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室町砂場ってどんなお店?
「室町砂場」は、江戸三大そば(更科、藪、砂場)のひとつ、「砂場」の流れを汲む老舗のそば屋です。江戸前ながら発祥は大阪で、豊臣秀吉が大阪城を築城した際、資材置き場(砂場)に開店したそば屋「す奈バ」がその起源と言われています。「す奈バ」はその後江戸に進出し、好評を博しました。
そして明治2年、室町砂場の創業者・村松とくが砂場本家「糀町七丁目砂場藤吉」から暖簾分けという形で、日本橋に室町砂場の前身となる「本石町砂場」を開業しました。当時、女性が独立するのは非常に珍しいことでしたが評判は上々で、昭和7年には町名変更により「室町砂場」と改称しました。
昭和39年には「赤坂砂場」が開業、昭和49年には平屋だった室町砂場の店舗が4階建てのビルに建て替えられました。現在は室町砂場と赤坂砂場の2店舗で、百年以上続く伝統の味を守り続けています。
室町砂場のそばは、そば粉8に対して小麦粉2を加えた「二八そば」です。二八そばは十割そばに比べて切れにくく、しなやかな喉越しを楽しめます。室町砂場では、そばの実を挽いて最初に出てくる一番粉を使ったそばを「もり」、より純度の高い更科粉を使ったそばを「ざる」と呼んで区別しています。
そばつゆは濃いめながら、江戸三大そばのひとつ・藪そばに比べると甘めに作られています。これは出前が主流だったころ、少し乾いたそばをそばつゆにどっぷり浸しても辛すぎないようにした名残りだと言われています。鰹節がきいた奥行きのある味わいは、そばはもちろん、日本酒にもよく合います。
室町砂場の営業時間は月~金が11:30~21:00、土が11:30~16:00、定休日は日・祝です。クレジットカードは利用できません。場所はJR新日本橋駅から徒歩3分、JR神田駅から徒歩4分です。近隣に駐車場(三井のリパーク日本橋室町4丁目、エイブルパーキング日本橋室町4丁目)もあります。
赤坂砂場(室町砂場赤坂店)の営業時間は月~金が11:30~20:00、土が11:30~19:30、定休日は日・祝です。赤坂砂場は座席数が30席というこぢんまりとした店舗なので、時間によっては混み合うこともあります。場所は東京メトロ千代田線赤坂駅、またはバス停赤坂駅前から徒歩1分です。
住所 | 東京都中央区日本橋室町4-1-13 |
電話番号 | 03-3241-4038(室町砂場) |
住所 | 東京都港区赤坂6-3-5 |
電話番号 | 03-3583-7670(室町砂場赤坂店) |
室町砂場のメニュー1.天ざる
「天ざる」は冷たいせいろをかき揚げ入りのつけ汁につけて食べる、室町砂場の名物です。天ざるが出来たのは昭和20年代、当時はまだ温かい天ぷらそばしかなく、暑い夏になると売り上げが落ち込みました。そこで麺を冷たいせいろにしたところ、これが好評を博し、天ざるは全国に広がりました。
濃い目のつゆと胡麻油が香るかき揚げが美味しい
天ざるそばといえば、天ぷらの盛り合わせに冷たいせいろというのが一般的ですが、室町砂場の天ざるは甘くて濃いめのつけ汁に芝海老と小柱のかき揚げが入っています。胡麻油でカラリと揚げた美味しいかき揚げが喉越しのよいそばにピッタリのアクセントになっており、暑い夏でも食が進みます。
更科粉で打たれた細打ちそば
室町砂場の天ざるには、更科粉で打った細打ちのそばを使います。更科粉を使ったそばは、そば本来の香りは控えめながらあっさりしていて、暑い時期でも食欲が湧いてくるようです。天ざるのつけ汁もほのかに温かく、胃に優しい感じがします。食欲のない暑い夏に特におすすめの室町砂場の名物です。
室町砂場のメニュー2.別製ざる
「別製ざる」は室町砂場特製の更科粉を使って打ったざるそばです。焼き鳥や玉子焼など美味しい一品料理を味わった後の締めに注文する人が多く、そのコシが強い麺は老舗・室町砂場の風格を感じさせます。そばつゆはかけそばのつゆよりも辛めで、麺に少しだけつけて味わうのが粋とされています。
シンプルで美味しさがよくわかるおそば
室町砂場の別製ざるに使う更科粉はそばの実を挽き割り、さらにそれを軽く挽いてでんぷんの多い胚乳の部分を粉にした最高級のそば粉です。その味わいは上品で淡白、そばの香りは若干控えめですが、シャキッとしたコシは他の追随を許しません。シンプルで美味しい、室町砂場ならではのおそばです。
