北海道美瑛町は丘陵と畑の風景が美しい観光地として有名です。
なかでもタバコのCMやパッケージに使われた「セブンスターの木」は周囲の景色も見事な美瑛町屈指の観光地として知られています。
この記事ではセブンスターの木について、美瑛町の観光地情報も含めてご紹介します。
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丘の町・美瑛の「セブンスターの木」へ行ってみよう!
タバコのCMやパッケージに使われた「セブンスターの木」は観光地として有名な美瑛町にあります。
セブンスターの木や「ケンとメリーの木」、「ぜるぶの丘」がある美瑛町の北西側は丘陵地の小麦やビートの畑がパッチワークのように見えることから「パッチワークの路」と呼ばれています。
美瑛町の南東側は雄大な十勝岳を背景に風光明媚な丘陵が続く観光地「パノラマロード」として有名です。
パノラマロードにある観光地のなかでも「四季彩の丘」は丘陵地にラベンダーやヒマワリなどさまざまな花々が咲き誇ることから、その絶景が数々のCMやパッケージに使われています。
セブンスターの木って?
美瑛町が観光地として有名になったのは、昭和46年に写真家の前田真三氏が美瑛の丘の写真「麦秋鮮烈」を発表したのがきっかけでした。
その後、美瑛町の美しい風景は多くのCMに起用され、昭和51年にはセブンスターの木がタバコのCMとパッケージに使われたことで一気に有名になりました。
美瑛の広大な大地の中に佇む1本のカシワの木のこと
タバコのCMやパッケージに起用されたことで有名になったセブンスターの木は、美瑛の丘に佇む1本のカシワの木です。
新芽が芽吹くまで葉が落ちないカシワの木は子孫繁栄の縁起物でもあります。
北海道ではカシワのこのような性質を活かし、風雪を防ぐ防風林として畑の周囲に植樹されています。
セブンスターの木の近くには深川市出身の歌人・小林孝虎の歌碑が建立されています。
小林孝虎は北海道の歌人による雑誌「北方短歌」を創刊した人で、歌碑にも美瑛の丘の美しさをのびやかに詠った歌が刻まれています。
開拓時代から丘を見守ってきたセブンスターの木にふさわしい記念碑です。
元々は「北瑛の一本木」という名称で親しまれていた
セブンスターの木はタバコのCMやパッケージに起用されるまで「北瑛の一本木」という名称で親しまれていました。
観光地化される以前、セブンスターの木のような大きな樹木は畑の境界線を示す目印としてあちこちに植えられていたのです。
美瑛町の丘陵地には現在でもその名残が残っています。
セブンスターの木にアクセスする際は国道237号線の「パッチワークの路」と描かれた看板を左折、または右折します。
道なりに進むとオーベルジュ「北瑛小麦の丘」が見えてくるのでそこを左折、またしばらく進むとセブンスターの木が見えてきます。
JR美瑛駅からは車で約12分です。
木の周辺は「パッチワークの路」と呼ばれている
セブンスターの木の周辺は丘陵地に広がる小麦やビート、ジャガイモなどの畑がまるでパッチワークのように見えることから「パッチワークの路」と呼ばれています。
以前は畑作農家がほとんどでしたが美瑛町が観光地として有名になるにつれ、パッチワークの路に民宿やペンションが増加しました。
パッチワークの路にはセブンスターの木以外にもCMやパッケージに起用された観光地が数多くあります。
「マイルドセブンの丘」は昭和53年にセブンスターの木に続いてタバコのCMが撮影され一躍有名になりました。
観光シーズンにはパッチワークの路の絶景を求めて大勢の観光客が訪れます。
セブンスターの木の名前の由来
美瑛町でも知る人ぞ知る北瑛の一本木がセブンスターの木として全国的に有名になったのは、日本タバコ産業(JT)の主力商品「セブンスター」のCMやタバコのパッケージに起用されたことに由来します。
セブンスターの木の名前の由来になったタバコ・セブンスターについてご紹介します。
タバコのセブンスターのCMやパッケージになった事から
紙巻きタバコの人気ブランド・セブンスターは昭和44年に発売が開始されたロングセラー商品です。
昭和50年にはそれまで主力商品だった「ハイライト」を抜いてタバコの売上1位に躍り出ました。
ちょうどそのころ、タバコのCMやパッケージに起用されたのが美瑛町のセブンスターの木です。
いかにも北海道らしい風景が描かれたパッケージは話題を呼び、セブンスターの木はたちまち有名になりました。
