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襟裳岬は、平成22年の8月に、国指定の名勝「ピリカ・ノカ」に指定されました。「ピリカ・ノカ」とは、北海道のアイヌの物語、伝承、祈りの場、優秀な景勝地をあらわし、アイヌ語で「形」「美しい」などの意味があります。
国指定の文化財である名勝「ピリカ・ノカ」は、現在候補地も合わせると平成24年の時点で、21か所あります。
襟裳岬の他には、石狩市の黄金山、枝幸町・浜頓別町にある神威岬、室蘭市にある絵鞆半島外海岸、名寄市の九度山などが指定されています。
襟裳岬の他にも「ピリカ・ノカ」に指定されている場所はどこもとても美しく、北海道に訪れた際には、ぜひチェックしておきたい観光スポットとなっています。
襟裳岬は「風極の地」
北海道の絶景スポットである襟裳岬は、風がとても強い「風極の地」としても有名です。全国900以上の山岳を除いたアメダス地点では、風速が計算できる場所での年間風速が最も強いのが、襟裳岬になっています。
強風地帯である襟裳岬の1981年から2010年までの年間平均風速は8.2m/sで、年間で290日以上の日が、風速10m以上の風を観測するそうです。
風が強い襟裳岬に訪れる際には、断崖から風でものが飛ばされてしまうと取り戻せなくなってしまうので、強風には十分に注意しておく必要があります。
襟裳岬が砂漠の危機に?緑化事業の歴史
襟裳岬にはもともとミズナラ・カシラバ、カシワなどの、広葉樹林の原生林が覆いつくしており、とても美しい緑にあふれていました。
しかし、明治以降になると燃料のために襟裳岬の木々を伐採し、馬や牛、綿羊なども放牧するようになり、原生林は次々に切り開かれていきました。
そして、切り開かれた土地は襟裳岬の強風にさらされ、どんどんと砂漠化が進み、土地や、土地に住む人々に、大きな悪影響を及ぼすことになりました。
台地からは赤土が舞い上がり、岬沿岸の海は黄色く濁ってしまい、海藻類は根腐れを起こし、回遊魚などの魚も激減、戸を閉め切っても家の中にも砂が入ってきて、とても衛生状態が悪くなってしまっていました。
襟裳岬の周辺に住む人々は、襟裳岬の砂漠化によるあまりの環境の悪化によって、一時は集団移動まで考えたほどでした。
そんな襟裳岬の砂漠化を改善するため、昭和28年に浦河営林署「えりも治山事業所」を開設し、襟裳岬の本格的な緑化事業が開始されました。
しかし、一度失われてしまった自然を取り戻すのは簡単なことではなく、襟裳岬の緑化事業には様々な問題もありました。
襟裳岬の緑化事業は、強風によってなかなかうまくいかなかったのですが、草花の種の上に海藻類を置くことで種が飛ばされることを阻止し、海藻類は肥料ともなったため、草花の成長につながりました。
そして、何年もかけて襟裳岬の地にはクロマツが適しているということがわかり、50年近くが経った現在では、緑化事業によって植林されたクロマツも大きく成長し、砂漠化の阻止にも成功し、襟裳岬に緑が戻ってきました。