博物館「網走監獄」は歴史的価値のある観光名所!刑務所を体感してみよう

博物館「網走監獄」は歴史的価値のある観光名所!刑務所を体感してみよう

網走監獄は、かつて刑務所だった建物を博物館にした、ユニークな観光地です。かつては使われていた施設や展示物を通して、その歴史を感じることができます。今回は、網走監獄の見どころや楽しみ方について、順を追ってご紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.博物館「網走監獄」とは?
  2. 2.博物館「網走監獄」を見学する
  3. 3.「網走監獄」の重要文化財8棟と登録有形文化財6棟
  4. 4.「網走監獄」で体感・体験してみよう
  5. 5.博物館「網走監獄」の基本情報
  6. 6.博物館「網走監獄」は歴史的価値ある観光名所!

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博物館「網走監獄」とは?

Photo by sendaiblog

網走監獄とは、明治以降、実際に刑務所として使われていた「網走刑務所」の建物を保存し、一般向けにも公開している博物館です。囚人たちによって作られた建築物や使われた痕跡、北海道開拓の歴史的価値から、他とはひと味違う観光が楽しめると人気があります。

網走監獄(網走刑務所)について

Photo by Travel-Picture

明治23年、多くの政治犯や凶悪犯が逮捕されていた世情の中で、北海道開拓の労働力として囚人を使うことを期待して作られたのが網走監獄(網走刑務所)です。明治期の西洋建築を模して建てられているため、近代的で当時の特徴が残る建築物となっています。

現在も受刑者を収容している網走刑務所はありますが、博物館「網走監獄」はその網走刑務所の古い建物を移築して設立されました。

北海道開拓のため囚人に強制労働させた

Photo byPublicDomainPictures

明治維新後の北海道は開拓の必要に迫られており、開拓の過酷な環境でも廉価に使える労働力とされたのが囚人でした。仮に死んでも悲しむ者もおらず監獄費の節約になる、という理由で網走監獄の囚人たちは道路の開削工事に駆り出されました。

脱走防止のため足を鎖で繋いだ状態での重労働と怪我、食糧不足により死亡者が続出しましたが、それでも工事は決行されました。あまりに犠牲者が多かった道路は囚人道路と名付けられています。

網走監獄(網走刑務所)は日本一脱獄が困難だった

Photo bychummels

また、網走監獄は「日本一脱獄が困難な刑務所」としても有名でした。その理由は、何より外の環境の過酷さから来ています。当時は食料運搬すらままならない土地のため、脱獄できたとしても食料もなく険しい地形の中では逃げ切ることが困難でした。

網走刑務所の改築計画が公表される

Photo byGellinger

昭和48年、網走刑務所の改装計画が公表されました。暖房完備の鉄筋コンクリートに改築するための10年計画です。そして、計画公表の際に懸念されたのは、価値ある貴重な建築物が失われてしまうことでした。

貴重な刑務所建築物の損失を防ぐため移築保存される

Photo by Nao Iizuka

網走監獄は、有名な「五翼放射状平屋舎房」が刑務所の施設としては日本で最古のものであるなど、建築物としての価値も注目されていました。そこで、改築に伴って古い建物を移築保存し観光資源とする案が出され、9億円もの資金が集まりました。

野外博物館「網走監獄」が誕生

Photo by bryan...

改築と並行して古い建物は移転され、刑務所に残された赤レンガ造りの正門なども、そっくりに再現されました。そして、昭和58年に博物館「網走監獄」が開館し、移転された建物の数々も、重要文化財や登録有形文化財に指定されています。

刑務所という負のイメージから、一時は地元から刑務所の改名を請願されていたこともある網走監獄ですが、現在は北海道の歴史を体感することのできる人気の観光地としてその価値が認められ、多くの人々が訪れています。

博物館「網走監獄」を見学する

Photo by km058

それでは、博物館となった網走監獄の見どころをご紹介していきましょう。歴史的価値のある建物が並ぶだけでなく、展示物の意味や背景をより深く理解できる観光ツアーも用意されています。

思いが込められた「鏡橋」

Photo by bryan...

