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なまこの食べ方【下処理】
古くから食材として食べられてきたなまこ(海鼠)は、見た目のインパクトと独特な食感が特長の海食材です。棘皮動物のなまこは高級食材であるウニと区分では同じ分類になりますが、水分の含有量が高い無脊椎動物なので大きく成長します。
体全体は細長いのですが触るとゴムのような感触がありますし、棘皮動物なので体の表面にはトゲのような突起があります。世界には1500種ほど存在しますし、日本周辺でも約200種いるといわれています。
食用としてのなまこ種の中には高級食材と呼ばれるものもあります。特に中華料理ではなまこを食材にした食べ方が人気で、中でも黒なまこ種は高級食材として人気が高いです。
日本でも古くから食べられているのでさまざまな食べ方ができますが、食べ方として一般的なのは「まなまこ」と呼ばれる種で、体の色によって赤系まなまこ・青系まなまこ・黒系まなまこに区分されます。
中華料理での食べ方では乾燥なまこを戻して食材にする食べ方が一般的ですが、日本では生食にする食べ方が定番です。とはいえ日本での食べ方にもくちこ・このわた・いりこなど加工する食べ方がありますし、保存に適した塩蔵なまこも近年注目されています。
しかし一般的な食べ方は生食です。なまこは、外敵から身を守るために体全体が筋肉で構成されています。体の大部分が水分なので、自由に体の固さを変えることが可能です。そのためなまこは「下処理後に調理」が食べ方の基本になります。
変幻自在に固さを変えられるので、下処理作業をしないと固くて生食にする食べ方に適しません。さらに独特の臭みもあるので、生食のようにシンプルな食べ方の場合には臭み取りのためにも下処理作業が必要です。
身が硬くなってから調理するのがおすすめ
なまこは体が細長く全体的にほとんど形の変化が見られないためわかりにくいですが、背側と腹側に分かれています。なまこは腹側に内蔵があります。ですから内蔵の処理をする場合は腹側から行いますが、水分含有量が高いので全体的にぶよぶよと柔らかいです。
そのため下処理作業をやりやすくするためにも、初めに前後2ヶ所をキッチンバサミで切り取る作業を行います。切り取ることによって刺激が加わり、体が硬く締まります。
硬くなったなまこは包丁でのさばき作業が行いやすくなるので、下処理作業の前に上下2ヶ所を切り落とすことから下処理作業を始めましょう。
なまこの下処理
- 上下2ヶ所を切り取り体が硬くなったなまこを用意する
- 腹部(下側)に包丁を入れ、卵巣と腸を取り出す
- 腹内部や体皮に残っている固い部分を包丁で丁寧にそぎ落とす
- 内臓を取り出した部分に付着している薄い膜や筋肉は布巾でしごくと簡単に取り外せる
- ざるに内臓を取り出したなまこをいれ、塩をたっぷりとまぶしぬめりをとる
- 流水で塩やぬめり・汚れを丁寧に洗い流す
- 表面のぬめりなるまで洗い流せばなまこ下処理は完了
お茶で柔らかく
下処理作業がしやすくするためにあえて刺激を与えて身を硬くしたなまこですが、下処理作業が終わった状態でもまだなまこの身は非常に硬いです。また場合によっては、噛みきれないほど硬いこともあります。
基本的に日本ではなまこを生食にする食べ方が一般的なので、噛み切れないほどの硬さがある状態ではおいしく仕上げることは難しいです。そこで行ってほしいのが、「茶ぶり」と呼ばれるなまこ素材定番な下処理方法になります。
用意するのは「お茶」で、使用する茶葉は緑茶でも番茶でも構いません。茶葉に含まれる風味や香りがなまこ特有の臭みを取り除きますし、柔らかくなるので生食にする食べ方に適した程よい柔らかさに仕上がります。
そこでなまこ特有のこりこり食感は残しつつ身を柔らかくする方法として、煮だした茶を使って湯通しする下処理法(茶ぶり法)がおすすめです。
なまこの茶ぶり
