新宿の「どん底」をご存知ですか?
「どん底」は、三島由紀夫や黒澤明監督など、多くの文化人に愛された新宿の酒場です。
今回は、1951年創業の老舗居酒屋「どん底」についてご紹介します。
来店した有名人や人気メニューもご紹介するので、楽しみにご覧ください。
新宿三丁目にある居酒屋「どん底」とは?
新宿の中でも新宿三丁目は少し大人な顔を持つ街ですが、演芸場の末広亭からほど近い裏通りに「どん底」は佇んでいます。
1951年創業の老舗居酒屋どん底は、数々の文化人、有名人に愛されてきた、人気の酒場です。
新宿三丁目最古の居酒屋と言われるどん底の外観は、長いツタが印象的な煉瓦作りで、一歩足を踏み入れると、歴史の重厚感が感じられる、昭和レトロな店内が客を迎え入れてくれます。
ところで、「どん底」とは、度肝を抜かれる店名ですが、どういう訳で付けられた名前なのでしょうか。
実は「どん底」は、ロシアの作家、マクシム・ゴーリキーの戯曲に由来しています。
創業者である矢野智さんは、舞台芸術学院の一期生だった当時、役者を目指しながらも、生活のために酒場を始めようと、恩師である学長に店名を相談しました。
すると学長は、「遊び半分で商売をやれるものではないから、俳優の仕事が続くかどうか心配だ。
『どん底』の舞台が最後の舞台になるかもしれないから『どん底』にしたらどうだ。
最低からの出発だからいい名前だと思うよ」とアドバイスをしたことから、この名前となったそうです。
独特なテイストのインテリアによってアングラな雰囲気も漂う中、店内では若者から常連さんまでがわいわいと話に花を咲かせています。
どん底の良さは、スタッフとお客さんの距離が近いところにもあります。
「気の合うスタッフの近くに座りたい」と席を指定する常連さんもいるそうです。
どん底には20人以上のスタッフがおり、営業中は15人ほどが店に出ています。
どん底は地下1階から3階まで、4フロアあるお店ですが、来店するとその日の雰囲気を見て、スタッフが席を案内してくれます。
今回は、そんなどん底について、来店した有名人や人気メニューなどをご紹介します。
あなたもどん底で、お酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。
新宿の居酒屋どん底に訪れた有名人とは?
新宿三丁目にあるどん底には、数多くの文化人や有名人が来店し、その青春を過ごしました。
ここでは、新宿の居酒屋、どん底に訪れた有名人についてご紹介します。
どん底は1951年創業の老舗居酒屋です。
当時は女性は酒場に入ることはできませんでした。
男性でも一人で酒場に行くことはほとんどないような時代です。
どん底が女性が出入りできるようになった最初の酒場だともいわれています。
三島由紀夫などの文化人のお気に入りスポットに
新宿三丁目の居酒屋どん底は、三島由紀夫や黒澤明監督など、数々の文化人や有名人に愛された名店です。
店先では三島由紀夫の写真と、店に送ったメッセージを読むことができます。
黒柳徹子さんもどん底を愛した一人で、「徹子の部屋」にどん底の創業者、矢野智さんが出演したこともあります。
黒柳さんは、「多くの演劇人、芸術家、作家達が通った店で、このテレビをご覧になっていらっしゃる方にも、『あのどん底か!』とお思いになっていらっしゃることでしょう。」
どん底の公式ホームページでは、様々な文化人、有名人がどん底の50周年記念の際に送ったお祝いのコメントなどを読むこともできます。
その中には、美川憲一さんや青島幸男さん、越路吹雪さん、岸田今日子さん、内館牧子さん、愛川欽也さん、うつみ宮土理さん、大山のぶ代さんなど、そうそうたる文化人、有名人の名前が並びます。
あなたも数々の文化人、有名人が愛した老舗居酒屋、どん底で楽しい夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。
新宿の居酒屋どん底・人気メニューを紹介
現在は新宿の老舗中の老舗ですが、昭和の中頃までは先駆的な酒場であった、どん底のメニューとは、いったいどのようなものでしょうか。
そもそもはロシア料理だったようですが、ひと言でくくるのは難しく、現在では様々な料理を提供しています。