室町砂場のメニュー3.おかめそば
室町砂場の「おかめそば」は、かけそばの上に蒲鉾、玉子焼、椎茸、湯葉、海老がのった豪華な一品です。旨味が濃い蒲鉾や煮含められた椎茸、ほんのり甘い玉子焼など、そばにピッタリの具がのったこの一品は、見た目の面白さもさることながら食べ応えもあり、これ一杯でお腹がいっぱいになります。
蒲鉾・玉子焼・椎茸・湯葉・海老でおかめの顔に
具材をおかめのお面のように並べた「おかめそば」は、江戸時代、各地のそば屋に急速に広まりました。室町砂場では頭に蝶々型の湯葉を、蒲鉾で下っぷくれの頬を、海老、玉子焼、椎茸で顔のパーツを描き、おかめの顔に見立てています。見て面白く食べて美味しい、室町砂場のおすすめメニューです。
室町砂場のメニュー4.天もり
室町砂場の「天もり」は天ざるの麺を一番粉で打った「もり」にした、室町砂場のもうひとつの名物です。更科粉を使った天ざるに比べ、天もりは細い麺ながらコシが強く、甘辛いつけ汁につけてもそばの風味が存分に味わえます。そば通の人のなかには天もりばかり注文するお客さんもいるほどです。
一番粉を使用したおそばとかき揚げのコラボ
天もりで使う一番粉はそばの実を挽いて最初に出てくるそば粉のことで、でんぷんを豊富に含むもののそばの香りもしっかり残っています。
一番粉を使用した天もりのそばとつけ汁を吸ったかき揚げは最高の組み合わせで、そばがグイグイ進みます。そば好きにおすすめしたい、室町砂場の絶品のそばです。
室町砂場のメニュー5.花まき
室町砂場の「花まき」は、温かいかけそばに揉み海苔をかけた香り高い一品です。「花まき」の名前は、浅草海苔が高級品だった江戸時代、海苔を磯の華に見立てたのがその由来だといわれています。温かいそばの熱気で海苔の香りがふわっと立ち上る花まきは、室町砂場を支えてきた伝統の一杯です。
揉み海苔の香りが良い逸品
室町砂場の花まきの特徴は、浅草海苔の馥郁たる香りにあります。浅草海苔は一般に出回っているスサビ海苔より香りが強く、そばに散らすと海苔が次第にほぐれて、海苔とそばが混然一体となった味わいが楽しめます。三つ葉と大根おろし、揉み海苔を冷たいそばにかけた「三味そば」もおすすめです。
室町砂場のメニュー6.天ちら(盛り合わせ)
室町砂場では天ぷらの盛り合わせとざるそばがセットになった、いわゆる天ざるそばはメニューにはなく、もり、またはざるに「天ちら」を注文して食べます。室町砂場の天ちらは、海老天(2本)とかき揚げ、それに野菜の天ぷらの盛り合わせで、つゆの味が染み込みやすいよう衣が厚くなっています。
美味しい天ぷらの盛り合わせ
室町砂場の天ちらは、少々値段は張りますが、海老はプリプリ、かき揚げはシャクシャクで、天もりや天ざるのつけ汁につけても美味しくいただけます。そのほか江戸前の穴子を胡麻油でカラリと揚げた、穴子の天ちらもおすすめです。日本橋の老舗・室町砂場でしか味わえない、絶品の天ぷらです。
室町砂場のメニュー7.玉子焼
室町砂場といえばそばはもちろん、「焼き鳥」や「梅くらげ」、「そば味噌」など一品料理の種類が豊富なことでも有名です。なかでも菜箸で溶きほぐした玉子に、そばつゆ、出汁、砂糖を入れてふっくらと焼き上げた室町砂場の「玉子焼」は絶品と評判で、多くのお客さんが酒の肴に注文します。
ふわふわで旨味が詰まった玉子焼
江戸時代からそば屋では「蕎麦前」と言って、そばが茹で上がる前に一品料理でお銚子を1~2本空けるのが粋とされてきました。室町砂場の玉子焼もやや甘めながらしっかりと出汁がきいていて、酒の肴にピッタリです。都内には室町砂場以外にも、絶品の玉子焼を出すそば屋が数多くあります。
室町砂場で玉子焼と並ぶ人気の一品料理が「焼き鳥」です。種類はタレと塩の2種類、どちらも鶏肉が非常に柔らかい上に味がしっかりと付いており、お酒がどんどん進みます。そのほか「筍の土佐煮」や「揚げ銀杏」など季節の一品もおすすめです。室町砂場を訪れたらぜひ味わいたい、隠れた名物です。
室町砂場でおすすめの美味しいおそばを食べよう!
東京・日本橋にある室町砂場の歴史やメニューについていくつかご紹介しました。更科、藪、砂場という江戸前三大そばのうち、一番歴史が古い砂場の流れを汲む室町砂場では、伝統に裏打ちされた絶品のそばがいつでも味わえます。今なお江戸情緒が残る室町砂場で、美味しいそばを味わってみませんか。