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九州地方で愛される「だご汁」
だご汁は福岡を含む九州地方で昔から食べられている郷土料理です。九州地方以外で「だご汁」というレシピ名をきいても、汁物料理であることは想像できますが、どんな具が入ったレシピなのかはわからないでしょう。
ところが九州地方ではだご汁は非常にメジャーな料理で、どの地域でも食べられている人気メニューですし、ふるさとを感じさせるおふくろの味でもあるのです。
もちろん郷土料理専門店でもだご汁を使ったメニューがありますし、高級料亭でも旬食材を使っただご汁を提供することがあります。高級店では上品な印象のだご汁が多いですが、家庭料理のだご汁は「ボリュームがあっていつもよりも豪華な味噌汁」というイメージです。
そんなだご汁は栄養が豊富なメニューなので、九州地方では子どもの学校給食メニューに出てくることもあります。
だご汁とはだんご入り豚汁
「九州地方であれば知らない人がいない」といわれるほど人気がある汁物料理・だご汁は、いつ頃から作られるようになったのかはよくわかっていません。九州地方は昔から農業が盛んで、代々農家を営む家も多いです。
自然を相手にするのが農家ですから、農閑期以外は1日中田んぼや畑で働きづめになります。現在は農業技術もかなり向上していますし、作業をサポートする農業機械もあります。ところが昔はすべてが手作業で、何をするにも時間と労力が必要でした。
そんな九州地方の農家にとって食事は栄養補給に欠かせないものですが、忙しい農家にとって食事作りにかける時間はありません。しかも米は非常に高価な食材でしたから、安く手に入る小麦粉を米の代用にして食べていました。
このような状況の中で自然発生したと思われるのが「だご汁」といわれています。貴重な米を使わず小麦粉でだんごを作り、畑にある野菜を入れて作っていたのが、元祖・だご汁です。
その後農家で食べられていただご汁が一般家庭でも食べられるようになり、野菜以外の食材を具に使うようになります。そもそも簡単に栄養補給ができる汁物料理として作られるようになったのが「だご汁」です。
ですから栄養たっぷりでボリュームもある豚肉が、九州地方の郷土料理・だご汁定番の具として使われるようになりました。「肉には脂質が多い」というイメージがありますが、豚肉は身体を動かすために必要な栄養成分がたっぷり含まれています。
豚肉の栄養成分の中で含有量が多いのはたんぱく質ですが、ビタミンやミネラルの含有量も多いです。しかも旬の野菜を組み合わせて作るのがだご汁ですから、たっぷりの野菜と肉の栄養成分が汁椀1食でとれる点は魅力的なレシピといえます。
野菜と肉だけでなく小麦粉を使っただんごも入れているので、だご汁を食べたことがない人にわかりやすく説明するなら「小麦粉で作っただんご入り豚汁」といえるでしょう。
福岡をはじめ熊本や大分など九州地方で食べられる
九州地方では、福岡以外にもだご汁を郷土料理とする地域があります。熊本もだご汁が有名な地域ですし、大分のだご汁も人気です。ただし九州地方でも「だご汁」と呼ぶ地域と「だんご汁」と呼ぶ地域に分かれます。
福岡や熊本では「だんごが入った汁物レシピ=だご汁」と呼ぶのが定番ですが、大分では「だんご汁」と呼ぶのが一般的です。ちなみに福岡・熊本・大分以外の地域でもだご汁を郷土料理とする地域は多いのですが、大分以外では一般的に「だご汁」と呼んでいます。
「だご汁」の呼び方が定番の地域でも観光客が多い場所や店舗では、メニューのイメージがしやすいように「だんご汁」と表記することも多いです。
とはいえだご汁もだんご汁も基本的なレシピは同じですし、九州地方を代表するおすすめの郷土料理であることには変わりありません。
寒い日やイベントに食べられることが多い
九州地方であればどの地域でも作られてきた「だご汁」は、小麦粉を練ってだんご状にしたものを旬の野菜と一緒に煮込んだものが原点にあります。
ですから現在食べられている豪華なだご汁とは違い、本来は腹持ちの良いまかない料理でした。そんなだご汁は気温の高い夏ではなく、寒さが厳しくなる秋・冬によく食べられていました。そのため現在でもだご汁は、寒さが厳しくなる時期によく作られるメニューです。
