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みりんの代用品は簡単レシピで作れる!
戦国時代にはすでに存在していたといわれる伝統的な調味料・みりんは、和食作りに欠かせない調味料の1つです。そんなみりんですが調味料なのに酒税が課されていますし、酒類免許がなければみりんを販売することはできません。
実はみりんはアルコール度数が高いため、みりんを調味料としてではなく飲料用を目的とする場合は、未成年(満20歳未満)への販売が法律で禁止されているほどです。そんな酒類調味料・みりんには、調理をするうえで嬉しい効果がたくさんあります。
そもそもみりんはどんな調味料?
酒類調味料・みりんは、漢字で「味醂」と書きます。みりんの起源についてはさまざまな説があるのですが、「みりんは中国由来の調味料」という説と「みりんは日本生まれの調味料」という2つの説が有力です。
中国由来とする説では、中国で食されていた甘い酒「ミイリン(蜜醂)」が日本に伝わったという説があります。これに対して日本由来説は、日本で古くから作られていた酒(錬酒・白酒)に地酒(焼酎)を加えて腐敗防止を目的としたという説です。
なお市場に流通するみりんの表記もそれぞれで、平仮名で「みりん」とするみりん商品もあれば、ミイリン(蜜醂)から変換したといわれる漢字表記の「味醂」もあります。
「みりん(味醂)」がつく調味料にはいくつか種類があるのですが、本来のみりんは「本みりん」と呼ばれる調味料です。
みりんレシピが誕生した(日本に移入されてきた)といわれた時代は、腐敗防止のための調味料としても使われていましたが、どちらかというと「甘みのある酒」として飲料用に使われていました。
食材の調味料としてみりんが使われるようになったのは江戸時代後期のことで、そばつゆや鰻タレなど上品な甘み・コク・テリを出すのに欠かせない調味料として使われるようになります。
ただし一般庶民が使用する調味料となるのは昭和30年代以降で、それまではぜいたく品として高級料理店などでしか使われていませんでした。ぜいたく品とされた理由も、みりんの原料にあります。みりんは酒または焼酎に、米麹ともち米が主原料です。
もち米には、たっぷりのでんぷんとたんぱく質が含まれています。米麹は蒸した米に麹菌を加えて発酵させたもので、清酒や米味噌作りの原材料としても使われます。さらにみりんの原料でもある焼酎も、米麹を原料とした酒類です。
このようにもち米・米麹とつながりの深い酒や焼酎を加え熟成させることによって、もち米に含まれるでんぷんとたんぱく質が分解されます。さらに常温・常圧で約2ヶ月熟成させると、上品な甘みのもととなる糖類やアミノ酸などが生成されます。
こうして作られるのが酒類調味料・みりん(本みりん)ですが、原材料に酒・焼酎が多く使われるため、みりんのアルコール度数は約14%です。
このアルコール度数の高さが「酒類調味料」といわれる所以で、かつてみりんがぜいたく品とされたのも税金(酒税)の高さと関係があります。
昭和30年代になってから大幅な減税が実施されたことで一般家庭でもよく使われる調味料となったのですが、それでもみりんの値段は高いです。そこで代用品として登場したのが、「味醂風調味料」「発酵調味料」といったみりんの類似品になります。
スーパーやコンビニでよく見かける「みりん」はみりんの代用品「みりん風調味料」のことで、原材料や製法だけでなくアルコール度数に違いがあるのが特徴です。
みりんは糖化熟成法によって作られるうえに、アルコール度数は約14%あります。これに対して代用品のみりん風調味料は主にブレンド製法で、アルコール度数も1%未満です。そのため酒税の対象になりませんし、酒類免許がなくても販売することができます。
ただしみりん風調味料はあくまでも代用品ですから、みりんの味や風味を再現するために調味料や酸味料などが使われています。アルコールも含まれますが度数が低いため、アルコールによるみりん特有の調理効果(煮崩れ防止や消臭効果など)は期待できません。
ちなみにみりんの代用品・発酵調味料にはみりんと同じくアルコール度数が約14%あるので、みりんを使った際の調理効果に似たものが期待できます。その代わり原材料に食塩が含まれるので、食塩を使わないみりんが塩分0%に対して代用品の発酵調味料は塩分が2%です。
なお同じく代用品のみりん風調味料も1%未満の塩分を含んでいるため、みりんの代用品(類似品)は塩分調整が必要な調味料といえます。
みりんは日本の代表的な酒類調味料
みりんが日本を代表する調味料といわれる理由は、いろいろあります。みりんは砂糖と同じく甘みを表現する調味料ですが、砂糖の甘みとは違い上品かつまろやかな味になります。
