北関東に位置する群馬の方言をご存知でしょうか。
群馬には地元民が使う独特なイントネーションやおもしろい特徴があります。
群馬の定番の方言や語尾の変化、群馬ならではの変わった方言、かわいい告白フレーズなど、特徴をまとめましたのでぜひご覧ください。
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地元民が教えます!群馬のちょっと変わった方言
北関東に位置する群馬にはちょっと変わった方言がたくさんあります。
他県の方からすると、なぜ?と疑問をもつような表現や、独特のおもしろいイントネーション、田舎ならではのかわいい告白フレーズなどがあります。
群馬県の地元民が教える、群馬のちょっと変わった方言をまとめましたのでぜひご覧ください。
群馬は方言がない県?
群馬の方言と聞いてどのような言葉やイントネーションを思い浮かべるでしょうか。
大きな特徴やわかりやすいイントネーションがあるわけではないので、思い浮かべるのは難しいです。
特に群馬の若い層は、標準語と変わらない言葉を話すため、群馬の人と聞いても言葉に違和感がないという場合が多いです。
しかし、だからと言って群馬に方言が無いというわけではありません。
特に群馬に住む高齢の方などは独特の群馬の方言を話します。
語尾の特徴やイントネーション、群馬県民なら誰もが知る定番の言葉、告白フレーズとして使えるかわいい方言など、様々な角度から群馬の方言についてご紹介していきますのでぜひお楽しみください。
同じ北関東の茨城・栃木とは違う方言
群馬県は、北関東に位置します。
北は新潟県、福島県、東に栃木県、西に長野県、南に埼玉県に隣接する人口200万人弱の県です。
行政の中心は県庁のある前橋市ですが、街として賑やかなのは高崎市です。
東京からは、関越自動車道を利用して車で1時間、上越新幹線などでも約1時間という距離にあります。
県のマスコットである「馬」をモチーフにした「ぐんまちゃん」が、2014年のゆるキャラグランプリにおいて念願のグランプリを獲得しました。
草津温泉や伊香保温泉、四万温泉など、温泉大国と言われるほど、県内には有名な温泉がたくさんあります。
2014年には富岡製糸場が世界遺産に登録されたほか、スキー場やキャンプ場などのアウトドア系の観光地としても人気です。
隣接する栃木県とそのまた隣の茨城県とともに北関東3県として知られ、名物や魅力度など比較されることが多いです。
方言という側面からこの3県を比較してみましょう。
栃木県の方言の特徴は、尻上がり調のイントネーションを多用しているという事です。
文字での表現が難しいですが、語尾が「だべぇ~」、「さぁ~」、「すっぺぇ~」などとなり、尻上がりのイントネーションになります。
また、「い」と「え」が混合することが多く、例えば、「色鉛筆(いろえんぴつ)」を「えろいんぴつ」と言ったりします。
他にも栃木独特の名詞もあり、「おにぎり」のことを「おぬぐる」と言ったり、「嘘、冗談、いい加減」のことを「ごじゃっぺ」と言ったりします。
動詞では「横切ること」を「つっきる」、「壊れること」を「ぼっこれる」、「つぶれること」を「ちゃぶれる」などと表現します。
次に茨城県の方言の特徴をご紹介します。
茨城県の方言は、NHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」で2017年にブームになりました。
特に「だっぺ」や「どうすっぺ」などはかわいい茨城弁として定着しました。
「っぺ」のように語尾が独特なこと、「い」と「え」の区別がなく例えば「笑顔(えがお)」は「いがお」になること、イントネーションが平坦であることなどが茨城県の方言の特徴です。
栃木県、茨城県、群馬県の3県のことを北関東と言いますが、同じ北関東であっても方言については各県それぞれです。
特に群馬県は他の2県とは異なり「西関東方言」という言葉の分類に属します。
栃木県や茨城県よりも、埼玉県や神奈川県の言葉に非常に近い関係にあります。
群馬県の方言の特徴的な語尾、イントネーション、独特な言葉、かわいい表現やかわいい告白フレーズなどについてご紹介しますので、ぜひ楽しんでご覧ください。
群馬県内でも地域によって変化
ひと言で群馬県の方言と言いますが、群馬県内でも方言の地域差があります。
県内の北部・西部の山間部、中部の平野部、東南部の3つのエリアに分類できます。
東南部の甘楽郡地方は西関東方言と東関東方言の中間的な要素があります。
群馬弁はほぼ標準語
群馬県の方言と聞いて何か思い浮かぶでしょうか。
群馬県の方言は西関東方言に属し、埼玉県や神奈川県・多摩地方での言葉と同じ分類です。
