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土瓶蒸しとは?
秋になると献立に上がってくる土瓶蒸し料理は、1品でいろいろな食べ方が楽しめる和献立です。秋が旬の松茸素材を楽しむ料理として土瓶蒸し料理は有名ですが、松茸素材を使わない土瓶蒸しレシピも多数あります。
土瓶蒸し料理は秋の和献立なので秋の旬食材を使いますが、汁物料理でありつつ蒸し物料理でもあるので具だくさんな土瓶蒸し料理がほとんどです。料理名にある「土瓶」は昔ながらの和食器である土瓶のことで、土瓶蒸し料理では料理を盛り付ける食器としての役割があります。
なお土瓶蒸し料理では必ず猪口がセットでついてきますが、土瓶蒸し料理についてくる猪口は取り皿として使うのが基本です。汁物として食べる場合には汁物椀になりますし、具材を食べるときは取り皿になります。
いろいろなタイプの土瓶食器がありますが、土瓶蓋の上に逆さにしておいてあることが一般的です。そのため食べる前には土瓶の蓋にある猪口をとり卓において食べ進めるのが、土瓶蒸し料理ならではお作法になります。
土瓶蒸しの基本の食べ方
土瓶蒸し料理は高級和食店の秋コース料理や懐石料理の秋メニューの定番メニューですが、汁物料理と蒸し物料理を一度に楽しめる秋メニューでもあります。しかし食べ方には順番があるため、食べ方のマナーとして覚えておきましょう。
食べ方の流れ
たっぷりと食材が入った大きな土瓶食器に取り皿として猪口がセットになっている土瓶蒸し料理は、汁物×蒸し物料理です。そのため汁だけを飲むのではなく中身の具材も残らずいただくのが、土瓶蒸し料理の楽しみ方でありマナーになります。
土瓶蒸し料理は、「土瓶容器から猪口に取り分けて食べる」が基本の食べ方です。汁を楽しむ場合は、土瓶容器から猪口に汁を注ぎ入れて食べます。具材を楽しむ場合は、土瓶本体の蓋を開け食材を猪口に取り分けてから食べるのが基本です。
さらに汁物と蒸し物を交互に楽しむのが土瓶蒸し料理なので、「汁→具→汁→具」のように交互に食べるのが正しい順番になります。ちなみに具を食べるときも汁を加えてよいのですが、量のバランスを見ながら食べてください。
具材を食べきる前に汁がなくなってはせっかくの料理が台無しですから、食べ進めるスピードに合わせて具材にかける汁の量を調整するのが良いでしょう。
すだちの使い方
土瓶蒸し料理に欠かせない食材なのがすだちですが、入れるタイミングをほんの少し変えるだけで食べ方が変わります。香りだけでなく酸味も含むのがすだちの特長なので、「すだち=土瓶蒸しの味変アイテム」とイメージするとわかりやすいでしょう。
搾り汁も「猪口に移してから搾り入れる」と「土瓶に直接搾り入れる」の2タイプがあります。初心者でも失敗がないのは「猪口に移してから搾り入れる」で、上品な食べ方としてもおすすめです。
土瓶蒸し料理は蒸し物として楽しむ料理でもあるので、2杯目(具材を食べる回)もすだち搾り汁を加えない方が料理本来の味が楽しめます。2巡目以降は好みですだちを加えてOKですが、土瓶に直接加える場合、最初は少量加えて味を見ながら量を調整するのが良いでしょう。
ちなみに猪口に入れる場合はその都度搾るので多少面倒ですが、入れすぎがないですし好きなタイミングで味に変化をつけられるので土瓶蒸し初心者におすすめです。
土瓶蒸しの食べ方のマナー
汁物料理と蒸し物料理が一品で楽しめる土瓶蒸し料理ですが、食べ進める順番以外にもちょっとした点でマナーがあります。取り皿として使う猪口は取り皿として使うのが基本ですが、食べ終わったら提供されたときと同じように蓋の上に戻すのがマナーです。
すだちの使い方にもマナーがあります。最初の1杯はすだちを使わずシンプルに味・香り・風味を楽しむ食べ方が、土瓶蒸し料理のマナーになります。その代わり2杯目以降はすだち搾り汁をいつ加えても、マナー違反にはなりません。