鏡橋は、網走監獄の手前、網走川に架けられた橋です。「流れる清流を鏡として、我が身を見つめ、自ら襟をただし目的の岸に渡るべし」という思いが込められています。建物の移転にあたって、鏡橋も同様に再現されました。

別名「動く監獄」といわれた「休泊所」

Photo by Nao Iizuka

囚人が塀の外で作業をすることのあった網走監獄では、日帰りでできない作業の際に使われたのがこの休泊所です。「動く監獄」とも言われており、床に釘づけした丸太を枕代わりに寝泊まりし、出入り口を一箇所にして逃亡を防ぐ作りとなっています。

この休泊所ですが、等身大の人形が囚人たちの生活をイメージして配置されており、その場に入れば、狭い空間でひしめきあって寝泊まりしていた窮屈さが体感できます。

「釧路地方裁判所網走支部法廷復原棟」

Photo by km058

網走監獄にどうして裁判所?と思うかもしれませんが、釧路地方裁判所網走支部が新庁舎建設にあたって旧庁舎を取り壊す際に、いくつかの使われていた部屋を博物館が譲り受けたものです。この法廷復原棟も歴史の一部として、十分な価値のある建物です。

法廷内部の机や椅子、内装類は実際に使用されていたものが多く展示されており、昭和20年代から使われていたものを見ることができます。外観はさらに遡って明治33年~昭和27年の旧網走区裁判所の様子を再現しており、歴史が感じられます。

展示案内サービス「監獄ガイドツアー」も

Photo by CarbonNYC [in SF!]

網走監獄では1日3回、館内解説員による展示案内のサービスが展開されています。個人の観光客向けで予約不要なので、タイミングが合えば気軽に参加できるのが魅力です。所要時間は50分程度なので、じっくり見たい人にオススメです。

ただ見ているだけでは分かりづらい事柄も丁寧に解説してもらえるので、一つ一つの展示物の意味や背景も理解でき、より監獄の雰囲気を体感できます。

「網走監獄」の重要文化財8棟と登録有形文化財6棟

Photo by km058

網走監獄の建築物は、歴史上の価値から重要文化財、また登録有形文化財に指定されているものが数多く展示されています。どういったものがあるのか、その特徴や見どころを見ていきましょう。

重要文化財1:庁舎

Photo by Nao Iizuka

網走監獄における重要文化財の中でも、水色とグレーの配色で明るい見た目の建築物がこの庁舎です。かつては刑務所における管理部門のために使われており、各課に区切られた事務室や会議室があります。

明治45年に建てられた建物で、装飾や全体の構造など、明治期の官庁建築としては典型的な作りとなっています。古い建物や内装が見られることに加え、観光向けの展示コーナーや資料も、この庁舎で見ることができます。

展示コーナー「724kmの囚人道路」

フリー写真素材ぱくたそ

床に大きな北海道地図が貼られており、囚人たちが開削工事を行った道路の長さ、その過酷な労働の様子が解説されています。これだけの距離の道路を作るために囚人が送り込まれていたのか、と歴史の重みが体感できるコーナーです。

網走監獄ライブラリー

Photo byAnnieSpratt

展示を見て、さらに詳しく知りたくなった人には網走監獄ライブラリーがあります。網走監獄や北海道開拓に関する資料や文献が集められており、タブレットでアーカイブを見ることもできるので検索もしやすく便利です。

典獄が語る「網走監獄誕生とその使命」

Photo by Siegfy

柵の向こうに映る映像を見ることができる展示で、典獄(刑務所長のこと)が網走監獄について語る、という内容です。北海道の開拓を使命として託された典獄から語られる、網走監獄設置の意義は一見の価値があります。

喫茶コーナー

Photo byacekreations

ライブラリーに隣接している喫茶コーナーでは、観光の間に一息つくことができます。天井のレリーフなど、特徴的な建築を内側からゆったり眺めながらお茶ができると好評です。

