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コサックダンスはウクライナ発祥の踊り
コサックダンスと聞くとほとんどの人はロシア発祥と考えますが、コサックダンス発祥の地は実はウクライナなのです。現在のウクライナにロシア帝政から逃れてきた農民や貴族らによって、17世紀にコサック国家が造られ、18世紀前半にかけてコサックダンスが盛んに踊られるようになりました。
彼らはウクライナ・コサックと呼ばれ軍事組織を形成していました。コサックダンスはウクライナ・コサックたちが体を鍛えるトレーニングの一環としてはじまり、時を経て曲芸の要素が加わっていきました。
ロシアに禁止されたコサックダンスの歴史
ウクライナ・コサックたちのトレーニング用に行われていたコサックダンスですが、元を辿ると13世紀半ば東洋武術としてモンゴル人によって持ち込まれた歴史があります。銃の普及が高まるにつれて武術的な要素がなくなり、徐々に現在の舞踊に近づきました。
18世紀に入るとコサック国家はロシア帝国によって滅ぼされ、同時にコサックダンスも禁止されてしまいます。そのまま消えてしまうと思われたコサックダンスですが、農村で形を変えつつ密かに踊り継がれていきました。
ウクライナ語のホパック・ホパークとは
ホパック・ホパークはウクライナ語でコサックダンスを表します。「跳んで踊る」、「跳んで踏み込む」という意味の動詞「ホーパティ」が由来とされています。非常に速いテンポで次々と技が繰り出され、複雑で軽快な動きが特徴的です。
もともと武術としてはじまったコサックダンスなので当初は男性のみの踊りでした。戦での武勇や自分の鍛錬の成果を見せる目的がありました。
17世紀半ばにコサック国家が誕生するとコサックダンスはウクライナ中に広まり、後半には儀式的な要素も加わり女性も参加するようになりました。賑やかな演奏に合わせて男女ペアで円を作って踊るスタイルが一般的でした。
ロシア帝政によりコサックダンスは一度衰退しましたが、再び注目されるきっかけとなったのが農民による劇場での公演です。19世紀になると農民たちはもちろんプロの劇団もコサックダンスを取り入れるようになり爆発的な人気がでました。
オペラ内でコサックダンスが披露されたところ大ヒットし、コサックダンスへの関心が高まりました。そして20世紀に入るとウクライナの音楽学者によって、歴史の流れに埋もれていた伝統的なコサックダンスが復元されました。
ウクライナ人の伝統を守ろうとする絶え間ない努力によって、私たちは現在コサックダンスという伝統舞踊を見ることができるのです。
コサックダンスで使用される音楽
曲調に決まりはありませんがコサックダンスに使用される曲はテンポの速い4分の2拍子が多いです。コサックダンスには明確な決まりがないので即興性が高く、曲調やテンポも入れ替わりが激しい特徴があります。特に終盤に向けてかなりテンポが速くなる傾向があります。
使用される音楽は伝統的なウクライナやロシアの民謡が多くなっています。特にロシア民謡は日本でも馴染み深いゲームのテトリスで使われている「カチューシャ」や「コロブチカ」なども演奏されます。
コサックダンスの伝統的な民族衣装
コサックダンスを踊るときは「ソロチカ」または「ヴィシヴァンカ」と呼ばれるウクライナの伝統衣装を身に着けます。
赤や緑の糸を使い、全体的に細かな刺繍が施されたシャツで地域によってデザインが異なります。動植物や幾何学模様などがデザインされ、刺繍には悪から人々を守り、富や健康をもたらすという意味も込められています。特に魔が入り込みやすい布のつなぎ目や袖口、首回りに多く施されます。
男性はソロチカの他にズボン、ベルト、上着、帽子を身に着けます。女性はソロチカの他にスカート、ベストまたはコルセット、花冠や帽子を身に着けます。ネックレスやイヤリング、シルクのスカーフなど装飾品が華やかなことも特徴の1つです。
身に着ける装飾品はその人のステータスを表す指標にもなっています。男女の衣装ともにコサックダンスの躍動感ある動きに映えるようなゆったりした作りになっています。
コサックダンスのやり方は?