砂糖にもいろいろな種類がありますが、一般的に使われる砂糖は「上白糖」で、成分はショ糖のみです。上白糖よりも高純度な砂糖といわれるグラニュー糖も成分はショ糖ですから、基本的に甘みの強い傾向があります。
これに対してみりんにはオリゴ糖やブドウ糖など多くの糖類が含まれているので、マイルドで上品な甘みになります。さらに料理の見た目を左右するテリやツヤも、砂糖とみりんでは異なります。テリやツヤを出すには糖類が必要なので、砂糖を使っても代用できます。
ただし砂糖の場合は、砂糖のほかに酒としょう油を加えなければテリ・ツヤを出すことはできません。それに対してみりんには、テリ・ツヤを出すのに欠かせない糖類が多数含まれています。
しかもアルコール度数が高いので、みりんにしょう油を加えれば簡単にテリ・ツヤを出すことが可能です。「味に旨味とコクが出る」という点も、みりんの特徴といえます。
みりんにはアミノ酸・有機酸・多種類の糖類が含まれますが、それぞれの成分に旨味とコクを出す調理効果があります。アミノ酸は旨味成分として有名で、アミノ酸を多く含むみりんは旨味だけでなく風味もアップするのが特徴です。
またみりんの有機酸によって酸味が加わるため、味に深みが出ます。しかも多種類の糖類のおかげで上品な甘みがありますから、砂糖だけを使うよりもみりんを使った方が同じレシピでもワンランク上の仕上がりになるのが魅力です。
なおアルコール度数が約14%あるみりんだからこそ得られる調理効果も、みりんの特徴に挙げられます。みりんに含まれるアルコール成分は食材の煮崩れ防止の効果がありますし、短時間で味が染みこむので、和食の時短レシピとしてみりんを使うのもおすすめです。
さらにアルコールには消臭効果もあります。アルコールを加熱すると蒸発する際に食材の臭いも吸い出してくれるので、魚や肉の調理にみりんを使えば臭い消しとしての調理効果も発揮します。
なおみりんの代用品としてよく使われるみりん風調味料には、アルコールがほとんど含まれていません。ですから代用品のみりん風調味料で味や香りを再現することは可能ですが、調理効果の代用にはならない点が大きな違いです。
みりんのおすすめ代用品【日本酒+砂糖】
みりんの代用レシピにはいろいろありますが、最も簡単な代用レシピが「日本酒+砂糖」の代用レシピです。砂糖はみりん同様甘み成分を含んでいますし、日本酒を加えることでアルコールによる調理効果も得られます。
そもそも日本酒造りにはみりんの原料である米麹が使われるので、麹菌による調理効果が加わる点もみりん代用レシピとしておすすめです。通常は上白糖と日本酒を組み合わせるのが代用レシピの定番ですが、上白糖を使う代用レシピの場合、甘みの強さが気になります。
甘さを控えた代用みりんにしたい場合は、上白糖よりも純度の高いグラニュー糖を使うと、「日本酒+砂糖」の代用レシピでもさっぱりとした甘さの代用みりんになるのでおすすめです。
なお日本酒+砂糖の代用レシピであれば、テリ・ツヤを出したい時の代用としても使うことができます。日本酒+砂糖にしょう油を加えるだけでみりんと同じテリ・ツヤが出るので、照り焼き料理でみりんを切らしてしまったときの代用としてもおすすめです。
みりんのおすすめ代用品【日本酒+はちみつ】
砂糖の代用品として人気のはちみつは、日本酒と組み合わせるとみりんの代用になります。はちみつは砂糖よりも甘みが強いのが特徴で、カロリーオフダイエッターには砂糖の代用品として普段からはちみつを使っているケースも多いです。
はちみつには約80%の糖質が含まれますが、そのうちの大半が果糖とブドウ糖になります。しかもみりんに含まれる有機酸もはちみつの栄養成分に含まれているので、日本酒+はちみつ代用レシピならみりんと同じように深みのある味やコクを再現することも可能です。
さらにはちみつには、ビタミンやミネラルなどの栄養成分も含みます。ですから栄養成分に注目するのであれば、「日本酒+はちみつ」の代用レシピの方が「日本酒+砂糖」の代用レシピよりもおすすめです。
ただし日本酒+はちみつ代用レシピでは、はちみつの種類や量に注意してください。砂糖よりも甘みが強いですから、砂糖と同じ量のはちみつを使ってしまうと甘すぎるみりん代用品になってしまいます。
はちみつには砂糖と違い独特の風味がありますから、調理法によってはみりんの代用に使えないこともあります。なおちみつは種類のよって味や風味が異なる点も、代用レシピとして使う際には注意すべきでしょう。
市販されているはちみつの中で最もポピュラーな商品といえば「百花はちみつ」ですが、百花はちみつは「さまざまな種類の花から採取したはちみつ」なので、商品によって風味・香り・色が違います。
とはいえさまざまな種類がブレンドされている分、それほど個性が強くないという点では代用レシピの材料におすすめです。これに対してそばはちみつやオレンジはちみつなどは香りや味の個性が強いので、みりんの代用レシピにはあまりおすすめしません。
