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新潟にコストコが出店するって本当?
新潟にコストコが出店するという話題が広がっていますが、本当にオープンする予定はあるのでしょうか?噂の出所や、現在の状況をご紹介します。
以前から新潟にはコストコ出店の噂が
以前から新潟にはコストコ出店の噂があり、一気に話題を大きくしたきっかけが、2017年10月に発売された新潟のゴシップ誌「財界にいがた」です。
本誌では「コストコの新潟進出」に関する記事が取り上げられ、内容は「2017年1月、コストコの調査員と思われる人物が、コストコの新潟出店を目的に鳥屋野潟(とやのがた)の田んぼを地質調査している」というものでした。
財界にいがたの記事は瞬く間に広く知れ渡り、「コストコが新潟に進出!」という噂に火が付いたのです。
実現せずに何年も経つ
コストコの新潟出店は2016年には計画の話があり、翌年には地質調査が行われているものの、実現しないまま何年も経過しています。実は新潟以外にもコストコの出店は全国各地で計画されてきましたが、実際に出店できたのは2/3程度という状況です。
残りの1/3の中には建設間近だったにも関わらず、直前で断念せざるを得ない状況もありました。大型商業店舗の出店に至るまでには、簡単には越えられない厚い壁があるのでしょう。
新潟では「コストコフェア」が大人気
新潟では「コストコフェア」が大人気で、その盛況ぶりからコストコの新潟出店への需要が伺えます。そこで、新潟の各地で注目されているコストコフェアの開催状況をご紹介しましょう。
一般のスーパーがコストコの商品を販売
コストコフェアとは一般的なスーパーでコストコ商品を販売する企画のことで、コストコ会員ではなくても手軽にコストコ商品を購入できるのが魅力です。
販売するコストコ商品は各スーパーが独自に仕入れるため、フェアを開催するスーパーによって品揃えは異なります。人気商品は多くの店舗で仕入れていますが、取り扱う商品の種類がお店ごとに違うという点も新潟県民の購買意欲を高める要因の1つになっているようです。
新潟では地元に根付いたスーパー「キューピット」が月1回ほどのペースで定期的にコストコフェアを実施し、多くは土日を中心とした2日間の開催です。詳しい日程や内容は、チラシや公式サイトでチェックするといいでしょう。
キューピットのコストコフェアは大変人気があり、9:00にオープンして正午には売り切れる商品があるほど毎回大盛況です。
コストコよりもやや割高
コストコフェアで販売する商品の値段はコストコよりもやや割高で、20%ほど上乗せしている状況がほとんどです。スーパーが直接コストコから仕入れて運搬するわけですから、経費分をプラスするのは当然と言えるでしょう。
また購入する側にとっても、年会費や他県までの高速代を払うことを考えればコストコフェアは大変お得です。
多少高くても新潟のコストコフェアが支持されていることから、新潟におけるコストコ需要は大きいと推測できます。
新潟市はコストコ出店条件を満たしている
新潟市はコストコが出店するための条件を満たしていながら、実現する見通しを長い間確認できていません。そこで、コストコ出店の条件に対する新潟市の状況や、コストコ進出に当たって条件以外にも必須となる「地元の同意」についてご紹介します。
コストコ出店条件の人口や敷地面積
コストコを出店するためには3つの条件があります。1つ目が人口、2つ目が車によるアクセスの良さ、3つ目が敷地面積です。
コストコを出店するには、まず人口の多さがベースになります。コストコ出店における人口の条件は半径10km以内の人口50万人以上なのに対し、新潟市の人口は約77万人という状況です。※人口は2022年12月時点、新潟市公式HPの情報より。
一方お隣の富山県射水(いみず)市ではすでにコストコを出店していますが、射水市と周辺の富山市、高岡市の人口を合わせると約66万人です。新潟市より人口規模が小さい場所でもコストコは出店していますから、新潟市は人口の条件をクリアしていると言えます。
次にコストコ出店に当たって重要な条件となるのが、車によるアクセスの良さです。コストコの商品は基本的に大容量なので、会員になって定期的に荷物を持ち帰るとなると公共交通機関でのアクセスは不向きと言えます。
そのため車による行きやすさが必要不可欠となるのです。新潟都市圏は全国の政令指定都市の中で唯一、JR線を除く民鉄や公営鉄道が存在しない場所ですから鉄道面は充実しているとは言えませんが、その分発達した道路ネットワークを構築しています。
新潟都市圏には、東西を約40kmに渡って貫く高規格の一般国道「新潟バイパス」が通っているのです。新潟バイパスは全線を立体交差するインターチェンジとしているため信号機が一切なく、制限速度は一部の区間を除いて70~80km/hになっています。
