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塩には賞味期限がないって本当?
料理にはいろいろな材料が必要ですが、その中で必要欠くべからざるものといえば何といっても「塩」が挙げられます。
塩は味付けとして使われるだけでなく、さまざまな賞味期限を持つ食品の長期保存にも有用で「梅干し」「新巻鮭」など賞味期限の長い様々な塩漬け食品が私たちの身近にあります。
さて、塩漬けにすることで食品の賞味期限を延ばすことが出来ますが、塩自体の賞味期限はどうなっているのでしょうか?
食品の賞味期限は「食品表示法」で決まっています。食品表示法とは賞味期限を始め食品に関する情報の表示基準となるもので、2015年度から新しく始まりました。
それまで賞味期限など食品の情報表示は、経緯や目的の違う「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」の3でそれぞれ決まっていましたが複雑で分かりにくかったため、これらを統合し健康志向の時代に合わせたものです。
食品表示法では、塩は保存方法や賞味期限の表示を行わなくてもよいとされています。塩は無機物であるために長期間の保存でも品質の劣化が極めて少ないので賞味期限の心配は要らないためです。
未開封の塩も開封した塩も賞味期限は同じなの?
ポリ袋に入って売っている塩は常温でそのまま保存できます。容器に移さず長期間保存しても品質の劣化はほとんどないので賞味期限はありません。
塩の袋を開封すると、空気にさらされて空気中の水分に触れることになります。塩には吸湿性がありますが、塩は水分を吸収しても、無機質の塩に有害細菌が増殖したり品質が劣化することはなく、開封しても賞味期限を新たに設定する必要はありません。
大部分の食品は開封し空気に触れると腐敗しやすくなるため賞味期限にかかわらず開封後は保存期間が短くなりますが、塩はとても安定した食品で元々賞味期限は無く、開封後も賞味期限の心配は要りません。賞味期限の表示がないのは賞味期限が無限に長いのと同じことです。
塩は保存状態さえよければ腐らない
塩の保存方法は比較的簡単で、常温保存が原則で食品表示法ではそれ以外に特記事項はありません。賞味期限もなく、開封して放置しても腐ることはありません。ただし賞味期限がなくても一旦開封した後は次のような注意が必要です。
まず、塩は吸湿性があり空気の湿度や温度により空気中の水分を吸収し、固くなることがあります。賞味期限がなくても容器の蓋をしっかり閉めるようにして、高温で湿度の多いところでの保管は避けるようにしましょう。
また、においを吸着して味が変わることがあります。賞味期限がなくても容器の蓋はしっかり閉めて、強い臭いのするものの近くには保管しないようにしましょう。
賞味期限がある塩って?
無機物の塩には本来、賞味期限はありません。例えば、公益財団法人・塩事業センター(旧専売公社)の「食卓塩」は戦後から日本の食卓の人気商品ですが、成分の99%以上の塩化ナトリウム、その他炭酸マグネシウムや微小成分全ても無機物で、賞味期限の表示はありません。
賞味期限があるのは、同じ塩でも味の調節などで有機物をブレンドした場合です。有機物をブレンドしたので長期間置くと品質劣化の可能性もあるので、生産者は賞味期限を設定することがあります。
先の、「食卓塩」でもバリエーションの一つ「減塩タイプ」では原材料に有機物もブレンドしているために賞味期限を表示しています。
ハーブなどをブレンドした塩
健康志向と相まって味にこだわりを持つ向きのあいだで近年流行しているのが、ハーブなどをブレンドした塩です。ハーブソルトも賞味期限が表示されています。
これは元々の塩に加えてガーリックやオニオンなど各種のハーブやスパイスをブレンドして様々な香りを楽しめる賞味期限がある調味塩(シーズニングソルト)です。「クレイジーソルト」や「マジックソルト」の商品名でおなじみです。
ベースとなっている無機物の塩だけならば賞味期限はありませんが、ブレンドするハーブやスパイスには賞味期限があり、それがシーズニングソルトとしての賞味期限を決めています。賞味期限を過ぎると商品の命の味や香りが落ちるので賞味期限内に使い切るようにしましょう。
賞味期限がなくても油断禁物!品質を維持する保存方法
ここで、間違えやすい消費期限と賞味期限の違いについて考えてみましょう。まず、消費期限は水分が多いなど傷みやすい食品に表示されます。販売元で決めた常温・直射日光を避けるなど具体的な保存方法通りに保存した場合に腐敗・変質なく衛生上、安全に食べられる期限です。
