【生クリーム】がないときの代用アイデアを伝授！コーヒーフレッシュは使える？

生クリームは生乳や牛乳を分離して取り出した乳脂肪のみを原料とした乳製品です。スープや煮込み料理の仕上げに生クリームを加えることで濃厚でリッチなコクをプラスすることができます。

お菓子作りには生クリームが欠かせません。生クリームを泡立てたものをホイップクリームと呼びますが、ふわっとした濃厚な味わいのホイップクリームは、ケーキのデコレーションの定番です。

純白のショートケーキにはきめ細かで舌触りの良いホイップクリームの味わいが重要です。シュークリームやプリンアラモード、パフェなどにホイップクリームが入っていると、軽い食感と幸せを感じる甘みとコクがプラスされるので、スイーツのクオリティが格段に上がると評判です。

生クリームを泡立てたものをホイップクリーム（Whipped Cream）と呼びます。ホイップクリームは泡立て器やハンドミキサーを用いて空気を多く含んで軽くなるまで泡立てられたクリームのことです。

ふわっとしたコクと甘みのあるホイップクリームは幸せの象徴のような、スイーツ作りに欠かせない材料となっています。英語のホイップ（Whip）は、「鞭（むち）」を意味する名詞で、ホイップ（Whipped）は鞭打つ動作を意味します。

クリームを攪拌する動作が鞭打ちに似ていることから、ホイップクリームと呼ばれるようになったといわれています。

美味しいクリームと砂糖で作られるホイップクリームは、ヨーロッパを中心に既に16世紀には人気を博していたといわれています。当時は「牛乳の雪」「皿いっぱいの雪」などと呼ばれ、様々なレシピが残されています。

生クリームは生乳、牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去し、乳脂肪分を18.0％以上にしたものという定義があります。生クリームの商品名には純生などと表記されているものがあります。脂肪分が18～30％の生クリームは「ライトクリーム」と呼ばれコーヒー用などに使用されます。

脂肪分30～48％の生クリームは「ヘビークリーム」と分類されホイップ用に使われます。イギリスでは脂肪分の割合により、18％のものを「シングルクリーム」48％のものを「ダブルクリーム」55％のものを「クロテッドクリーム」と分類して呼んでいます。

クロテッドクリームは非常に濃厚なクリームです。イチゴジャムとともにスコーンに塗られ、紅茶と一緒に提供されるのがイギリスのアフタヌーンティーの定番です。スイーツだけでなくクロテッドクリームはマッシュポテトやリゾットなど塩味のついた料理にも利用されます。

日本で販売されている一般的な生クリームは動物性脂肪（乳脂肪）のみを原料とするもので、生乳から乳脂肪分だけを遠心分離で取り出し、濃縮させて作られます。

生クリームの乳脂肪分は18％以上と定められていますが、泡立ててホイップクリームとしてお菓子などに使用する際には、最低35％以上の乳脂肪分が必要です。

例えば大手通販の楽天市場では「タカナシ 特選北海道純生生クリーム47 200ml 4個」が税込2944円で販売されています。

少し黄色がかったクリーム色をしたタカナシの特選北海道純生生クリーム47は、乳脂肪分47％、お料理にもお菓子にも最適なオールラウンド濃厚タイプの生クリームです。お魚のムースや濃厚なキッシュ、とろける生キャラメルづくりにもおすすめの生クリームです。

同じく大手通販のAmazonで販売されている「中沢乳業 フレッシュクリーム42％（1000ml）」は税込1916円です。

乳脂肪分42％、1000mlの大容量パックで、風味の強い素材にも負けない濃厚なコクをもった、泡立ちの軽いクリームです。ベリー類やナッツ、マロンとの相性が良く、お菓子作りにおすすめです。

クリームシチューやグラタン、クリーム系のリゾット、クリーム系のパスタなどを作る時、手軽に濃厚なコクを出すなら生クリームがおすすめです。しかし、生クリームを冷蔵庫に常備していない場合、他のもので生クリームの代用ができたらとても便利です。

今回の記事では、調理中「生クリームがない！」という時におすすめの代用品をご紹介していきます。生クリームがなくてもアイデア次第で他の食材で代用することができます。

代用するものは何を調理しているか、何に生クリームを使うかによって変わってきます。泡立てたホイップを使いたいときに便利な代用品、料理のソースやスイーツに使いたいときに便利な代用品など、項目ごとに生クリームの代用品をご紹介しますので、参考にご覧ください。

知っていれば得をする料理やお菓子作りの知恵が詰まっている記事になっていますので、料理・お菓子作り好きの方は必見です。

生クリームのカロリーは100gあたり約433kcalと高めです。牛乳は100gあたり61kcal、無糖ヨーグルトは100gあたり61kcal、練乳（無糖）は100gあたり145kcalになります。

カマンベールチーズは100gあたり311kcalです。生クリームは10gで43kcal、50gで217kcalです。生クリームは一般的なスーパーで200ml入りのパックで販売されていることが多いですが、200mlあたりのカロリーは909kcalになります。

