カレーリーフというカレーを作る上で欠かせないハーブをご存知でしょうか?本場南インドやスリランカでは日常的に使われているハーブで、日本でも本格的なカレーを作るなら是非とも取り入れたいハーブです。今回はカレーリーフというハーブの魅力や使い方について紹介します。
「カレーリーフ」は入手するのが難しい幻のスパイス
今回は少し珍しいハーブ「カレーリーフ」について紹介していきます。カレーリーフというハーブの名前を聞いたことがあるでしょうか?カレーリーフは、カレーによく使われているハーブの一種で日本ではなかなか手に入らない幻のハーブとも呼ばれています。
カレーリーフの本場ではカレーに使用したり、現地料理の風味づけとして生のカレーリーフの葉がよく利用されていたりします。日本では、インド料理やスリランカ料理のお店へ行くとカレーリーフを使用した料理が食べられます。
本記事ではそんな珍しいハーブ、カレーリーフについて使い方や代用品といわれているローリエとの違い、どのようなハーブなのかなどカレーリーフの魅力に迫っていきます。
カレーリーフはどんなハーブ?
それでは早速、カレーリーフとはどのようなハーブなのかについて見ていきましょう。カレーリーフは現地の伝統的かつ医学的で薬としても使われるほど、健康に良く有能なハーブとして親しまれています。
カレーリーフは自然の薬と呼ばれるほどさまざまな効能があるといわれています。一般的に消化促進や消化を整えたり、胃腸の働きをサポートする効能があるといわれており胃腸が弱りやすい夏にもおすすめのハーブです。
それでは幻のハーブ、カレーリーフを解説していきましょう。
南インドやスリランカで必須のスパイス
カレーリーフはスリランカやインドが原産のハーブです。一般的には「オオバゲッキツ」または「ナンヨウザンショウ」と呼ばれており、別名を「カレーノキ」ともいいます。ナンヨウザンショウという名前から山椒の仲間かと考えがちですが、実はミカン科の植物なのです。
カレーリーフとはこのオオバゲッキツの葉の部分を指します。枝葉がよく繁るため、現地では生垣としても利用されているほどポピュラーな木です。
スリランカや南インドでは料理の風味づけに日常的に使われているハーブの一種として親しまれています。昨今カレーリーフは日本でも注目を集めていますが、まだまだ日本では入手しにくいことからも、生葉カレーリーフは幻のスパイスともいわれています。
さまざまな効能があるといわれているカレーリーフですが、妊婦さんは摂取するのは控えるようにしましょう。カレーリーフは過剰に摂取すると副作用を起こしてしまう危険性もあるため、妊婦さんの過剰摂取は控えるようにと注意喚起がされています。
柑橘類の香りとスパイシーな風味
ミカン科に属している植物というだけあり、カレーリーフは柑橘系の香りと、カレーの香りを足したような香りが特長です。南インドやスリランカでは料理の風味付け・香り付けに使用されています。
カレーの香りといいますが、実際にカレーの香りの正体がじつはカレーリーフの香りだといわれています。葉をかじってみると独特なカレーの香りが漂います。カレーリーフはドライカレーやスープカレーにも利用されています。
主に生の葉を使う
カレーリーフは主に葉の部分を料理に使用します。カレーリーフは生葉だと香りが強いのですが乾燥させると香りが弱くなってしまうため、現地では通常生葉のまま使用しています。日本では生のカレーリーフは入手しにくいので乾燥したカレーリーフの葉が一般的です。
乾燥させると香りが弱くなるので、使うならば生葉の方がおすすめです。スリランカや南インドでは、カレーリーフを他のスパイスやハーブ類と油で炒めて香りを楽しんだり、南インドの家庭料理「ラッサム」や「サンバール」といったスープ料理の味付けにも使用されていたりします。
少しちぎっただけでもいい香りのするカレーリーフは、葉っぱ以外の箇所もさまざまなものに活用されています。カレーリーフの花は香油に使用され、葉や樹皮、根っこには強壮作用があるといわれており活用がされています。
カレーリーフとローリエとの違いは?