さらに片側2車線以上を確保し、全4~6車線で建設されている上に無料で利用できます。その結果、全国でもトップクラスの交通量を支える「バイパス界のリーダー」として一目置かれているのです。
そんな恵まれた新潟バイパスに加え、新潟市には日本海東北自動車道、磐越自動車道、北陸自動車道も通っていますから、コストコが求める車によるアクセスの条件は十分に満たしていると言っていいでしょう。
最後のコストコ出店の条件は敷地面積1万坪以上、建築面積約4200坪です。倉庫型店舗であるコストコは建築面積に加え、800台以上の駐車スペースを目安にしているためとにかく広大な敷地が必要になりますが、新潟市には条件をクリアする候補地があるとされています。
地元の同意は必須
コストコを出店するためには3つの条件の他に、地元の同意も必須です。コストコのオープンを待ち望んでいる新潟県民が多くいる一方で、コストコのような大型店舗ができるとなると、予定地周辺ではさまざまな影響を懸念して反対運動が起こりやすくなります。
新潟で反対運動があったかどうかは不明ですが、一般的に大型店舗建設に対する反対運動が起こる理由は主に5つあります。
1つ目は周辺道路の渋滞です。生活圏内の道路が度々渋滞するようになると、外出しにくくなったり帰宅に時間がかかったりと、これまでの平穏な生活が奪われる場合があります。さらに近隣店舗周辺の道路で渋滞が発生すれば、渋滞を理由にお客さんの足が遠のいてしまうこともあるのです。
2つ目は治安の悪化です。大型店舗ができると、その土地のことをよく知らない遠方からの人が殺到する傾向にあります。特に夜遅い時間に多くの人が出入りすると、周辺では今までなかったトラブルが発生することもあるでしょう。
3つ目は近隣店舗の売り上げ低下です。大型店舗がオープンすれば多数の顧客が流れていきますから、既に小売業を営んで生計を立てている側にとっては大型店舗が脅威になります。
4つ目は予定地周辺の人手不足です。数ある大型店舗の中でもコストコは時給が高いことで有名で、全国のどの店舗でも時給は1200円からスタートします。その後勤務1000時間ごとに時給がアップし、最高で1800円にまで上がるのです。
新潟の最低賃金は2019年に830円となりましたが、コストコとは比較にならないほど大きな差があるため雇用の低下も予想されます。
5つ目は市街化調整区域です。市街化調整区域とは「市街化を抑制すべき区域」を指し、都市計画法において定められています。土地開発が行われていないエリアは市街化調整区域に指定されていることが多く、基本的には新たに建築物を建てることを極力抑えるべき地域とされているのです。
このような理由から、地元自治体が大型店舗の建設を反対することは珍しいことではありません。そのため新潟市がコストコ出店の条件をクリアしていたとしても、自治体の協力を得られない状況下では出店計画が前に進まないことになります。
コストコの社長は意欲的
コストコのような大型店舗は1店舗を建設するだけでも問題は山積みとなるわけですが、コストコの社長はさらなる規模の拡大に向け、とても意欲的です。今後社長が目指す店舗展開数の予定や、新潟における出店の可能性をご紹介します。
2030年までに50店舗
コストコは2023年1月現在、国内で31店舗を展開していますが、コストコのケン・テリオ社長はさらなる規模の拡大を見据えています。
アメリカのビジネスや技術ニュースを専門に扱うウェブサイト「ビジネスインサイダー」による取材の中で、社長は「2030年までに日本の店舗数を50店舗に増やしたい」と名言しているのです。
つまり、あと7年で19店舗のコストコをオープンするという計画になりますが、人口が日本の半分以下であるカナダでは何と100店舗を運営しています。そう考えると、全国に50店舗は不可能な数字ではないと言えるでしょう。
実は新潟以外にもコストコ出店の噂があり、候補となる場所もいくつか挙げられているものの、進出していないエリアがたくさんあります。そのため各地でコストコオープンを期待する声が上がっているのです。
出店の可能性が高いのは新潟
コストコ出店予定の数ある噂の中でも、特に実現の可能性が高いとされる場所が新潟になります。理由は財界にいがたの記事やコストコ出店の3つの条件クリアに加え、現実味を増す新たな記事が登場したためです。
新たな記事については後ほど詳しくご紹介しますが、新潟市と連携して誘致活動を進めているといった内容になっています。そのため「新潟にコストコは来ないかもしれない」と諦めていた方もいるかもしれませんが、今後はオープンの日を期待しながら待っていても良さそうです。
新潟でコストコがオープンするなら場所はどこ?