生クリームはカロリーが高めなので、代用品を使うことによりカロリーが抑えられるというメリットもあります。牛乳やヨーグルトを使って生クリームの代用にできれば、カロリーカットに役立ちます。

さっそく生クリームの代用品を見ていきましょう。生クリームの代用、1つ目にご紹介するのは「牛乳＋ゼラチン」です。一般的な牛乳は無脂乳固形分8.0％以上、乳脂肪分3.0％以上のものをいいます。

低脂肪牛乳は乳脂肪分0.5％以上1.5％未満のもの、無脂肪牛乳は乳脂肪分が0.5％未満のものを指します。生クリームは乳脂肪分18％以上のものを指し、製品によっては50％近いものもあります。乳脂肪分については生クリームは牛乳の5～13倍になります。

さらっとして飲みやすい牛乳に比べて生クリームはとろりとした濃度があります。生クリームと牛乳は同じ乳製品ではありますが、全く別物の商品と考えた方が良いでしょう。生クリームの代用におすすめなのが、牛乳とゼラチンを使うという方法です。

これは生クリームを泡立てて使う場合に代用できる方法になります。ゼラチンはコラーゲンに熱を加え抽出したもので、ゼリーや煮こごりなどのお菓子・料理に用いられます。

調理用の素材として販売されているゼラチンには、薄い板状の「板ゼラチン」粉状の「粉ゼラチン」顆粒状の「顆粒ゼラチン」などがあります。

牛乳とゼラチンを使うことで、生クリームを泡立てたホイップクリームの状態に近くなるので代用として使えます。牛乳をゼラチンで固めることにより牛乳に粘度が生じ、ホイップできるようになります。

味わいは生クリームのホイップクリームに比べ、かなりあっさりとしていますので、さっぱりとしたデザートなどへの代用がおすすめです。少しでも濃厚な生クリームに味を近づけたい場合は、成分無調整の高脂肪タイプの牛乳を使うと良いでしょう。

泡立てたホイップを使いたいときにおすすめの生クリームの代用品「牛乳＋ゼラチン」の作り方をご紹介します。材料は牛乳200ml、粉ゼラチン5g、水50ml、砂糖大さじ1です。

耐熱容器に水と粉ゼラチンを入れて約5分ふやかします。ふやけたことを確認し、600Wの電子レンジで20秒加熱したらミニサイズのホイッパーなどで良く混ぜ、ゼラチンを溶かします。次に砂糖を追加し、混ぜ合わせます。

ボウルに牛乳を入れ、ゼラチン液を少しずつ注ぎ入れ、ミニホイッパーでしっかりと混ぜ合わせましょう。冷蔵庫で約20分冷やすと粘度が出てきます。取り出してハンドミキサーで泡立て、再び冷蔵庫で約20分冷やします。再度取り出しハンドミキサーで泡立てましょう。

生クリームで作ったホイップクリームのようにツノが立つほどにはなりませんがとろりとした食感のクリームに仕上がります。パンケーキやシフォンケーキに添えるクリームとしておすすめです。

次は、生クリームの代用「牛乳＋バター」についてご紹介します。牛乳とバターを使用した代用方法は、泡立てない生クリームの代用におすすめです。バターは牛乳から分離したクリームを凝固させた商品で、生クリームと同じ乳製品の一種です。

主成分は乳脂肪で、100gのバターを得るためには、原料乳が約4.8リットル必要といわれています。生クリームの原料である「牛乳」に、牛乳の脂肪分で作られる「バター」を加えることで、生クリームの味わいに近いコクのあるクリームになります。

生クリームのように泡立ててホイップクリームにすることはできませんので、スープやクリーム系の煮込み料理、パウンドケーキの生地に入れるなどの使い方がおすすめです。材料は牛乳160mlとバター40gで、この分量で約200ml分の代用生クリームができます。

作り方はとても簡単で、牛乳にバターを溶かすだけという手順になります。耐熱容器に牛乳とバターを入れ、600Wの電子レンジで約1分加熱しましょう。

バターが溶けたら取り出し良く混ぜ合わせます。温度が下がるとバターが再び固まってしまいますので、溶かしたら早めに使うようにしましょう。

生クリームの代用に「牛乳＋バター」を使用する際、料理に使うなら有塩バターでOKですが、お菓子作りに使用する場合は無塩バターがおすすめです。

グラタンやクリームシチュー、クリームパスタなどの料理にプラスすると濃厚な味わいが加わり美味しくなります。パウンドケーキやマフィン、食パンなどに加えてリッチな味わいに仕上げるのもおすすめです。

より濃厚でコクのある味わいを目指したい場合は、牛乳の分量を減らし、バターの分量を増やすと良いでしょう。しかし、その分カロリーがアップしますので、カロリーを気にされる方はご注意ください。

喫茶店でホットコーヒーやアイスコーヒーを飲むときに、わきに添えられているクリームが「コーヒーフレッシュ」です。小さなカップ型パッケージに入ったポーションタイプのコーヒーフレッシュは、見た目が生クリームに似ているので、生クリームと同じと思っている方もいるでしょう。

