奈良の刑務所が監獄ホテルに！場所や開業日、アクセス方法は？

奈良公園の鹿や東大寺の大仏など、国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れる日本の代表観光スポットの一つである奈良には、刑務所であった建物を活用したホテルが開業されることをご存知ですか？

「奈良少年刑務所」として明治時代に建てられた「旧奈良監獄」は、その歴史的価値はもちろん当時の建築物としての価値から、奈良の観光スポットの一つとして知られています。

そんな価値ある奈良の刑務所が、近々ホテルとして活用されることになりました。そんな気になる奈良の刑務所について、その見どころやホテルとなった経緯などについてご紹介します。

「奈良少年刑務所」は、明治41年（1980）に奈良県奈良市に建てられた「明治五大監獄」の一つです。そんな旧奈良監獄は、当時のロマネスク様式で建てられた煉瓦造りの姿をそのまま残した美しい刑務所として知られています。

当時の先進的な技術や意匠で建てられた刑務所は、「ハビラント・システム」と呼ばれる監視所を中心に放射線状に伸びた収容棟を配した構造をしています。

刑務所の表門はアーチ型をしており、両脇の円搭はドーム型の屋根を配した刑務所には見えない芸術的な美しい建築物です。

刑務所の建物も、半円型アーチの窓や小塔など随所に美しいロマネスク様式の意匠が施されています。もともと木造だった刑務所は、受刑者の放火が度々起こったことから煉瓦造りを採用されました。

刑務所は赤い煉瓦造りの2階建てとして建てられており、中央の中央監視所の吹き抜けになっている2階見張り台から受刑者を監視するシステムをしていました。

中央の中央監視所から5つの収容所が伸びる構造の「ハビランド・システム」は、上から見ると美しい形をしているのが分かります。

そんな「奈良少年刑務所」は、2019年3月まで約100年近く刑務所として使用されていました。さらに日本最古の刑務所建築として、2019年2月に国の重要文化財に指定されました。

奈良の刑務所「旧奈良監獄」は、「明治五大監獄」の一つとしても知られています。この「明治五大監獄」とは、どういったものなのでしょうか？

「明治五大監獄」とは、明治時代に日本全国5か所に建てられた刑務所の総称をいいます。この刑務所は、いずれも当時の建築家である山下啓次郎によって建てられました。

「奈良監獄」をはじめ、「千葉監獄（現、千葉刑務所）」、「金沢監獄（現、金沢美術工芸大学）」、「長崎監獄」、「鹿児島監獄」の5つの刑務所が、「明治五大監獄」と呼ばれていました。

いずれも煉瓦や石造りの美しい建築物をしていましたが、そのほとんどが老朽化で表門などの一部が残るのみです。その中で奈良の刑務所「奈良監獄」は、当時の姿をそのまま残した大変貴重な刑務所です。

歴史的に貴重な刑務所である「旧奈良監獄」は、2019年3月にその役割を終えました。刑務所としての役割を終えた「旧奈良監獄」ですが、ホテルとして開業されることになりました。

奈良の刑務所がホテルとして開業されることになった理由が、その歴史的価値とホテルとして活用することで収益が見込まれることがあります。

歴史的価値のある刑務所として使用されていた建築物で、実際にホテルとして利用できるとあって、今からその開業日が待ち遠しいです。

ホテルとして開業することになった奈良の刑務所「旧奈良監獄」の場所ですが、奈良市の中心繁華街から少し外れた場所に建っています。

奈良市の繁華街から少し外れた場所にある奈良の刑務所ですが、刑務所の付近には奈良を代表する観光地がたくさんあります。奈良の刑務所の近くにある、人気観光スポットをご紹介します。

奈良の刑務所「旧奈良監獄」の近くの場所にある人気観光スポットの一つが「春日大社」です。今から約1300年前の768年の奈良時代に創建された春日大社は、日本全国にある約1000社の春日神社の総本山です。