新潟でコストコがオープンする場合、場所はどこを予定しているのでしょうか?最も有力とされている場所の特徴や、現在の状況をご紹介します。
新潟市の「中央区鳥屋野潟南部周辺」
コストコが新潟市にオープンする場合、最も有力視されている場所が、当初から予定されてきた「中央区鳥屋野潟南部周辺」です。鳥屋野潟は新潟駅から2~3kmの距離にある潟(かた)で、潟とは流水と砂によって海から分離されてできる「海岸の湖」を指します。
鳥屋野潟の潟面積は約1.37平方キロ、流域面積は約99.8平方キロと巨大です。家屋や商業施設、商店が密集した市街地にこれほどスケールの大きい潟を持つ地域は全国で新潟市だけとあって、注目を集めてきました。
鳥屋野潟は冬になると4000羽を越えるハクチョウが飛来し、他にも180種類以上の鳥類や新潟県の固有種「エチゴモグラ」の生息が確認されるほど豊かな自然が残る場所です。
そこで新潟市は、鳥屋野潟に隣接する鳥屋野潟南部を整備する「鳥屋野潟南部開発計画」を進めてきました。
鳥屋野潟南部開発計画は、鳥屋野潟南部の広大な土地(270ヘクタール)を4つのゾーン「総合スポーツ」「ウェルネス」「国際文化・教育」「住居」に分け、開発していくという計画です。
総合スポーツゾーンは93ヘクタールで、スポーツやヘルス機能を中心に構成します。ウェルネスゾーンは37ヘクタールで、市民病院を核に関連施設を配置し、良好な療養環境と快適な空間を確保します。
国際文化・教育ゾーンは86ヘクタールで、文化・国際交流・人材育成・研究開発といった機能を取り込みます。住居ゾーンは54ヘクタールで、快適性に特化した機能の整備を活かし、住宅地などの形成を図ります。
新潟市は国の「まちづくり交付金」を活用して大きな都市開発を行った後、現在も鳥屋野潟南部に日本海地域の拠点としてふさわしい優れた空間をつくり出すため、整備を推進しているのです。
そして新潟市は、新潟県と亀田郷(かめだごう)土地改良区との三者で力を合わせながら、新しい都市機能を持つ快適で魅力ある鳥屋野潟南部の創出に取り組んでいます。
亀田郷とは新潟市中央区に隣接する旧亀田町を含む地区で、古くから緑豊かな田園地帯を誇ってきました。そんな亀田郷で働く農家の方が、効率よく農作業を進められるように各種整備を行っているのが亀田郷土地改良区です。
鳥屋野潟はかつて亀田郷の中心にあったことから、鳥屋野潟南部の開発計画を進めるためには、新潟市や新潟県の他、亀田郷土地改良区の協力も必要不可欠ということになります。
鳥屋野潟周辺は、県立図書館や自然科学館を併設する「新潟県立鳥屋野潟公園」が整備され、鳥屋野潟公園の一部として新潟県スポーツ公園がオープンしました。
そして2001年、新潟県スポーツ公園の中心に鳥屋野潟南部開発計画初となる建設プロジェクト「デンカ ビッグスワン スタジアム(DENKA BIG SWAN STADIUM)」が完成したのです。
ビッグスワンは日本海最大級の規模と機能を持ち、国際級のスポーツイベントの開催が可能な総合スタジアムになります。オープン翌年の2002FIFAワールドカップでは、国内の開幕戦会場にもなりました。
その後2007年には新潟市民病院が開院し、2009年には新潟県スポーツ公園内に県立野球場「HARD OFF ECOスタジアム新潟」が完成しました。
約3万人収容可能な県内最大の野球場であることから、プロ野球公式戦の誘致が次々に実現しています。また県内初となる全面人工芝を採用しているため、コーンサートをはじめとしたさまざまなイベントが開催されているスポットです。
新潟県スポーツ公園は他にも、多目的運動広場や樹木の中でのびのび遊べる遊具広場、またバーベキューエリアといった多彩な空間が充実し、水と緑あふれる市民の憩いの場として親しまれています。
続いて2013年には、子供から大人まで数多くの体験や交流ができる多目的施設「いくとぴあ食花(しょくはな)」がオープンしました。いくとぴあ食花は新潟市自慢の食や花をメインテーマに、美しい風景や野鳥と言った生き物を間近に観察できる拠点です。
