外食チェーンで有名なイタリアンレストラン「サイゼリヤ」が全席禁煙を3年前秋頃から検討し始め、2019年6月全国のサイゼリヤ店舗が禁煙となりました。
ちょっと一服という喫煙者には残念ですが、子供連れのお客様は増えています。
喫煙室のあるサイゼリヤはあるのでしょうか。
サイゼリヤが全席禁煙対応になったと話題!
イタリアンレストランとして全国的に有名なサイゼリヤ(英語表記はSaizeriya)はファミリーレストランとして、現在はガストと並ぶ売り上げで、美味しさや価格に定評のあるチェーン店です。
本社は埼玉県吉川市です。
現在の会長正垣康彦氏が試行錯誤の上、「これからは低価格のイタリアンがヒットする」とイタリア料理専門レストランのメニューすべてを7割引きにし、一躍サイゼリヤは行列のできるレストランとなりました。
1973年に「レストランサイゼリヤ」として千葉県を中心に店舗を展開し続けました。
2013年(平成25年)秋にはファミリーレストランとして、国内1000店舗達成し、サイゼリヤはイタリアンファミリーレストランとして大人気の店舗となりました。
しかし2017年頃からサイゼリヤはレストラン全店舗の禁煙を計画し始めました。
厚生労働省では、2020年夏の東京オリンピック及びパラリンピックを考慮し、受動喫煙対策の強化検討を2017年11月から進めていました。
そこで国内の建物内での禁煙を、外食産業でも大手のサイゼリヤがいち早く決断しました。
最終的に2019年9月までに、サイゼリヤは全店舗禁煙の予定でした。
しかし、もっと早い方が良いとのこととなり、前倒しして3ヶ月前の6月にサイゼリヤは全店舗禁煙化に成功しました。
サイゼリヤと言えば美味しいワインに、ちょっと一服という喫煙家の愛しいレストランでした。
しかし、サイゼリヤが全面禁煙なら「禁煙サイゼリヤにもう寄る意味がない」と喫煙家の足は遠ざかっています。
当初、サイゼリヤ全店舗禁煙で、サイゼリヤ愛好家の客足が減る心配がありました。
しかし「きれいな環境で食事ができる」と今度は子供連れでのお客様の人気が高まっています。
サイゼリヤの全店舗で全席禁煙対応
サイゼリヤは国内のファミリーレストランでも、最も先手を打って禁煙化し、厚労省の「受動喫煙規制法案」の方針を実現したレストランです。
そこで、サイゼリヤで喫煙し、夕食を楽しんでいた人々は顔面蒼白になりました。
以前のサイゼリヤには、喫煙家のために「分煙室」を一応設けていました。
しかし、その部屋からも紙巻きタバコの煙が漏れてくることで、気管支が弱い人、喘息の持病がある人、また妊婦さんや幼児などが本当に困り「食事がまずい」というクレームも寄せられていました。
煙草好きの人には、自分で吸っている煙草の臭いは一切分からないものです。
むしろ紙巻きタバコなどの味わいを楽しむわけです。
そこで、愛煙家の人々は、禁煙されることなく、ゆったりと食事する場を提供していたサイゼリヤには失望し、「さらばサイゼリヤ」と嘆きました。
嫌煙家の人々は、サイゼリヤの英断に歓喜し、愛煙家の人々のサイゼリヤでの喫煙をここぞとばかりに非難する声も上がりました。
「何も外食レストランにまで来て喫煙する必要はないだろう」との厳しい意見でツイッターは溢れ返ったのです。
加熱式タバコや紙巻きタバコは?
加熱式タバコとは、煙草自身を燃焼させずに加熱させるタイプの煙草です。
煙草葉を加熱することにより、エアロゾルといった成分を生成します。
エアロゾルには煙草特有のニコチンが入っています。
加熱式タバコは、通常の煙草に似せて製造したものです。
そこで、加熱式タバコを喫煙することは、通常の喫煙行動と同様に見なされます。
また、紙巻きタバコは従来の燃焼型煙草です。
細かく刻んだ煙草葉を紙で包んだもので、通常吸い口としてフィルターが巻かれています。
こちらはまさに従来の煙草そのもので、ライターがあれば、即喫煙となります。
全国店舗禁煙となったサイゼリヤの「禁煙」との言葉には、文字通り「煙草は吸わないで下さい。
禁煙です」ということです。
そこで、従来の紙巻きタバコや加熱式タバコをサイゼリヤ店内でふかすことは、喫煙行動となるため、禁煙を促されるでしょう。
全席禁煙になったサイゼリヤには喫煙室がある店舗も?
2017年11月27日、NHKが報じた「サイゼリヤ全席禁煙」のニュースでは、必ずしも「全部が全部禁煙」といった含みはありませんでした。
2018年2月以降、サイゼリヤが新店舗を展開する場合には、店内に喫煙スペースを設けながら、順次改装していくという報道でした。
そこで喫煙家が一息ついたのも束の間でした。
「原則禁煙はなし」との報道は、禁煙を求める世相の厳しい意見を受け、「レストランは全面的に禁煙にすべきだ」という流れとなりました。
そして2019年6月、サイゼリヤは全国どの店舗でも全席禁煙との方針を決定しました。
飲食産業では、厚労省の指針通り、「受動喫煙」の害に最も気を配ります。
煙草の臭いが分からない喫煙者よりも、煙草が臭い、嫌だと感じる人々の受動喫煙には、肺がんや脳卒中のリスクが高まります。
煙草を吸う人の主流煙よりも、吐き出される副流煙の方が吸わない人の体に毒なのです。
WHOの調査では、日本ではこれまで「屋内全面禁煙義務」の法律がありませんでした。
そのため、禁煙箇所の少なさでは、世界最低のレベルでした。
日本は「禁煙後進国」だったのです。
サイゼリヤの公式ホームページでは、現在「一部店舗のみ喫煙室があります」と書かれていますが、愛煙家の人々には残念ながら、喫煙室があるサイゼリヤはもはや存在しません。
飲食チェーン店では、未成年のスタッフも受動喫煙にさらされます。
そのため、サイゼリヤに見習い、禁煙が当然となっていくファミリーレストランが増加しています。
サイゼリヤの「一部店舗のみ喫煙室」との言葉は、「禁煙」という言葉に伴う厳しさを和らげ、これまでサイゼリヤを愛してお食事に来た愛煙家のお客様への感謝の気持ちの表明でしょう。
サイゼリヤで全席禁煙の快適な空間を!
喫煙者自身には煙草のきつい臭いや、アレルギーがある人の苦しみは分からないものです。
人々が楽しく美味しく食事をしたい場では、本来喫煙はすべきではなかったでしょう。
これからは、禁煙者が嫌な煙草の臭いのないサイゼリヤでお子さんと家族連れのお食事が楽しめるでしょう。