店舗や施設の営業状況やサービス内容が変更となっている場合がありますので、各店舗・施設の最新の公式情報をご確認ください。
登山に人気の赤城山ってどんなところ?
赤城山(あかぎやま・あかぎさん)は、群馬県のほぼ真ん中に位置する山です。プレートの変動によってできた島弧(とうこ)型火山で、カルデラ湖を有する複成火山でもあります。
標高は1827.6mで、中央にはカルデラ湖の大沼に覚満淵(かくまんぶち)、火口湖の小沼があり、四季折々の風景が楽しめる絶景スポットとしても有名です。
さまざまな伝承・伝説が残る赤城山の東側には、関東一円に約300社の末社をもつ赤城神社があり、パワースポット・御朱印巡りとして多くの観光客が訪れます。
さらに関東有数の紅葉狩りスポットでもある赤城山は、紅葉シーズンになると紅葉狩りを楽しむ観光客でにぎわいます。特に赤城山の中腹にあるパノラマ展望台からの景色は絶景と評判で、赤城山観光の人気スポットです。
また赤城山は名前の由来が諸説あることでも知られています。中でも赤城山の「赤」という文字に関する由来が多いのですが、赤城山の「赤」は色ではなく水を意味するという説が有力です。
赤城山は「聖なる水」と呼ばれる湧き水が豊富な場所ですが、赤城山に限らず水が豊富な地名には古くから「あか」という言葉を使われています。
その証拠に平安時代には天皇に献上する水のことを、宮廷用語で「あか」といいました。さらに古くから日本と交流がある中国も、神様や皇帝などに献上する水を「あか」と呼んでいたといいます。
ちなみに赤城山にはパワースポットとして有名な赤城神社があるため、「神様に献上する聖なる水が湧く山=赤城山」とする説が最も有力と考えられています。
無理なく山頂を目指せる群馬県の百名山
「標高1800m級の山」というと初心者や家族登山にはハードルが高いように感じるかもしれませんが、標高1827.6mあるのは複数ある赤城山の1つ・黒槍山です。
赤城山は複成火山なので、「赤城山」と呼ばれる山があるわけではありません。1800m級の主峰・黒槍山を中心に駒ケ岳や地蔵岳、荒山、鈴ヶ岳など複数の山の総称として「赤城山」と呼びます。
しかも赤城山と称される山々にはそれぞれに違った個性があり、登山レベルや楽しみ方も山によって違います。
たとえば1800m級の黒槍山登山は、登山レベルが中級以上でなければ登頂するのは厳しいです。ところが登山レベルが中級以上になると、初心者や家族登山におすすめの山を登っても物足りなさがあります。
つまりいろいろな登山レベルのルートが存在する赤城山では、「初心者・家族登山向け登山コース」もあれば「中級以上におすすめの登山コース」もあるので、登山のレベルに合わせてルートを自由に設定できるのが最大の魅力なのです。
さらに初心者や子供連れの家族におすすめの理由には、移動の便利さも含まれます。赤城山の周辺には多くの観光スポットがあるため、大型観光バスも多いですし、ツアーに参加する観光客も多いです。
しかも赤城山は春の桜や秋の紅葉が有名なので、観光を兼ねてドライブを楽しむ人にも人気があります。そのため赤城山の登山口のすぐ近くには大型駐車場が完備されていますし、公共交通機関のアクセスも充実しています。
しかも東京都心から約100kmの位置にあるので、初心者・子供連れの家族でも、日帰りで無理なく登山が楽しめます。
これほど条件の揃った赤城山ですが、日本百名山にも選ばれている名山なので、登山客の中には写真愛好家の姿も多いですし、自然観察や森林浴を楽しむ人もいます。
もちろん初心者や小さな子供がいる場合は安全に気を付ける必要がありますが、本格的な装備がなくても無理なく登山ができるため、初心者・家族登山におすすめです。
赤城山の家族連れにおすすめの登山ルートはこちら!
