺産地域は全域禁漁区に指定されているので魚を釣ることも禁止となっています。

白神山地観光での注意点

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白神山地の観光では、入山料や入山届が必要な場合や入山期間が限られている場合があります。その例を見てみましょう。

遊山道では入山料が必要

Photo byKanenori

「白神の森 遊山道」は世界自然遺産登録地域の外に位置しながら、白神山地の貴重な植生が残っていることから保健保安林に指定され、森林景観を体感できるスポットとして活用されています。

この森の中にある道は、遊山道と呼ばれています。入山料金は、一般・高校生は500円、小・中学生は400円、幼児は無料となっています。

入山届が必要な区域も

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白神山地・世界遺産地域の青森県側の核心地域では、既存の歩道、および、27の指定ルートを利用する登山については入山届出書を関係機関へ提出し申請します。観光客など入山する人は届出書の写し等を携帯のうえ入山し、関係機関の求めに応じ提示することとなっています。

入山期間をチェック

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白神の森 遊山道では入山期間は、4月20日から9月30日までは9:00~16:00(下山時間 16:30まで)、10月1日から10月31日までは9:00~15:00(下山時間 15:30まで)、これ以外の期日は冬季で休業となっています。

白神山地を観光して日本の自然の美しさに触れよう

Photo byKanenori

世界遺産、白神山地をご紹介しましたがいかがでしたか?せっかく生き残り観光資源となったブナ林なので是非、活用したいものです。

この記事ではブナ林と親しみを持てる代表的なルートをご紹介しましたが、是非とも手軽なコースを選んで実際に行くことをおすすめします。自然界の圧倒的な迫力を感じることができるでしょう。

uzimodo
ライター

uzimodo

世の中では何でもできる多能工という働き方が重視されています。同様にライターとしても仕事があれば幅広い分野に対応できるように勉強し、何でもよく調べてわかりやすい記事を書くようにしています。特に興味を持っている分野は自然言語処理やAIのテクノロジー方面です。

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