土瓶蒸しの簡単な作り方
「土瓶蒸し=松茸料理」のイメージだとどうしても気軽に楽しむということが難しいですが、土瓶蒸し料理の具材は松茸素材とは限りません。懐石料理や和食料理では秋メニューとして提供するため、秋の味覚である松茸素材のおいしい食べ方として具材に使われています。
しかし出汁の香り・味・風味を楽しむのが土瓶蒸し料理の食べ方なので、良い出汁が出る具材を取り入れればおうちごはんでも簡単&気軽に楽しめます。
正しい食べ方のマナーにのっとって楽しむなら器となる土瓶&猪口のセットが必要ですが、おうちごはんであれば土瓶食器の代わりに椀食器を使う食べ方もおすすめです。
ただしあくまでも土瓶蒸し料理は汁と具材を分けて食べる食べ方が本来の楽しみ方(正しい食べ方)なので、椀食器を代用する場合も椀食器とは別に猪口を準備するのが良いでしょう。
具材は基本的に香りの良い旬食材をメインに使いますが、汁物料理でもあるので出汁をきちんととることが作り方の基本になります。具材から出る旨味も出汁に加わりますがベースのスープがおいしくなければ、どんなに豪華な具材を使ってもおいしい土瓶蒸し料理になりません。
これは言い換えると「おいしい出汁・スープがあれば土瓶蒸し料理は簡単に作れる」ということです。そこで基本となる出汁・スープの作り方をご紹介しましょう。
水 | 700ml |
かつお節(出汁用) | 10g |
だし昆布(出汁用) | 2枚(5cm四方×2枚) |
醤油 | 小匙2 |
料理酒 | 大匙1.5 |
塩 | 適宜 |
土瓶蒸しのだし汁作り方
- 鍋に水・だし昆布を入れ中火にかける
- だし昆布の周りに小さな気泡が多数できるようになるまで沸騰させずに加熱する
- かつお節を鍋に入れ火を止めたら、自然にかつお節が鍋底に沈むのを待つ
- ざるに布巾をかけ、昆布とかつお節をこして出汁をとる
- 鍋にとった出汁をいれ、調味料をすべて加えて中火にかける
- ひと煮たちすれば土瓶蒸しの出汁・スープの完成
おすすめの具材
本格的な土瓶蒸し料理に挑戦するなら松茸素材をメインにエビ・ギンナン・ユリ根など秋らしい食材を組み合わせるのがおすすめです。しかしおうちごはんで土瓶蒸し料理を楽しむなら、もっと気軽に使える身近な食材を具材にした方が楽しめます。
土瓶蒸し料理は秋に食べる食べ方が一般的なので、秋が旬の食材で手に入りやすいものを選ぶのがおいしい食べ方の基本です。まずおすすめなのは香りの良いマイタケですが、手に入りやすく味も良いシメジもおうちごはんで楽しむなら良いでしょう。
シンプルに1種類のみを使うのではなく複数種のキノコ類を組み合わせても良いので、香りの良いキノコ類×エリンギを組み合わせれば松茸のような食感をエリンギで楽しみながらほかのキノコ類で香りを楽しむ食べ方も可能です。
色どりも重要なのでギンナンや三つ葉は使った方が良いですが、蒸し物料理として楽しむなら魚食材を具材に加えてもおいしい土瓶蒸し料理になります。
魚食材を具材に加える場合は、鯛のようなくせのない白身系を選んでください。ボリュームを出したい場合はおでん種に使う魚系のつみれなどを具材に取り入れるのも、おうちごはんでの食べ方ならおすすめです。
ちなみに懐石料理や和食コース料理で提供される土瓶蒸し料理では、色どりにもなるエビを具材に加えることがよくあります。しかしおうちごはんで気軽に楽しむなら、食感が良く旨味も出るかまぼこを使うのがおすすめです。
土瓶蒸しを正しい食べ方で楽しもう
土瓶蒸し料理は汁物×蒸し物なので正しい食べ方が分かれば、汁物を楽しむ食べ方・蒸し物を楽しむ食べ方・香りを楽しむ食べ方の3パターンで楽しめます。
松茸を楽しむための料理というイメージも強いですがさまざまな具材で作れますから、簡単な作り方を覚えて自宅で秋の味覚を贅沢に楽しむのもおすすめです。