行楽シーズンになると大人の登山客だけでなく、子供を連れた家族登山客の姿も多く見られるのが赤城山の特徴です。
初心者向けの登山ルートは子供でも安全に登山ができるように整備されていますし、なによりも豊かな自然の中を歩くので、登山をしながら自然観察ができます。そこで子供と一緒に登山ができる、家族連れにおすすめのルートを紹介します。
子連れで自然観察なら「覚満淵ルート」
子供と一緒に自然観察を楽しみたい家族連れにおすすめしたいのが、観光スポットにもなっている「覚満淵ルート」です。
覚満淵は赤城山の標高1360m地点にある湿原地帯で、高山植物やコケ植物の群生が見られる自然観察におすすめのスポットです。湿原の周囲は約800mありますが、子供でも安全に歩けるよう木道が整備されています。
コース上で珍しいコケ植物を観察するなら、覚満淵の北東がおすすめです。覚満淵の多くはヌマガヤで占められていますが、北東部はイボミズゴケやムラサキミズゴケなど高山でしか見れない珍しいコケ植物が群生しています。
また覚満淵コースでは、5月下旬から夏休みまで別名「ニッコウキスゲ」と呼ばれるゼンテイカ(禅庭花)の花が見頃を迎えます。
昔に比べると数が少なくなったといわれる覚満淵のゼンテイカですが、いっせいに開花すると山吹色の絨毯のように見えて大変美しいです。
また池を囲むように自生するさまざまな高山植物は、四季折々の美しい風景を見せてくれます。特に有名なのは初夏に開花時期を迎えるレンゲツツジです。
4月~6月にかけて開花するレンゲツツジは覚満淵に春を告げる植物で、色鮮やかな朱色の花が咲きます。花が咲く前のつぼみの様子がレンゲのように見えるので、花だけでなくつぼみも魅力の珍しい植物です。
さらに覚満淵は自然の美しさを五感で体感できるスポットでもあります。コバルトブルーの水をたたえる覚満淵は、水面に映る周囲の景色も魅力の1つで、写真愛好家にも人気があります。
サクラやレンゲツツジが旬を迎える時期は春の華やかさがありますし、若葉が芽を出し始めると一面が新緑の緑に包まれ、水面に映し出される景色も生命力に満ち溢れています。
紅葉シーズンには池の周囲の紅葉だけでなく赤城山の紅葉も色を添えるため、幻想的な紅葉の風景が楽しめる観光スポットになります。
覚満淵の自然観察の魅力は、珍しい高山植物や自然が作り出す美しい景色だけではありません。覚満淵の自然は動物たちにとっても暮らしやすい環境なので、カルガモの子育ての場にもなっています。
自然に直接触れることが難しい都会とは違い、覚満淵では自然の中で生きる動植物のありのままの姿を観察できるため、赤城山では子供と一緒に訪れる家族連れの姿が多いです。
赤城山で初心者向けの登山ルートはこちら!
自然観察の宝庫・覚満淵に向かう登山コースは、子供と一緒の家族登山や登山初心者におすすめのコースです。登山の難易度も低いので、気軽に赤城山登山を楽しみたい人はぜひチェックしてください。
伝統的な登山ルート「利平茶屋~覚満淵」
初めて赤城山登山にチャレンジするなら、利平茶屋から覚満淵に向かう伝統的な登山ルートがおすすめです。
登山は、赤城山登山口がある「桐生市利平茶屋森林公園」から出発します。利平茶屋森林公園は標高1000mの位置にあり、木立に囲まれた園内には水芭蕉や菖蒲の名所・鳥居川清流やバーベキューなどが楽しめるキャンプ場があります。
なお公園の林間広場の奥には、昭和42年に営業を終了した赤城山ケーブルカーの起点があり、営業当時はこの場所から終点の山頂駅まで約6分で移動できました。
ちなみに伝統的な登山ルートは、かつて赤城山ケーブルカーが通っていた線路の近くに登山道があります。広葉森林の中の登山道なので落石している個所もありますが、きれいに整備されたコースなので子供連れの家族登山でも安心です。
森林浴を楽しみながら1時間~1時間30分ほど歩きコース全体の2/3に到達すると、登山道と階段の2ルートにわかれます。
通常はそのまま登山道を進むのですが、階段を使うと鳥居峠を一気に登ることができるのでかなりのショートカットができます。
ただし急な斜面に作られた800段の階段なので、途中で足がからまったりつまずいたりすることがあります。そのため小さな子供がいる家族連れや登山初心者は、階段を使うショートカットコースではなく通常の登山コースがおすすめです。
ちなみに通常の登山コースを使っても、すでにこの地点で登山の半分以上は登り終わっているので、子供の足でも40分前後でゴールの覚満淵付近にたどり着きます。
なおこの区間は鳥居峠を越えるコースにあたるので、無理せずゆっくり周囲の景色を楽しみながら登山を続けます。鳥居峠を越えると、ゴールとなる元・ケーブルカー山頂駅が目の前に見えます。
かつてのケーブルカー山頂駅は、現在サントリー・ビア・バーベキューホールに変わっており、絶景を見ながらバーベキューが楽しめる施設になっています。
さらに店内では覚満淵の絶景を眺めながら、登山道の途中で手に入る「御神水」を使ったセガフレードコーヒーを飲むこともできます。
なお家族連れや初心者におすすめ「利平茶屋~覚満淵ルート」の登山時間は、往復5時間~5時間30分が目安です。ちなみに子供と一緒に登山することを前提にして計算しているので、途中休憩などの時間も含めています。
また子供連れの家族登山の場合は、赤城山登山口にある利平茶屋森林公園でキャンプ泊をすると、さらに時間のゆとりができるのでおすすめです。
赤城山で本格登山を楽しむならこのコース
初心者や家族連れでも気軽に楽しめる赤城山登山もよいですが、登山中級レベル以上なら赤城山の主峰・黒槍山にチャレンジするコースはいかがですか?