ミュージアムショップ 

Photo by jetalone

網走監獄のオリジナルグッズや、限定書籍を買うことができます。限定グッズに加えて、現在の網走刑務所の収容者が刑務作業で作成した作業製品も販売されているので観光のお土産探しにもオススメです。

旧網走刑務所二見ヶ岡刑務支所(5棟)

Photo by Yoshio.H

建物同士が渡り廊下で繋がれた旧網走刑務所二見ケ岡刑務支所は、囚人の食料確保のため、また広い農場で囚人が作物の生産・管理・収穫を自立して行うための施設として使われていました。

庁舎や舎房、炊場などの5棟で構成されており、全国でも珍しい、農園を持つ刑務所の建築群ということ、明治期からの主要な建物が残っていることなどから、歴史的学術的な価値が認められ、重要文化財になりました。

重要文化財2:庁舎

Photo by bryan...

他の4棟が質素な外見である中、比較的簡素であるものの装飾がされており、洋風建築なのが庁舎です。事務室や宿直室が配置されています。中央部分の床は煉瓦敷きとなっており、現在では珍しい床材の様子も必見です。

重要文化財3:舎房

Photo by km058

木製の扉に漆喰の壁と、木造ならではの雰囲気が感じられるのが舎房です。中は6畳の広さの雑居房が20部屋ずつ、向かい合わせに作られています。天井の高さなど、本館側の舎房に比べて作りがやや緩く、こじんまりとした印象があるのも特徴です。

重要文化財4:教誨堂及び食堂

Photo by sendaiblog

板敷きの床で舞台が設けられた教誨堂、土間の食堂と、建物内でも造りが少し違います。教誨堂では角型、食堂では大きな菱形の換気口が付けられているなど、内装部分もじっくり見ると面白いポイントが多くあります。

重要文化財5:鍵鎖附着所

Photo byfernandozhiminaicela

農作業を行う前に、囚人に着けられている鎖を着脱するのがこの鍵鎖附着所です。足洗い場や洗濯場も兼ねられており、2階には雑品庫や図書庫などもありました。

重要文化財6:炊場

Photo by km058

炊事をする炊場と、ボイラー室を挟んで浴場も設けられています。作業中の囚人やそれを監視する刑務官の人形が設置されていて、食事の準備に励む、当時の姿がイメージできます。

重要文化財7:舎房及び中央見張所

Photo by Nao Iizuka

中央見張所から放射状に5つの舎房が建てられている、とても特徴的な建築物です。中は雑居房・独居房が並んでいますが、格子の板の向きが斜めになっていて向かい側の房とは目が合わないように作られているのが、実際に見るとはっきりと分かります。

脱獄を防ぐため、房を見通せる中央見張所もそうですが、壁を破られないように柱の間隔を狭くしたり、天井を高くしたりといった工夫がされています。特に、高い天窓から差し込む光は印象に残る眺めです。

重要文化財8:教誨堂

Photo by x768

外見が瓦葺きにもかかわらず、中に入ると白い壁と広々とした講堂があり、外見と内装のギャップに驚くのがこの教誨堂です。囚人に対して精神的・宗教的な指導を行うための場所で、僧侶も牧師も活動するためか、和洋折衷の建築となっています。

登録有形文化財1:網走刑務所裏門

Photo by sendaiblog

網走刑務所裏門は「通用門」とも呼ばれ、囚人が塀の外の作業場に出かける時に通るための門でした。厳格な正門と、くぐり抜けて外に出る気さくな裏門の雰囲気を現地で比べてみると、その違いが体感できます。

登録有形文化財2:煉瓦造り独居房

Photo by bryan...

