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城下町佐倉は歴史と文化の街
千葉県北部に位置する佐倉市は人口約17万人の都市です。県庁所在地のある千葉市や成田空港のある成田市にも近く、東京都心からも40キロメートルと都心へのアクセスも良好です。
佐倉市は城下町としても知られています。江戸時代、佐倉の領主となった土井利勝が佐倉城を築城し、街は城下町として栄えていきました。江戸時代の頃の街並みは今も残っており、日本遺産にも認定されています。
観光地としては武家屋敷通りや佐倉城址公園が有名で、特に佐倉城址公園は桜の名所として知られています。佐倉市ゆかりの人物である堀田正俊の旧堀田邸や寺院も多数あり、歴史あふれる街なのです。
佐倉市の個性的な美術館・博物館が楽しい!
佐倉市は市北部に位置する印旛沼周辺から多数の遺跡が発見されたことでも有名で、佐倉城址公園の一角に国立民族博物舘があります。古代の土器から現代にいたるまで個性的な展示で日本の文化を学べるのが魅力です。
佐倉市に行ったら博物館だけではなく、アートも楽しみましょう。有名なデザイナーが建築した建物が多数あり、佐倉市ゆかりの作家の作品などを展示した美術館もあります。
ゆっくりと歴史やアートの世界に浸ると心がリラックスした気持ちになるでしょう。特におすすめなのが佐倉市を代表する二大美術館です。
DIC川村記念美術館
二大美術館の一つであるDIC川村美術館はぜひ見に行きましょう。DIC株式会社が関連企業と共に収集してきたコレクションが展示されており、コレクションの多くはDIC株式会社の設立者である川村勝己が収集していたものです。
川村勝己は絵と語らう喜びを多くの人に知ってほしいという思いで、美術館で公開しようと考えたのです。美術館に入ってまず目に入る二つの塔のようなデザインは、日本の代表的な建築家である海老原一郎が担当しました。とてもおしゃれな外観は一つの作品と言えるでしょう。
DIC川村記念美術館の見どころ
川村美術館の見どころは展示品はもちろんのこと、美しい自然も魅力です。館内に入る前から目で楽しませてくれるでしょう。展示品は20世紀美術を中心としたコレクションを見ることができ、展示は年に数回入れ替えられる常設展と、期間限定の企画展に分かれています。
世界に4ヵ所だけの「ロスコ・ルーム」
川村美術館の大きな特徴といえば「ロスコ・ルーム」でしょう。20世紀のアメリカを代表する画家であるマーク・ロスコの作品だけを展示した部屋で、世界でも4ヶ所しかない貴重なものなのです。展示されている作品は7点で、部屋も作品の数に合わせて7角形に設計されています。
ロスコの作品は赤色が多く、部屋に入った瞬間に鮮やかな赤が目に飛び込んできます。中央に設置されているソファに座ると赤色に包まれたような不思議な感覚になるでしょう。胎内にいるような安心感を感じられます。日常のストレスから解放されロスコの作品に浸ってみてはいかがでしょうか。
企画展でコレクションをより深く理解する
美術館で展示されているものは常設展と企画展の二種類に分かれるのはご存知ですか?常設展は美術館が所蔵している作品を展示しますが、企画展は所蔵していない作品を期間限定で展示しています。普段は見ることができない海外の美術作品や、珍しいコレクションを見ることができると評判です。
まずは常設展で美術館の歴史や作品への理解を深めましょう。そして作品を十分堪能したら、美術館で開催されている企画展にも行ってみましょう。企画展では美術館にゆかりのある作家の作品を展示していることが多いので、コレクションへの理解も深まります。
美術館に行く際には現在開催されている企画展もチェックしてみましょう。期間限定なのでいつまで開催されるのかも確認してから行くことをおすすめします。
川村美術館では現在は企画展は開催されていませんが、過去の企画展をご紹介します。まずは昨年12月8日まで開催されていた「描く、そして現れる−画家が彫刻を作るとき」です。