折しも昭和50年、北海道の観光客は延べ人数で7244万人に伸びており、観光地としてはあまり有名でなかった美瑛町にもCMで見た風景を一目見ようと大勢の観光客が訪れました。
タバコのCMやパッケージに起用されてから40年以上たった現在でも、セブンスターの木は有名な観光地として人気があります。
セブンスターの木の前にある看板には、パッケージに描かれた絵とともになぜこのカシワの木がセブンスターの木と呼ばれるようになったかの解説が書かれています。
セブンスターの木の他にも美瑛には有名な木がある
美瑛町の北西側に広がるパッチワークの路にはセブンスターの木のほかにもCMで話題になった木が点在しています。
なかでも前述したマイルドセブンの丘や日産スカイラインのCMで有名になった「ケンとメリーの木」は特に有名です。
北海道・美瑛町にある有名な木をいくつかご紹介します。
ケンとメリーの木
「ケンとメリーの木」はセブンスターの木の近くにあるポプラの大樹です。
もともとはセブンスターの木と同じく畑の境界線を示す目印として植樹されていました。
昭和51年に放送された日産「スカイライン」のCMに起用されたことで一躍有名になり、美瑛町の観光スポットのひとつになりました。
CMではスカイラインに乗って旅をしているケンとメリーが美瑛町にたどり着き、美しい丘陵地に佇むポプラの木を見上げるという内容です。
全16作の「愛のスカイライン」シリーズのなかでも最高傑作といわれるこのCMは放送直後から高い反響を呼び、美瑛町に多くの観光客が押し寄せました。
木に隣接した「CAFE TREE TERRACE」(ペンション「ケンとメリー」)では「愛のスカイライン」のCMとスカイラインの実物を見ることができます。
ハート型のクッキーが乗った「ケンメリサンデー」もおすすめです。
ケンとメリーの木の場所はJR美瑛駅から車で約7分です。
親子の木とお化けの木
「親子の木」はセブンスターの木から車で約6分のところにある3本の木です。
3本ともセブンスターの木と同じカシワの木で、小さな木をはさんで大きな木が2本、見渡す限りの広大な畑の上で立っている姿がまるで親子のように見えることから、いつしか「親子の木」と呼ばれるようになりました。
親子の木から少し離れたところには「お化けの木」がポツンと立っています。
別名「姑の木」とも呼ばれるこの白樺の木は、親子の木と少し距離を置いているようなおかしみが感じられます。
近くにあるビュースポットから眺めると親子の木とお化けの木をいっぺんに見られるのでおすすめです。
なお、親子の木がある農道は立ち入り禁止です。
また、ビュースポットの近くでは農作業中のダンプやトラクターの出入りが多いのでご注意ください。
場所はJR美瑛駅から車で約11分です。
クリスマスツリーの木
「クリスマスツリーの木」はセブンスターの木とは反対側の「パノラマロード」にあるトウヒの木です。
トウヒの木は北海道に広く分布するエゾマツの変種で、なだらかな丘陵地にポツンと1本立つ姿がクリスマスツリーに似ていることから「クリスマスツリーの木」と呼ばれるようになりました。
クリスマスツリーの木が特に美しいのは冬、丘陵地が一面の白い雪で覆われたときです。
ライトアップなどの演出は何もありませんが、少し雪が積もった木はまるで本物のツリーのようで、SNS映えも良いことから多くの観光客が訪れます。
セブンスターの木と並ぶ、美瑛町の人気観光スポットです。
クリスマスツリーの木は国道237号線から「新栄の丘展望公園」へ向かう道路の途中にありますが、場所がわかりにくい上、看板もないのでご注意ください。
場所はJR美瑛駅から車で約11分です。
セブンスターの木の周辺観光スポット
北海道美瑛町には、セブンスターの木以外にも有名な観光地がたくさんあります。
特に南東側の「パノラマロード」にある「白金青い池」や「四季彩の丘」は全国的に有名で、数々のCMやお菓子のパッケージに起用されました。
セブンスターの木の周辺にある観光スポットについてご紹介します。
白金青い池
「白金青い池」は白金温泉の近くにある人造池です。
平成24年、青い池の写真が「MacBookPro」の待ち受け画面に採用されたことから一躍有名になり、セブンスターの木と人気を二分する美瑛町の観光スポットになりました。
現在では駐車場(270台)のほか、売店やトイレも完備しています。
青い池が誕生した理由は昭和63年、十勝岳山麓に砂防ダムが建設されたことに始まります。
時が経つにつれ砂防ダムの脇に川の水が溜まり、いつしか池ができました。
これが「青い池」です。
青い池は地元のカメラマンによって発見され、写真はインターネットを通じて全世界に発信されました。