壁が全て煉瓦造りで窓がなく、扉が二重になっているなどかなり厳重な造りの独居房です。明治期は規則違反をした囚人を、真っ暗な部屋に閉じ込めて反省させる罰則があり、煉瓦造り独居房はその規則に合わせて建てられたとされています。

登録有形文化財3~6:哨舎(3棟)

Photo by x768

哨舎(しょうしゃ)は出入り口や作業場に設置された見張り台で、外部からの侵入や囚人の行動を監視するために使われました。網走監獄では昭和60年頃まで実際に使われていた哨舎が移築され、3つが登録有形文化財となっています。

「網走監獄」で体感・体験してみよう

Photo by Satomi.Mitsuyasu

これまで紹介したのは「見る」展示や建築物が中心でしたが、ここからは観光客がより網走監獄での生活や当時の雰囲気を身近に体験・体感できるポイントをお伝えします。

「監獄歴史館」で映像展示を体感できる

Photo by km058

博物館内にある「監獄歴史館」では、「囚人道路」と呼ばれた中央道路開削工事をテーマにした体感シアターを展示しています。映像は左右前方全てに映し出されるため、スクリーン投影に比べ、よりリアリティを感じられます。

囚人たちが厳しい環境の中、強制労働と寒さで次々と犠牲となっていった様子がより体感できます。時間は7分程度とそれほど長くないので、一度見てみる価値はあると思います。

「網走監獄入獄写真」が撮れるプリクラなども

Photo byAlexandra_Koch

どうしても重い雰囲気の展示が多くなりがちな網走監獄ですが、反対に遊び心が感じられるのが「網走監獄入獄写真」のプリクラです。横線が引かれた背景の前に立ち、囚人番号のプレートを手に持った姿が撮れるので、記念に撮っていく人も多いスポットです。

「監獄食堂」で監獄食を体験できる

Photo by tabunmochiron

美味しいイメージがあるとは言えない監獄食は、網走監獄の「監獄食堂」で食べてみることが可能です。本物にこだわる、とされるだけあり、現在の網走刑務所で収容者が食べているメニューを再現したものが提供されています。意外と美味しくて驚く人も多く評判です。

Photo by junyaogura

また、監獄食の他にも網走刑務所二見ケ岡農場で育てられた網走監獄和牛で作った「網走監獄和牛メンチ・コロッケランチ」や、ご当地グルメの「オホーツク網走ザンギ丼」なども食べることができます。

博物館「網走監獄」の基本情報

Photo by bryan...

網走監獄は年中無休ですが、5月から9月、10月から4月で開館時間が違います。5月から9月は8:30~18:00、10月から4月は9:00~17:00となっているので要注意です。

また、入館料金は大人1080円、大学・高校生が750円、小中学生が540円となっています。団体割引やインターネット割引も使用出来るので、事前にチェックしておくと良いでしょう。

アクセスは駐車場が無料なので自家用車もオススメですが、網走駅から路線バスで10分程なので、公共交通機関でのアクセスでも観光は可能です。

住所 北海道網走市字呼人1-1
電話番号 0152-45-2411

博物館「網走監獄」のマナーガイド

フリー写真素材ぱくたそ

博物館「網走監獄」の公式サイトでは、観光の際の注意事項が記載されています。ゴミの分別協力や危険物の持ち込み不可もそうですが、保存公開されている建物の多くは古い木造建築のため、禁煙や建物への落書き・破損なども気をつけなくてはなりません。

また、近年多いのが場所を利用してのコスプレ撮影や衣装を着た状態での入館です。博物館ではコスプレ衣装での入館は可能ですが、トイレでの着替えやメイクはできず、武器の形をしたものは持ち込みが禁止されています。

他の観光客の迷惑にならないようにすること、館内の写真撮影は可能でも有料での掲載や販売はできないことに注意し、観光を楽しみましょう。

博物館「網走監獄」は歴史的価値ある観光名所!

Photo by km058

博物館「網走監獄」は広々としているので、ゆったりと見て回れます。途中でも触れましたが内部に人形が配置された建物も多く、当時の様子を体感できる展示となっています。

実際に使われた刑務所施設なので確かに重みやその雰囲気も感じられますが、建築として素晴らしいものも多いので、古い洋風建築や工夫が凝らされた建物を見てみたいという人も、是非行ってみてください。

平井 今日子
ライター

平井 今日子

滋賀県出身、京都在住です。お酒好きなのでお酒が楽しく飲めるスポット探しに日々勤しんでいます。神社やお寺も好きなので、良いところがあればご紹介していければと思います。楽しそう、面白そうが伝わる記事を発信していきたいです。

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