肉が重曹のチカラでやわらかくなる！牛や豚などおすすめの手順をご紹介

牛肉・豚肉・鶏肉どれも美味しく調理することができますが、固いお肉をやわらかくしてから調理するとさらに美味しい料理が出来上がります。お肉をやわらかくする方法はすりおろした玉ねぎに漬け込むレシピやお酒を使うレシピなど数多く存在します。

皆さんは重曹を使ってお肉をやわらかくするというレシピをご存知でしょうか。最近では重曹をお掃除やあく抜きのために使うことは知られていますが、お肉をやわらかくするために使うことができるというのは少し意外なことではないでしょうか。

今回はお肉をやわらかくするためのおすすめの方法として重曹を使うことをご紹介します。重曹の力で固いお肉が驚くほど上質な柔らかいお肉に変化します。是非マスターしましょう。

重曹を使うとなぜお肉がやわらかくなるのでしょうか。それは重曹にはお肉のたんぱく質を分解する作用があるからです。肉のたんぱく質が分解された後、水分を取り込みやすくなるためしっとりとした柔らかいお肉になるのです。

さらに重曹はアルカリ性の物質ですので、お肉をアルカリ性に傾ける効果もあります。お肉がアルカリ性に傾くと水分を取り込み保持する力が向上します。そして保水力が高まるとお肉の筋繊維間が広がりさらに水分を多く保つことができるようになります。

その結果お肉はやわらかく、水分を含んだ上質のお肉になるのです。これは牛肉だけでなく豚肉や鶏肉にも効果がありおすすめです。是非重曹の力を借りて柔らかいお肉を堪能してください。

ここで重曹について少しご説明します。最近よく知られている掃除方法の一つに重曹を使うことがすすめられています。重曹は洗剤を使わなくても頑固な汚れを落とすのに大変便利なものです。清掃用の重曹をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

重曹の正式名称は炭酸水素ナトリウムで身近にすぐに手に入るものです。しかし重曹には3つのタイプがあり医療用・工業用・食品用と用途によって分かれています。どれも同じものですが製造工程により食品に使ってはいけない重曹もありますので注意が必要です。

お肉をやわらかくするために重曹を使いたい場合は必ず食品用の重曹を使うようにしてください。おうちに掃除用の重曹があってもそれは工業用の重曹です。工業用の重曹は食品に使用するための安全基準や衛生管理のない工場で作られています。

そのため重曹には変わりないのですが食品衛生面での認可を受けていません。同じく医療用の重曹も成分や純度には違いはなくても食品用に使うことはできないという点を覚えておきましょう。お肉をやわらかくするための重曹は必ず食品用の重曹を使ってください。

重曹の力を借りてお肉をやわらかくするのに大変相性が良いのが牛肉です。ステーキを食べる際にアメリカンな固い肉をかぶりつきたいという方は別にして、大抵の方はやわらかいお肉を好まれるのではないでしょうか。初めに牛肉をやわらかくするレシピをご紹介します。

牛肉のステーキはもちろんですが、薄切りの牛肉でも重曹で柔らかくする方法で使うことができます。すき焼きや牛丼など牛肉料理に是非このレシピを取り入れてください。

重曹を使って牛肉をやわらかくするために使う材料は水と重曹だけです。分量は水100㏄に対して1gの重曹です。これだけの簡単な材料で美味しい牛肉に変身するとはとても嬉しいことです。是非おすすめですのでやってみてください。

作り方は薄切り肉の場合、重曹水に30分程度漬け込むだけで驚くほどやわらかくなります。漬け込んだ後の牛肉は軽く水洗いして水分をよくふき取ってから調理をするのがおすすめです。

ステーキ肉の場合も30分から1時間漬け込むと良いでしょう。分厚いお肉や塊肉の場合には2時間ほど漬け込むと上質の牛肉に格上げされます。牛肉を漬け込む重曹水に塩を加えるレシピもあります。その際の分量は水400㏄に対して重曹小さじ1・塩小さじ1です。

重曹と塩が完全に溶けてからお肉を漬け込むようにします。2時間ほどで柔らかいお肉になりますが、1～2日漬け込んでも大丈夫です。重曹は独特の苦みがありますので、調理をする際には必ず水で洗い落とすようにするとさらに美味しくなりおすすめです。