同じ北関東に属する栃木県や茨城県の方言のように、わかりやすいイントネーションの違いや特徴的な言葉などがないため、地元の人々は標準語を話していると認識している方が多いです。
さらに群馬県内で方言を話すのはその多くが年配の方ですので、若い年齢層の方は特に標準語を話していると認識しています。
県民はそう思いがち
群馬県の方言は西関東方言という分類に属し、埼玉県や神奈川県・多摩地方の言葉と同じです。
群馬県の方言のルーツは江戸弁と言われていて、その理由が江戸言葉である「べらんめえ」調のような母音の転訛が存在することによります。
埼玉県や神奈川県・多摩地方と同じく西関東方言という分類に属すること、ルーツが江戸弁であると言われていること、同じ北関東の栃木県・茨城県のようにわかりやすいイントネーションの違いや特徴的な言葉が群馬の方言にはないことなどから群馬県の方言はほぼ標準語であると思われがちです。
若い年齢層の県民はあまり群馬県の方言を話さないことなどからも、群馬県にはほぼ方言はないと思われている方も多いです。
しかし、標準語を話していると認識しているのは群馬県民だけで、他県から見るとそうではありません。
群馬県の方言は標準語に近いですが、語尾やイントネーションが明らかに違いますし、独特の言葉や言い回しもあります。
群馬県の方言の特徴を定番から最近人気のかわいい告白フレーズまで細かくご紹介していきますのでぜひご覧ください。
群馬の方言の特徴
群馬の方言にはいくつかの特徴があります。
会話している言葉を聞くだけで群馬県民だとわかるような特徴やイントネーション、フレーズをまとめました。
楽しみながらご覧ください。
強い語尾
群馬県の方言の大きな特徴のひとつが「強い語尾」です。
群馬県の方言のルーツが江戸弁と言われているように、江戸言葉の「べらんめえ」調のような母音の転訛が存在します。
「行く?」のことを「いぐ?」、「帰る」のことを「けぇる」、「行くよ」のことを「いがぁ」、「帰るのですか?
」のことを「けーるんきゃ」などに代表されるように、「ぐ」、「る」、「がぁ」、「きゃ」など強い語尾が特徴です。
他県民に怒っていると勘違いされることも
先ほど記載したように「ぐ」、「る」、「がぁ」、「きゃ」など強い語尾が特徴の群馬県の方言ですが、その特徴ゆえ、他県民に怒っていると勘違いされることも多々あります。
群馬県の方言は、語尾が強くぶっきらぼうに話すため、群馬県民同士が話しているとケンカしていると勘違いされたりします。
実際は怒っているわけでもありませんし、ケンカしているわけでもありませんが、他県の群馬便に慣れていない方からすると、怒っている・ケンカしているような印象を抱くようです。
やや早口気味
群馬県の方言の特徴として、やや早口であるということがあります。
群馬県民は無意識に話すスピードが速いので、語尾が強いことも相まって、余計に怒っているような・ケンカしているような印象を与えてしまいます。
イントネーション
群馬県の方言のイントネーションは標準語と異なります。
北関東の中では標準語に近い方言ではありますが、語尾が強い表現になったり、動詞や形容詞などのイントネーションを強めに発音するのも群馬県の方言の特徴です。
群馬県のイントネーションに慣れていない他県の方が聞くと、怒っているような、またはケンカしているような印象を抱く方も多いです。
実際にはもちろん怒っているわけでもケンカしているわけでもなく、ただの群馬県の方言のイントネーションの問題です。
一方で「~なんさー」や「~ったんに」のように、語尾が少し柔らかめでかわいい表現もあります。
「好きなんさー」や「好きっていったんに」はかわいい告白フレーズとしておすすめの群馬の方言です。
はんそで
「半袖」は、全国共通の言葉で、肩が隠れるくらいの袖がある衣類のことです。
読み方は「はんそで」ですが皆さんはどう発音しますか。
地域によってどこにアクセントを置くか違いがあります。
群馬県では「は(ん)」に強いアクセントを置いて「はん↑そで」と発音します。
標準語では「はん→そで」と平坦なアクセントで発音します。
このように「はん↑そで」という発音をするのは群馬県民だけではなく長野の一部地域や静岡西部でも使われています。
いちご
真っ赤なフルーツの「いちご」は皆さんどのように発音しますか。
標準語だと「い↓ち↑ご↑」のように「ちご」にアクセントを置いて発音します。
群馬県民は「い」にアクセントを置いて「い↑ち↓ご↓」と発音します。
長野県の一部や新潟県でも群馬と同じように最初の「い」にアクセントを置いて発音します。
前橋
群馬県の県庁所在地は「前橋」(まえばし)です。
