今更聞けない【バター】の栄養を徹底解説!マーガリンやサラダ油との違いも

今更聞けない【バター】の栄養を徹底解説!マーガリンやサラダ油との違いも

バターほど健康に良い、悪いという意見で揺れ動く食品も珍しいでしょう。バターは栄養を豊富に含みながらダイエットでは敬遠されがちです。しかし最近ではバターの栄養が見直され、むしろダイエットにおすすめという流れになりつつあります。バターの栄養についてご紹介します。

本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています

記事の目次

  1. 1.ダイエット中にもおすすめ!バターは良質な栄養たっぷり
  2. 2.バターのおもな栄養
  3. 3.バターの栄養が持つ健康効果
  4. 4.バターとマーガリン・サラダ油の栄養の違い
  5. 5.バターは身体に必要な栄養が豊富!

店舗や施設の営業状況やサービス内容が変更となっている場合がありますので、各店舗・施設の最新の公式情報をご確認ください。

ダイエット中にもおすすめ!バターは良質な栄養たっぷり

フリー写真素材ぱくたそ

栄養豊富なバターは料理の味も美味しくします。近年ではダイエットにも良いとされ、朝食代わりにバター入りのコーヒーを飲むダイエットが大流行しました。しかし栄養たっぷりのバターがどうしてダイエットに良いのでしょうか。この記事ではバターの栄養についてご紹介します。

美味しいバターおすすめランキングTOP7!お菓子作りにも合う無塩や発酵タイプものイメージ
美味しいバターおすすめランキングTOP7!お菓子作りにも合う無塩や発酵タイプも
おすすめのおいしいバターをランキングで特集します。無塩・有塩タイプ、発酵バター、高級バター、輸入物、希少価値の高いバターなど厳選した7つのおすすめバターが登場します。濃厚でクリーミーなおいしいバターは焼きたてのトーストや料理、お菓子作りに欠かせません。

バターのおもな栄養

Photo byrodeopix

高脂肪の食品であるバターについて「バターは健康の敵!」もしくは「バターはダイエットの強い味方」という意見が真っ向から対立しています。栄養学的にいえば、食べ方次第でバターは健康及びダイエットの味方にも、また敵にもなり得ます。バターの栄養素についてみてみましょう。

バターの成分は約80%が乳脂肪

フリー写真素材ぱくたそ

バターはダイエットや健康の敵か味方か、まずバターの成分及び栄養についてみてみましょう。一般的な有塩バターの場合、バター100gあたりのエネルギーは745Kcal、たんぱく質0.6g、脂質81.0g、炭水化物0.2g、カルシウム15mgです(日本食品標準成分表2015年版より)。

つまりバターは約80%が乳脂肪であり、こうしてみるといかにも不健康でダイエットの敵、というイメージが湧きます。しかし2015年に起きたココナッツオイルブームのように、脂肪分は必ずしも体に悪いものとは限りません。つまり乳脂肪とは何か、についてみていく必要があります。

Photo bycongerdesign

ここで脂肪についておさらいしておきましょう。栄養学的に脂質と呼ばれる脂肪は、炭水化物、たんぱく質と並ぶ三大栄養素としてヒトの生命活動に欠かせない栄養素のひとつとされています。脂肪はモノグリセリドと脂肪酸で構成され、脂肪酸は炭素、水素、酸素が結びついて出来ています。

このとき、脂肪酸の炭素数や結合の違いにより種類や栄養の働きが異なります。以上を踏まえたうえでバターの栄養をみていくと、バターの脂肪酸は主に酪酸などの短鎖・中鎖脂肪酸(飽和脂肪酸)、そして多価不飽和脂肪酸であるリノール酸やα-リノレン酸がバランスよく含まれています。

Photo byCouleur

一般的に糖質や脂質は摂取量が消費量を上回ったとき、それらはすべて皮下や筋肉に「脂肪」として沈着します。これが肥満の原因で、バターも変わりません。しかし、短鎖・中鎖脂肪酸は炭素の鎖が短いことから分解されやすく、すぐエネルギーになって蓄積しづらいという性質があります。

また、体内で合成できないリノール酸やα-リノレン酸は必須脂肪酸と呼ばれており、不足すると皮膚の乾燥や脱毛、免疫不全といったさまざまな症状を引き起こします。これらの栄養素がまんべんなく含まれているバターは美味しいだけでなく、栄養学的にも優れた食品といえるでしょう。

食用油脂の中で最も消化が良い

フリー写真素材ぱくたそ

短鎖・中鎖脂肪酸が豊富なバターは、食用油脂の中で最も消化が良く(97~99%)、また分解も早いので、大量に摂取しなければ健康への悪影響はないといえるでしょう。特に食が細い高齢者の場合、バターや牛乳といった少量できちんと栄養が摂取できる食品は極めて有効といえます。

