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野菜の「あく」とは?
野菜の「あく抜き」については、「面倒だ」と思いながらも美味しい料理を作るためにしっかりと行う人が大半です。野菜の「あく」を漢字で書くと、「灰汁」と書きます。ご存じの人も多いでしょう。
元々の意味は、水に浸した草木灰の上澄みをすくった「上澄み液」を指します。この草木灰の上澄み液はある意味天然のアルカリ性殺菌剤ともいえ、「上澄み液」はうどんこ病やモザイク病、サビ病などの予防と治療に効果があると言われています。
この上澄み液の意味が転じて、苦みや渋みにエグみなど、味を害する成分を「あく」といいます。多彩な「あく」があり、空気に触れるだけで色が変わったり、人間にとって毒ともいえるあくもあります。
実は、多くの植物が外敵から守るための成分が「あく」です。風味やビジュアルに変化を及ぼすくらいに「あく」が強い野菜には、絶対にあく抜きが必要なのです。しかし、なすの「あく」はどうなのでしょうか?
なすのあく抜きは必要?
そこで気になるのが「なす」のあく抜きです。料理する度に、あく抜きが必要かどうか一瞬でも考えてしまいませんか。基本的に野菜のあく抜きする人でも、「なす」に限っては、なぜかあく抜きしない人が少なからず居るでしょう。
結論からすると、なすはあく抜きが必要な野菜の一種です。しかし、ご存じの通りなすは刺激やエグみが少ない野菜です。エグみが少ない野菜なら、あく抜きは必要がないのでは?と思いがちです。
現に、この記事を見るまでは、あく抜きをほとんど気にしなかった人も多いでしょう。なすのあく抜きが必要な理由はちゃんとあります。なすのあく抜きについて、もう少しみていきます。
なすのあくの成分
成分的に有効ですが「あく」として風味や見た目に影響するものを、ここでは総じて「ポリフェノール」と呼ばせていただきます。結論からすると、なすの「あく」にあたる主な成分は、ポリフェノールの1種「クロロゲン酸」や「タンニン」です。
実は「クロロゲン酸」は渋みの原因になる成分です。放置すると茶褐色に変色してしまいます。さらに複雑なことに、ある意味なすのうま味を成す重要な成分でもあります。ダイエットや脂肪肝、糖尿病予防などへの効果も期待できます。
「タンニン」は、いわゆる渋みの原因になる成分です。放置すると黒く変色してしまいますが、摂取しても問題がありません。ご存じの通り野菜の「あく」といっても野菜ごとに成分が違います。
野菜の「あく」には、前述の通り「シュウ酸」など身体に毒する成分もありますが、「クロロゲン酸」や「タンニン」は、決して毒する成分ではありません。なおさら「なすのあく抜きは本当に必要?」と気になるところです。
なすをあく抜きする理由
身体に毒するどころか、逆に良い効果が期待できるなすの「あく」です。それでも、なすをあく抜きする理由は、切り口面の変色を防ぐためや、生食時などに舌に残る独特の渋みやえぐ味を排除するためです。
なすのあくの主な成分「クロロゲン酸」は、ある意味なすのうま味でもある一方で、独特の「えぐ味の原因」ともいえる成分です。この成分は、放置しておくと「茶褐色」に変色する特徴を持っています。
確かに、切ったまま放置すると切断面が茶褐色に変色します。食べると渋みやえぐみを感じる場合もあります。それは「クロロゲン酸」によるものなのです。あく抜きをする理由は、ここにあります。
うま味成分でもある「あく」なので、あく抜きしたほうが良いのか悩みどころです。そのため調理法によってあく抜きの有無を判断する必要があります。見た目を気にするか、味を優先するかが悩みどころと言えるでしょう。
なすのあく抜きの仕方
なすのあく抜きの是非について、前章までにて説明いたしました。それでも、あく抜きの具体的な方法が知りたいと思いませんか?あく抜きの方法をちゃんと把握した上で、炒め物や揚げ物などの調理方法によって使い分けしたいものです。
塩を使わない方法もある、具体的で簡単ななすのあく抜きする方法をご紹介します。興味がある人やなす好きや野菜好きは、ぜひチェックしてみてください。
水にさらすあく抜き方法
