夏に人気のスイカは、種類によって収穫時期が違います。
家庭菜園だけでなくプランターでも栽培ができるスイカですが、収穫時期の見極めがおいしいスイカ作りのポイントです。
そこでスイカの収穫時期の見極め方を、失敗しない方法や簡単にわかる方法と併せてご紹介しましょう。
暑い夏に食べたい!甘くてみずみずしい【スイカ】
ほど良い甘さと果肉のシャリ感が魅力のスイカは、夏に収穫のピークを迎えるフルーツです。
夏になるとさまざまな種類のスイカがお手頃価格で販売されるようになるので、「スイカの収穫時期=夏」というイメージが強いですが、実際には違います。
たしかに夏に収穫時期を迎えるスイカ品種の方が多いのですが、世界中で栽培されてきた人気フルーツなので、品種改良で誕生した品種も多いです。
そのため品種ごとに異なる収穫時期を見分けるのが、スイカ栽培の難しい点でもあります。
家庭菜園でも失敗しない!スイカの収穫時期を紹介!
栽培レベルとしてはやや高めのスイカですが、栽培のポイントが分かれば家庭菜園でチャレンジすることも可能です。
またスイカには大玉種と小玉種があり、重さが2kg前後の小玉種であればプランターでも栽培することができます。
ただしスイカ栽培初心者にとって最も難しい作業が「収穫時期の見極め」です。
収穫時期を間違えると、せっかく手間暇かけて育てたスイカがおいしくなくなってしまいます。
スーパーで売られているスイカの場合はカットスイカも多いので、断面で判断が可能です。
また糖度表示をしている場合もあるので、見た目や糖度表示からおいしいスイカを見つけることができます。
ところが家庭菜園やプランター栽培の場合は収穫までの作業が順調であっても、収穫時期を間違えると甘みが薄かったり食感が悪かったりする可能性が高いです。
しかもスイカは原則として追熟させて糖度を高めるフルーツではないので、スイカ栽培初心者にとって最もおいしい状態(収穫時期)を見極めることはとても難しい作業といえます。
ただしスイカには収穫時期を見極める初心者向けの方法もあるので、家庭菜園やプランター栽培で初挑戦する場合も正しい収穫時期の見極め方がわかると、失敗せずベストなタイミングで収穫することが可能です。
おいしいスイカの育て方は?
スイカは気温が高い南アフリカが原産のフルーツです。
紀元前数千年前からスイカの栽培が始まったといわれ、貿易やシルクロードを介して世界中で栽培されるようになります。
今では「スイカ=フルーツ」のイメージが定着していますが、古代のスイカはどちらかというと野菜としての要素が強かったです。
そんなスイカですが地中海周辺で栽培されるようになった頃から、スイカをフルーツとして食すのが定番になりました。
なお日本にスイカが移入された時期には諸説あるため、正しい時期などはよくわかっていません。
そんなスイカは現在、日本全国で栽培されています。
スイカといえば大玉種が多いですが、日本でも積極的に品種改良が行われた結果、コンパクトな小玉種も今では人気があります。
小型種スイカは大玉種スイカのミニ版に見えることから、「大玉種の成長途中で収穫したスイカ=小玉種スイカ」というイメージも強いです。
ただしこれは間違ったイメージです。
あくまでも小玉種スイカは品種改良によって作られたハイブリッドスイカなので、完熟した状態でも大玉種の半分程度の大きさにしか育ちません。
スイカは種から栽培するのが一般的で、種苗店で種を購入し、ポットで種まきします。
家庭菜園のように広いスペースだと直接種をまいた方が効率が良いイメージがありますが、スイカは25℃~30℃で発芽するため、温度管理のためにもポットに種を植えるのが定番です。
家庭菜園に定植は、本葉が4枚~5枚生えた頃を目安にします。
家庭菜園に移した後も温度管理が必要なので、マルチシートで保温しながら育てていきましょう。
ツルが伸び始めたら、整枝・追肥・着果などの作業を進めながら収穫時期になるまで栽培します。
なお自然に着果することもありますが、家庭菜園で確実に着果させるためには人工授粉を行うのがおすすめです。
スイカはプランターでも育てられる?
ツルを伸ばしながら成長していくスイカなので、本来であれば広いスペースがある家庭菜園で栽培するのが一般的です。
そんなスイカですが、ちょっとしたポイントを押さえておけばプランターでも栽培ができます。
なおスイカをプランターで育てる際には、「小玉種スイカを選ぶ」と「立体栽培にする」がポイントです。
大玉スイカと小玉スイカで収穫時期は違う?
