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ボルドーの宝石「シャトーマルゴー」
ワインを普段飲まない方でも耳にする単語である「ボルドー」は、フランスでも有数のワインの産地です。フランス西部にあるボルドーで作られたワインは赤や白、ロゼと多種多様で、レストランなどでは特に赤ワインのイメージが強いでしょう。
ボルドーのワインは複数品種のぶどうをブレンドして作られるのが特徴で、ブレンドによる複雑な風味や作り手のこだわりが反映された味に魅力があります。ワインは作り手である「シャトー」や作られた年によって価格や味に違いが出ます。
数々の有名ワインがボルドーで生産されている中で「ボルドーの宝石」と称される最高級のワインが「シャトーマルゴー」です。
シャトーマルゴーはフランスワインの中でも最高級
シャトーとは、原材料であるぶどうの畑を所有し、醸造から瓶詰までを行う作り手を指しています。ワインの味に大きく影響するシャトーは格付けがされており、格付けが上のシャトーのワインほど高級品とされています。
格付けの内容は地区によっても多少違いがありますが、ボルドーのあるメドック地区では、5級から1級までの格付けがされています。
シャトーマルゴーは、第1級に格付けされているシャトーです。ボルドーの第1級シャトーは「ボルドー五大シャトー」と称されています。五大シャトーは他にシャトーラトゥール、シャトーラフィットロスチャイルド、シャトームーンロスチャイルド、シャトーオーブリオンがあります。
ボルドー5大シャトーのうちの一つ
五大シャトーにも、シャトーごとの特徴や歴史があります。品質の安定感や醸造方法の革新性などの特徴がある中で、シャトーマルゴーは格付けでの完璧な評価を得るクオリティの高さが特徴です。シャトーマルゴーは1855年の格付けにおいてテイスティングを経て第1級になりました。
格付けのテイスティングでは20点満点で評価をされます。シャトーマルゴーは唯一20点満点の評価を取り、世界的にワインのクオリティの高さを知られることとなりました。現在も高い品質を保ちながら、美味しいワインが日々生産されています。
高いクオリティを保つために、醸造設備の投資やブレンドする品種の割合などの工夫が日々重ねられています。歴史的に長く続く味わいは、たゆまぬ努力の結晶といえるでしょう。
名立たる偉人を虜にしてきたワインの女王
シャトーマルゴーは、歴史上の人物が愛飲したエピソードが多く残っているワインです。シャトーマルゴーが初めて文献に登場した記録は12世紀までさかのぼることができ、歴史の古さが分かります。現在のようにシャトーマルゴーの名称で親しまれるようになったのは17世紀頃からです。
シャトーマルゴーを好んだ人物として有名なのは、フランスのルイ15世の愛妾であるデュ・バリー夫人や作家のアーネスト・ヘミングウェイなどが挙げられます。デュ・バリー夫人は宮廷にシャトーマルゴーを持ち込んで愛飲したというエピソードが残っています。
ヘミングウェイは、孫が生まれた際にシャトーマルゴーのように魅力的に育つようにと願ってマルゴーの英語読みである「マーゴ」と名付けています。
日本では小説【失楽園】のワンシーンに登場し話題に
日本でも、シャトーマルゴーが作中で取り上げられた作品はあります。有名なのは小説「失楽園」のクライマックスとなるシーンで、シャトーマルゴーが登場する部分です。
失楽園はタイトルが流行語にもなった小説で、映画化やドラマ化もされています。失楽園は、簡単にご紹介すると不倫により行き詰った男女が最後に心中をするという内容です。失楽園にシャトーマルゴーが登場するのは、心中の際にワインに毒を入れて飲むシーンです。
失楽園の小説や映画の中でもシャトーマルゴーが登場するシーンは長くありません。しかし、心中シーンで用いられることで「最後に飲みたい究極のワイン」として強い印象を残しました。強い印象から、日本でシャトーマルゴーと失楽園が合わせてイメージされるようになりました。
シャトーマルゴーの味わい
シャトーマルゴーの味は、五大シャトーの中でも最も女性的と表現されます。赤ワインらしいタンニンが多いものの渋みだけが残ることなく、味わいや香りの複雑さによるバランスが取れている点から女性的なふくよかさがイメージされる味と評価されています。
シャトーマルゴーに使われているぶどうの品種はタンニンの強いカベルネソーヴィニヨンにメルローを主体としており、プティヴェルドやカベルネフランもブレンドされています。ブレンドの比率は2000年前後に傾向を変え、カベルネソーヴィニヨンを少し多くしています。