しかし、食事で糖質を摂取し血糖値が上昇すると脾臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは細胞に栄養を取り込むのに欠かせないものですが、同時に体内で脂肪の合成を促進してしまいます。このため、糖質と脂肪を一緒に摂取するのはあまり好ましくありません。

乳由来のビタミンA・E・Dが豊富

Photo byDevanath

バターは生乳を遠心分離させて乳脂肪を分離し、攪拌することで作られます。つまりバターの栄養は生乳、もっといえば牛が食べる牧草に由来します。牧草のなかでもアルファルファは、たんぱく質のほかビタミンA、E、Dなど栄養が豊富で、人間がサラダなどにして食べることもあります。

このため、バターもビタミンA、E、Dといった栄養がたくさん含まれています。なかでも皮膚や粘膜を健康な状態に保つビタミンAは群を抜いて高く、天然油脂の中ではトップレベルの含有量です。またビタミンAは油に溶けやすい脂溶性ビタミンなので、吸収しやすいこともポイントです。

ビタミンA は牛乳の13倍

フリー写真素材ぱくたそ

バターに含まれる栄養素は生乳由来ですが、ビタミンAは生乳の13倍以上も含まれます。実は、100gのバターを作るためにはおよそ2.2リットルの生乳が使われており、栄養素もギュッと濃縮されるのです。なお、バター100gにはビタミンAが520マイクログラム(mcg)含まれています。

ところで、ビタミンAは過剰に摂取すると頭痛やめまいなど健康障害をもたらすことが知られていますが、1日あたりのビタミンA推奨量は700~900mcg(14歳以上)、食パン1枚に塗るバターを約10gとすると52mcgなので普通に食べる分にはほぼ問題ないといえるでしょう。

バターの栄養が持つ健康効果

Photo bycongerdesign

このようにバターは消化・吸収が良く、栄養豊富な食品であることがわかりました。そのため、バターには整腸作用やアンチエイジング効果などさまざまな健康効果が期待できる、といわれています。果たしてこの噂は本当でしょうか。バターの栄養が持つ健康効果についてご紹介します。

乳酸菌による整腸効果が期待できる?

Photo byTheDigitalArtist

乳酸菌には整腸効果があるとよく聞きますが、実際のところどうなのでしょうか。牛乳の場合、乳糖を腸内の乳酸菌が栄養にして乳酸や酢酸を産生し、それらが腸のぜん動運動を促すことで軟便や便秘の改善といった効果が期待できます。しかし、バターには乳糖がほとんど含まれていません。

バターに含まれている酪酸をはじめとした短鎖脂肪酸について考えてみましょう。短鎖脂肪酸は確かに大腸の粘膜の栄養になったり結腸の粘液分泌を促進したりすることで整腸効果が期待できます。しかし酪酸を経口摂取しても小腸でほぼ吸収されるので効果はあまりないといえます。

Photo byPexels

結論としては、整腸効果を期待するならバターを摂取するより、腸内で短鎖脂肪酸を産生する乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌といったプロバイオティクス(生きた善玉菌)や善玉菌の栄養になる食物繊維やオリゴ糖といったプレバイオティクスを摂取した方がおすすめといえるかもしれません。

なお、バターのなかでも乳酸菌を加えて発酵させた「発酵バター」には乳酸菌が豊富に含まれているので、プロバイオティクスとして整腸作用が期待できます。ただし、バターはヨーグルトと比べて大量に食べられるものではないため、あくまで補助的なものと捉えた方がいいかもしれません。

ビタミン類によるアンチエイジング効果も?

Photo byCouleur

バターの栄養に関していえば整腸効果よりビタミン類によるアンチエイジング効果のほうが期待できます。例えばバターの代表的な栄養・ビタミンAには黒色メラニンの生成を抑えシミやそばかすを改善する効果が、ビタミンEには活性酸素を除去して老化を防ぐ効果があるといわれています。

また、アンチエイジングは美容に関することばかりではなく、加齢を原因とした骨密度の低下による骨粗しょう症を防ぐことも含まれます。バターの栄養素には骨を作るカルシウムはもちろん、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも含まれているので、まさにうってつけといえるでしょう。

バターとマーガリン・サラダ油の栄養の違い

Photo bymoiranazzari

バターに似たものにマーガリンとサラダ油があります。かつてバターは健康に悪いとされ植物油から作られたマーガリンやサラダ油がもてはやされたこともありますが、実際のところカロリーや栄養、油脂の性質はどうなのでしょうか。バターとマーガリン、サラダ油の栄養を比較してみます。

