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青山氏の後に城主を務めた松平氏は、徳川将軍家の分家のひとつで櫻井松平と称され、7代に渡り尼崎城の城主を務めました。尼崎城の11代目の城主である松平忠栄(ただなが)の代では、尼崎城の本丸御殿が全焼する事件がありました。
当時の尼崎藩は、財政難に陥っておて再建ができる状況ではなかったのですが、尼崎藩の窮地を知った村人達が再建費用の献金を行い、再建されました。尼崎藩へ日ごろの感謝を込めて献金が始まったとされており、尼崎藩が愛されていたことが伺い知れます。
尼崎城の最後の城主は櫻井忠興(ただおき)で、日本赤十字社の前身である博愛社の設立にいち早く賛同した人物です。西南戦争の際には、博愛社の創立に多額の資金を寄付したり、自ら鹿児島の戦地を視察したり、長崎の陸軍病院の治療活動にも携わった献身的に社会貢献をした城主でした。
1873年の廃城令により取り壊される
尼崎城は、1873年(明治6年)に明治政府が全国の城郭のうち軍用として残すもの以外を処分すべきものとし、尼崎城には廃城令が出されました。尼崎城は、廃城令が出て取り壊されるまでの約250年に渡り尼崎のシンボルとして建っていました。
旧ミドリ電化の創業者「安保詮」が再建
明治に取り壊された尼崎城でしたが、家電量販店の旧ミドリ電化(現エディオン)の創業者である安保詮(あぼあきら)氏が、会社の創業地に恩返しがしたいとの想いで、約12億円の私財を投じて尼崎城天守を建設し、尼崎市に寄贈しました。
再建には、尼崎の市民や尼崎を愛する人々も共鳴し、「一口城主」や「一枚瓦」などで寄付を募り、寄付額は約2億円にもなりました。尼崎城の再建には、様々なひとの尼崎市への愛がつまっています。
3月29日から一般公開
2018年11月30日に安保氏から尼崎市へ寄贈された後、尼崎市も城の敷地整備を行い、2019年3月29日から一般に公開されています。4層4階の大天守と2層の小天守がしっかりと再現されていて尼崎の人気の観光スポットになっています。
尼崎城の見どころ
歴史あふれる観光スポットとして復活した尼崎城には、尼崎の歴史を最新のVRで体験できるなど見どころがたくさんあります。尼崎城の1階は入城料無料となっていますが、床一面に尼崎の成り立ちや街並みを映した「尼崎空中さんぽ」が楽しめます。
2階から5階までの有料エリアには、各階に尼崎の歴史を楽しく体験できる見どころがあるのでそれぞれを詳しくご紹介します。
当時の外観を忠実に再建
復活した尼崎城の1番の見どころは、やはり江戸時代の建設当時の尼崎城の特徴である4層4階の大天守と2層の小天守が忠実に再建されている点です。江戸時代の人々も同じように建設されたお城を見ていたかと思うと歴史を身近に感じられます。
VRシアター
「VRシアター」は、尼崎城の2階にあります。幅約10mある巨大画面で、尼崎城の歴史を知ることが出来ます。VRは、CGを駆使した迫力満点の映像で、尼崎の歴史を語るのは尼崎市の人間国宝である桂米朝さんのご子息の落語家・桂米團治さんです。
400年前にタイムスリップ
「VRシアター」では、江戸時代の尼崎城や尼崎の城下町の賑わいぶりを楽しめます。江戸時代の浄瑠璃・歌舞伎作者の近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)が、当時の様子を情緒たっぷりに解説してくれます。「VRシアター」は約10分間あります。
なりきり体験ゾーン
「なりきり体験ゾーン」は、尼崎城の3階にあります。お姫様・忍者・兜(かぶと)&陣羽織・武士など江戸時代の歴史の登場人物になれるコスプレ体験ができます。広々とした空間に金の襖が8枚立てられていて豪華な背景の前で記念撮影できます。