徳島の特産品【和三盆】とは？上品でおいしいおすすめのお菓子もご紹介

「和三盆」は和菓子などに多く使用されている、砂糖の一種に数えられます。和三盆を取り入れた商品は高級和菓子のほか、洋菓子も人気で、上品でまろやかな風味が特徴です。和三盆の始まりは江戸時代にまで遡り、八代将軍徳川吉宗が製糖を奨励したのがきっかけといわれています。

独特の風味はお菓子に深みを持たせ、大人のお茶菓子にもおすすめです。また、和三盆の希少な砂糖を使った和菓子や洋菓子はお土産や贈りものにも選ばれ、バレンタインデーやホワイトデーにも利用されています。高級お菓子はギフトにも人気ですが、自分へのご褒美にもぴったりでしょう。

和三盆を使ったお菓子は和菓子が多く、また贅沢なイメージがある事から、京都府を産地として認識している方もいます。しかし和三盆を伝統的に生産しているのは主に香川県と徳島県です。四国東部には和三盆を採用したお菓子を販売する名店も多く、観光や出張のお土産としても人気です。

和三盆は日本特有の伝統的な特産物で、クオリティーの高い砂糖の風味はお菓子の仕上がりをワンランクアップさせるでしょう。和三盆を素材の一つとして使用したお菓子の人気は、香川県や徳島県を飛び出して全国にまで広がり、インターネットでお取り寄せもできるようになりました。

和三盆はまろやかな風味と上品な甘さが特徴です。お菓子によく利用されるグラニュー糖や上白糖などとはまた違った独特な風味で、粒子が細かく口どけの良さにも定評があります。

和三盆の繊細な味わいは、お茶に合う和菓子だけでなく、クリームを使った洋菓子にもマッチし、幅広い年齢層から評判です。

砂糖は煮物や佃煮などに使われる三温糖や世界中のお菓子に使われるグラニュー糖など、数種類に分ける事ができます。和三盆は一般的な砂糖と特徴が異なります。

グラニュー糖や白砂糖は、サトウキビやてんさいから作られます。和三盆の原材料もサトウキビですが、「竹糖」という品種のサトウキビを使っています。竹糖は在来品種で細くて小さく、沖縄などで栽培される一般的なサトウキビよりも少ない収穫量のため、希少価値が高くなります。

和三盆の原料である竹糖はごく限られたエリアで栽培され、収穫したサトウキビをもとにして白下糖を作ります。白下糖は和三盆の手前の段階のもので、搾り汁を取り、炊き上げ、冷ましたものは糖蜜状態の砂糖に仕上がります。コクのある味わいは煮物料理にもおすすめです。

一般的な砂糖と和三盆の違いは原料と製法です。サトウキビや竹糖を粉砕して煮詰める工程までは同じですが、糖蜜の取り除き方によって変わります。糖蜜は糖液を蒸発・濃縮させて結晶を分離したあとに残る茶褐色の液体で、40～60％の糖分が含まれています。

糖蜜を完全に取り除けば白い砂糖になり、完全に取り除かなければ和三盆に仕上がります。糖蜜の取り除き方法には「押し舟」と「研ぎ」の工程があり、3回繰り返されるため、和三盆と呼ばれるようになったといわれています。押し舟は重石で圧迫して、糖蜜を絞り出す方法です。

押し舟をすると真っ黒な蜜が絞り出されます。一方、研ぎは押し舟の作業で残った白い塊を取り出し、職人が再度水を含ませて粒子を細かくし、手で揉んで糖蜜を取り除く工程です。手作業による分蜜は完全に糖蜜を取り除かず、糖と蜜が入り混じった状態の和三盆が完成します。

和三盆は和菓子に高級感を持たせ、ご進物など挨拶の品や手土産にも選ばれています。数ある和三盆を使ったお菓子の中から、選りすぐりの人気の和菓子をご紹介しましょう。

和三盆をお菓子作りに用いたおすすめ商品は「薄氷本舗 五郎丸屋 T五」です。T五はこれまでいくつかの賞を獲得した和菓子で、2017年には全国菓子大博覧会（三重）名誉総裁賞・受賞に選ばれています。贈り物を選ぶ際は実績のあるものや、有名ブランドの商品もチェックしましょう。

薄氷本舗 五郎丸屋 T五は5種類のフレーバーを1袋にしたお菓子です。一つひとつの味や色の異なるテーマがあり、「和三盆（冬）」と名付けたお菓子は雪国の冬のぬくもりをイメージしています。真珠のような白色が特徴的で、阿波の和三盆を使った一品です。

