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ぶり(鰤)は大きくなるごとに名前が変わる出世魚
ぶりは大きなものだと体長が1m以上にもなる、スズキ目アジ科ブリ属に分類される海水魚です。締まった身にこってりとした脂がおいしいぶりは、人気が高く高級品として知られています。
ぶりは縁起の良い魚としても親しまれていることをご存知でしょうか?ぶりは成長して体が大きくなるごとに名前が変わる、いわゆる出世魚であるためです。
関東地方ではぶりの稚魚はモジャコ、35cmまでのものはワカシ、60cmまではイナダ、80cmに満たないぶりはワラサと呼ばれています。
関西地方ではまた呼び名が異なり、稚魚は同じモジャコですが次はワカナ、ヤズまたはツバス、ハマチ、メジロの順です。関東でも関西でも体長が80cmを超えたものがぶりと呼ばれます。
ぶりの特徴や旬の時期
切り身やあらの状態で見かけることが多いぶりですが、先にご紹介した通り1本丸々の状態だと80cm以上もあります。背中側は青色でお腹の部分は白っぽく、頭から尾にかけてまっすぐな黄色い線が入っていることがぶりの身体的な特徴です。
天然のぶりは、12月から1月の冬の時期が最も脂の乗る旬になります。旬を迎えたぶりは「寒ぶり」と呼ばれ、特に金沢の漁港で獲れるぶりが有名です。ぶりには養殖ものもあり、脂の乗りは天然ものに引けを取りません。養殖のぶりについては、天然ものと真逆の夏の時期に旬を迎えます。
ぶりの名前の由来
ところでぶりという名前、不思議な名前だと感じたことはありませんか?ぶりという名前の由来については諸説あります。脂が乗っている魚であるということで「アブラ」と呼ばれていたものが、そのうち「ブラ」に短縮されて、さらに訛って「ブリ(ぶり)」となったという説が1つです。
他に、身がぶりっとした食感だからという説、死後硬直しないぶりはしめた後でも手で持つとぶらぶらするからという説などがあります。
ぶりのあらをおいしく食べるには下処理が肝心!
ぶりのあらを使ったレシピのご紹介の前に、下処理のやり方をマスターしておきましょう!ぶりのあらを調理しておいしくいただくためには、調理の前の下処理が不可欠です。ぶりのあらには魚特有の臭みがあるため、下処理なしで調理すると出来上がりの料理の味わいが損なわれかねません。
ぶりのあらの下処理に必要なものは少なく、塩と鍋、ボウルにキッチンペーパーくらいです。やり方も簡単で、少しの手間でぐっとおいしいぶりあら料理が楽しめます!
まずはぶりのあらをまな板やトレイの上に並べ、重さの1%を目安にした量の塩を振っていきます。塩を指でつまんで、あら全体に行き渡るように高い位置から振りかけましょう。そのまま30分程度置いて、あらの表面に余分な水分が染み出てきたらキッチンペーパーで拭き取ります。
鍋にお湯を沸かして、ボウルには冷水を用意しておきます。沸騰したらあらを投入して、3秒ほどで引き上げましょう。引き上げたあらは即座に冷水のボウルへ入れます。冷水の中であらを優しく撫でて残ったぬめりや汚れを落とし、キッチンペーパーで水分を拭いたら下処理が完了です!
絶品!ぶりのあらを使った簡単レシピ
下処理が済んだら、おいしいぶりあら料理を作っていきましょう。まずご紹介するぶりあらの絶品レシピは、ぶりと言えばの王道メニューをあらを使って簡単に作るレシピです!
ぶりのあらと大根の煮付け
ぶりがおいしい王道メニューと言ったら、やはり大根との煮付けでしょう!ぶりのあらの旨みが染みた大根の煮付けの簡単レシピをご紹介します。4人分でぶりのあら750g、大根1本、水600cc、酒100cc、みりんと醤油各50cc、砂糖大さじ3、生姜1かけを用意しましょう。
大根は3cmほどの厚さの輪切りにして、皮を厚めに剥きます。煮付けは大根に味がしっかりと染みてこそおいしいものです。鍋に米のとぎ汁と大根を入れて中火にかけ、下茹でしておきましょう。
鍋に下処理を施したぶりのあら、大根を入れて、水、酒、みりん、砂糖を加えて中火で5分ほど煮込みます。落とし蓋をすると味が染みやすくおすすめです。醤油とみじん切りにした生姜を加えて、弱めの中火で約30分煮込みます。火を止めて落とし蓋を外し、1時間ほど放置したら完成です!