群馬県民は「まえばし」をどこにもアクセントを付けずに平坦に発音します。
ニュース番組などでは「まえばし」の「え」にアクセントを置いて「まえ↑ばし↓」と発音するのが標準です。
群馬県民が皆平坦に「まえばし」と発音しているのに、テレビなどで他県の方が「え」にアクセントを置いて発音しているのを聞くと、群馬県民はとても違和感を覚えます。
数の数え方が独特
群馬県民の数の数え方は独特です。
1から10までは標準語と変わらない発音なのですが、11からが特徴的で、群馬県民ならではの抑揚があります。
11(じゅういち)は「じゅ~う↓いち↑」と独特の抑揚というか節回しをつけて発音します。
12以降もご説明します。
12「じゅ~う↓に↑」、13「じゅ~う↑さん↓」、14「じゅ~う↓し↑」、15「じゅ~う↑ご↓」、16「じゅ~う↓ろっく↑」、17「じゅ~う↓しっち↑」、18「じゅ~う↓はっち↑」、19「じゅ~う↑く↓」、20「に~↓じゅっ↑」という風に、他県の方には理解しがたい独特の抑揚がついた発音になります。
抑揚の上げ下げが県民なら皆同じなのが驚くところです。
21以降もこの抑揚は続きます。
独特のメロディーに乗せて数を数えるので、群馬県の方言の中でもかわいさが際立つ方言です。
群馬の方言の語尾
群馬県の方言の語尾は特徴的です。
「~なんさ」、「~だに」、「~だんべ」、「~だがね」、「~ったんに」、「~がん」など他県の方もなんとなく馴染みのある語尾から、聞いたこともないような珍しい語尾までたくさんあります。
群馬県の方言の語尾についてまとめましたので、県民の方も他県の方もぜひご覧ください。
~なんさ
群馬県の方言に、語尾に「~なんさ」を付ける言い回しがあります。
群馬県の方言は、語尾の最後に「さ」が付くのが大きな特徴です。
他県の方が抱く群馬弁の印象として、とりあえず最後に「さ」を付ければいいと思っている方も多いです。
最後に「さ」をつける群馬便の中でも特によく使うのがこの「~なんさ」です。
「~なんさ」は標準語で「~です」とか「~だよ」の意味です。
使用例としては、「私、3人兄弟の末っ子なんさ」(私、3人兄弟の末っ子だよ)、「うちの子供今年から小学生なんさ」(うちの子供今年から小学生です)などです。
最後の「さ」を伸ばし気味に「なんさ~」と言うと、さらに群馬弁らしくなります。
~だに
「~だに」は群馬県の主に太田地区で使用されている方言です。
標準語では「~だ」、「~である」などと訳されます。
使用例は「今日の試合は7時からだに」(今日の試合は7時からだ)などです。
主に太田地区で使用されている独特の表現で、群馬県民でもこの表現については使用しない、知らないという方も多いです。
~だんべ
「~だんべ」は群馬を代表する助動詞で、群馬と言えば語尾に「~だんべ」を付けるという印象が強いです。
標準語では「~でしょう」、「~だろう」と訳され、強い断定言葉になります。
例えば、「そうだんべ!」(そうでしょう!)、「○○と言ったんべ!」(○○と言ったでしょ!)などとなります。
「そうだんべ?」のように最後を疑問形にすると「そうでしょ?」という断定が含まれた強めの疑問形になります。
強めで使われる場合が多い「~だんべ」ですが、柔らかく優しく「~だんべ」を使うこともあります。
〜だがね
「~だがね」は標準語で「~だね」の意味です。「そうだがね」(そうだよ、そうだね)などと使います。
栃木県の南西部で使用される足利弁や、愛知県の名古屋弁などでも「だがね」は使用されており、方言ではありますが馴染のある言葉です。
~ったんに
「~ったんに」は「~したのに」、「~だったのに」という意味です。
使用例は、「お菓子買ったんに子供にあげるの忘れた」(お菓子を買ったのに子供にあげるの忘れた)、「スキー場に来たんに雪があまりない」(スキー場に来たのに雪があまりない)などです。
他県の人には、前後の文脈から意味は通じることが多いですが、群馬独特の言い回しとして知られています。
~がん
「~がん」は、群馬県の方言で、文章の終わりに「がん」を付けます。標準語で言うと「~じゃん」や「~だよね」となります。
例えば「宿題やるって言ったがん!」(宿題やるって言ったよね!)、「7時に帰宅するって言ったがん!」(7時に帰宅するって言ったじゃん!)などです。
群馬の定番の方言
群馬には定番の方言がたくさんあります。
「あーね」や「ひっかく」、「かんます」、「さんざ」と聞いて他県の方は理解できるでしょうか。
群馬県民であれば皆すぐにピンときます。
他にも草津(くさつ)のことを「くさづ」と発音したり、ゆで卵のことを「うでたまご」と発音したりします。