だご汁には小麦粉のだんごに旬の野菜と豚肉がたっぷり入っているので、豚汁でありつつも主食としても食べられるところがだご汁の特徴といえます。そのため九州地方では、冬に行われる地域イベントでだご汁がふるまわれることも珍しくありません。
だご汁の具材
福岡を含む九州地方でよく食べられているだご汁は、「何を入れなければいけない」ということは基本的にありません。
もともとだご汁は農家のまかない飯として食べられるようになった汁物料理ですから、畑にある旬野菜を使い、小麦粉で作っただんごを入れれば「だご汁」の完成です。
ちぎった団子と根菜類
農作業で冷えた体を温めつつ栄養補給をするまかない飯として作られたのがだご汁のルーツなので、具にする野菜は冬に旬を迎える根菜類を使うことが多いです。
ただし根菜類を入れただけでは「だご汁」ではなく「豚汁」です。そこに塩を加えて小麦粉を練っただんごを加えると、九州地方の郷土料理「だご汁」になります。なお本場・九州地方のだご汁は、山の具材をたっぷり使います。
ですから根菜類だけでなく、秋が旬のキノコ類を加えるのもおすすめです。油揚げを加えるのも、地元・九州地方のだご汁では定番です。
野菜と肉の旨味はだご汁のスープにもたくさん出ています。そのスープの旨味をたっぷり吸った油揚げは、脇役とは思えないほどおいしいです。
このようにだご汁には「何を入れなければいけない」という決まりがないので、冷蔵庫のあまり野菜や使いきれずに残っている豆腐や油揚げ、ちくわなどを入れてもおいしいだご汁になります。
味付けは味噌と醤油の2種類
地域によって使われる具材が異なるだご汁ですが、味付けは基本的に共通しています。そもそも「だご汁=だんご入り豚汁」ですから、豚汁の味付けに欠かせない味噌味は多いです。
もちろん地域によっては味噌ではなく醤油で味付けする地域もありますが、「だご汁」という呼び方が主流の九州地域では味付けのベースに味噌が使われます。ただし味噌だけで味付けしないところがだご汁の特徴です。
味噌はだご汁の具である野菜や豚肉との相性も良いのですが、だご汁は味噌だけでは表現できない上品な香りがあります。その正体が「醤油」です。
汁椀料理に醬油と味噌の組み合わせは決して珍しいものではないのですが、醤油を加えることで味噌だけでは表現ができない上品な味が再現できます。そのためだご汁では、味噌&醤油の組み合わせが基本です。
ただし地域によっては、味噌を使わず醤油をメインにしておすまし仕立てにすることもあります。とはいえ味噌を使わずに醤油をメインにするだご汁レシピは圧倒的に少ないので、本場のだご汁を味わうのであれば「味噌&醤油」で味付けするのがおすすめです。
作ってみよう!!だご汁のおすすめレシピ
高級店で出される上品なだご汁もありますが、九州地方では「だご汁=家庭料理」が一般的なイメージです。ですから上品に仕上げるよりも、「旬の食材を使って簡単&栄養満点な豚汁」をイメージしてだご汁を作った方が本場の味に近づきます。
だご汁の主役である小麦粉だんごは、小麦粉があれば手作り可能です。小麦粉に水を加えて練るだけでだんごができますが、だご汁では塩を加えて練り上げます。
だご汁専門店や一部地域ではだんご生地を麺状にすることもありますが、家庭で作るときはすいとんをイメージして形を作ればOKです。作り方は豚汁の作り方とほぼ同じですが、だんご生地を先に作っておくのが豚汁とだご汁の作り方の違いでしょう。
具材は基本的に何を使っても構いません。野菜と豚肉のほかにも、豚汁で定番のこんにゃくや豆腐もおすすめです。なお味付けのメインは味噌になるので、醤油は最後の仕上げに使います。
醤油を加えることで醤油だけでは出せない上品な香りが加わるので、おもてなし料理としてもおすすめです。九州全域で定番のだご汁は「味噌仕立ての豚汁に小麦粉だんごを加えたもの=だご汁」ですが、豚肉が苦手な場合は鶏肉にしても構いません。
豚肉を使わず鶏肉を使う地域もありますので、鶏肉でだご汁を作っても九州の郷土料理「だご汁」といえます。なお鶏肉を使う場合は、味噌をメインにするよりも醤油をメインにするのもおすすめです。
体の芯からあったまるだご汁は寒い日におすすめ!
だご汁は地域によってだんごの形や具の中身が違いますが、どの地域のだご汁もボリューム&栄養満点なおすすめの名物料理です。
家庭料理としても人気のだご汁は味噌と醬油で味付けをするので、どんな食材とも合います。なおだご汁は豚肉と山の具が基本ですが、貝や鶏肉を使う地域もあるのでアレンジも自由です。