本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています
店舗や施設の営業状況やサービス内容が変更となっている場合がありますので、各店舗・施設の最新の公式情報をご確認ください。
貴重な刑務所建築物の損失を防ぐため移築保存される
網走監獄は、有名な「五翼放射状平屋舎房」が刑務所の施設としては日本で最古のものであるなど、建築物としての価値も注目されていました。そこで、改築に伴って古い建物を移築保存し観光資源とする案が出され、9億円もの資金が集まりました。
野外博物館「網走監獄」が誕生
改築と並行して古い建物は移転され、刑務所に残された赤レンガ造りの正門なども、そっくりに再現されました。そして、昭和58年に博物館「網走監獄」が開館し、移転された建物の数々も、重要文化財や登録有形文化財に指定されています。
刑務所という負のイメージから、一時は地元から刑務所の改名を請願されていたこともある網走監獄ですが、現在は北海道の歴史を体感することのできる人気の観光地としてその価値が認められ、多くの人々が訪れています。
博物館「網走監獄」を見学する
それでは、博物館となった網走監獄の見どころをご紹介していきましょう。歴史的価値のある建物が並ぶだけでなく、展示物の意味や背景をより深く理解できる観光ツアーも用意されています。
思いが込められた「鏡橋」
鏡橋は、網走監獄の手前、網走川に架けられた橋です。「流れる清流を鏡として、我が身を見つめ、自ら襟をただし目的の岸に渡るべし」という思いが込められています。建物の移転にあたって、鏡橋も同様に再現されました。
別名「動く監獄」といわれた「休泊所」
囚人が塀の外で作業をすることのあった網走監獄では、日帰りでできない作業の際に使われたのがこの休泊所です。「動く監獄」とも言われており、床に釘づけした丸太を枕代わりに寝泊まりし、出入り口を一箇所にして逃亡を防ぐ作りとなっています。
この休泊所ですが、等身大の人形が囚人たちの生活をイメージして配置されており、その場に入れば、狭い空間でひしめきあって寝泊まりしていた窮屈さが体感できます。
「釧路地方裁判所網走支部法廷復原棟」
網走監獄にどうして裁判所?と思うかもしれませんが、釧路地方裁判所網走支部が新庁舎建設にあたって旧庁舎を取り壊す際に、いくつかの使われていた部屋を博物館が譲り受けたものです。この法廷復原棟も歴史の一部として、十分な価値のある建物です。
法廷内部の机や椅子、内装類は実際に使用されていたものが多く展示されており、昭和20年代から使われていたものを見ることができます。外観はさらに遡って明治33年~昭和27年の旧網走区裁判所の様子を再現しており、歴史が感じられます。
展示案内サービス「監獄ガイドツアー」も
網走監獄では1日3回、館内解説員による展示案内のサービスが展開されています。個人の観光客向けで予約不要なので、タイミングが合えば気軽に参加できるのが魅力です。所要時間は50分程度なので、じっくり見たい人にオススメです。
ただ見ているだけでは分かりづらい事柄も丁寧に解説してもらえるので、一つ一つの展示物の意味や背景も理解でき、より監獄の雰囲気を体感できます。