最初にご紹介するなすのあく抜き方法は「水にさらす」方法です。なすの煮ものやお味噌汁などの汁ものの調理や、漬物などを作るときなど、切ってすぐに調理しないレシピは、水にさらす方法がおすすめです。
その気になるあく抜きの方法は、次の通りです。ヘタを切り取ったなすを、料理に合わせた好みのサイズにカットします。適度なサイズのボウルになすを入れ、しっかり浸かる程の水を入れます。
その後、キッチンペーパーをボウルに被せ10分ほど放置します。10分後にしっかり水を切って、あく抜きは完了します。キッチンペーパーをかけることでしっかりと全体に水か浸かり、あく抜きがしやすくなります。
サラダや漬物など、なすを生で食べたいときや、簡単になすのあくを取りたい人におすすめの方法です。ほとんど放置するだけで簡単にできるあく抜きなので、一度試してみてください。
水でも十分あく抜きできますが、仕上がりをキレイにしたいときは、水を濃度が0.5%~1%の食塩水に変えると良いでしょう。あく抜きはもちろん、変色も防ぐ効果が期待できます。味においても締まった感じに仕上がるのでおすすめです。
炒め物に使用する時の塩を使う方法
一方で水にさらさない、なすのあく抜き方法もあります。一例として麻婆茄子やなすの揚げ浸しを含む炒め物系や揚げ物系など、なすを加熱する料理にピッタリで、簡単にできます。
油で加熱する、豚となすの味噌炒めなど炒め物のような料理になすを使うなら、水にさらす必要はありません。切断面に適量の塩を振っておき、しばらく放置することで、自然にあくを含んだ水が、切断面から滲み出てきます。
あく抜きの手順ですが、次のとおりです。まずは料理に合わせたサイズになすをカットします。そしてに塩を振り、暫し放置します。なすから水分が滲み出ると、ペーパータオルなどで丁寧にその水をよく拭き取ります。
拭き取りが中途半端などで水分が残ったままのなすで炒め物を作ると、油ハネしてしまう危険があるので注意しましょう。なすは、水に晒さなくても塩さえあればあく抜きができるのです。
あく抜きしたなすを生で食べる簡単レシピ
ジャガイモやもやしなど一部の種類以外の野菜は、基本的に生でも食べられます。それは、なすであっても生で食べられる野菜なのです。あく抜き必須という条件ですが、意外に思いませんか?その、生で食べられるなすの簡単レシピをご紹介します。
なすのお刺身
なすを生で食べる簡単レシピとして、おすすめしたいのが「なすの刺身」です。一見不思議な「なす料理」ですが、あく抜きすることで劇的に味が変わるのが実感できる、簡単レシピです。
なすのヘタを切り落とし適度に皮を剥きます。食べやすいサイズにカットし、10分間ほど塩水に浸しあく抜きします。その後塩水を捨て、ふきんやキッチンペーパーなどであく抜きしたなすの水分を取ります。
あく抜きしたなすをお皿に盛り、しょうゆの他に刻みネギやおろし生姜などの薬味を添えてできあがりです。ちなみにこの塩水の塩分濃度は水の0.5~1%です。なすは、2人前で約1本です。しょうゆや各種薬味はお好みの量で十分です。
大阪府泉南名産の水なすや鹿児島の白なすは、比較的あくが少なく生食に向いているなすの種類といえます。ご紹介した「なすのお刺身」にピッタリともいえます。
その水なすを使った「水なすのお漬物」も、お刺身のレシピの応用で簡単にできます。あく抜きの工程までは全く同じです。塩水を切ったものをジップロックに入れ、白ダシや水、塩を入れよくなじませます。そして、24時間以上冷蔵庫で漬けておくだけで完成です。
スーパーなどでよく見る「千両なす」でも、今回ご紹介しました「あく抜き」をすることで、生なすを使った料理が楽しめます。各種なす料理が好きな人は、是非一度試してみてください。
なすのあく抜き方法は料理によって使い分けよう!
はっきりした色彩を持つ「なす」ですが、見た目を気にする調理ならあく抜き必須です。一方で炒め物系などあく抜きを必要としない調理法もあり、料理によってあく抜きの使い分けが必要ともいえます。
なすの旬は初夏~秋とされます。あく抜き方法を正確にマスターし、旬のなすを使った刺身や炒め物など美味しいなす料理を堪能してみませんか。