T五は薄氷のような干菓子が人気を集め、口に入れると溶ける薄さが特徴的です。和三盆（冬）のほかにも国産の桜の風味を閉じ込めた「桜（春）」や、富山県庄川産の柚子果汁を含んだ「柚子（秋）」などもあり、食べ比べを楽しみたい方にもおすすめです。

日本茶と合う和菓子の一つは「中形羊羹 阿波の風 和三盆糖入羊羹」です。製造しているのは室町時代後期の京都で創業した有名な「とらや」で、羊羹や季節の生菓子が店頭に並びます。阿波の風は伝統的な製法で作られた徳島県の阿波和三盆糖を使用し、2001年から好評を得ている羊羹です。

徳島県・岡田製糖所製の和三盆糖を採用した中形羊羹 阿波の風は洗練され、すっきりした甘さが特徴です。また、一口含めば奥ゆかしい香りが広がり、高雅な香りと共に小豆の風味も楽しめるでしょう。昔から愛されている名ブランドのお菓子は、目上の方への手土産にも選ばれています。

「阿波酢造 和三盆 花ごよみ」は見た目の華やかさが際立ち、箱を開けて喜ばれる和菓子の一つです。細かな模様が高級感を漂わせ、目でも楽しませてくれます。干菓子には伝統の味を今に伝える阿波和三盆糖を採用しており、優しい香りや上品な甘みが口に広がると評判です。

ほのかな風味の阿波酢造 和三盆 花ごよみは紅茶やコーヒーとも相性が良く、束の間のティータイムにもおすすめです。砂糖菓子は料理の砂糖にも利用でき、まろやかな風味を足す事もできます。阿波酢造 和三盆 花ごよみはフルーツにかけるなど、用途のバリエーションが豊富です。

和菓子に使われるイメージを持つ方も多い和三盆ですが、独特の風味は洋菓子にも合います。こちらではおすすめの3品をピックアップしました。

「ワッフルアトリエ ムエル 和三盆ワッフル20個セット」は季節のフレーバーを含む洋菓子で、選ぶ楽しさが多くの女性から好評を得ています。生地は和三盆の特徴を活かしました。さらに上白糖を50％カットしてオリゴ糖を50％使い、小麦粉を従来のワッフルレシピから50％削減しています。

ワッフルの種類は季節ごとに変わります。ワッフルアトリエ ムエル 和三盆ワッフルは、ふんわり柔らかな口当たりの生地に仕上げたスイーツです。また、一口サイズの大きさに揃えた個包装タイプで食べやすく、気軽なギフトにも向いています。

箱にはフレーバーが分かるように並べられ、豊富な種類の中から好みのワッフルを選べます。ワッフルアトリエ ムエル 和三盆ワッフルは、子供のおやつや大人のティータイムにも美味しく食べられる洋菓子でしょう。

「shika 和三盆ブリュレ」は和の要素を取り込んだ洋菓子の一つで、讃岐の温暖な気候と風土で育まれた竹蔗の和三盆を使っています。和三盆の糖蜜を生地の中と焼き上がったバウムクーヘンの上面に浸み込ませ、和三盆の優しい風味と糖蜜のまろやかな甘みとコクを持たせています。

バウムクーヘンの上面はカリカリした食感ですが、中の生地はしっとりしています。しっとり硬めに仕上げたバウムクーヘンは、昔ながらの懐かしさが感じられると評判です。shika 和三盆ブリュレは伝統製法にこだわり、生地の配合や焼き加減など、各工程に職人の技が活きています。

「PRIMPS BLANC by KAGETSUDO 和三盆壱品ろーる」は阿波・徳島の和三盆を使った洋菓子です。材料には和三盆や黒糖、国産小麦を選び、繊細な風合いを引き出しています。和三盆壱品ろーるはふんわりして柔らかな生地がクリームと合い、ほのかな甘味や優しい風味を堪能できます。

和三盆壱品ろーるは長さ約34cmのロールケーキです。一般的なロールケーキより細長く仕上げているものの、ライトな食感が食べやすく、すぐになくなってしまうと喜ばれています。和三盆や黒糖の余韻が残るロールケーキは上品で優しい甘さが広がり、見た目の大きさも人気ポイントです。

和三盆はお菓子に使われる事の多い砂糖ですが、すっと溶ける口当たりの良さやまろやかな風味は料理にも役立ちます。普段の食事には煮物料理のほか、蕎麦つゆや寿司めしにも利用できます。弁当のおかずには和三盆を使った、さつまいもの甘煮もおすすめです。