1998年には世界遺産に登録された春日大社は、奈良を代表する観光地の一つです。朱塗りの美しい本殿を持つ春日大社は、様々な見どころがある神社です。

春日大社にはたくさんの灯篭がつるされています。その中には、戦国武将として有名な直江兼続や宇喜多秀家、藤堂高虎などが寄進した灯篭があります。

境内にある樹齢1000年のご神木は、高さ23ｍ、幹の太さは7.94ｍという大変立派な大杉です。このご神木は、鎌倉時代後期に描かれた「春日権現記」にも記されています。

境内にある「国宝殿」には、春日大社が所蔵するたくさんの美術工芸品が展示されています。国宝352点、重要文化財971点を所蔵する春日大社は、「平安の正倉院」とも称されています。

また「萬葉植物園」は、約300種類もの植物が植えられた庭園を見ることができます。「万葉集」に詠まれた植物が植えられた約3ヘクタールの庭園は、萬葉園や五穀の里などに大きく分けられています。

この他にも、「夫婦円満」「縁結び」として有名な「夫婦大國社」、神様の使いとして祀られている鹿の「鹿みくじ」など、春日大社にはたくさんの見どころがあります。

奈良の刑務所「旧奈良監獄」の近くの場所にある人気観光スポットの2つ目が、「東大寺」です。華厳宗大本山の寺院である東大寺は、奈良時代に聖武天皇が建立したお寺として知られています。

1998年に世界遺産に登録された東大寺といえば、大仏殿に安置されている本尊・廬舎那大仏が一番の見どころと言えます。高さ49.1ｍもある大仏は、国宝にも指定されています。

また本尊が安置されている大仏殿（正式名称は東大寺金堂）もまた、国宝に指定されています。これまで2度にわたり焼失しており、現代の大仏殿は江戸時代に建てられたものであり、世界最大の木造軸組建築として知られています。

大仏殿前にある「金銅八角灯篭」も見逃せません。国宝に指定されているこの灯篭は、大仏開眼供養会に合わせて造立されたものです。2度の火災を免れ、1300年前の姿のまま残された大変貴重な灯篭です。

毎年3月（旧暦2月）に執り行われる東大寺の「修二会（通称、お水取り）を行われることで有名な二月堂は、東大寺のおすすめ撮影スポットです。堂内からは奈良市内を眺望でき、特に太陽が沈む夕景は絶景です。

この他にも、南大門にある運慶、快慶らが造像した高さ25ｍの仁王像、天平彫刻として貴重な四天王像が安置されている戒壇堂、奈良時代に造像された不空羂索観音菩薩像を始め国宝10体を拝観できる法華堂などがあります。

また境内にある「東大寺ミュージアム」では、堂内では見られない東大寺が所蔵する国宝・重要文化財に指定されている仏像などを見ることができます。

奈良の刑務所「旧奈良監獄」の近くの場所にある人気観光スポットの3つ目が「興福寺」です。南都6宗の一つで法相宗の大本山である興福寺は、藤原鎌足の婦人・鏡大王が夫の病気平癒を願い、669年に建立されました。

創建当初は現在の京都府京都市に建てられた興福寺は、710年の平城京遷都に際して現在地に移転、名称も「厩坂寺」から「興福寺」へと改められました。興福寺は1998年に国宝に指定されています。

これまで7度の火災にあった興福寺の中金堂では、本尊である釈迦如来像と脇侍の薬王、薬上菩薩像、四方に安置された四天王像を拝観することができます。

興福寺の中金堂の隣に建つ五重塔は、奈良の街のシンボルにもなっています。奈良市内の建物の高さ規制にもなっている興福寺の五重塔は、夜になるとライトアップされ大変幻想的な姿を見ることができます。

国宝・東金堂には、本尊である日光、月光両菩薩が安置されています。現存する八角円堂で最も美しいとされる「北円堂」、日本で最大の八角円堂である「南円堂」なども、興福寺のおすすめ観光スポットです。

また興福寺境内にある「国宝館」では、興福寺が所蔵する貴重な仏像や絵画を見ることができます。特に日本の仏像の中でも人気の高い国宝である「阿修羅像」は、興福寺を訪れたら見逃せない仏像です。