レストランのメニューでも目にする「ボディ」は、赤ワインの味の指標の一つです。シャトーマルゴーはタンニンが多く「重い」風味があることを示すフルボディのワインです。
力強いフルボディの中にエレガントさを併せもつ
シャトーマルゴーは、フルボディのワインの中でもタンニンが上品と評価されているのが特徴です。シャトーマルゴーのタンニンは重みのある味というだけではなく、舌の上を流れるようになめらかな味であると表現されます。
フルボディでありながら重すぎずエレガントな印象を残す味であることから、シャトーマルゴーは「ワインの女王」高い人気を誇るワインです。シャトーマルゴーは長期熟成が向いているため、長く寝かせることでさらにまろやかで上品な味に熟成される点も魅力です。
ベリー系の華やかな芳香
ワインの香りはベリーや柑橘、花など様々なものに例えられます。シャトーマルゴーはベリー系の華やかな香りに加え、バラの香りや樽からの香りが加わった豊かな香りと表現されます。
香りも味と同様、熟成によって変化します。長期熟成されたヴィンテージの方が、香りにもまとまりや深みが出てエレガントさを感じやすくなるでしょう。
シャトーマルゴーの価格
シャトーマルゴーは、五大シャトーの高級ワインであることからレストランでも高価で取り扱われています。シャトーマルゴーの価格や当たり年について、シャトーマルゴーを購入したりレストランで注文したりする際に知っておくのがおすすめです。
ここからは、シャトーマルゴーの価格に関して当たり年との関係、レストランやネット販売での価格などの情報をまとめました。
ヴィンテージによって価格差が大きく異なる
ワインが生産された年を「ヴィンテージ」といい、当たり年やワインの飲み頃の判断材料となります。ワインの原材料であるぶどうは、気候や栽培方法ができに大きく影響します。ぶどうは収穫後同じ年にワインに醸造されるため、ぶどうの出来が良い年のワインは当たり年となります。
シャトーマルゴーの場合は、当たり年かどうかに加えて飲み頃も考慮して選ぶことをおすすめします。シャトーマルゴーは飲み頃になるまでの年数が10~60年と言われ、ぶどうのできが良い年のヴィンテージであるほど、飲み頃までの熟成に年数が必要とされています。
ヴィンテージごとの価値や飲み頃のタイミングによって、シャトーマルゴーの価格は大きく変動します。
ネットでの価格
ネットで流通しているシャトーマルゴーは、ラベルやヴィンテージによるものの低価格な商品で6万円程度、高価格な商品では30万円程度で販売されています。後述する当たり年のシャトーマルゴーであるほど、高価格で販売される傾向にあります。
シャトーマルゴーは、ラベルによっても販売価格が異なります。シャトーの名前が付けられ、シャトーの中でも最高級であるファーストラベルに比べ、セカンドラベルやサードラベルのシャトーマルゴーの方が低価格で入手できる可能性は高いです。
レストランでの価格
レストランでシャトーマルゴーを注文して味わう場合、ネットでの購入よりも価格は高くなります。レストランでは、シャトーマルゴーはボトルで30~35万円で提供されます。
レストランで提供されているシャトーマルゴーは、ネットでの販売価格ほどヴィンテージによる価格差が大きくないのが特徴です。レストランでシャトーマルゴーを注文する際は、提供されるヴィンテージが当たり年かどうか、事前に聞いてみるのもおすすめです。
シャトーマルゴーを提供しているレストランであれば、ワインに詳しいスタッフがいるのが一般的です。当たり年や組み合わせる食事のおすすめなどを聞いて活かすと、よりシャトーマルゴーを楽しめるでしょう。
シャトーマルゴーのおすすめの当たり年
シャトーマルゴーは飲み頃になるまでかかる期間が長いものの、今後味わうことを考慮して1990年以降のヴィンテージでおすすめなのは1996年、2000年、2005年、2009年、さらに2010年、2012年、2014年、2015年です。
上記の当たり年の中でも、近年では2009年や2010年、2015年が秀逸とされています。当たり年とはいっても各年代のワインはそれぞれ違った味わいと魅力があるため、もし購入するのであれば味についての評価もチェックしておくことをおすすめします。
シャトーマルゴーは職人のこだわりが詰まったワイン
シャトーマルゴーは、歴史ある最高級ワインというだけではなく、作り手のこだわりや長く続く努力によって生まれています。数々の偉人の愛したワインを味わうのであれば、より美味しく飲める当たり年を知った上で飲むとエレガントな味や香りが楽しめるでしょう。
有名なシャトーマルゴーについて知ることでワインの知識を深め、レストランなどで美味しく飲むための情報を手に入れましょう。