もつ煮込みは圧力鍋でとろとろに！簡単にできる時短レシピを紹介

畜産業が盛んな群馬県のソウルフードともいわれる「もつ煮込み」は、たいていどこの居酒屋にも必ずあり、居酒屋を訪れたことがある人なら一度は食べたことがあるメニューの1つでしょう。しかし、自宅で「もつ煮込み」を作って食べたことがあるという人は、意外と少ないようです。

そもそも「もつ煮込み」とは、どのようにして居酒屋の人気メニューになったのでしょうか。「もつ煮込み」の「もつ」というのは、牛や豚、鶏をさばいた時に出る「臓物」のことを表します。

「もつ煮込み」は、大量の廃棄物になってしまう「臓物」をなんとかできないかと考え、下町の大衆酒場で日本人になじみの深い味噌や醤油で煮込んで作られるようになった料理なのです。

今や居酒屋の定番メニューで、ビールや日本酒のおともに人気のとろとろ絶品「もつ煮込み」ですが、下処理や煮込むのに時間がかかると敬遠され、自宅で作る人はあまりいないのかもしれません。

そこでおすすめの調理器具が「圧力鍋」です。圧力鍋とは、文字通り圧力調整機能が付いた鍋のことで、圧力鍋を空気や液体が逃げないように密封し、大気圧以上の圧力を加えて圧力鍋に入れた水分の沸点を高め、食材をより高い温度と圧力で調理する器具です。

そのため普通の鍋では何時間もかかる煮込み料理が、圧力鍋なら短時間で作れるのです。居酒屋で人気のもつ煮込みも、自宅で作るには煮込むのにかなり時間がかかりますが、圧力鍋を使えば短時間でとろとろ絶品もつ煮込みに仕上がります。

本記事では、圧力鍋を使って、居酒屋で食べるあのもつ煮込みの味が再現できるおすすめのレシピをご紹介しますので、ぜひお家でチャレンジしてみてください。

圧力鍋を使えばもつ煮込みの調理も時短になりますが、居酒屋のとろとろ食感のもつ煮込みを再現するには、前述にご紹介したように「もつ」の下ごしらえがとても大切です。ここでは、圧力鍋でもつ煮込みを作る際の下ごしらえの方法をご紹介します。

圧力鍋でもつ煮込みを作るときにも下ごしらえが必要なのは「もつ」には「臓物」ならではの独特の臭みがあるからです。旨みや食感が人気のもつ煮込みも、「臭み」があると、あまり美味しく食べることができません。

「もつ」には肉をさばいた際の汚れや余分な脂肪がついているため「もつ煮込み」を作る際にどうしても臭みが出てしまうのです。

家庭でもつ煮込みをする時には、たいていはスーパーで「もつ」を買うことが多いことでしょう。スーパーの肉売り場に並んでいる「もつ」は、すでに下処理が施されているものがほとんどですが、できれば精肉専門店で新鮮な「もつ」を手に入れるのがおすすめです。

圧力鍋で作るもつ煮込みのレシピをご紹介する前に、下処理されていない「もつ」の汚れや臭みをとる下ごしらえの方法をご紹介します。

一番簡単なのは、ボウルなどにもつを入れて塩をふり、全体的に良くもみ込んだ後、流水で何回か洗い流し、もつの汚れやぬめりをきれいに洗い流す方法です。

またもつの臭みを取り除くのには牛乳に浸けるのもおすすめです。ボウルに「もつ」をいれ、全体がしっかり浸かるくらいの牛乳を入れ、最低でも30分以上つけておきます。

1時間くらいつけておき牛乳がピンク色になったら「もつ」をザルにあげ、流水で牛乳を洗い流します。また、洗った「もつ」に小麦粉をまぶしてもみこみ、流水で小麦粉を洗い流すのも、臭みをとるのに効果的です。

それでも臭みが気になるという場合には、さらに下ゆでるすのもおすすめです。茹ですぎてしまうと、せっかくの「もつ」の旨みも逃してしまうので、5分くらいを目安にゆでるとよいでしょう。

前述では、圧力鍋で「もつ煮込み」を作るのに欠かせない「もつ」の下処理の方法をご紹介しましたが、ここでは、圧力鍋を使ったとろとろ絶品の居酒屋風もつ煮込みのレシピをご紹介します。

まず「圧力鍋で作る居酒屋風もつ煮込み」のレシピに必要な材料からご紹介します。「圧力鍋で作る居酒屋風もつ煮込み」2人分に必要な食材は、豚もつ250g、こんにゃく50g、大根100g、にんじん1/4本、ごぼう1/4本、生姜一片、長ネギの青い部分10cm、小ネギ適量です。

味付けに必要な調味料等は、水200CC、酒大さじ1杯、みりん大さじ1.5杯、砂糖大さじ1/2杯、味噌大さじ2杯、醤油大さじ1/2杯、顆粒だし小さじ1杯、鷹の爪輪切り小さじ1/2杯、好みで七味や一味です。

「圧力鍋で作る居酒屋風もつ煮込み」を作る前に、まずはもつの下ごしらえをします。ボウルなどにもつを入れ、塩適量を振って良くもみ込み、たっぷりの水を注いで、全体をもみながら余分な脂を取り除きます。

