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ナツメグと同じ果実から採れる「メース」
黄色や黄褐色をしたスパイス・メースは、古くから使われてきたスパイスの一種です。日本ではそれほど認知度が高くないメースですが、お菓子作りでは定番のスパイスなので、お菓子作りで常備する人もいます。
そんなメースは、日本でも人気のスパイス・ナツメグと同じ植物からとれます。香辛料としても使われる強い香りとほろ苦い刺激はメースにも共通する特徴で、使い方にも共通点があります。
ただしメースの方が使い方のバリエーションが豊富で、料理用スパイスとして人気のナツメグに対して、メースは料理だけでなくお菓子やドリンクにも使われる人気のスパイスです。
メースは熱帯地方および亜熱帯地方で栽培されており、古くからメース(ナツメグ)を料理に使っていたインドネシアが今でもメースの生産量が多い国として挙げられます。
メースはどんなスパイス?
「メース」というスパイス名だと日本ではあまり知名度が高くありませんが、メースは使い方のバリエーションが豊富で、常備しておくといろいろな料理に使えるおすすめのスパイスです。
メースは、スパイスや漢方薬の原料として使われるニクズク科植物から作られます。ニクズク科植物は確認されているだけでも約500種ありますが、メースの原料となるのはその中でもごく限られた植物です。
そんなメースの原材料・ニクズク科植物ですが、熱帯・亜熱帯地方で自生するのが共通点に挙げられます。なお世界で流通しているメースの原材料は、メースの原産地であるバンダ諸島原産の「ニクズク」と呼ばれる植物です。
かつて世界で行われていたスパイス貿易によってマレーシアや南インドにも伝わり、現在でも栽培がおこなわれています。
古くから西欧で珍重されてきたスパイス
メースの原料となるニクズクは、接ぎ木や挿し木で増やすことができる植物です。そのため大量生産に適した植物というイメージがありますが、メースの栽培は簡単ではありません。
そもそもメースの原材料は、雌雄異株という特異な植物です。そのため挿し木や接ぎ木だけでなく、種子から栽培する方法もあるのですが、種子から栽培すると花をつける確率が50%なのでメースを安定して生産するには適していません。
さらに花が咲くまでに6年~8年かかるので、花が咲いた後に成長する果実を収穫するまでには長い時間がかかるのです。メースは果実の中にある種子から作られるスパイスなので、果実が安定して収穫できないと大量生産ができません。
そのため原産地では古代より使われてきたメースですが、原産地以外ではメースの使い方だけでなくその存在もほとんど知られていませんでした。
そんなメースがインドを経由して貿易品になると、珍しいスパイスとして世界中から注目されます。特に西欧でのメース人気は高く、希少価値の高いスパイスとして珍重されてきた歴史があります。
甘い香りとほろ苦さが特徴
メースが西欧で珍重された理由の1つには、メース特有の甘い香りと上品な苦みが挙げられます。メースの香りの主成分はピネン、オイゲノール、カンフェン、ミリスチシンです。
ピネンは針葉樹の香り成分に多く含まれる成分で、上品な甘さが特徴の香り成分として人気があります。オイゲノールは甘さというよりもすっきりとした香り成分で、やや刺激が強いのが特徴です。
カンフェンやミリスチシンは爽やか系の香り成分ですが、メースには微量が含まれる程度です。そのためメースは甘い香りが特徴ですが、甘いだけでなく程よい爽やかさも兼ね備えているところが、さまざまな使い方ができるスパイスといわれる所以でしょう。
香辛料としての使い方も人気のメースには、苦みが味の特徴です。メースの苦みは強い刺激ではななく、ほろ苦さが感じられる程度の苦みになっています。
メースとナツメグの違い
お菓子作りで人気のメースは、料理用スパイスとして日本でも人気のナツメグと同じ植物から作られます。どちらも果実の中にある種子から作るため、共通点も多いです。ところが2種類のスパイスを比較してみると、明らかな違いもあります。
メースの方が繊細な香り
臭みとりや味のアクセントとして使われるスパイス・ナツメグは、刺激のある苦みと共に甘い香りもします。そのため肉料理・野菜料理・スープなど、いろいろな料理に使えるスパイスとして人気があります。