消費期限は、賞味期限と違って出来立ての味を楽しめる期限ではありません。パンやケーキなどが消費期限内でも日ごとに水分が抜けて硬くなり味も落ちてしまうのはよく経験するところで、ここはおいしさの保持を意味する賞味期限とは違うところです。
一方、賞味期限は販売元で決めた方法通りに保存した場合、品質や期待する味を保てる期限です。賞味期限は、比較的傷みにくい食品に表示されますが、賞味期限を過ぎても直ちに食べられなくはなりません。加工食品には、消費期限か賞味期限のどちらかが表示されます。
塩は無機物でブレンド塩をのぞき賞味期限表示が免除されている特殊な食品ですが、他のほとんどの食品は植物や動物由来で賞味期限まで長期保存ができても酸化は進んで品質は落ちて行きます。賞味期限がある食品は油断しないでいつも意識しておきましょう。
湿気が多く高温の場所は避ける
塩は温度が高いほど水によく溶けます。温度が高く湿度が大きい場所に塩を置くと塩の結晶表面の一部が空気中の水分に反応して溶けてしまいます。塩に吸湿性があるというのはこのためで、長い間に塩が固くなる原因となっています。
塩に相応しい置き場所は湿気の少ない乾燥した場所です。火や水をよく使うキッチンの中では難しいかも知れませんが、なるべく条件に合う場所を探してみましょう。
湿気の少ない乾燥した置き場所といえば冷蔵庫も候補に入ってきますが、5℃の冷蔵庫からキッチンへ出し入れするたびに20度ほどの温度変化があります。結露を防ぐため、塩を使ったらすぐ冷蔵庫に戻すようにいつも注意する必要があるのであまりおすすめできません。
密閉容器に入れる
塩が吸湿して固くなるのを防ぐには、湿気を含んだ空気を遮断することが一番です。ポリ袋に入っている塩を開封した後は、蓋つきで密閉できる容器に移すようにしましょう。
また、蓋をしておくとゴミ・昆虫の侵入も防げます。塩自体は長期間の保存でも品質劣化はほとんどなく賞味期限はありませんが、有機質のゴミや昆虫が混入すると賞味期限のあるなしにかかわらず衛生上の問題となります。
塩が固くなるのを防ぐには
塩は温度が高いほど水によく溶け水を吸収し、温度が低くなると水に溶けにくくなり吸収していた水を放出します。そのため、昼と夜などで周囲の温度が上下すると温度が低くなった時に水に溶けきれなくなった塩が結晶表面にある水から出てきます。
塩が固くなるというのは、この温度変化が繰り返され溶けきれなくなって水から出てきた塩が塩の結晶を集め次第に大きく成長していくためです。
煎り米をいれておく
賞味期限が無くても塩が固くなると、振ったり串やスプーンで掻き出そうとしてもなかなか必要な分量を取ることが出来ず不便なものです。固くなることを防ぐために昔からよく使われているのが米を煎って容器に塩と一緒に入れて水分を吸着させる方法です。
デンプン質の米などを煎るとデンプンの構造が変わり多孔質になります。煎り米を塩とともに容器に入れておくと、煎り米の内部に開いた沢山の孔が周囲の水分を吸収して塩が固くなるのを防いでくれます。
フライパンを使って弱火できつね色になるまで煎ってみましょう。煎り米の数はそれほど必要なく数粒でも大きな効果が出ます。また、米以外のスパゲッテイなどでも代用になります。
塩が固まってしまった場合
賞味期限に関しては考える必要のない塩ですが、弱点は湿気に弱く容器の中で固くなるというところにあります。一旦固まればとても使いづらくなってしまうので塩が固くなった場合の対策を考えてみましょう。
電子レンジで加熱
塩が固まるのは、空気中の水分を塩が吸収した結果、結晶同士が集まったたためです。吸収した水分を飛ばせば結晶は元のサラサラ状態に戻ります。まず、電子レンジを使ってみましょう。
塩を電子レンジ可の容器に入れ蓋は外しておきます。最初は塩100グラムにつき700Wで1分程度加熱し、熱くなり過ぎないように様子を見ましょう。足りなければ繰り返します。機種によっては取扱説明書に塩の加熱方法が書いてあるので一度確認してみましょう。
フライパンで塩を炒る
元のサラサラ状態に戻っていく様子を直接見て確認しながら水を飛ばせるので、フライパンで塩を煎るのもおすすめです。熱くなり過ぎないように注意して弱火で様子を見ながら煎ってみましょう。
塩に賞味期限がないのは腐らないから
食品表示法で塩は、保存の方法と賞味期限の表示を省略することができるとされています。塩は使わずに長期間放置しても他の食品のように腐る・干からびる・カビが生えるなどの品質劣化が無く大変に安定した食品であるためです。塩に賞味期限はなく永久に使えます。
塩が古くなったので捨てて新しく買ったなどと聞きますが勿体ない話です。バチが当たらないように、固まったら加熱してサラサラに戻して是非また使いましょう。