群馬ならではの定番の方言についてまとめましたのでぜひご覧ください。
あーね
「あーね」は標準語で「そうなんだ」の意味です。
主に相手との会話の中で相づちとして使い、「あーそうなんだ」、「あーそういうことね」、「あーなるほどね」などの意味合いで使われます。
群馬県民にとっては普通に多用する「あーね」という言葉なのですが、他県の方にとっては「あーね」を多用し過ぎると良いイメージを持たれない方も多いのでご注意ください。
ひっかく
「ひっかく」は標準語で「かく」の意味です。
例えば、「さっきそこの棒でひっかいちゃった」(さっきそこの棒でひっかけてしまった)、「ひっかいて血が出た」(ひっかけてしまって血が出た)などです。
もともと「ひきかく」という言葉が転じたと言われており、爪やとげなど先のとがったもので強くかいてしまうことをさします。
かんます
「かんます」は標準語で「かきまわす」、「かき混ぜる」の意味です。
使い方は「お風呂のお湯をかんます」(お風呂のお湯をかきまわす)、「鍋のカレーをかんましといて」(鍋のカレーをかき混ぜておいて)という感じです。
群馬県だけでなく、福島県や栃木県など広い地域で使われています。
さんざ
「さんざ」は、標準語では「たくさん」や「いっぱい」の意味です。
使い方は「さんざ食べて腹いっぱい」、「さんざ仕事してもう疲れた」といった感じです。
散々(さんざん)が転じて長時間何かをし続けて辟易した状態を指します。
群馬県以外にも長野県や新潟県など広く使われています。
うでたまご
「ゆでたまご」のことを群馬県民は「うでたまご」と言います。
群馬県ではもともと「茹でる(ゆでる)」ことを「うでる」と読むことから、「ゆで卵」のことを「うでたまご」と呼んでいます。
「うでたまご」と言うのは、群馬県だけではなく茨城県や埼玉県でも広く使用されています。
くさづ
「草津」は標準語では「くさつ」と言いますが、群馬県では「くさづ」と言うのが一般的です。
駅名や町の名前や「くさつ」なので正式名称は「くさつ」なのですが、群馬県人は「くさづ」と言いますのでこれも方言のひとつです。
群馬の郷土かるたである群馬文化協会発行の「上毛かるた」の「く」の読み札は「草津よいとこ薬の温泉」ですが、読み方は「くさづよいとこくすりのいでゆ」となり、きちんと方言が使われています。
群馬弁のかわいい告白フレーズとは
群馬弁にはかわいい告白フレーズもたくさんあります。
好きな人に告白する時に効果的な、群馬県ならではの告白フレーズについてまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
群馬の田舎っぽさと素朴な感じが表れている方言で、ピュアな気持ちがより一層伝わるかわいい告白フレーズばかりです。
好きなんさー
「好きなんさー」は群馬弁です。
「好きです」、「好きだよ」という標準語が、群馬弁だと「好きなんさー」になります。
群馬の方言の特徴として語尾に「なんさー」を付けるというのがあります。
標準語と違い、田舎っぽさやピュアで純朴な雰囲気が伝わる、群馬らしい言葉です。
好きな人に、「好きなんさー」と言って、真っすぐに気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
「好きなんさー」という、群馬ならではのかわいい告白フレーズできっと恋が成就するに違いありません。
好きだがね
「好きだがね」も群馬弁です。
「~だがね」は標準語で「~だね」の意味で、「そうだがね」(そうだよ、そうだね)などと使います。
栃木県の南西部で使用される足利弁や、愛知県の名古屋弁などでも「だがね」は使用されています。
より田舎っぽさや純朴な気持ちが真っすぐに伝わる、群馬の方言です。
かわいい告白フレーズとしても効果的です。
告白された相手は「きゅん」としてしまうこと間違いなしですのでぜひ、群馬のかわいい告白フレーズ「好きだがね」を使ってみてください。
好きって言ったんに
「好きっていったんに」も群馬県ならではの方言で、かわいい告白フレーズです。
「~たんに」は「~たのに」と訳しますので、「好きっていったんに」は「好きって言ったのに」という標準語になります。
「ん」と「の」の違いなだけなのに、「好きっていったんに」はとてもかわいらしくなります。
告白の際におすすめしたいかわいいフレーズです。
群馬の方言は言葉に勢いがある
群馬の方言は言葉に勢いがあります。
「~だんべ」、「~ったんに」、「~なんさー」など語尾に勢いがあります。
群馬の中でも地域差がありますし、県民の年齢層によっても方言の使用度は異なります。
ぜひ群馬に行って地元民と会話し、群馬独特の方言を楽しんでみてください。