メースの場合、日本ではあまり知られていませんが、海外ではさまざまな料理レシピやお菓子・ドリンクに使われるため、非常に身近なスパイスの1つです。
香りが単に甘いだけでなく、繊細で上品な香りがするので、お菓子やドリンクのスパイスに人気があります。また香り成分には甘さ以外の香り成分が複数含まれているため、メースは「繊細な香り」と表現されることが多いです。
甘味はナツメグのほうが若干強い
香り成分ではメースの方が高く評価されますが、味はナツメグの方が使いやすい傾向があります。どちらもほろ苦さが味の特徴にあるのですが、2種類を比較するとナツメグの方が甘みが強いです。
とはいえあくまでも若干程度の違いなので、甘さだけで比較するということはなく、甘さと香りのバランスで選ぶのが一般的といえます。なお基本の味は苦みですから、ナツメグは料理用スパイスとしての使い方が定番です。
ナツメグより高価
同じ植物の種子から作られる2種類のスパイスですが、価格は圧倒的にメースの方が高いです。価格の違いは収穫量の違いとも関係します。ナツメグは果実の中にある種子が原材料なので、果実の収穫量が多ければ安定して生産することができるスパイスです。
ところがメースは種子と果実の間にある皮から作るため、圧倒的に収穫量が少なくなります。しかも種子の皮を丁寧に取り除き、天日で乾燥させて作るのがメースなので、同じ種子からとれるスパイスといっても価格には大きな違いがあるのです。
メースの使い方
古くから珍重されてきたスパイス・メースですが、さまざまな料理に使える万能スパイスなので、常備しておくと便利なおすすめスパイスです。
ナツメグと同じように肉料理全般
料理用スパイスとしてメースを使う場合は、肉料理に使うのが一般的です。早くからメースを珍重してきた西欧では、伝統的な肉料理にメースを使います。特にジャガイモを使った肉料理には、上品な甘さとほろ苦さがアクセントになるメースが欠かせません。
ステーキのようなシンプルな肉料理には、グレイビーソースにメースを少々加えるだけで簡単にお店の味が再現できます。
スコットランドの伝統料理であるハギスにも、メースは欠かせないスパイスです。ハギスは羊の内臓のミンチにタマネギやメースを加えて羊の胃袋に詰める料理で、スコットランドの家庭料理ともいえます。
イタリアではミートローフやトルテリーニに入れるミンチ肉に、メースを加えて風味付けをする使い方が定番です。
お菓子やデザート類に
メースは上品な甘い香りが特徴のスパイスなので、お菓子におすすめのスパイスです。特にシナモンとの相性が良く、シナモンクッキーにメースを加える使い方は人気があります。
チョコクッキーにメースを加えれば、メースのほろ苦さがチョコクッキーのアクセントになるので、隠し味に加える使い方もおすすめです。
ショウガとの相性が良く、ジンジャークッキーやジンジャーケーキに少量加える使い方もおすすめです。
牛乳を使った甘いお粥・ライスプディングを作るなら、少量のメースを加えてみてください。いつもの材料にメースを少量加えるだけで、上品な香りとほろ苦さが楽しめるワンランク上のライスプディングが簡単に作れます。
スープやドリンクのアクセントに
甘い香りだけでなくほろ苦さも併せ持つスパイス・メースは、スープに入れる使い方も人気です。肉料理・野菜料理のスパイスとして人気があるので、肉がメインのスープに加えるのもおすすめですし、野菜スープに加えると味にアクセントがつきます。
さらにドリンクにメースを使う方法もおすすめです。エッグノッグという牛乳で作る甘いドリンクにメースを加えると、甘さの中にほんのりと苦みがある大人におすすめのドリンクメニューになります。
またグリューワイン(ホットワイン)にメースを加える使い方も、昔から人気がある冬の夜におすすめのレシピです。
幅広い用途に使えるメース
ナツメグと同じ植物からとれるメースですが、上品な香りが特徴のメースはお菓子やデザート、ドリンクなどにも人気のスパイスです。古くからメースを珍重してきた西欧ではメースを使った料理も人気で、肉料理や野菜料理などさまざまな料理にも使われます。
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