そのあと流水できれいに洗い流し、ザルにあげておきます。こんにゃくは縦半分に切ってから短冊切りにします。鍋にたっぷりの湯を沸かしてこんにゃくを入れ、弱火～中火で3分煮てあく抜きをし、ザルにあげておきます。あく抜き不要のこんにゃくを使えば、さらに時短になります。

生姜は皮をむいて千切りにしておきます。ごぼうは、アルミホイルで皮をこすりながら水洗いし、一口大の乱切りにして水をはったボウルに浸し、途中で一度水を捨てて、新しい水を注いでおきます。大根と人参は皮をむいて、それぞれ1cm幅くらいのいちょう切りにします。

もつ煮込みの煮汁として、ボウルに水200CC、酒、みりん、砂糖、味噌、醤油、顆粒だしを入れて、あらかじめ混ぜ合わせておきます。

圧力鍋に下処理したもつを入れ、全体が浸かる程度の水を注いで強火にかけ、沸騰したら5分ほど煮ます。いったんザルにあけて水を切り、流水ですすいで圧力鍋に戻します。圧力鍋に大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、千切り生姜、鷹の爪、煮汁を加え、長ねぎを上にのせて蓋をします。

圧力鍋に強火で圧力をかけ、圧力がかかったら弱火にして20分ほど煮込んで火を止めます。そのまま圧力鍋の圧が下がるのを待ち、下がったら圧力鍋の蓋をあけて長ねぎを取り除きます。

圧力鍋の中身全体を一度混ぜ合わせ、5分ほどなじませて器に盛り付けます。上から小ネギを散らせば、とろとろ絶品の「圧力鍋で作る居酒屋風もつ煮込み」の完成です。お好みで七味や一味をかけて食べるのもおすすめです。

ここまでは圧力鍋で作る基本の「もつ煮込み」のレシピをご紹介しましたが、圧力鍋を使って作る、いつもとはちょっと違った味わいのもつ煮込みのアレンジレシピもおすすめです。

目先が変わって夕飯の献立にもぴったりの「圧力鍋を使って作るもつ煮込みのアレンジレシピ」を2品ご紹介します。

最初にご紹介するのは、お酒のおつまみとして定番のもつ煮込みを、大人も子供も大好きな「カレー」にアレンジした「圧力鍋で作るもつ煮込みカレー」のレシピです。

「圧力鍋で作るもつ煮込みカレー」2人分のレシピに必要な材料は、もつ（牛か豚）100g、玉ねぎ1/4個、にんじん1/3本、じゃがいも中1個、生姜一片、水400CC、味噌小さじ2杯、顆粒だし小さじ1/2杯、固形のカレールー2個です。

もつは前述のもつ煮込みのレシピでご紹介した方法できれいに洗い、下ごしらえをしておきます。生姜は皮をむいて千切りにします。玉ねぎは皮をむいて1cm幅に、にんじんは皮をむいて1cm幅のいちょう切りにします。じゃがいもは皮をむいて一口大に切ります。

圧力鍋に、もつ、もつがかぶるくらいの水を入れて強火にし、沸騰してから5分ほど煮て一度ザルに上げ、流水で洗って圧力鍋にもどします。

圧力鍋に、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを入れ、水400CCと顆粒だしを加えて蓋をし、強火で圧力をかけ、圧がかかったら弱火にして10分ほど煮込んで火を止めます。圧力が下がるまでそのままにしておきます。

圧が下がったら蓋を取ってアクを取り除き、味噌とカレールーを加えて混ぜ合わせて溶かします。再び火をつけ、全体にとろみがついたら「圧力鍋で作るもつ煮込みカレー」の完成です。  

皆さんはイタリアで定番の煮込み料理「トリッパ」をご存じでしょうか。「トリッパ」とは「ハチノス（牛の胃袋）」のことを指し、トマトソースで煮込んだ料理です。

ここでご紹介する圧力鍋で作るもつ煮込みのアレンジレシピは、「もつ」を材料にして作る「トリッパ風もつ煮込み」のレシピです。

「圧力鍋で作るトリッパ風もつ煮込み」2人分のレシピに必要な材料は、牛もつ200g、玉ねぎ1/4個、市販のトマトソース150g、にんにく一片、赤ワイン30CC、水100CC、オリーブオイル大さじ1杯、バター10g、固形コンソメ1個、塩胡椒適量、パセリフレーク適量です。

ニンニクはみじん切りにし、玉ねぎは2cm角に切っておきます。圧力鍋にたっぷりの湯を沸かし、下処理してきれいになったもつをいれて5分ほど煮てザルにあげ、流水で洗います。

圧力鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけ、香りがたってきたら玉ねぎをいれます。玉ねぎがしんなりしたら、圧力鍋にもつと赤ワインを加え、アルコールを飛ばしたら水、トマトソース、固形コンソメを加え混ぜ合わせて蓋をします。

強火で圧力をかけ、圧がかかったら弱火にして15分ほど煮込み火を止めます。圧が下がったら蓋をあけ、バターを加えて混ぜ合わせそのまま余熱で3分ほど味をなじませます。

塩こしょうで味を調えて器に盛り付け、パセリフレークをトッピングすれば「圧力鍋で作るトリッパ風もつ煮込み」の完成です。

居酒屋メニューとして人気の「もつ煮込み」は、圧力鍋を使えば自宅でも時短で作れておすすめです。本記事でご紹介した「圧力鍋で作るもつ煮込みのレシピ」を参考にして、ぜひ圧力鍋を使った絶品もつ煮込み料理にチャレンジしてみてください。