国内外の25人の画家たちが、絵画から彫刻へと作品を3D化しようと試みた作品が展示されていました。ピカソやマグリット、草間彌生などの作品を見ることができます。
次にご紹介するのは昨年5月に一周忌を迎えた山口勝弘の作品を集めた企画展「追悼山口勝弘1928−2018」です。山口勝弘は日本を代表する作家で、絵画や彫刻の枠にとらわれない、光や映像を駆使した作品が人気でした。
DIC川村美術館では山口勝弘の作品を度々取り上げています。企画展では山口勝弘の代表作である「ヴィトリーヌ」や「布張り彫刻」など約20点の作品を見ることができました。
今後も企画展は開催予定ですので、公式のサイトなどをこまめにチェックしてぜひ行ってみてください。
季節ごとに美しい景色を見せる庭園
DIC川村美術館は自然豊かな庭園があるのも魅力です。庭園の広さは約3万坪で千葉県の在来種が生い茂り、季節ごとに美しい花々が咲き誇ります。広い芝生公園やテラスもあり、レジャーシートなどを広げて日向ぼっこをするのも気持ちがよいでしょう。
庭園にも6つの彫刻作品があり、ヘンリー・ムーアの作品などを自然の中で楽しむことができます。美術館内で鑑賞するのとは違い、その日の気候や季節によっても見え方が変わり何度訪れても楽しめるでしょう。
敷地内には10種類250本の桜の木があり、春になると様々な桜の花が咲き誇る景色は絶景です。夏はスイレンの花が咲き、秋はリンドウやモミジ、冬もユキフワリソウが綺麗です。時期により見える景色が変わるため一年を通して訪れてみるのもよいでしょう。
DIC川村記念美術館の基本情報
二大美術館の一つであるDIC川村美術館の魅力が分かったところで、実際に行ってみたいという人に、施設の情報やアクセス方法をご紹介します。訪れる際に参考にしてみてください。
美術館の開館時間は9時30分から17時で、入館は16時30分までとなっています。休館日は月曜日、年末年始と展示替期間の臨時休業日です。月曜日が祝日の場合は火曜日が休館日になるので注意してください。行ってみたら休館日だったということがないように、公式サイトで確認してから行きましょう。
入館料はコレクション展と企画展で違いますので注意してください。コレクション展は一般が1000円で大学生と65歳以上が800円、小中学生から高校生が600円です。団体での入館、障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方は通常料金より少し安く利用できます。
企画展の料金は少し高くなり、3月より始まる企画展の場合だと一般が1300円と通常より300円高くなります。大学生と65歳以上、小中学生から高校生も同様です。ですが企画展のチケットでコレクション展も鑑賞できますので、企画展のチケットを買った方がお得でしょう。
施設内ではバリアフリーも充実しています。庭園の一部を除いてほとんどの場所でスロープが設置されており、車いすでも安心して鑑賞することができます。駐車場では車いす専用スペースがあり、トイレも車いす対応スペースが3ヶ所あります。
他にもおむつ替え付きトイレが2ヶ所や授乳スペースも設置されており、赤ちゃん連れの人にも配慮されています。車いすやベビーカーの無料貸し出しサービスもありますので急に必要になった場合も便利です。
アクセス
アクセス方法は3つあります。電車の場合は東京駅からJR総武線で佐倉駅下車、京成上野駅から京成本線京成佐倉駅下車で、どちらも約1時間です。成田空港駅からも京成線で行くことができます。駅からは送迎バスが出ていて直通で行くことができるのでおすすめです。
東京駅からは直行の高速バスが便利で、約1時間で到着します。車で行く場合は、東京・箱崎JCTより約50分、東関東自動車道の佐倉ICより約10分です。無料の駐車場が300台ありますので、駐車場にも困らないでしょう。
住所 | 千葉県佐倉市坂戸631 |
電話番号 | - |
佐倉市立美術館
佐倉市美術館はDIC川村美術館と並ぶ佐倉市の二大美術館のうちの一つです。1994年11月に開館し、佐倉や房総にゆかりのある作家の作品を展示しています。城下町の中心部に位置し、周辺には武家屋敷などの建造物が多数見られるでしょう。