赤城山最高峰の黒槍山登山コースは本格的な登山が楽しめるおすすめのルートですし、絶景が人気の駒ケ岳を通るルートなので、本格的な登山をしながら自然観光もできます。
赤城山最高峰へ!「黒檜山・駒ケ岳ルート」
本格登山が楽しめる黒槍山・駒ケ岳ルートでは、駒ケ岳登山口から出発し、赤城山最高峰の黒槍山を制覇したあと駒ケ岳の頂上を目指します。
駒ケ岳登山口から最初に目指すのは、赤城山周辺の人気観光スポット・赤城神社です。赤城神社は赤城山のカルデラ湖・大沼のそばにあるので、登山口から大沼沿いを歩いていると見えてきます。
赤城神社を過ぎると本格的な登山が始まるので、登山祈願を兼ねて赤城神社を参拝するのもおすすめです。
赤城神社を過ぎると黒槍山の登山口がありますが、登山口を過ぎるとすぐに岩場が続く急な登りが始まります。登山道の周囲はブナやミズナラなどの広葉樹があるので日差しは避けられますが、大きな岩が続く急な登りなので相当ハードです。
この厳しい登りを制覇すると、赤城山最高峰・黒槍山の頂上に到着します。頂上からは大パノラマで絶景を楽しめますが、登山客の多くは頂上の東側にある大石「御黒檀大神」を休憩場所にしています。
ひと休みしたら、次は駒ケ岳頂上を目指します。駒ケ岳には稜線に沿って進んでいきますが、途中にツツジの名所としても有名な「オオダルミ」という草原を抜けます。
オオダルミを抜けると駒ケ岳の頂上に到着します。なお黒槍山の頂上から駒ケ岳の頂上までは約1.2kmなので、頂上では休憩を取らずそのまま駒ケ岳登山口に向かって下山です。
実は駒ケ岳頂上から登山口までのコースは絶景スポットになっており、歩きながら駒ケ岳周辺の景色を楽しめるおすすめの区間になっています。そのため頂上でわざわざ休憩を取らなくても、下山しながら赤城山の絶景が楽しめます。
なお駒ケ岳頂上からは比較的快適な下りが続きますが、駒ケ岳登山口の手前に急な斜面があります。コース終盤にある最後の難関なので、登山口に到着するまでは気を抜かず足元を確認しながら下山しましょう。
赤城山登山でおすすめの観光スポットをご紹介
赤城神社周辺には、花見や紅葉狩りのほかにも人気の観光スポットがたくさんあります。その中から、赤城山登山の帰りにおすすめの観光スポットをご紹介しましょう。
女性に人気の「赤城神社」
赤城山登山の帰りに立ち寄れるおすすめ観光スポットが、女性に人気の赤城神社です。赤城山の大沼のすぐ近くにある赤城神社は赤城山をご神体山としており、赤城山の神・赤城大明神と湖の神を祀っています。
山岳信仰がブームとなった時代には、赤城山をご神体山とする赤城神社も山岳信仰の拠点となり、赤城山周辺に住む住民たちの間でも赤城山詣がブームになりました。
赤城神社の創建や赤城山信仰の発祥などについてはよくわかっていませんが、奈良時代末期に作られた「万葉集」にはすでに赤城山そのものを信仰の対象にしていたことがつづられています。
現在社殿が置かれているのは大沼の近くにある小鳥ヶ島で、ここはかつて竜宮城があったという伝説が残っています。
なお赤城神社の神様は小鳥ヶ島に祀られているので、参拝するには「啄木島橋」という朱塗りの大橋を渡ります。大沼の水面にくっきりと浮かび上がる啄木島橋の様子は非常に美しく、赤城山観光の名所にもなっています。
そんな赤城神社が女性に人気があるのは、神社に祀られている女性の神様にまつわる伝説に秘密があります。
むかし赤城姫と渕名姫という2人美しい姫がいましたが、2人のあまりの美しさに嫉妬した後妻によって殺されそうになります。逃げた2人は赤城山の大沼にいた鴨によって助かり、そのことが縁で赤城神社の神に召し上げられます。
こうして2人の姫は湖の神となり、赤城山の神とともに祀られるようになったという伝説があります。ちなみに赤城神社は女性の願い事をすべてかなえてくれるといわれ、古くから観光だけでなくパワースポットとしても有名です。
女性のためのお守りをチェック!
