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さつまいもは種類によって味も食感も違う
「さつまいも」は熱帯アメリカで誕生したヒルガオ科の多年草です。原産地は中米ですが、現在は殆どをアジアで生産しており、日本では主に比較的温暖な地域の西日本で作られています。さつまいもが日本へ伝わったのは中国からで、1604年に琉球(沖縄県)に上陸したようです。
琉球に入ったさつまいもは薩摩(鹿児島県)に広がり、江戸時代に全国に伝わったといわれています。さつまいもの皮や実には食物繊維やビタミンC、カルシウムやアントシアニンなどの栄養素が含まれており、皮をきれいに洗って皮ごと食べるのもおすすめでしょう。
さつまいもの収穫時期は種類によって多少のずれがありますが、早い種類は8月から始まって11月頃まで続きます。主な産地は鹿児島県や千葉県、茨城県や宮崎県などです。さつまいもの食べ頃は収穫仕立てではなく、2~3か月貯蔵して余分な水分を飛ばし、甘味を増やした10~1月頃でしょう。
さつまいもは「秋の味覚」に数えられる種類ですが、甘い状態でより美味しくいただけるのは晩秋から冬の間です。さつまいもには様々な種類があり、食感や風味、見た目の異なるものがあります。農林水産省のデータによれば2018年に栽培された主な品種は約60種類の作付のようです。
本記事ではあまり知られていないであろうさつまいもの種類についてご紹介します。焼き芋に人気のねっとり系の種類やホクホク系の種類のおすすめをピックアップし、種類ごとの特徴をチェックしましょう。また、甘いさつまいもや種類の見分け方も合わせてご覧ください。
さつまいものおすすめの種類【ねっとり・しっとり系】
ねっとり・しっとり系のさつまいもは焼き芋にして食べるのもおすすめです。こちらでは濃厚な甘味と滑らかな口当たりが評判のさつまいもの種類をご紹介します。それでは見ていきましょう。
「安納芋」
安納芋は焼き芋におすすめの種類で、ねっとりした食感と濃厚な甘味が特徴のさつまいもです。安納芋には他のさつまいもに比べてショ糖が多く含まれており、ショ糖によって特有の甘さが感じられるようです。また、多糖類を多く含むことで、オクラや山芋のようなねっとり感があります。
安納芋は鹿児島県種子島の特産品の一つで、平成10年に「安納紅」と「安納こがね」として品種登録されました。ルーツは第二次世界大戦後にまで遡り、スマトラ島北部のセルダンから兵隊が持ち帰った芋を島内で栽培し始めたといわれ、食味の良さと糖度の高さから他地域に拡大しました。
種子島内で栽培していたさつまいもは安納地域の名称を冠した安納芋と名付けられたといいます。安納紅は表皮が赤く、肉食は黄色のさつまいもで一般的に安納芋と呼ばれている種類です。一方、安納こがねは安納在来芋の突然変異で誕生した種類で、果皮は薄い黄褐色をしています。
安納芋の糖度は生芋でも16度前後あり、焼き芋にした場合は40度前後にもなる甘い種類です。食感は水分が多く粘質性があり、加熱するとクリームのようにねっとりするさつまいもです。
「紅はるか」
「紅はるか」はねっとりよりもしっとりした食感が特徴の種類で、糖度は焼き芋の場合に約60度になるようです。紅はるかは糖質の中でも麦芽糖の占める比率が高く、強い甘味ながらもすっきりした後口で食べやすいといいます。品種登録は2010年で、九州121号と春こがねを交配しています。
紅はるかの果肉の色は黄白色で、やや粉質ですが、加熱するとしっとりした食感に変わるさつまいもです。ブランドには大分県産「甘太くん」や茨城県産「紅天使」、宮崎県産「葵はるか」の種類があります。紅はるかは滑らかな舌触りで、喉越しの良いさつまいもの種類でしょう。
「シルクスイート」
「シルクスイート」は2012年から種苗の販売が開始された比較的新しい種類ですが、焼き芋にした際の甘味や食感が美味しいと評判を集めたようです。シルクスイートは「春こがね」に「紅まさり」を交配させた実生を育成したさつまいもで、主な産地は茨城県や福島県になります。
シルクスイートの食感は収穫して間もない種類と貯蔵した種類とで食感が変わり、収穫直後は少し粉質でホクホクした焼き上がりですが、貯蔵すると粘質性があり、甘い味わいになるようです。十分に貯蔵した種類はしっとり滑らかな口当たりで、甘くて美味しいさつまいもでしょう。