市場に流通するスイカは、主に「大玉種」「小玉種」の2種類に分かれます。
大玉種にもさまざまな品種がありますが、収穫時期を迎えた大玉種の平均重量は5kg~7kgで、手に持ったときにずっしりとした重みを感じるのが特徴です。
小玉種の場合は、収穫時期を迎えたものでも平均重量が2kgですから、大玉種の約半分のサイズになります。
このように大きさだけでも違いがある2種類のスイカですが、収穫時期にも違いがあります。
大玉種・小玉種ともに夏を代表するフルーツですが、収穫時期が早いのは小玉種です。
大玉種から品種改良されたのが小玉種ですが、ほとんどが早生種と呼ばれています。
ですから小玉種の収穫時期は、大玉種の収穫時期よりも平均して2週間ほど早いのが一般的です。
ちなみに小玉種の収穫時期は大玉種の収穫時期よりも早いですが、甘みや果肉のシャリ感はほぼ大玉種と同じなので、どちらのタイプを選んでもおいしいスイカが作れます。
スイカの収穫時期の見分け方!
栽培レベルがやや高めのスイカは、収穫時期の見分け方が難しいことも栽培レベルが高い理由に挙げられます。
スイカ農家でも見た目だけで収穫時期を判断するのは難しいので、スイカ栽培初心者にとってはかなりハードルが高い作業です。
収穫時期の目安は種が入れられている袋の「栽培カレンダー」に書かれていますが、栽培環境や天気によって収穫時期がずれることもあります。
ちなみに開花のタイミングから収穫時期を予測することも可能です。
大玉種の収穫時期と小玉種の収穫時期は、開花時期から計算する場合も異なります。
大玉種の場合は概ね45日~50日後に収穫時期を迎えますが、小玉種は概ね35日~40日が収穫時期の目安です。
このように栽培するスイカのタイプによって収穫時期を予測することは可能ですが、最もおいしい状態のスイカを収穫するには、スイカの状態から収穫時期を判断する必要があります。
【スイカの収穫時期】巻きひげの色で見分ける!
見た目だけで収穫時期を見極める場合は、スイカ(果実)がついている巻きひげ(ツルの部分)の色で判断する方法があります。
スイカは収穫後に追熟させるフルーツではないので、巻きひげがついた状態で最大まで熟成させます。
そんなスイカは熟成が進み収穫時期になると、巻きひげの色が茶色く変色するのが特徴です。
場合によっては枯れたように見えるため、変色が始まった時点ですぐに収穫してしまうことがありますが、これはNG例です。
巻きひげに青い部分が残っている間はまだ熟成ができるので、このタイミングを収穫時期と判断してしまうと甘みがぼやけてしまい、おいしさが半減してしまいます。
ですから巻きひげの色で収穫時期を判断するのであれば、変色だけでなく枯れた状態になるまで待つのが正しい収穫時期の見極め方です。
【スイカの収穫時期】スイカを叩くことで見分ける!
見た目だけで収穫時期を判断するのはプロでも難しいのですから、スイカ栽培初心者であればなおさらです。
プロが収穫時期を見た目だけで判断できるのは、栽培品種の特徴や開花のタイミングである程度の収穫時期を予測していることが関係します。
もちろん栽培経験も正しい収穫時期を見極める重要なポイントですから、スイカ栽培初心者が同じ流れで収穫時期を正確に見極めるのは無謀ともいえるでしょう。
そんな時におすすめの方法が「叩く」です。
スイカは叩くと成長の状態によって音が変わります。
ベストなタイミングのスイカを叩くとぼんぼんという音がします。
手に感じる振動も強く感じるので、軽く叩くだけでも澄んだ音になるのが特徴です。
スイカのおへそでも収穫時期が見分けられる!
スイカは巻きひげがある側を上としたら、その対極にある側を「おへそ」といいます。
おへそは中身が熟すと大きくなるのが特徴なので、こまめにおへそをチェックすることで収穫時期を見分けることも可能です。
収穫時期を間違えたスイカは食べられる?
ベストなタイミングで収穫したスイカは、シャリ感もよく糖度も高いのが特徴です。
ただし収穫時期を見た目だけで判断するのが難しいので、「早く収穫してしまった」「収穫時期のピークを過ぎてしまった」という失敗はよくあります。
ピークを過ぎたスイカは空洞ができてしまうため、食感が悪くなることが多いです。
ただし食べることは可能なので、スイカジュースやスイカゼリーなど調理して食べるとおいしくなります。
問題なのは「早く収穫してしまった」というケースです。
スイカは追熟ができませんから、収穫してしまうと熟成がストップします。
もちろん味や食感も変わるので、早めに収穫する失敗だけは避けるようにしましょう。
スイカの収穫時期を見極めておいしく食べよう!
スイカの収穫時期を見分ける方法といえば「叩く」が定番ですが、家庭菜園やプランター栽培であれば叩く以外の方法でも収穫時期を確かめることが可能です。
ただし収穫時期は大玉種・小玉種で違いますし、品種によってもタイミングが変わるので、栽培カレンダーで収穫時期の確認しながら行いましょう。