女性の願いをすべてかなえてくれる赤城神社では、お守りの種類も豊富です。女性の願いをかなえつつ様々な災いから守ってくれる「姫守」や、子宝祈願をする女性に人気の「子授け守」は赤城神社のお守りの中でも人気があります。
また社殿を思い起こさせるような鮮やかな朱色のお守り「御縁御守」は、いろいろな人との縁を結んでくれるありがたいお守りです。恋愛系の縁結びだけでなく、職場や学校での人間関係や友人との縁も結んでくれます。
あまりの美しさに命を狙われた赤城姫の伝説から作られているのが「安産美人祈願」ですが、これは単なる安産祈願のお守りではありません。
絶世の美女といわれた湖の神・赤城姫が守ってくれるので、安産はもちろん、生まれてくる子供も赤城姫のような美人になるといい伝えがあり、今でも妊婦さんから人気があります。
赤城山登山のあとに赤城温泉で疲れを癒そう
赤城山登山の帰りに立ち寄る観光スポットとして外せないのが、登山の疲れを癒してくれる温泉です。水の神様に守られた赤城山周辺には人気の温泉街も多く、日帰りで温泉が楽しめる施設もたくさんあります。
「花の宿湯之沢館」で日帰り温泉を堪能しよう
赤城山登山の帰りにおすすめしたいのが、あかぎ温泉の「花の宿湯ノ沢館」です。花の宿湯ノ沢館は温泉旅館なのですが、日帰り温泉も行っているので、赤城山登山の帰りに立ち寄れると人気があります。
日帰り温泉でも露天風呂を楽しむことができ、目の前に広がる赤城山の美しい自然を見ながらゆっくりと登山の疲れを癒すことができます。
ちなみに花の宿湯ノ沢館の温泉は、温泉通の間では「珍しい温泉」として有名です。開放感のある半渓流風呂のお湯を覗くと、表面に何かの結晶が氷のように固まっています。
この結晶は「石灰華」と呼ばれるもので、源泉に含まれるカルシウムでできています。体に悪影響を及ぼすものではありませんが非常に珍しい現象なので、温泉通の間でも「レアな体験ができるおすすめの温泉」と評判です。
住所 | 群馬県前橋市苗ヶ島町2027 |
電話番号 | 027-283-3017 |
赤城山へのアクセス情報はこちら
赤城山は首都圏から日帰りできる人気の観光スポットでもあるので、車だけでなく電車やバスなど公共交通機関も充実しています。そこで赤城山登山へのアクセスの方法を簡単に紹介します。
車で行く場合は時季に注意!
車で赤城山登山に向かう場合は、高速道路を使うのがおすすめです。赤城山へのアクセスには赤城ICと伊勢崎ICを利用し、降りてからは県道4号線を利用すると赤城山登山口に到着します。
一般道は県道16号線も利用できます。県道16号線は赤城山周辺にある観光スポットを通るルートなので、周辺観光とセットで赤城山登山をする場合におすすめです。
ただし冬に車で移動する場合は、ルートの選択に注意してください。県道16号線は観光に便利なコースですが、冬は一部閉鎖され道が狭いです。そのため冬に赤城山へ車で行く場合は、安全な県道4号線を利用しましょう。
公共交通機関で行く場合はこちら
電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合は、赤城山ビジターセンター行きの直行バスを利用するのがおすすめです。
赤城山ビジターセンター行きの直行バスは、JR前橋駅と中央前橋駅の2か所から乗車できます。東京から向かう場合は高崎駅を経由し前橋駅、浅草から向かう場合は赤城駅を経由し中央前橋駅に向かいます。
なお赤城山ビジターセンターから赤城山登山口は近い位置にあるので、駅からタクシーを使うよりも直行バスを利用するのがおすすめです。
なお赤城山ビジターセンター行きの直行バス以外の路線でアクセスする方法もあります。この場合は目的の山によって降車バス停が変わります。
まず荒山と鍋割山への登山の場合は、最寄りのバス停が「箕輪バス停」になります。駒ケ岳への登山の場合は、駒ケ岳登山口に近い「新坡平(または白樺牧場)バス停」がおすすめです。
本格的な赤城山登山が楽しめる「黒槍山・駒ケ岳ルート」を利用する場合は、「大沼バス停」または「新波平バス停」を利用します。
ちなみに初心者・子供がいる家族連れで赤城山登山をする場合は、覚満淵周辺のバス停を利用するか、利平茶屋森林公園周辺のバス停がおすすめです。
赤城山で登山と観光を満喫しよう!
赤城山は初心者や子供がいる家族連れでも気軽に登山が体験できるおすすめのスポットです。四季折々の自然が楽しめるだけでなく、人気の観光スポットや珍しい温泉などもあるので、天気が良い日は赤城山で登山と観光を楽しんでみてはいかがですか?