池が青く見えるのは、近くにある「白ひげの滝」からケイ酸アルミニウムを含んだ水が流れこみ、コロイド粒子を生成するためです。
このコロイド粒子が波長の短い青い光を反射すると池全体が青く輝いて見えます。
水量が増えたり、土砂が流れ込んだりすると、色が異なって見えることもあります。
また青い池では、冬場(11月1日~4月30日)の17:00~21:00まで、夜間ライトアップが行われます。
いつもは静かに佇んでいる立ち枯れの木々がライトアップされ、闇夜に浮かび上がる姿はなんとも幻想的な光景です。
ただし冬場は大変寒いので、十分な防寒対策をしていくといいでしょう。
青い池に行く途中の売店ではここでしか買えないお土産物やオリジナルスイーツを販売しています。
なかでも「青い池プリン」はレモン味の青いジュレとミルクプリンの取り合わせが絶妙で人気があります。
涼やかなパッケージが特徴の「青い池キャンディ」や「青い池ソーダ」も観光客に好評です。
青い池の売店の営業期間は4月下旬~10月下旬まで、営業時間は9:00~17:00です。
期間中は6月の第2日曜日を除き無休です。
場所はJR美瑛駅から道道966号線を経由して車で約24分です。
白ひげの滝
「白ひげの滝」は十勝岳の麓・白金温泉郷にある滝です。
溶岩層を流れる伏流水が岩壁の裂け目から出て流れ落ちる、日本では数少ない「潜流瀑」という滝で、落差30メートルの滝の頂上から脈々と流れる滝水がまるで白いヒゲのように見えることから「白ひげの滝」と呼ばれるようになりました。
白ひげの滝の滝水は、十勝岳連峰を水源とする美瑛川に流れ落ちていきます。
滝壺が美しいコバルトブルーなのは、青い池と同じく滝水に含まれるケイ酸アルミニウムがコロイド粒子を生成して青い光を反射するためです。
美瑛川の水はその青さを保ったまま、やがて「青い池」にたどり着きます。
白ひげの滝は真冬でも凍ることなく、趣深い風景が楽しめます。
通年で夜間のライトアップも行われており、その神秘的な滝の姿は思わず息を飲む程です。
ライトアップを見るなら白金温泉に一泊するのがおすすめです。
白金温泉は「杖忘れの湯」と呼ばれるほど効能が高いことで知られています。
場所はJR美瑛駅から車で約30分、または白金温泉行(道北バス)に乗車し、バス停「びえい白金温泉」で下車、徒歩約5分です。
車を利用する場合は白金観光案内所公共駐車場に停めて下さい。
四季彩の丘
「四季彩の丘」は美瑛町でもパノラマロードと呼ばれるエリアにある観光スポットです。
パノラマロードはセブンスターの木があるパッチワークの路よりも傾斜がきついのが特徴で、春から秋にかけて丘陵地に植えられたラベンダーやサルビアなどさまざまな花々が絨毯を敷いたように咲き乱れます。
夏季はトラクターバス「四季彩ノロッコ号」が運行され、花が咲き乱れる丘をゆっくりと一周します。
専用コースを走るバギーや4人乗りのカートもあり、広大な園内を散策するのに便利です。
園内の売店では自社生産の野菜を使ったスープカレーや美瑛産牛乳のソフトクリームが味わえます。
併設された「アルパカ牧場」では、白や茶、黒といったさまざまな毛色の愛くるしいアルパカたちに餌をあげられます。
餌をあげる際にふかふかの首筋や顎をなでてやるとアルパカが喜ぶのでおすすめです。
四季彩の丘の売店にはアルパカ毛を紡いだ毛糸で編んだマフラーや手袋が販売されています。
開園時間は4~5月・10月が9:00~17:00、6~9月が8:30~18:00、11月・3月が9:00~16:30、12~2月が9:00~16:00、シーズンを通して無休です。
場所はJR美瑛駅から車で約12分です。
ぜるぶの丘
「ぜるぶの丘」は国道237号線沿いにある観光農園です。
「風・薫る・遊ぶ」の後ろの3文字から「ぜるぶの丘」と名付けられた園内には、ラベンダーやひまわり、サルビアなどの花々がまるで虹のように咲き誇り、訪れた観光客を楽しませます。
展望台からは丘の上のケンとメリーの木も見えます。
また、ぜるぶの丘ではカートやバギーに乗って広大な園内を散策できます。
ゆっくりと花を楽しみたいなら美瑛の丘の爽やかな風を感じながら園内を周遊できるカートがおすすめです。
花畑を一周できるバギーもイチオシですが、専用コースの道幅がかなり狭いので脱輪しないようご注意ください。
開園期間は4月上旬~10月中旬まで、営業時間は8:30~17:00です。
10月中旬~3月下旬まではレストランと売店のみの営業になります(10:00~16:00)。