ぶりのあら汁
ぶりのあら汁は、煮付けと並んで人気の王道メニューです。あらを使えば、お寿司屋さんで提供されるような本格的なあら汁が簡単に作れます!3人分でぶりのあら300g、だし汁700cc、酒大さじ1、みりん小さじ2、味噌を適量、生姜1かけ、後は大根や人参などお好みの野菜を用意しましょう。
生姜は千切り、大根や人参はイチョウ切りにします。他の野菜も食べやすい大きさにカットしましょう。鍋にだし汁を入れて野菜を投入し、火にかけます。沸騰したら酒とみりん、下処理済みのぶりあらを加えましょう。あらに火が通ったら味噌を溶き入れて完成です!
おいしい!ぶりのあらを使った洋風レシピ
煮付けやあら汁など和食のイメージが強いぶりですが、実は洋風メニューも絶品です!おもてなし料理にもぴったりのトマト煮込み、程よいスパイシーさでご飯がどんどん進むカレーのレシピをご紹介しましょう。本格的なメニューもコツさえ掴めば簡単においしく作れます!
ぶりあらのトマト煮込み
4人分でぶりのあら400g、トマト缶1缶、塩を適量、アサリやハマグリなどの二枚貝を適量、玉ねぎやカブ、ブロッコリー、人参、ペコロスなど色味のきれいな野菜をお好みで用意しましょう。
貝を塩水に浸して塩抜きする間に、ぶりあらの下処理を済ませておきます。野菜は食べやすい大きさにカットしておきましょう。鍋にトマト缶、ぶりあら、野菜の順番で入れていき、塩を振ります。蓋をして火にかけ、煮立ってから中火で10分ほど煮込みましょう。
貝を加えてさらに6分ほど煮込みます。蓋を開けてみて、貝の口が開いていたら完成の合図です!トマトとぶりのあらから染み出た旨みがたまりません。具材を煮込むだけと簡単なのに絶品です。
ぶりあらのスパイスカレー
スパイスを調合して作る本格的なカレーは難しそうに思えますが、手順さえ押さえれば意外と簡単です。ぶりのあら350g、おろしたにんにくと生姜各小さじ1/2、レモン果汁大さじ1、玉ねぎ1/個、トマト缶100g、青唐辛子2本、カシア2cm、シナモンリーフ1枚、カレーリーフ10枚を用意します。
必要なスパイス類は、ターメリックパウダーとパプリカパウダー各小さじ1/2、カイエンパウダーとカイエンペッパー各小さじ1/4、クミンパウダーとコリアンダーの根各小さじ1、海塩小さじ1.5、ブラックペッパー10粒、コリアンダー小さじ1、タマリンド15gです。
にんにくと生姜、ターメリックパウダーとカイエンパウダーを半量ずつ、クミンパウダー、パプリカパウダー、海塩を半量、レモン果汁を混ぜ合わせたらあらを3時間ほど浸します。鍋に油を熱してカシア、シナモンリーフ、ブラックペッパーを入れ、刻んだ玉ねぎも加えましょう。
玉ねぎが透明になったところでコリアンダーの根、青唐辛子、カレーリーフを加えましょう。トマト缶を加えて残りのスパイス類、海塩を入れていき、2カップのお湯を少しずつ加えて炒め煮します。お湯で溶いたタマリンドを加えて約5分、あらを加えて約15分煮込んだら完成です!
ぶりのあらは鍋にしてもおいしい!
煮付けや汁物、煮込み料理がおいしいぶりのあらは、もちろん鍋料理に使ってもおいしいのです!最後は体が温まって翌日の活力になる、絶品ぶりあら鍋のレシピをご紹介します!
ぶりあらの生姜鍋
4人分の生姜鍋のレシピです。ぶりのあら600g、水菜1束、生姜180g、白だし100ml、水700mlを用意しましょう。水菜は10cmほどの長さに、生姜は千切りにして水にさらしておきます。鍋に白だしと水を入れて強火にかけ、沸騰したら弱火にしてぶりと水菜を加えて煮込めば完成です!
ぶりあらのにんにく味噌鍋
4人分のにんにく味噌鍋にはぶりのあら600g、にんにく3かけ、鷹の爪2本、昆布10cm、酒1カップ、水1L、味噌大さじ6、醤油大さじ1、お好みの具材を用意しましょう。
鍋に水、酒、昆布を入れて弱火にかけます。にんにくは薄くスライス、鷹の爪は種を取って小口切り、他の野菜は食べやすい大きさに切りましょう。沸騰した鍋にあらとにんにく半量を加えて、再び沸騰したら昆布は取り除きます。野菜、残りのにんにく、味噌、醤油で味を整えて完成です!
ぶりのあらは下処理をしっかりしておいしく食べよう
ぶりのあらは下処理を怠ってしまうと、せっかくのおいしい料理が台無しになってしまいます。ほんの少しの手間で感動ものの絶品メニューが出来上がるのですから、面倒臭がらずにしっかりと下処理を行いましょう。今夜は温かいぶりあら料理で決まりです!