- 下処理済みのなまこを食べやすい大きさに切っておく
- 鍋に水と茶葉をいれ、中火で沸騰させる直前まで温める
- 沸騰直前で火を止め、切ったなまこを概ね5秒湯通しする
- ボウルの氷水に素早くいれ、約5分冷やしてざるにあげる
- キッチンペーパーなどを使って表面の水分を拭き取れば完了
なまこの食べ方【保存方法】
なまこは食用種だけでも日本国内に約30種類が生息するので基本的に一年中捕獲できるのですが、旬の時期はあります。産地や品種によって旬の時期が変わりますが生食向に販売されているものは、できるだけ鮮度の良いものを選ぶのがおいしい食べ方の基本です。
そのため購入後はできるだけ早く下処理を済ませ、日をおかずに食べきるのがおすすめです。ただし鮮度落ちする前に食べきるのが難しい場合は、冷蔵保存または冷凍保存のいずれかで管理します。
冷蔵保存する場合
スーパーで購入できる生食向なまこは、海水に浸った状態で販売している製品とそのままの状態で販売している製品があります。生食として食べる場合は冷蔵保存が原則ですが、冷蔵保存でも1日~2日が保存期間の目安です。
海水に浸った状態の製品は概ね2日程度、販売されている状態のまま冷蔵室で保存します。ただしそのままの状態で販売されている場合は、キッチンペーパー(ない場合は新聞紙でも代用可)で全体を包み冷室質で保存してください。
なお保存期間は海水に浸した状態の製品よりも1日程度短いです。鮮度が落ちると硬くなるので、できるだけ購入したその日のうちに食べきるのが良いでしょう。
冷凍保存する場合
なまこの冷凍保存は長期保存に適していますが、解凍したなまこは食感・食味が悪いので基本的に加熱調理する食べ方になります。解凍する際には下処理を済ませる必要があるので、基本の下処理法レシピを参考に下処理してください。
下処理が終わったら縦に半分に切り、さらに食べやすいサイズに切り分けてから冷凍保存します。なお保存の際にはジッパー付き食品保存袋を使いますが、袋内部の空気をきちんと抜ききってからジッパーで封をするのが冷凍保存のコツです。
なまこの食べ方【簡単レシピ】
正しく下処理をすれば独特なにおいも硬すぎる食感もなくなるなまこは、定番の食べ方はもちろんアレンジする食べ方もおすすめです。こりこり食感を楽しむのがなまこ料理の魅力なので、食感を楽しむおすすめな食べ方2点をご紹介します。
食感がクセになる「なまこ酢」
生食用なまこ | 1匹分 |
ポン酢 | 適量 |
大根おろし | お好みの量 |
なまこ酢作り方
- 下処理(茶ぶり)済みのなまこを薄くスライスする
- 軽く水分を絞った大根おろしと一緒に軽く混ぜ合わせる
- ポン酢をかけ全体に味をなじませ、器に盛り付ければ完成
なまこをおしゃれに「なまこのアヒージョ」
海外では加熱調理する食べ方がなまこでは定番の食べ方です。アヒージョにすれば独特なにおいも気にならなくなりますし、冷凍保存したなまこの食べ方としても人気があります。
冷凍なまこ | 1匹分 |
しめじ | 1房 |
にんにくスライス | 適量 |
赤唐辛子 | 1本 |
ピュアオリーブオイル | 80㏄ |
塩 | 適量 |
なまこのアヒージョ作り方
- フライパンにスライスしたにんにくをとピュアオリーブオイルを加え、弱火で加熱する
- 種を取り出して4等分にした赤唐辛子を入れ、さらに弱火で加熱する
- しめじは石突をおとし、食べやすいサイズに裂いておく
- 冷凍なまこを解凍し、表面の水分をキッチンペーパーで拭き取る
- フライパンに解凍したなまことしめじを入れ軽く混ぜ合わせたら、オイルに絡ませるようにして煮込んで完成
なまこのおいしさは下処理で決まる!
独特な食感が魅力でもあるなまこですが硬すぎると食味が悪いため、下処理作業で柔らかくするのがおいしい食べ方の基本になります。
柔らかくなったなまこは定番の酢ものレシピが人気ですが、簡単なアレンジで洋風おつまみにする食べ方もおすすめです。