「ナポリタン」から「金目鯛の香草一夜干し」まで、新宿三丁目の居酒屋、どん底の食事メニューは、種類が豊富で美味しいと評判です。
ここでは、どん底の人気メニューをご紹介します。
最後には、謎のカクテル「どんカク」も登場するので楽しみにご覧ください。
1:たっぷりチーズのミックスピザ
新宿の居酒屋どん底の人気メニュー1つ目は、たっぷりチーズの「ミックスピザ」です。
ゴーダチーズとマリボーチーズが山盛りで焼かれるピザは、まさにチーズがたっぷり、手に取る時には重みを感じる一品です。
自家製の生地はカリカリと香ばしく、たっぷりのチーズはトロトロで、中にはあさりや玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームが入っており、昔ながらの贅沢な味わいです。
どん底が一番おすすめしている逸品
「ミックスピザ」は、どん底が一番おすすめしている逸品です。
イタリアのコックさんがいた昭和33年に開発されたメニューで、当時はまだピザは珍しい時代でした。
「どん底で初めてピザを食べた」という人も多いといいます。
今でも当時の作り方をそのまま再現しているそうです。
数々の文化人、有名人も食べたに違いない、昔ながらのピザを、あなたも食べてみてはいかがでしょうか。
2:林さんのライス
新宿の居酒屋どん底の人気メニュー2つ目は、「林さんのライス」です。
「林さんのライス」は、一瞬、「え?ハヤシライス?」と聞き返してしまいそうなメニュー名ですが、ハヤシライスではありません。
「林さんのライス」で、中身もまったく違います。
「林さんのライス」は、常連の林さんの「メニューにないものを食べさせてほしい」という要望で出来たメニューだそうです。
当時の料理長が、冷蔵庫にあった食材を手早く炒めてご飯にのせて出したところ、林さんが喜んで食べたことで定番メニューとなり、今では名物にもなっています。
どのようなメニューなのかについては、後程、「新宿・居酒屋『どん底』自慢の林さんのライスのレシピ」の章でご紹介します。
「林さんのライス」は、クセになると評判のメニューです。
3:自家製厚切りチャーシュー
新宿の居酒屋どん底の人気メニュー3つ目は、「自家製厚切りチャーシュー」です。
その名の通りとても分厚く切られたチャーシューは、なんと250gもあるそうで、見た目だけでもテンションがあがります。
フォークとナイフを使って食べますが、ほろりと崩れるので、「うまく切れるかな」といった心配はいりません。
断面からふわりと魅惑の香りを漂わせているチャーシューは、口に入れると、とろける脂とほぐれる肉の食感が抜群です。
豚肉の旨味が凝縮され、甘辛味だけど、どこか洋風でもある、とても美味しいチャーシューです。
4:林さんのみ
新宿の居酒屋どん底の人気メニュー4つ目は、「林さんのみ」です。
「林さんのみ」は、2つ目でご紹介した「林さんのライス」の、ご飯がない、おかずの部分だけのメニューです。
当時の料理長が冷蔵庫にあった食材で手早く作ったメニューですが、クセになる味わいは今もなお、多くの人を惹き付けています。
5:どん底カクテル
新宿の居酒屋どん底の人気メニュー5つ目は、「どん底カクテル」、略して「ドンカク」です。
謎のカクテル「ドンカク」は、戦後の粗雑な焼酎を美味しく飲むために開発されたメニューでした。
ビールが1杯160円の時代にドンカクは1杯50円で、安くて酔えるということで流行りました。
数々の文化人、有名人たちも「ドンカク」で楽しい夜を過ごしたことでしょう。
詩人、金子光晴は、「ドンカクをなみなみ注いでコップをまえにおくと、ふしょうぶしょうにこの世界はうごきだす。
」という節から始まる「ドンカクの唄」を残しました。
戦後の当時はドンカクを飲みすぎると次の日頭が痛くなったという逸話も残っています。
今ではそんなことはありません。
焼酎をベースとした、レモンハイのような風味ですが、炭酸は入っていません。
爽やかな味わいで、女性でも飲みやすいです。
但し、アルコール濃度は意外と高いので、飲みすぎて翌日、本当の「どん底」気分にならないように注意しましょう。
ボトルで注文することもできます。
ボトル1本はグラス6杯分が入っています。
また、「どんカク」には「黒」もあります。
コーラが入っているので、炭酸で甘い味がします。