値段はやや高めですが上品な甘さが特徴のれんげはちみつは、みりんの代用食材としてもおすすめですし、和食との相性も良いです。「はちみつの女王」と呼ばれているアカシアはちみつもくせがない上品な甘さなので、みりん代用におすすめのはちみつといえます。
みりんのおすすめ代用品【白ワイン+砂糖】
みりん代用レシピには日本酒を使うのがおすすめなのですが、「日本酒を飲むことがない」「日本酒が苦手」という人も多いです。そのような場合には白ワインを日本酒の代用として使うこともできます。
白ワインはぶどうが原料の酒類ですから、ぶどうに含まれる果糖もみりん代用レシピにおすすめです。家飲みで余ってしまった白ワインでも十分にみりん代用レシピに使えますし、白ワインの糖分もあるので、砂糖と組み合わせるだけで簡単に代用レシピになります。
みりんのおすすめ代用品【梅酒+水飴】
日本酒の代用として梅酒を使うのも、みりん代用レシピではおすすめです。梅酒は種類にもよるのですが、基本的にアルコール度数が高めになっています。
種類によってはみりんのアルコール度数よりも高いので、みりん代用レシピに使う場合は梅酒のアルコール度数をチェックしてください。
アルコール度数が8%~10%程度であれば、日本酒や白ワインと同じように使えますが、もともと梅酒は水や炭酸水で割って飲む酒類なので、アルコール度数が14%を超えるものもあります。
このようにアルコール度数が高めの梅酒を使う場合は、あらかじめ加熱してアルコール分を蒸発させる必要があります。
なおテリやツヤを出したい時の代用品として使う場合は、梅酒+砂糖だとみりんのようなテリ・ツヤが再現しにくいです。そのためテリ・ツヤを出したい場合には、「梅酒+水飴」の組み合わせにするとよいでしょう。
みりんのおすすめ代用品【めんつゆ】
みりんよりも常備率が高いめんつゆは、みりん代用調味料としてもおすすめです。そもそもみりんが日本の伝統的な調味料となった背景の一つに「そばつゆ」があります。そばつゆから誕生した調味料がめんつゆですから、めんつゆの材料にはみりんが含まれます。
さらに出汁・醤油・砂糖が入っているので、煮物などにみりんを使いたい時の代用にはめんつゆでも十分です。なおめんつゆだけでみりんのようなテリ・ツヤを出すことは難しいですが、めんつゆに砂糖としょう油を加えればテリ・ツヤ出しにも使えます。
みりんのおすすめ代用品【コーラ】
炭酸飲料の代表でもあるコーラは、テリ・ツヤ出しでみりんを使いたい時の代用としておすすめです。テリ・ツヤを出すのに必要な砂糖が含まれていますし、甘みだけでなくコクもあるので、テリ・ツヤ用のほかにも煮物用の代用品としても使えます。
またコーラには「ペプシン」と呼ばれる酵素が含まれていますから、肉がメインの煮込み料理にみりんの代用として使うと肉が柔らかくなる嬉しい調理効果もあります。
みりんの代用に注意が必要なものは?
めんつゆやコーラのようにアルコールがなくてもみりんの代用となるものはありますが、みりん代用レシピの基本は「酒類と組み合わせること」です。
どの調味料と組み合わせても失敗がないのはみりんの原料でもある日本酒ですが、日本酒以外にもみりん代用レシピに使える酒類はあります。ただしその中には調理の際に注意が必要なものも含まれます。
料理酒
みりん同様常備率の高い調味料として料理酒がありますが、料理酒を日本酒の代用とする場合には「塩分」に注意が必要です。
みりんには原材料に塩が含まれないので塩分は0%ですが、料理酒には塩が原材料に含まれます。そのため塩分を調整したい場合には、料理酒ではなく塩分が含まれない日本酒を使った方がよいでしょう。
焼酎
みりんも商品によっては焼酎が使われることがありますが、みりんの代用レシピに焼酎を使う場合はアルコール度数の高さに注意してください。焼酎は基本的に水や炭酸水などで割って飲む酒類なので、アルコール度数は20%~30%と高めです。
みりんの中には焼酎を原材料に使用している商品もありますが、その場合もアルコール度数は約14%となっています。ですから焼酎をみりん代用レシピに使う場合は、煮切りでアルコール成分をしっかりと蒸発させることが重要です。
なお煮切りをしてもアルコール成分が完全に蒸発しないこともありますから、小さな子供がいる場合やアルコールアレルギーがある場合は、焼酎を使ったみりん代用レシピを避けた方がよいでしょう。
みりんがない時は身近なものを工夫して代用しよう!
酒類に区分される酒類調味料・みりんは、上品な甘みや深いコクのほかにも煮崩れ防止や消臭作用など嬉しい調理効果もあります。
そんなみりんですが自宅にある調味料などを使って代用することも可能です。なおみりん代用レシピは基本的に酒類を使いますが、酒類を使わなくても材料次第でみりんの代用にすることができます。