続いて重曹を使って豚肉をやわらかくしましょう。豚肉はスーパーで安売りをしていることが多いので使っている方も多いことでしょう。しかし調理の仕方によってはパサパサになってしまったり、お弁当など冷えた状態では固くなったりしやすいものです。

そのためお酒を使ったり小麦粉や片栗粉をまぶしてから調理する方法がありますが、今回は重曹を使ってみます。安い豚肉も重曹を使うことによりやわらかく上質なものに変えることができます。また重曹を使うと冷えてもパサパサになりにくいという利点があります。

豚肉の場合も、重曹水の材料は水と重曹・塩だけです。豚肉は筋繊維が多く、特に赤身肉などには多く含まれているので固いと感じやすいものです。さらに豚肉はたんぱく質が主成分で加熱調理する際に収縮してしまい水分が流れ出やすい性質があるため一層固いと感じてしまいます。

豚肉の水分をお肉の中に閉じ込めておくには、重曹によってアルカリ性に傾けることが効果的です。そうすると豚肉の保水力が高まり水分が出ていきにくくジューシーなお肉になります。

豚肉の場合も牛肉の時と同じように、重曹水を作り豚肉を漬け込みましょう。やはり30分から1時間程度漬け込みます。1～2日冷蔵庫で保存することもできますし、冷凍保存も可能です。解凍する際には急に解凍するのではなく、冷蔵庫でゆっくりと解凍してから使うことをおすすめします。

さらに冷蔵保存や解凍した豚肉が冷えていると火が通りにくく、結果として加熱しすぎてパサつくこともあります。それで調理する前に室温で常温に戻すことも大切なポイントです。重曹水に漬け込んだ豚肉はさっと洗うかキッチンペーパーでふき取ってから調理してください。

最後にご紹介するのは重曹を使って鶏肉をやわらかくする方法です。特に鶏胸肉をしっとりやわらかく仕上げるための工夫は多くの方が研究しています。料理をする方であれば鶏胸肉をしっとりと仕上げるために色々な方法を試されたことでしょう。

鶏胸肉を調理する際にも重曹が大変役立ちます。鶏胸肉をしっとりジューシーに調理するために重曹を是非活用してください。

重曹を使用して鶏肉をやわらかくするための材料は水・重曹・塩・砂糖です。300gくらいの鶏肉に対して水50㏄・重曹小さじ1/2・塩小さじ1/4・砂糖小さじ1/2が目安です。鶏肉が安い時にたくさん買っておき、重曹水に漬け込んで冷蔵保存か冷凍保存をしておくと良いでしょう。

作り方はまずビニール袋かジップロックなど保存用の袋に水と重曹・塩・砂糖を入れよく溶かしておきます。鶏肉は切らずにそのまま入れ全体に重曹水が行きわたるようにします。

鶏肉の漬け込み時間は冷蔵の場合は6時間から2日ほどがおすすめです。そのまま冷凍保存する場合には1晩から1ヵ月程度が目安になります。冷凍することにより鶏肉の繊維が膨らみ細胞壁が壊れて、より水分を含むことができるようになります。

鶏肉を安く購入できた際にはこの方法で保存しておくと調理の際に楽なだけでなくやわらかくジューシーな鶏肉を食べることができます。もちろん切らずにそのまま保存することもできますが、調理の用途に合わせて切ってから重曹水につけておくこともできます。

重曹水に漬け込んだ鶏肉を調理する際に気をつけたい点は、必ず水分は捨て残った水分もキッチンペーパーなどでふき取ってから調理するようにするという点です。また冷凍保存しておいた鶏肉の場合は前日に冷蔵庫に移しておくかぬるま湯で解凍してから使うようにします。

重曹水に漬け込んだお肉はジューシーでとても柔らかくなります。味がついてしまう程の塩気や糖分ではありませんのでどのような料理にも使うことができます。お肉を重曹水に漬け込む際には完全に浸る状態で保存するようにしましょう。

また重曹には苦みがありますのでさっと洗うかふき取ってから調理することをおすすめします。使う重曹は少量で十分効果があります。

お肉をやわらかく仕上げるコツとして重曹の力のご紹介はいかがでしたでしょうか。安いお肉でもやわらかく上質のものに仕上げることができるなら、毎日の食生活がより一層豊かなものになるでしょう。是非重曹を賢く使ってお肉を美味しく頂きましょう。