近代美術を紹介するだけではなく夏休みに子ども向けの企画を催したり、市民の作品発表の場を設けており、開かれた美術館として佐倉市の美術の普及にも貢献しています。
佐倉市立美術館の見どころ
佐倉市美術館は他にはない独自の展示や展覧会を企画しています。幅広い年齢層の人々が美術に触れられる工夫が様々な場所に見られ、収集品を鑑賞するだけではなく見て触って感じることができる所が特徴です。
歴史を感じさせるレトロな外観
佐倉市立美術館は建物がおしゃれなことで有名です。元は大正時代に旧川崎銀行の佐倉支店として建てられ、のちに佐倉市ができた時には市役所として使われていました。市役所の新庁舎が完成したあとは中央公民館や、佐倉新町資料館として利用されました。
佐倉市立美術館が建てられることになった時、建築当時の姿を再現し天井の高い吹き抜けのエントランスホールが誕生しました。エントランスに入ると大正時代にタイムスリップしたような感覚になれると人気です。日常を忘れて美術館という非日常に浸ることできるでしょう。
デザイナーズチェアの座り心地を試す
館内に置いてある10種類の椅子はデザイナーズチェアなのです。20世紀を代表するデザイナーがデザインした椅子が美術館の各所に置いてあり、自由に座ることができます。デザイナーズチェアはニューヨーク近代美術館と同じ物が置いてあるのでぜひ体験してみてください。
一見すると座りにくそうな個性的な見た目をしていますが、座ってみると座り心地がいいと評判です。おしゃれな見た目だけではなく、座り心地も考えられた機能的な椅子なのです。
よく見て自由に話す「ミテ・ハナソウ」
「ミテ・ハナソウ」は対話による美術鑑賞プロジェクトです。子ども達に敷居が高そうな美術館をもっと身近に感じて欲しいという思いから始まったプロジェクトです。作品を見ながら、周りの人と感想を言い合ったりして楽しく鑑賞できるので貴重な体験ができるでしょう。
対話型美術鑑賞は、ニューヨーク近代美術館で80年代から研究してきた方法です。「ミテ・ハナソウ」では学校教育を意識したビジュアル・シンキング・ストラテジーズという手法を用いており見て、考えて話し、他の人の意見を聞くことで思考力やコミュニケーション能力がつくとされています。
公式サイトではこれまでの活動の様子を見ることができますので見てみてください。子どもたちの美術に触れるきっかけとして参加してみてはいかがでしょうか。
佐倉市立美術館の基本情報
佐倉市立美術館へのアクセスや施設の情報をご紹介します。城下町の中心部にありますので、佐倉市に観光に行く際にはぜひ訪れたい場所です。
開館時間は10時から18時まで、入館は17時30分までです。休館日は月曜日と年末年始で、月曜日が祝日の場合は火曜日が休館日になります。入館料は基本無料ですが、展覧会によって観覧料が異なりますので詳しくは展覧会の情報をチェックしましょう。
施設はバリアフリーとなっており、車イスでも利用しやすくなっています。エントランスの入口には階段がありますが、障がい者用駐車場区画の奥の段差のない入口から入ることができます。ミュージアムショップやカフェなど館内全体がバリアフリーとなっているので安心です。
障がい者用トイレは1階に2つあります。駐車場は美術館の横に障がい者用駐車区画が一台ありますが、少々駐車しづらい場所にありますので美術館の近くの広い市営駐車場を利用しましょう。
アクセス
アクセス方法は、電車での利用をおすすめします。京成佐倉駅から徒歩8分、JR佐倉駅北口から徒歩20分です。京成佐倉駅へは京成本線、JR佐倉駅へは総武線から行くことができます。
ちばグリーンバスの利用もおすすめです。京成佐倉駅からは佐倉市立美術館前で下車、JR佐倉駅からは二番町で下車するとすぐ目の前に佐倉市立美術館が見えます。車で行く場合は東関東自動車道の佐倉インターより15分です。駐車場は近くの市営駐車場を利用しましょう。
佐倉市の二大美術館はレストランもおしゃれ!
