「鹿島鉄道」廃線跡を巡る旅!森の中の廃墟駅・記念館など人気の見どころいっぱい

「鹿島鉄道」廃線跡を巡る旅!森の中の廃墟駅・記念館など人気の見どころいっぱい

茨城を走った鹿島鉄道は、かつて17駅を結ぶ地域に愛される鐵道でした。2007年の廃線後も、廃線跡巡りや記念館での車両保存などで愛され続けています。今回は鹿島鉄道の駅跡や保存会について詳しくご紹介します。きっと鹿島鉄道を見に行きたくなるはずです。

本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています

記事の目次

  1. 1.鹿島鉄道とは?
  2. 2.鹿島鉄道の廃線駅を巡る3つのスポット
  3. 3.鹿島鉄道で走っていた車両とは
  4. 4.鹿島鉄道記念館には他の保存車両も!
  5. 5.鹿島鉄道を守る保存会とは?
  6. 6.鹿島鉄道の廃線跡を路線図を見ながら巡ろう!

店舗や施設の営業状況やサービス内容が変更となっている場合がありますので、各店舗・施設の最新の公式情報をご確認ください。

鹿島鉄道とは?

Photo byMichaelGaida

鹿島鉄道とは、茨城県の石岡駅 から鉾田駅の17駅を走る鉄道のことです。2007年に廃線となってからも、保存会による廃線跡巡りや記念館での車両の保存、DVDの発売など様々な形で愛され続けています。

今回はそんな愛されるローカル線、鹿島鉄道についてご紹介します。茨城の鉄道ならではの良さが沢山あります。きっと鹿島鉄道の廃線跡を一眼見に、路線図片手に茨城まで足を運びたくなるはずです。

DVDでも多数残されている

Photo byDS-Foto

廃線が決定した鹿島鉄道について、いくつものDVDが発売されました。DVDには往復の前面展望など、今はもう見ることができない電車からの景色も収録されています。

廃線時に発売されたDVDは「さよなら鹿島鉄道」というタイトルでした。このDVDではKR502の車両を使用し、路線図の端から端までを往復しています。今はもうみることのできない景色が満載です。

他にも、「ありがとう鹿島鉄道」などのDVDをみると、乗ったことのない鹿島鉄道にも愛着が湧いてきます。実際に足を運ぶ前に、DVDでかつて活躍していた時代の鹿島鉄道を目に焼き付けるのもオススメです。

鹿島鉄道の廃線駅を巡る3つのスポット

Photo byCouleur

鉄道が廃線となってしまうと、必然的にその路線沿いの駅も使われなくなってしまいます。しかし、そのような廃線跡も今は観光地として盛り上がっています。鹿島鉄道線沿いの駅も、趣があり鉄道好きにも、そうでない人にも人気です。

廃墟巡りに代わって、注目される廃線跡巡りとして今回は「小川高校下駅跡」「八木蒔駅跡」「坂戸駅跡」の人気の3つの駅を紹介します。少し変わった立地にあるので、探検気分で巡ることができます。

Photo byHermann

実際に廃線跡に訪れる前に、鹿島鉄道の路線図を手に入れることをオススメします。路線図を見ながら車や徒歩でその土地を巡ることで、より鉄道の雰囲気を感じることができるからです。

DVDや写真を見て、路線図を手に入れれば準備完了です。東京から日帰りでも行ける鹿島鉄道廃線跡巡りの旅が始まります。電車であれば、JR常磐線で鹿島鉄道の始発駅だった石岡駅に向かいます。

学生で賑わっていた「小川高校下駅跡」

Photo by : : Ys [waiz] : :

路線図を手にしてバスに乗り、まずは小川高校下駅跡に向かいましょう。小川高校下駅は、霞ヶ浦という湖沿いにあります。鹿島鉄道が霞ヶ浦に出る、直前の駅です。

「未来へ走れ!鹿島鉄道」と壁に書かれているのが印象的で、田んぼの中にポツンと建っているのが小川高校下駅跡です。名前からもわかるように、現在は廃校となってしまった小川高校の最寄駅でした。

駅とわかるような駅名の看板や信号機などは、残念ながら取り外されてしまっていますが、地元の小学生たちが書いた壁の文字が駅がどれだけ愛されていたかを物語っています。

Photo by misijp

かつてこの駅から先は漁業等で栄えていました。しかし、鹿島鉄道が廃線となった今では、その賑わい少なくはなり、村が広がっているだけです。しかし村と廃線跡にも風情があると、今話題になっています。

都会にいるとなかなか感じることのできない田舎の雰囲気や、茨城ならではの空気を感じるためにも訪れる価値はあります。廃駅跡をみるだけではなく、その近くの町の雰囲気も感じることが醍醐味です。

住所 茨城県小美玉市小川
電話番号

森の中にある廃墟駅「八木蒔駅跡」

Photo byMonikaP

八木蒔駅跡は、落ち葉が絨毯のように落ちている林道の中にあります。一見、駅があったようには見えない廃線跡ですが、しっかりとコンクリートのプラットホームは残っています。