奈良の刑務所「旧奈良監獄」の近くの場所にある、おすすめ観光スポット4つ目が「奈良国立博物館」です。奈良国立博物館では、貴重な美術工芸品作品を見ることができます。

「奈良国立博物館」は、東京の上野公園にある「東京国立博物館」に次ぐ2番目に古いに日本の国立博物館として1895年に建てられました。

奈良国立博物館の「名品展」では、仏像や仏画、経典など国宝や重要文化財にも指定されている貴重な仏教美術を見ることができます。

奈良国立博物館では常設展示の他に、毎年数回開催される特別展も人気です。特に毎年秋に開催される「正倉院展」は、全国からたくさんの観光客が訪れる人気展覧会です。

「正倉院展」は1946年から続く展覧会で、奈良にある正倉院の貴重な宝物を見ることができます。歴史の教科書にも出てくる貴重な美術作品が一度に見ることができる展覧会です。

また奈良国立博物館でおすすめなのが、「なら仏像館」です。仏像だけを展示した「なら仏像館」では、国宝や重要文化財などの貴重な仏像を100体以上見ることができます。仏像ファンの聖地としても人気の場所です。

奈良の刑務所「旧奈良監獄」の近くの場所にある、おすすめ観光スポットの5つ目が「奈良公園」です。奈良公園の鹿として有名な公園は、660ヘクタールの敷地内に春日大社や東大寺、興福寺、奈良国立博物館を包括する歴史公園です。

古来は門前町として発展し、その後物見遊山、そして現代では観光地として変遷してきました。そんな奈良公園に生息する鹿は、天然記念物に指定されています。

奈良公園の鹿は、春日大社に祀られている神様が白い鹿に乗ってきたという伝説からきています。奈良公園に鹿が生息し始めたことが確認できる最古の文献として、750年に記された「万葉集」があります。

現在、奈良公園にはオスが236頭、メスが715頭、子供が229頭、全部で1180頭の鹿が生息していることが確認されています。公園内で売っている鹿せんべいを鹿にあげる光景は、特によく知られています。

広大な奈良公園には、鹿や春日大社、東大寺の他にもおすすめの場所があります。明治時代に築造された「荒池園地」には、緑の芝生に柳が揺れる池畔でゆっくり寛ぐことができます。

「猿沢池園地」は、興福寺の五重塔が池の水面に映える奈良公園の人気スポットです。この他にも、県花のナラノナエザクラが植えられた「茶山園地」や「若草山」、「浮雲園地」など、奈良公園にはたくさんの見どころスポットがあります。

「奈良少年刑務所」から刑務所ホテルとして開業されることになった「旧奈良監獄」ですが、開業日はいつになるのでしょうか？気になる開業日についてご紹介します。

奈良の刑務所ホテルの開業日は、2021年の内に開業できるように、現在準備が進められています。今からその開業日が待ち遠しいです。

2021年に開業日を迎える奈良の刑務所「旧奈良監獄」は、高級ホテルとして知られる星野リゾートがその開業に携わることになりました。

星野リゾートは、奈良の刑務所の歴史的価値のある建造物を活かしつつ「上質な宿泊施設」を目指して、2021年の開業日に向けて準備が進められています。

2021年に開業日を迎える奈良の刑務所ホテルへは、どのようにアクセスすればよいでしょうか？「旧奈良監獄」のアクセス方法はいくつかあります。奈良の刑務所「旧奈良監獄」へのアクセス方法についてご紹介します。

「旧奈良監獄」へのアクセス方法は、JR奈良駅西口発と近鉄奈良駅発の奈良交通バスで「般若寺」駅下車徒歩5～6分ほどでアクセスできます。

また、各近鉄駅から車を利用してアクセスすることもできます。奈良駅からアクセスすると、徒歩40分ほどかかるようです。奈良駅から車で向かえば、14分ほどでアクセスすることができます。

東大寺や春日大社をはじめとした寺社仏閣や奈良公園などたくさんの観光スポットがある奈良は、国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れる人気観光地です。

そんな奈良に刑務所として運営されていた「旧奈良監獄」のホテルについて、その歴史的価値や開業日、ホテルの場所やアクセス方法についてご紹介しました。刑務所で味わえるホテル体験が今から楽しみです。