コサックダンスのやり方はしゃがんだ状態で足を交互に前に出すイメージが強いですがそれだけではありません。モンゴルの武術が発祥なので全身を大きく使うダイナミックな動きが多いです。中国剣技など東洋武術に似た動きもある一方で、バレエのような動きもありやり方は様々です。
特に上下の動きが激しく、足を高く振り上げながらジャンプをしたり、連続で跳びながら移動するなど強い脚力が必要なことがわかります。細かい足さばきは軽やかですが大きく体を使う動きは重量感があり、メリハリのある踊りといえます。
コサックダンスは男女で踊りますがやり方に違いがあります。男性は全身を使い高いジャンプを取り入れた動きが多いです。一方女性は美しい足さばきと移動するときなどの軽快なステップが特徴的です。男女とも複雑なステップを踏むので高い技術力が求められます。
日本にコサックダンスのやり方を教えてもらえる教室がないので、やり方を詳しく学びたい場合は動画を参考にした独学という形になります。コサックダンスには様々な踊りの要素が取り入れられているので、バレエやストリートダンスなどから入るのも1つの方法です。
本場のコサックダンスが見たい!
コサックダンスはウクライナ発祥の伝統舞踊ですが、ウクライナ以外にロシアでもコサックダンスを見ることができます。
主にバレエ団や民族舞踊団が公演を行っており、日本からツアーが組まれることもあります。またバレエ団たちが日本で来日公演を行うこともあり、日本にいながら本場のコサックダンスを見ることもできます。
発祥の国ウクライナやロシアでコサックダンスを見る
発祥の地ウクライナでコサックダンスを見るならウクライナ国立歌劇場ので行われる公演に行くことが1番です。勇壮なコサックたちを連想させるオーケストラの演奏に合わせて踊られる、キエフ・バレエの力強くも軽やかなコサックダンスは必見です。
キエフ・バレエは度々日本を訪れているので現地も合わせ、目にできる機会が増えるでしょう。またウクライナの街中で民族舞踊や音楽イベントを行ってることもあるので、現地での情報収集も欠かせません。劇場とは違った雰囲気でコサックダンスを楽しめます。
またロシアでもコサックダンスを見ることができます。モスクワのチャイコフスキー記念コンサートホールではモイセーエフ・バレエ団によるコサックダンス公演が定期的に行われています。
モイセーエフ・バレエ団は民族舞踊を芸術的観点から普及・保存に努めたことで世界的にも有名です。観光客にも人気でオプショナルツアーもあるので、日程を合わせて訪れてみてください。
またサンクトペテルブルグでもコサックダンスや伝統的なロシア民謡を楽しむことができます。ロシアの芸術文化や歴史を同時に学べる良い機会にもなります。
住所 | Volodymyrska St, 50, Kyiv, Ukraine 01030 |
電話番号 | +380-44-234-7167 |
住所 | Triumfal'naya ploshchad 4/31, Moscow 125009, Russia |
電話番号 | +7-495-232-04-00 |
日本でコサックダンスは見られる?
時期が決まっていませんが、創立記念や国交樹立記念など節目のときにバレエ団や民族舞踊団が来日することがあります。
ウクライナの国立民族舞踊団「パブロ・ヴィルスキー」は来日公演を行い、コサックダンスを披露しました。人形劇を人間に置き換えた劇などもあり、ウクライナ文化を一挙に体感することができます。
ロシアのウラジオストックに拠点を置く、民族歌舞団プリモーリエ&リャビーナによるロシア民謡とコサックダンスも圧巻です。伝統的な民謡の他多くのレパートリーを持つ歌・演奏担当の「プリモーリエ」とダイナミックな民族舞踊が持ち味の「リャビーナ」という2つの集団からできています。
日本でもお馴染みのトロイカなど耳にしたことがある曲も演奏されます。またコサックダンスに欠かせない華やかな民族衣装も生で見ることができます。
日本にいながら本場のコサックダンスを楽しみ、歴史を知れる機会は少ないので、公演があるときはチェックしておきましょう。
本場のコサックダンスを見ればイメージが変わる!
歴史に翻弄されながらも踊り続けられてきたコサックダンスはウクライナの魅力あふれる伝統舞踊であり、日本でのイメージとは全く違う踊りです。やり方の決まりがない自由で躍動感のある振りと軽快なテンポは一見の価値があります。
本場のコサックダンスを体感すれば、しゃがんで跳ねる日本でのコサックダンスのイメージが変わること間違いなしです。