さつまいものおすすめの種類【ホクホク系】
ホクホクした食感が特徴のさつまいもの種類は焼き芋の他にも、様々な料理に使えるでしょう。レシピサイトにはさつまいもの美味しい料理やスイーツレシピが掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。
「紅あずま」
「紅あずま」は1985年に品種登録されたさつまいもで、茨城県や千葉県などの関東と東日本で多く栽培している種類です。皮の色はやや紫がかった濃い赤色をしており、果肉は黄色く、繊維質が少ないといいます。食感は粉質でホクホクしています。
紅あずまは貯蔵性があまり良くない種類のため、旬を過ぎれば市場に出回らなくなるさつまいもです。食味はしっかりとした甘味がありながらも上品で、サラダやスープなどホクホクした食感を活かしたレシピにもおすすめの種類でしょう。
「パープルスイートロード」
紫色をしたさつまいもは「パープルスイートロード」です。パープルスイートロードはアントシアニン色素を含有する紫さつまいもの種類で、果皮は濃赤紫から赤紫色をしており、果肉はやや赤味を帯びた紫色をしています。また、加熱した場合は青み系の紫色になります。
パープルスイートロードはアントシアニンを多く含むヘルシーなさつまいもですが、甘めの食味のため、生クリームと合わせてスイートポテトにしても美味しいでしょう。パープルスイートロードは濃厚な甘味が苦手な人でも食べやすいさつまいもかもしれません。
「鳴門金時」
徳島県の特産品のさつまいも「鳴門金時」は高系十四号の改良種として誕生した種類です。鳴門金時またはなると金時の名称は、徳島県内の指定地域で生産されたさつまいもに限り使うことができます。果皮は全体にムラの無い紅色で、果肉はクリーム色の粉質です。
加熱した鳴門金時は果肉の色が黄色くなり、ホクホクした昔ながらの焼き芋になるようです。糖度は高めですが甘過ぎず、焼き芋はもちろんのこと、蒸し・茹での調理法や天ぷら、大学芋などの料理にも活躍するであろうさつまいもです。
さつまいもの種類の見分け方
美味しいさつまいもの種類を見分けるにはいくつかの方法があります。さつまいもは外見から美味しいであろう種類を見分けられるので、手に取る前に確認してみてください。
甘いさつまいもの見分け方
さつまいもの種類の見分け方、先ずご紹介するのは甘い種類の見分け方です。さつまいもは収穫後に追熟を行うことにより、デンプンが糖に変化して甘い種類になるといいます。また、焼き芋にすることでさつまいもがゆっくり加熱され、ベータアミラーゼの酵素によって甘くなるようです。
甘い種類の見分け方はさつまいもの表面から蜜が出ているか確認する方法です。蜜が出ているさつまいもは糖度が高いことを表しており、また両端の切り口に蜜が出ている種類もおすすめでしょう。
蜜はデンプンがベータアミラーゼによって水飴の主成分の麦芽糖に変換されて出来たものです。蜜は全てのさつまいもに出来ないため、生芋の段階での熟成加減を見極めて選びましょう。
皮の色・蜜・形
美味しいさつまいもの見分け方のおすすめは皮の色が均一で鮮やかなこと、艶があること、さらに表皮に凸凹や傷、斑点がないものを選ぶ方法です。熟成されている種類は深い赤色をしています。なお、表皮の一部が黒く変色している種類は古く、苦いさつまいもの場合が多いようです。
飴色の蜜の様なものが切り口や皮表面に出ているさつまいもは十分に熟成しており、糖度が高い種類といわれています。おすすめのさつまいもの見分け方には形から選ぶやり方もあり、種類によって形は様々ですが、ふっくらした紡錘形が良いでしょう。
さつまいもは深い窪みがある種類や髭がたくさんあるもの、痩せて細いものは繊維質が多い傾向にあり、食感が損なわれている種類かもしれません。
さつまいものお気に入りの種類を見付けよう!
日本には豊富な種類のさつまいもが出回っており、ホクホクした昔ながらの優しい甘味の種類やねっとり系の濃厚な甘味の種類など、品種によって特徴が異なります。さつまいもは焼き芋やふかし芋などシンプルな食べ方の他に、おかずやスイーツのレシピにも応用できる便利な食材でしょう。