美術館で展示を鑑賞した後ひと休憩したいという時におすすめなのが、併設されているおしゃれなレストランです。二大美術館のどちらにもおすすめのレストランとカフェがあります。店内や食事もおしゃれなレストランなのでぜひ利用してみてください!
DIC川村記念美術館:レストラン ベルヴェデーレ
DIC川村美術館で食事をするなら、レストランベルヴェデーレがおすすめです。ベルヴェデーレとはイタリア語で「美しい」という意味があります。美しいという言葉の通り、白を基調としたおしゃれなレストランだと評判です。料理もイタリア料理で、千葉県産の野菜が使われています。
レストランではランチタイム、カフェタイム、アラカルトと時間帯によって食べられる料理が変わります。ランチタイムは11時から14時30分で、毎月メニューが変わります。事前に予約が必要ですがシェフのおまかせコースもあり、季節の野菜を使ったフルコースが楽しめると評判です。
カフェタイムはランチタイム以外の時間で利用可能です。パスタプレートなどの食事メニューやデザートメニューが楽しめると人気です。アラカルトは10時から16時30分までいつでも利用可能で、千葉県産三元豚のテリーヌや房総ハーブ鷄のリエットなどが味わえます。
美術館で鑑賞した後はもちろん、入館チケット無しでレストランのみの利用も可能です。レストランから自然あふれる景色を見ながら食べる料理は絶品でしょう。
茶席はちょっとひと息にちょうどいい
観覧の合間にひと休憩したい時におすすめなのが、1階展示室の一角にある茶席です。抹茶と上生菓子が700円で楽しめます。上生菓子は2種類あり、季節の上生菓子と川村美術館のエントランスをイメージして作られた光の花という上生菓子が人気です。
テーブルと椅子の席なので、ゆったりと休憩することができます。利用には入館チケットが必要ですが、展示を見に行った時には立ち寄ってみて下さい。
佐倉市立美術館:Cafe Buona Giornata
佐倉市立美術館のおすすめのカフェが、「カフェブォナジョルナータ」です。カフェの椅子にもデザイナーズチェアーが使われていてとてもおしゃれです。おしゃれなのは内装だけではありません。
メニューもおしゃれでつい写真を撮ってしまいたくなるほどです。フレンチトーストやカフェの一番人気のローストポークサンドなどお茶も食事も楽しめます。200円引きになるドリンクセットもおすすめです。営業時間は10時から18時で、カフェのみの利用もできるので気軽に立ち寄ってみましょう。
佐倉市の美術館巡りは限定グッズをお土産に
展示や食事を楽しんだ後は、ミュージアムショップでお土産を買いましょう。ミュージアムショップでしか買えない限定グッズがたくさんあります。二大美術館のおすすめのお土産をご紹介します。
DIC川村記念美術館:ミュージアムショップ
定番のお土産といえばポストカードです。展示品のポストカードが多数あり、各190円です。Tシャツもおしゃれなデザインで人気のお土産なのでぜひ買ってみてください。大人用は2500円、子ども用は2000円です。
DIC川村美術館の代表作でもあるレンブラントの「広つば帽を被った男」がデザインされた飴もあります。個包装なのでお土産としておすすめです。
営業時間は9時から17時です。利用には入館チケットが必要なので注意しましょう。展示を鑑賞した後、お気に入りの作品のグッズをお土産として買ってみてはいかがでしょうか。
佐倉市立美術館:古書くさかんむり
佐倉市立美術館のミュージアムショップは少し変わっていて、美術館の中にある古本屋で美術館のオリジナルグッズを販売しています。古本屋なので古書の販売や買取もしています。
オリジナルグッズとしては作品の図録や展示会の作品をモチーフにしたクロス、ポストカードやファイルもお土産として人気です。オリジナルグッズと一緒に古書をお土産として買ってみてもよいでしょう。グッズは店頭販売のみ、図録は通信販売もしています。ショップのみの利用も可能です。
佐倉市の二大美術館でアートな一日を過ごそう
佐倉市の二大美術館の魅力をご紹介しました。展示だけではなく建物や庭園、レストラン、お土産と見どころ満載です。佐倉市の観光地の一つとしてぜひ行ってみてください。