2014年には、フィギュアスケートやアイスホッケーといった氷上スポーツを年中無休で楽しめる「MGC三菱ガス化学アイスアリーナ」が誕生しました。新潟市には10年以上スケートリンクがなかったため、市民にとっては大変嬉しいスポットです。
2015年には、いくとぴあ食花の敷地内に「こども創造センター」と「動物ふれあいセンター」が完成しています。
こども創造センターは、子供たちが人との交流や創作活動・体験を通じ、自分で考え行動する「自ら生きる力」を伸ばすこと、また他者と協調して「共に生きる力」を育むための拠点施設です。年齢に合わせた遊びや活動ができるため、小さな子供でも楽しめます。
動物ふれあいセンターは、アルパカやカピバラといった珍しい動物に出会えたりえさやり体験ができたり、ウサギやモルモットと触れ合うことができるスポットです。また保健所に保護された犬や猫たちの譲渡案内も行っています。
他にも鳥屋野潟南部では病院関連施設や新潟市消防局・中央消防署、新潟市産業振興センター、各種ライブや公演も開催される新潟勤労総合福祉センター「新潟テルサ」をはじめとする数多くの建設を実現してきました。
その結果、これまで郊外の水田地帯であった鳥屋野潟南部は目覚ましい変貌を遂げ、新潟市民だけではなく県民の期待に応える夢のような場所をつくり上げてきたのです。現在控えているのは住居ゾーンの開発のみという状況になり、さらなる発展が望まれています。
新潟コストコのオープン予定の状況
新潟のコストコは本当にオープンする予定があるのか明らかにはされてきませんでしたが、確実に前進していることがわかる情報が発信されました。そこで、新潟のコストコ出店に関する現在の状況をご紹介します。
平成30年1月19日に出た新潟日報によると
コストコの新潟出店予定については、2017年に行われた地質調査以降なかなか進捗状況を把握できませんでしたが、2018年1月19日に発行された地方新聞「新潟日報」の記事により、新潟市が誘致活動に協力する姿勢を見せていることが確認できました。
新潟日報の総合ニュースサイト「新潟日報モア」によると、現在の新潟市江南区である亀田郷土地改良区が、中央区の鳥屋野潟南部地区開発においてこれまで「住居ゾーン」を予定してきたエリアに、外資系の倉庫型商業店舗や物流センターなどを誘致する構想を持っているようです。
新潟市が外資系の店舗を誘致する背景には、首都圏での大災害を想定した広域防災拠点を担う狙いがあります。
広域防災拠点とは、大規模災害が発生した際にヘリコプターを含めた大規模な支援部隊の集結場所として、また支援物資の集積場所として機能する他、災害医療活動の拠点となって広域をカバーする、水準の高い防災拠点です。
予定地となる土地の保有者で、かつ処分する権利を持つ地権者からなる団体にはすでに説明が済んでいて、新潟市も協力していく構えであることが1月18日、わかったとしています。
新潟市が協力することが確定
コストコの新潟進出に対し、これまで自治体の賛同が得られていないのではないかという不安の声が多くありましたが、新潟日報の「新潟市による協力が確定」とする内容の記事によって、多くの人が期待に胸を高鳴らせる状況に一変しました。
新潟日報では誘致する対象を「コストコ」とは明言していませんが、以前からの経過や「外資系」という言葉から総合すると、誘致予定となる店舗はコストコと判断するのが自然と言えます。
鳥屋野潟南部にはすでに市民病院や消防署、また大人数を収容できる施設を完成させています。そのため食料品や日用品を大量に扱う倉庫型のコストコを誘致すれば、広域防災拠点としての構想を実現できる可能性が大幅に高くなるでしょう。
建設予定地となる場所はもともと、鳥屋野潟南部開発計画において住居を形成するための「住居ゾーン」としてきましたが、コストコができれば今までにない、新しい都市機能を持つエリアに発展できそうです。
新潟のコストコ出店が待ち遠しい!
コストコの新潟進出は何年も前から噂が広まっていましたから、「新潟市の協力体制」が確実となった今、出店が待ち遠しくて仕方がありません。
新潟市が総力を挙げて整備してきた鳥屋野潟南部という場所で近い未来、コストコのオープンが現実のものとなることを期待しましょう!