近くには集落があり、そこから県道に出るまでの間にあります。この集落の人たちが八木蒔駅を利用していたと考えられますが、今では廃屋が多くなってしまっているという現状です。

ほとんどの廃駅は開放的な場所にある一方で、八木蒔駅は他のどの駅とも違う山奥にあります。車窓から見ると湖畔からの景色が一変し、森の中を走るので、飽きない景色だったと考えられます。

住所 茨城県行方市八木蒔
電話番号

雑木林の中に佇む廃墟駅「坂戸駅跡」

フリー写真素材ぱくたそ

路線図を見て、終点駅の一つ手前である坂戸駅跡も森の中にあります。こちらも集落の中に佇む駅で、看板などはなくコンクリートのプラットフォームだけが残されています。竹藪の中に線路も残っています。

狭い住宅地の間の道を抜け、道無き道を歩き続けると辿り着くことができます。本当に駅があるのか不安になってしまうような道ですが、廃線跡に着くと小屋のような木造の待合室が出迎えてくれます。

もともと坂戸駅は無人駅だったので、当時利用していた人から見ても廃駅となった今でも景色はあまり変わりません。そういった意味でも、当時の様子を感じられる駅の一つです。

住所 茨城県鉾田市当間2292
電話番号

フリー写真素材ぱくたそ

この3つの駅以外にも、廃駅として魅力的な駅は沢山あります。路線図を見ながら、最終駅まで巡ってみるのも、この廃駅巡りの醍醐味です。坂戸駅から一駅分進めば、終点鉾田駅に到着します。

鹿島鉄道は石岡駅から出発し、小川高校下駅の先で霞ヶ浦の湖畔を通ります。そして切り通しや山の中を通って鉾田駅に到着する鉄道です。

たった17駅だと思うかもしれませんが、その17駅の間には茨城の自然を存分に感じることができる様々な景色がありました。山の自然から、湖の美しさまで日常的に感じることができる鉄道でした。

鹿島鉄道で走っていた車両とは

Photo by ume-y

ここまでは廃線跡についてご紹介してきましたが、ここからはメインである、廃駅を通っていた、廃車となってしまった鹿島鉄道の車両についてご紹介します。DVDにも登場する鹿島鉄道を代表する車両も、保存会の方々が大切に保管しています。

鹿島鉄道という一つの鉄道ではありますが、車両の形や特徴は様々でそこを好きになるファンの方々も多いです。そんな鹿島鉄道の車両を一つ一つ見ていきます。

一両編成のローカル線

Photo by tsuna72

まず鹿島鉄道自体、どのように運行されていたのかを説明します。現在主流とされているほとんどの電車とは、少し違う鉄道でした。

鹿島鉄道は、ワンマン運転の電車です。そのため、たった一両だけの車両で、乗る際にはバスに乗る時のように整理券を取ったり、料金箱にお金を入れます。今はあまりワンマン電車は見ないので、その車両を見るだけで新鮮な気持ちになります。

電車と言うよりはバスに近く、いくつもの集落を通過するため、気軽に乗れて交流の場にもなっていました。写真やDVDでみるよりも実際に車両を見ることで、地域の方々の愛を感じることができます。

はるるの郷裏に展示「キハ432」

Photo byDidgeman

先ほどご紹介した廃線跡「小川高校下駅」の近くにある介護事業所はるるの郷では、保存会の方々の協力により鹿島鉄道の車両の一つ「キハ432」が展示されています。

車両内は立ち入り禁止となっていますが、その周辺には車両について説明した看板が設置されていたり、外装が塗り直されていたりと引退してもなお愛され続けているのが伝わります。

住所 茨城県小美玉市小川1853-1
電話番号 0299-37-0015

ほっとパーク鉾田に展示「KR505」「キハ601」

Photo by Kentaro Ohno

路線図でいうと終点の鉾田駅周辺にある、プールやトレーニング施設を兼ね備えているほっとパーク鉾田でも、保存会の方々によって「KR505」と「キハ601」が向かい合わせに展示されています。

「KR505」は廃線までの間、鹿島鉄道の主力車両として活躍しました。「キハ601」も構造が古いため、勾配などには苦労したようですが、廃線まで走り続けた車両です。

ほっとパーク鉾田には鉾田駅や看板もある

Photo bybiancamentil

ほっとパーク鉾田には、車両の展示だけではなく、当時使われていた駅名の入った看板やベンチもそのまま展示されています。鹿島鉄道が現役だった頃を疑似体験できるようで、保存してあることにありがたみを感じます。

定期的に保存会の方々による車両内部も公開されるイベントが行われています。滅多にないチャンスなので、公開されるイベントが決定したら迷わずに行くべきです。

住所 茨城県鉾田市当間220
電話番号 0291-34-1211

鹿島鉄道記念館には他の保存車両も!