場所はJR美瑛駅から車で約10分です。
セブンスターの木周辺のグルメスポット
セブンスターの木など観光スポットをまわった後は美瑛町のグルメを楽しみましょう。
小麦やジャガイモの栽培のほか、養豚業も盛んな美瑛町には最高の素材で作った美味しい料理が味わえるレストランがたくさんあります。
セブンスターの木の周辺にあるグルメスポットをいくつかご紹介します。
バローレ
「バローレ」は道道966号線から少し内に入った畑のど真ん中にある、有名イタリア料理レストランです。
美瑛の野菜に魅せられたシェフが作る料理はどれも繊細で美しく、滋味深い味わいはもちろん、目でも楽しめます。
メニューはランチ、ディナーともにコース料理のみで、完全予約制です。
コース料理は前菜、プリモ(パスタ料理)、セコンド(メイン料理)が数皿ずつ、それにデザートという構成です。
野菜のみならず肉類や魚介類も旬の道産食材が使われています。
パスタ料理も素晴らしく、特にトマトスパゲティは自家製の麺にトマトソースとモッツァレラがよく絡んだ絶品です。
営業時間は11:30~15:00、18:00~22:00、定休日は木曜日です。
予約は来店同日の1カ月前から可能です。
場所はJR美瑛駅から車で約13分、道道966号線の看板がわかりづらいのでご注意ください。
野菜レストラン ASPERGES
「野菜レストラン ASPERGES」は美瑛町の市街地にあるフレンチレストランです。
美瑛町の旬の食材を使った本格的なフレンチを味わえることから地元民のみならず観光客にも人気があります。
メニューはランチ、ディナーともにコース料理、それに牛頬肉の赤ワイン煮などアラカルトが数品です。
コース料理は値段ごとに内容が異なりますが、人参のムースや野菜の取り合わせ、ジャガイモのピューレは共通で提供されます。
特に潰したジャガイモにバターを練り込み、メレンゲをのせたジャガイモのピューレは、ヴィシソワーズとピューレのいいとこどりしたような味わいが魅力の絶品です。
営業時間は11:00~19:00(7~8月は11:00~20:00)まで、定休日は水曜です。
12~3月は冬季休業なのでご注意ください。
場所はJR美瑛駅から車で約4分、JA直売所「美瑛選果」の店内にあります。
洋食とcafeじゅんぺい
「洋食とcafeじゅんぺい」はJR美瑛駅の近くにある老舗の洋食レストランです。
ご当地グルメとして名高いジュンドッグの発祥の地で、現在でも販売しています。
海老フライやソーセージをご飯で巻き紙で包装したジュンドッグは、手軽に食べられる上、腹持ちも良いので軽食にピッタリです。
じゅんぺいはフライの盛り合わせ定食も有名です。
ヒレカツやメンチカツ、大葉チキンロールなどフライの種類も豊富で、いつ来店しても飽きることがありません。
海老フライをご飯の上にのせ、甘辛いタレをかけた海老丼も人気があります。
フライが好きな人におすすめしたい、庶民派のお店です。
営業時間は10:30~15:00、17:00~20:00、定休日は月曜日です。
週末は混雑するので少し時間をずらすことをおすすめします。
場所はJR美瑛駅から車で約4分、または徒歩約10分です。
ビトウィーン ザ ブレッド
「ビトウィーン ザ ブレッド」は道の駅びえい「白金ビルケ」にあるハンバーガーショップです。
「森のピクニック」をコンセプトに作られた店内では美しい景色を楽しみながら食事ができます。
美瑛産小麦を使用したバンズで肉汁あふれるパテを挟んだハンバーガーは地元民や観光客に人気です。
メニューはハンバーガーをはじめ、チーズバーガーやアボカドバーガーなど全7種類、どれもパテや野菜が分厚いので、いっぺんに頬張ることは不可能です。
何とか潰して頬張るとパテの肉汁と野菜の旨味が口の中で混然一体になります。
パンシチューやスープなどサイドメニューもおすすめです。
営業時間は4~10月が9:00~18:00、11~3月が11:30~20:00、定休日は水曜日です。
イートイン席(30席)のほか、テラス席(40席)もあります。
場所はJR美瑛駅から車で約20分です。
セブンスターの木は北海道らしい景色が楽しめる観光地
タバコのCMやパッケージに起用された有名なセブンスターの木や美瑛町の観光地についてご紹介しました。
美しく険しい丘陵地が続く美瑛町には、セブンスターの木以外にもここでしか見られない風景がたくさんあります。
美瑛町に訪れて、北海道らしい景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。