カロリー

Photo byskyqxb

マーガリンはコーン油、大豆油、パーム油といった植物油に大豆レシチンなどの乳化剤、ビタミンなどを加えて冷やし固めたものです。マーガリンの栄養は100gあたりエネルギー769Kcal、たんぱく質0.4g、脂質83.1g、炭水化物0.4g、ビタミンA24mcgとなっています。

バター100gあたりのエネルギーが745Kcalなので、カロリーはほとんど変わらないといえるでしょう。大きく違うのが脂肪酸の組成で、バターには短鎖・中鎖脂肪酸が多いのに対しマーガリンは長鎖脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価飽和脂肪酸(α-リノレン酸など)が主体となっています。

Photo bylou_zeni

長鎖脂肪酸は、短鎖・中鎖脂肪酸と異なり、ゆっくり分解されるので脂肪として貯蔵されやすく、この点からみるとバターの方がダイエットにおすすめといえるかもしれません。しかし、バターもマーガリンも摂り過ぎれば結局肥満の原因になるので、なんでも食べ過ぎないことが寛容です。

一方、マーガリンは動脈硬化の原因となるコレステロールが少なく、栄養学的に成人病予備群の人におすすめという意見もあります。しかし、コレステロールも人体に必要な栄養でありバター10gあたりのコレステロールは21mg(鶏卵1個は約210mg)なのであまり問題になりません。

Photo bycongerdesign

このようにカロリーや栄養素についてはバターもマーガリンも一長一短なので、風味や使いやすさで選んで構わないでしょう。バターの良い香りを楽しんだり、料理に良い風味をつけたりする場合はバターがおすすめです。パンに塗って食べるだけならマーガリンの方が安いのでおすすめです。

Photo bystevepb

サラダ油の栄養をみてみましょう。日本農林規格(JAS)の定義によると、サラダ油の原材料は大豆油や菜種油などで、2種類以上の油をブレンドしたものは調合サラダ油と呼ばれています。商品によってカロリーや栄養素は違いますが、サラダ油100gあたり約886Kcalとされています。

サラダ油も植物油なので、栄養素的には長鎖脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価飽和脂肪酸が主体となります。また、ビタミンAやDは含まれていませんがビタミンEが豊富です。ただ、バターやマーガリンと違い、単品をそのまま食べるわけではないので比較するのは難しいかもしれません。

トランス脂肪酸

Photo byds_30

トランス脂肪酸とは不飽和脂肪酸における炭素の二重結合のまわりの水素がトランス型になったものをいいます(通常はシス型)。かつてマーガリンを製造する際、植物油を固めるのに部分水素添加油脂が使われていましたが、これにトランス脂肪酸が多く含まれていたため問題になりました。

トランス脂肪酸は善玉コレステロールを減らし悪玉コレステロールを増やしてしまうため、WHO(世界保健機関)から過剰摂取は心疾患のリスクが高まると勧告を受けたこともあります。しかし現在では国内のほぼ全てのマーガリンは部分水素添加油脂不使用なのであまり問題ありません。

Photo bycongerdesign

農林水産省の平成26・27年度調査結果によると、マーガリン100g中トランス脂肪酸は0.99g、バターは100g中1.9gなので、バターもマーガリンもトランス脂肪酸を気にせず食べられるといっていいでしょう。また、サラダ油のトランス脂肪酸は100g中0.91gです。

今更聞けないバターとマーガリンの違いを徹底解説!用途別のおすすめは?のイメージ
今更聞けないバターとマーガリンの違いを徹底解説!用途別のおすすめは?
バターとマーガリンの違いについてきちんと理解していない方も多いのではないでしょうか。色合いも風味も似ているので、混同して利用している方も多いかもしれません。バターとマーガリンにはどんな違いがあるのか、用途別のおすすめも含めて紹介していきます。

バターは身体に必要な栄養が豊富!

Photo byKapa65

バターは消化・吸収が良く、ビタミンAなどの栄養が豊富な食品です。しかしいくら栄養があるからといって過剰摂取はおすすめできません。健康維持やダイエットのためには栄養のあるものを適量食べることが鉄則です。美味しくて栄養豊富なバターを毎日の食卓に取り入れてみませんか。

※ご紹介した商品やサービスは地域や店舗、季節、販売期間等によって取り扱いがない場合や、価格が異なることがあります。

dmi30
ライター

dmi30

北海道在住。牛や馬、羊が身近にいる自然豊かな場所で暮らしています。旅行が趣味で、気の赴くまま北海道のあちこちを旅してまわっています。旅先で美味しそうなものを見つけたら、食べずにいられない食いしん坊。宿泊先はホテルよりユースホステルやドミトリーを利用しています。北海道を中心に、素敵な場所や旅先での楽しみ方、グルメ情報などをお届けします。

こちらもいかがですか?

人気記事ランキング