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皇室に献上される最高峰の桃「あかつき」
皇室には毎年日本全国からさまざまな産品が献上されています。福島県も桑折町の桃「あかつき」を毎年献上しています。フルーツ王国・福島県は数多くの品種の桃を栽培していますが、その中から選ばれた「あかつき」はまさに一流のブランド品と認定されたことになります。
献上にはあかつきなどの桃の生産にかかわる関係者が一堂に会し式典が行われます。当日朝に収穫した「あかつき」の中から、機械での糖度、サイズ、色の検査で600個を、その中から人による選別を実施し残った最優秀の180個が献上されることになります。
また、これに先立って福島県発行のあかつき決定通知交付式が産地・桑折町役場で行われるなど、あかつきが皇室に献上されるということは地域の一大イベントとなっています。
あかつきってどんな桃?
初夏の果物として親しまれている桃には「あかつき」をはじめたくさんの品種があり日本では100種以上が栽培されています。弥生時代以降の遺跡からは祭祀に使われた桃の種がよく見つかり桃が古代から広く栽培されていた人気の果物だったことが分かります。
桃は早生(わせ)に始まり、中生(なかて)、晩生(おくて)まで収穫期によって分類できますが、あかつきは中生になります。
あかつきを始めとする人気のおいしい桃は7月の終わりから8月中旬頃までに熟して収穫できる品種に多くあります。一方、6月始めから収穫できる極早生や9月の始めまで収穫できる極晩生の桃は小型・軽量で糖度などの品質も不足しがちです。
桃には主に、白く柔らかい果肉で生食向けの食べ方の白桃系と黄色い硬めの果肉で缶詰など加工利用の食べ方の黄桃系があります。
あかつきは白桃系ですが硬めの肉質で柔らかすぎず硬過ぎずのちょうどいい食感が人気です。あかつきは家庭で食べても贈答用にもおすすめの人気商品です。
「白桃」×「白鳳」を交配した桃
あかつきの起源は、1952年に桃など主要果樹の育種・栽培などを研究する国の研究機関・国立果樹試験場が作り出した「白桃」と「白鳳」の交雑実生に遡ります。
おいしい桃の新品種を開発する国の事業として、このあかつきの元になる苗木は桃の生産を行っている各県の産地に配布され育成方法の開発が始まりました。なお、「白桃」は岡山発祥の大玉高級品種です。また「白鳳」はこの白桃と川崎の「橘早生」の交配種です。
それぞれの桃の産地では新しい桃の栽培方法開発に取り掛かりましたが、育成を始めた当初はなかなか桃の果実を大きく育てられず1個200gを超えることはできませんでした。1971年にはついに国の計画が中止となり予算も打ち切られたため商品化をあきらめる産地が相次ぎました。
しかし、福島では県内の桃産地であきらめず努力を続け大玉に育てる栽培方法を開発することができました。その結果、1979年に品質優秀で結実良好、また、栽培が容易であり比較的病気に強いことが認められ「あかつき」の名前で品種登録されました。
福島県には、長さ12m・重さ2tの大わらじを100人がかつぎ羽黒神社に奉納する。「信夫三山暁まいり(しのぶさんざんあかつきまいり)」という神事がありますが「あかつき」という名前はそれにちなんで付けられたといわれています。
あかつきは、250~300gで出荷され果汁も多くおいしいと人気の贈答品としておすすめです。あかつきは観光農園の桃狩りでも人気の品種で収穫のピークは8月上旬~中旬です。
桃の主要品種の中ではトップクラスの品質
あかつきは、交配の元となった白桃に似た樹姿とやや強い樹勢が特徴です。樹勢が強いというのは長く太い枝が数多く生えるという意味です。また、あかつきは花芽が多く着生する品種で、あかつきの成熟期は白鳳とほぼ同じの中生で満開になると100日余りで収穫できます。
あかつきは自家結実性がある桃で1本だけでおいしい果実を付けることができ、無袋栽培も可能で赤く色づき色彩にも魅力があります。また、落果も少ないため収量は安定しています。
あかつきの果肉は締まっているので日持ちも7~10日程度と長く、品質は桃の主要品種の中でトップクラスと評価されています。そのためあかつきは福島以外にも多くの桃産地で栽培されるようになり、現在あかつきは全国で最も栽培面積の広い人気品種となっています。