どん底には他にもビールやウィスキー、日本酒など様々なお酒がありますが、おすすめはスペイン産のワインです。
どん底は、スペインのマドリッドにも店舗を持つお店なので、本場の味を楽しむことができます。
新宿・居酒屋「どん底」自慢の林さんのライスのレシピ
ここでは、「新宿の居酒屋どん底・人気メニューを紹介」2つ目でご紹介した、「林さんのライス」のレシピをご紹介します。
用意するのは牛肉(切り落とし)150gとキャベツ約100g、ウスターソース大さじ3、ガーリックパウダー小さじ1/4、塩・粗びき黒コショウ各適量、あれば赤ワイン大さじ1、牛脂1つです。
ガーリックパウダーは生のニンニクやチューブで代用もできます。
まず、牛肉を食べやすい大きさに切り、キャベツを小さ目のざく切りにします。
次にフライパンに牛脂を熱し、牛肉を炒めます。
赤ワインを加えて炒め、牛肉に火が通ったら塩をふります。
その後、キャベツを入れて炒め合わせます。
牛肉はしっかりめに炒め、キャベツはシャキシャキの食感が残る程度にするのがコツです。
キャベツが炒まったら、ガーリックパウダーとウスターソースを加えます。
最後に粗びきこしょうをかけて、ご飯にのせたら完成です!
ソースの味だけは再現は難しい
数々の文化人、有名人を魅了してきた新宿のどん底の名物メニュー「林さんのライス」は炒めるだけで簡単な料理ですが、ソースの味の再現だけは難しいです。
どん底で使用しているウスターソースは、一般的なものよりスパイシーなものです。
銘柄については秘密ですが、お店で宮下店長に直接聞けば、なんと教えてくれるそうです。
あなたもどん底のクセになる名物メニュー「林さんのライス」を自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。
新宿・居酒屋「どん底」予約とお持ち帰りについて
数々の文化人、有名人が訪れてきた新宿三丁目の老舗居酒屋どん底は、大人気のお店です。
2020年2月現在、食べログでも3.59の高評価を獲得しています。
行く際は予約をしていった方がいいでしょう。
どん底でお持ち帰りができるかどうかについては、情報がありません。
恐らくできないのでしょう。
どん底のメニューは美味しいものばかりですので、その場で温かい物は温かいうちに、いただいて帰りましょう。
混雑しているので予約や平日来店がおすすめ
新宿三丁目の老舗居酒屋どん底は、地下1階から3階まで、4フロアあるお店ですが、人気でいつも混雑しています。
出来れば予約して行くか、平日来店するようにしましょう。
新宿のゴールデンタイムは少し遅いので、時間帯では特に20~22時が混雑します。
オープン直後の早めの時間に行って、スタッフとの会話を楽しむのもおすすめです。
新宿・居酒屋「どん底」基本情報
ここまで読んで、どん底に行きたくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、新宿三丁目にある居酒屋どん底の基本情報をご紹介します。
営業時間は17時~24時(ラストオーダー23時半)で、定休日はありません。
但し、年末年始の12月31日~1月4日はお休みとなります。
電車でのアクセス
どん底へのアクセスは、都営地下鉄新宿線「新宿三丁目」駅から徒歩約2分のところにあります。
東京メトロ丸の内線・副都心線「新宿三丁目」駅からは徒歩約3分のところにあります。
JR「新宿」駅からは徒歩約7分のところにあります。
車でのアクセス
新宿三丁目にある老舗居酒屋どん底には駐車場がありません。
車で行く際は近くのコインパーキングを利用しましょう。
但し、周辺には人気の商業・レジャー施設も多いため、駐車場は混雑しますので注意が必要です。
新宿・居酒屋「どん底」に一度行ってみよう!
数々の文化人、有名人が愛した老舗居酒屋どん底についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
どん底では、毎晩、様々な年代の様々な人が楽しい夜を過ごしています。
あなたも古き良き時代を知るどん底で、素敵な夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。