フリー写真素材ぱくたそ

鹿島鉄道記念館には保存会によって、「KR501」「キハ714」「キハ431」の車両が保存されています。しかし、車両は個人が所有されている為一般に公開するのは年に何回か日付が決められていますのでご注意ください。その為住所も非公開となっています。

展示されている3つのそれぞれの車両に、見た目だけでなく、ルーツなど様々な特徴があるのでひとつひとつご紹介していきます。車両ごとに深い歴史があるので、そういった視点で鹿島鉄道を見るのも面白いです。

「キハ431」「キハ714」「KR501」

Photo by tataquax

「キハ431」は記念館の中に入るとすぐに現れます。壁に沿うように車両が設置されているので、片方の面しか見ることができません。しかしその昔ながらの雰囲気に圧倒されること間違いなしです。

小型車両の為冷房を積むことができず、夏は運用を外れていました。オールロングシートの車両です。

フリー写真素材ぱくたそ

「キハ714」は北海道の夕張鉄道で活躍していた車両です。夕張鉄道の廃線後に、鹿島鉄道に移ってきました。今は保存会で大切に保管されている、とても歴史の長い車両です。

鹿島鉄道に来てから、転換クロスシートがオールロングシートになりました。扉が半手動である為、乗降車時に乗客が扉を開け閉めしなければならず、ワンマン化されなかった車両です。

フリー写真素材ぱくたそ

最後に「KR501」についてです。1989年に製造された鹿島鉄道最後の新型車両で、KR501、502、503、505の4両が製造されました。DVDにも登場した車両です。

2003年より、クリーム色にアイボリーと紫色のラインが入る塗装となりました。本形式のみ座席はボックスシートです。KR505は新撰組号として活躍するなど、新型車両でありながら沢山の活躍を見せた車両です。

今もまだ保存会に残されているのは、この記念館にあるKR501と先ほどご紹介したほっとパーク鉾田に保存されている505のみです。残念ながら、他の2両は廃線後に解体されてしまいました。

フリー写真素材ぱくたそ

保存会にある3つの車両とも、灯火類は点火される状態で保存されています。まだ車両が動き出しそうな雰囲気があり、現役のような状態で見ることができるので、鉄道好きにはたまらない場所です。

3種類の車両が同時に並んでいるところを、他の鉄道でも見る機会はあまりありません。しかしこの記念館では廃車となった車両を3つ同時に見ることができるので、見比べたりするのも楽しみの一つです。

玉里駅に設置された待合室

フリー写真素材ぱくたそ

記念館の中には3つの車両の他に、沢山の鹿島鉄道に関する資料の展示が行われています。その中でひときわ目立つのが、玉里駅に設置されていた待合室です。玉里駅は路線図を見ると、始発の石岡駅から4駅のところにあります。

廃線前の2005年に、地域の中学生や高校生によって玉里駅や小川高校下駅はカラフルにペイントされました。待合室が時に可愛らしくペイントされており、記念館の中でも存在感が強いです。赤や白を基調に、花も描かれているので写真映えすること間違いなしです。

住所 非公開
電話番号 非公開

ご説明した廃車や廃駅のルートを改めて説明します。まず、小川高校下駅跡に向かいます。その近くにある、はるるの郷では廃車や看板を見ることができます。「八木蒔駅跡」「坂戸駅跡」を見学し、終点の鉾田駅近くにあるほっとパーク鉾田で3車両を見学するというルートです。

鹿島鉄道を守る保存会とは?

Photo bycongerdesign

先ほどご紹介した記念館を管理しているのは、鹿島鉄道保存会の方々です。旧かしてつ応援団の方や、存続運動関係者など昔から鹿島鉄道を愛し続けている方々から構成されています。

その他にも、鉾田駅保存会などの団体もあります。多くの人に保存を望まれている鉄道ということがよくわかります。そして保存会が存在することにより、鹿島鉄道の人気を維持することができています。

保存展示など運営サポートを行う任意団体

Photo byrawpixel

保存会は記念館での資料や物品の保存や展示を行っている任意の団体です。この記念館で行われる公開イベントも、保存会の方々の個人の都合により特に決まった日取りはありません。

しかし年に1、2回鉄道ファン向けの事前予約制イベントが開催されることもあります。気になる方は保存会のホームページなどを確認してみてください。保存はしてありますが、それが一般に公開されるのはとてもレアなケースと言えます。

鹿島鉄道の廃線跡を路線図を見ながら巡ろう!

Photo bycocoparisienne

鹿島鉄道の廃車、廃駅跡についてご紹介しました。今まで鹿島鉄道について知らなかった方も、ぜひ一つの旅の目的として参考にしてみてください。茨城県の少し奥にある地域ではありますが、当時鹿島鉄道がどれだけ愛されていたかがわかるはずです。

ぜひDVDで予習をしてから、鹿島鉄道の路線図を片手に廃線跡巡りにチャレンジしてみてください。とてもローカルで、素敵な経験ができること間違いなしです。

noyama
ライター

noyama

花が好きなライターです。旅行、カメラにも興味あり。

こちらもいかがですか?

人気記事ランキング