カレーリーフと見た目がそっくりなホールスパイスがローリエです。ローリエはスーパーでも販売されており、手に入りやすく馴染みの深い人も多いのではないでしょうか?カレーや洋風の煮物を作る時に必須となるローリエとカレーリーフの違いはなんなのでしょうか。
カレーリーフはスリランカが原産ですが、ローリエの原産国は主にトルコです。ローリエは主にシチューやポトフなど洋風の煮込み料理に使用します。肉の臭み消しや煮込み料理の出汁として使われることが多いです。
一方カレーリーフは、葉自体がカレーの香りの素となっているためポトフなどには向きません。カレーリーフはあくまでも、南インドやスリランカ料理との相性がいいハーブになります。
カレーリーフの代用でローリエが使われることが多い
先ほども述べましたが、カレーリーフはまだまだ日本では馴染みの薄いハーブです。そこで代用品として登場するのが、カレーなど煮込み料理には欠かせない「ローリエ」です。なぜローリエが代用品として使われているのでしょうか。
カレーを作る時にローリエを入れている人も多いですが、ローリエにはカレーリーフと同じような効果があるといわれています。ローリエを入れると香りが良くなり、消化の促進や食欲増進効果があるといわれており、カレーリーフの代用品として使用されています。
よくカレーを作る時にローリエを入れたまま煮込む方もいらっしゃいますがこれは間違いです。ローリエは長時間煮込むと苦みが出てしまうので適度なタイミングであげるようにしましょう。
ローリエの使い方は煮込む前に水と同じタイミングで入れます。カレーリーフの入手が困難なことからも、なかなか手に入らない場合はローリエで代用することもおすすめです。
ローリエは乾燥したものを使った方が良い
スーパーなどで販売されているローリエは乾燥されているものが多いですが、これにはきちんと理由があります。ローリエは乾燥した葉の方が香りが強くて甘い香りがするためです。
スカルプエッセンスなどで使う場合の使い方は生の葉を使いますが、生の葉は苦味が強く香りも乾燥タイプと比較すると弱いので、あまりおすすめできません。
カレーリーフのおすすめの使い方
最後は今まで勉強してきたカレーリーフのおすすめの使い方をご紹介します。カレーリーフは幻といわれていることから手に入りにくい印象はありますが、ネットショップを使うと乾燥タイプなどは比較的手に入りやすいです。
またネットショップを利用すればカレーリーフの苗木を手に入れることも可能です。家庭菜園の1つとしてカレーリーフを自身で育ててみるのもおすすめです。
カレーリーフを家庭菜園で栽培する時に注意するべきことが1つあります。カレーリーフは黒くて小さな実がなりますが、実は毒があることです。自分で育てるときは、ペットや子どもが誤って食べてしまわないように注意しましょう。
今回はカレーリーフのおすすめの使い方を3種類ご紹介します。比較的取り入れやすい使い方ばかりなので、是非一度チャレンジしてみてください。
定番のカレーに
カレーリーフおすすめの使い方はやはり、定番のカレーに入れる使い方です。カレーリーフはインドでも特に南インド料理でカレーに使うのが一般的な使い方です。
乾燥したカレーリーフの葉は香りがかなり少なくなっています。料理に使うのが乾燥タイプのカレーリーフの場合は、カレーリーフの量を多めに使うのが使い方のポイントです。
また、カレーリーフには消化促進の作用もあることから、お粥に入れる使い方もあります。お粥に粉末状にしたカレーリーフをかけるだけとお手軽なので試してみてください。
テンパリングして料理の風味付けに
カレーリーフのおすすめの使い方としてテンパリングする使い方もおすすめです。テンパリングとはスパイス類を油で炒めることで、その香りを油に移すことをいいます。よく料理に利用されているおすすめの使い方です。油に入れることでカレーリーフのいい香りが立ち込めます。
スパイスが持っている香り成分は油に溶けだすという性質を持っており、油にスパイスの香りを溶かすことで料理全体にスパイスの香りを付けることができます。またテンパリングをすることで、料理中も香りが飛びにくくなります。
フライパンに油を熱しホール状のスパイスを入れて香りを出したものを、別の料理の仕上げに使う方法がよく利用されますがその時にカレーリーフも多く使われています。テンパリングを行うときは、複数のスパイスを入れると焦げやすいものもあるので、焦げないように注意しましょう。
ハーブティーに
カレーリーフをハーブティーとして使うのもおすすめの使い方です。カレーリーフは先述したようにミカン科の植物のため柑橘系の香りがします。そこに加わったスパイシーな香りをハーブティーで楽しむのも美味しい使い方です。
カレーリーフには抗酸化作用や血液を浄化する作用があるともいわれており、高血圧や心臓病の治療にも使われています。薬としても高い効果があるといわれているので、ハーブティーとして飲むことで健康的にもかなりおすすめの使い方といえます。
カレーリーフのハーブティーの作り方はとても簡単です。ティーポットの中に葉を数枚入れたらお湯を入れてしばらく蒸らすだけです。柑橘の爽やかな香りとスパイシーな香りで夏にもおすすめなハーブティーが出来上がります。
カレーリーフはつわりにも効果があるといわれていますが、先ほども触れたように妊婦さんの過剰摂取はよくありません。妊婦さんが使用する場合は控えめに使用しましょう。
カレーリーフで本場の味に!
まだまだ日本では馴染みの薄いハーブ、カレーリーフの魅力や使い方、効能について情報をまとめました。南インドやスリランカでは日常的に使われている使いやすいハーブです。
おうちで過ごす時間が増えている昨今、ぜひカレーリーフの葉を手に入れて本格的な本場のカレーや本場の料理を作ってみてはいかがでしょうか。カレーに使うなら生の葉の方が香りがよくておすすめです。