しかし、コーヒーフレッシュの多くは植物性の油脂を加工して作られたもので、食品分類上の区分は「植物性油脂食品」や「植物油脂クリーミング食品」になります。

コーヒーフレッシュは、ビジュアルは生クリームに似ていますが、あっさりした味わいなので生クリームのような濃厚なコクはあまりありません。コーヒーフレッシュは、ポーションで販売されているので、少量だけ使いたいときに生クリームの代用として便利です。

また、コーヒーフレッシュはビーフシチューやポタージュスープなどの仕上げ・飾り用としての代用がおすすめです。コーヒーフレッシュは一般的なスーパーやコンビニで手軽に購入できますし、コンパクトなので冷蔵庫の場所も取らず、常備しておくと重宝します。

料理の仕上げにあっさりとしたミルクの味わいをプラスし、本格的なビジュアルにしてくれるコーヒーフレッシュはおすすめです。

つづいては生クリームの代用「水切りヨーグルト」を見ていきましょう。ヨーグルトは乳に乳酸菌や酵母を混ぜて発酵して作られる発酵食品の一種です。水切りヨーグルトとは、無糖タイプのプレーンヨーグルトの水分を抜いて、クリームのようにしたヨーグルトのことです。

通常のヨーグルトよりも風味が強く、あっさりとしながらも濃厚な味わいになりますので、低カロリーなスイーツ作りに役立ちます。無糖タイプのプレーンヨーグルトの水分を抜き、水切りヨーグルトにした場合、100gあたりのカロリーは約100kcalです。

水切りヨーグルトと同じような乳製品でクリームタイプのものとして「クリームチーズ」「サワークリーム」と比較してみましょう。

クリームチーズは100gあたり約350kcal、サワークリームは100gあたり約190kcalです。ちなみに生クリームは100gあたり約433kcalです。

水切りヨーグルトは圧倒的にカロリーが低いので、カロリーコントロール中の方やダイエット中の方におすすめの生クリーム代用品です。水切りヨーグルトの作り方は、ボウルにザルをのせ、その上にキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトをのせます。

ラップをして一晩冷蔵庫に置いておくだけでOKです。面倒な工程やコツなどは一切必要ありませんので誰にでも挑戦できます。より滑らかな口当たりにしたい場合は、水切りしたヨーグルトを裏ごしすると良いでしょう。

水切りヨーグルトは、パンケーキのトッピングに使ったり、ベイクドチーズケーキの材料であるクリームチーズの代わりに使ったりできます。

フルーツサンドは生クリームを泡立てたホイップクリームとフルーツをたっぷり挟んだ贅沢なメニューですが、生クリームではなく水切りヨーグルトを使用することでさっぱりとした味わいになり美味しいと評判です。

フルーツの甘味、酸味、ヨーグルトのコクと酸味が一体となりあっさりといただけます。甘さをプラスするならハチミツがおすすめです。

ちなみに、水切りヨーグルトを作る際、ザルの下のボウルにたまった水分はヨーグルトのホエー（Whey）なので、パンケーキを焼くときの水分として使うと無駄がなく活用できるのでおすすめです。

生クリームの代用として大幅なカロリーカットが実現できおすすめなのが「豆腐」です。豆腐クリームの材料と作り方をご紹介します。材料は木綿豆腐1丁、砂糖大さじ3、サラダオイル大さじ1、バニラエッセンス4～5滴です。

木綿豆腐はキッチンペーパーで包み、上にお皿などの重しをのせて1時間ほど水切りします。次に木綿豆腐を裏ごしします。

1回よりも2回裏ごしした方がより滑らかになるのでおすすめです。ボウルに裏ごしした豆腐と砂糖、サラダオイル、バニラエッセンスを入れよく混ぜ合わせます。

ゆるめのクリームなのでケーキのデコレーションなどには不向きですが、ケーキの生地の材料として使ったり、パンケーキに添えたり、ティラミスの材料として使ったりすることができます。また、グラタンやドリアのホワイトソースの代用としても活用できます。

木綿豆腐1丁（400g）のカロリーは約240gです。100gあたりに換算すると木綿豆腐は60kcalになります。生クリームが100gあたり約433kcalなので、木綿豆腐を代用することにより大幅なカロリーカットが実現します。

また、大豆が原料の木綿豆腐は良質なたんぱく質をはじめ、カルシウム、鉄分、ビタミン、食物繊維などの栄養素も摂れるので栄養バランスが良くおすすめです。

生クリームの代用品について特集しました。濃厚でリッチな味わいが楽しめる生クリームは、料理によって牛乳＋ゼラチン、牛乳＋バター、コーヒーフレッシュなどで賢く代用ができます。

水切りヨーグルトや豆腐を代用として使えば、カロリーカットが実現するので、カロリーコントロール中の方にもおすすめです。ご紹介した生クリームの代用アイデアを参考に、上手に代用品を使いこなしましょう。