あかつきの果皮はベースが白で陽の光を浴びて赤くなり桃にふさわしい赤く美しい色合いになります。あかつきの果実は円形で栽培が始まった当初果実を大きくさせることができず200gに届きませんでしたが、市場ではより大型の桃が好まれていました。
やがて、大玉を収穫するための適切な栽培方法が開発されたため250gから300gを超えるあかつきも出荷できるようになりました。
あかつきは桃らしい芳香とともに酸味が少なく糖度は12~14%と多いため、甘く感じられ大いにおいしい桃を楽しむことが出来ます。また、あかつきの果汁は多く繊維質は少なめで果肉は白桃に似てよく締まっています。
あかつきは、完熟すると甘みがあり果汁は多めで、酸味はあまり感じません。また、ほど良い歯ざわりと歯ごたえがあり樹上や収穫後の日持ちが長い優秀な品種です。
あかつきの果皮は厚めであかつきの皮をむくのは少しコツが要りますが桃の主要品種の中ではトップクラスの品質という評価を受けています。
おいしいあかつきの見分け方
おいしいあかつきはいくつかの見分けるポイントがあります。まず、おいしいあかつきは実の形が丸くふっくらとして左右対称に整い、果皮全体には細かな毛がまんべんなく生えています。
また、あかつきは陽を浴びて着色するので赤みの強いものが良く白い斑点があるものもおいしくおすすめです。反対に、緑の部分のあるものは熟していないので避けましょう。また、桃の甘い香りが強いこともポイントです。
代表的な産地は福島県
あかつきは今や桃の品種別栽培面積(農研機構平成30年度モモ・ネクタリン品種別栽培面積)で18.3%を閉め第1位となり桃の中で一番栽培されている品種です。
あかつきの都道府県別栽培面積(農林水産省平成30年産特産果樹生産動態等調査)では福島809.5、長野219.2、山梨172.5、山形119.6などで全国合計は1541.5(単位はha)となり福島が第1位の産地となっています。また、福島は全国のあかつき栽培の52.5%を占めています。
あかつきのおすすめの食べ方
あかつきなど桃は冷蔵庫の低温が苦手で、おいしい桃も味や香りが水っぽくなり劣化してしまいます。あかつきを始めとする桃類は冷蔵庫には入れずになるべく日光の当たらない冷暗所に常温で保存するのがおいしい食べ方です。
実際にあかつきを食べるときは、食べる2時間前ぐらいで冷蔵庫に入れて冷やすのがおすすめのおいしい食べ方です。またデザートにしたり、コンポートにするのもおすすめです。
あかつきは硬めの桃です。硬めという特質なので日持ちはしますが長く置いても柔らかい品種の桃のようにはなりません。おいしい食べ方としては買ってきたら新鮮なうちに食べてしまうのがおすすめです。
桃のおいしい剥き方は?
あかつきなどの桃類は流通のために十分糖度が高くなったタイミングでやや堅めときに収穫されるため店頭で販売されるころには熟して桃の香りも強くなり食べ頃になっています。
また、ネットショップなどでは産地から家庭に届いた時点ではまだ熟していない場合もあり、熟すまで少し待たなくてはならないこともあります。
あかつきは買ってすぐのときは皮が向きにくく手よりも包丁を使ってむく方が簡単で、切り分ける前に丸ごと皮をむくのがおすすめです。皮と実の間が一番甘いのでよく洗って皮をむかずに丸ごとという食べ方もあります。
縦にくし切りにするのがおすすめ
あかつきなど桃の食べ方で最近人気となっているのが「くし切り」にして食べるというものです。くし切りとは、まず桃の割れ目にそって種にあたるまで包丁を入れ桃を回し一周させます。すると桃の実は2つに割れるので種を取り出します。あとは等分に切り分ける方法です。
人気の桃品種「あかつき」を食べてみよう!
あかつきは今では日本で最高峰のおいしい桃として有名になりましたが、育成実験が始まった当初は必須だった果実の大型化がうまく行かず予算も打ち切られてしまいました。しかし、そのおいしい味に望みをかけた産地福島の人々は努力を続けついに実用化に成功しました。
やはり、成功の陰には将来を見通す確かな眼力とたゆまぬ努力があったわけです。敬意を表しつつあかつきの味を楽しみましょう。