栄養価が高く、調理しやすいにんじん。調理するときに気になるのが、皮はむいたほうがいいのか、それともそのままでも大丈夫なのかということ。そこで今回は、にんじんの皮をむく・むかないのそれぞれのメリットとデメリット、にんじんの皮を使ったアレンジレシピを紹介します。
にんじんの皮はむくべきか?調査
「野菜や果物の皮は栄養価が高い」や「野菜や果物の皮はむかないほうがいい」という話はよく聞きますが、本当のところはどうなのでしょうか。調べてみると、特ににんじんは「むく派」と「むかない派」に分かれているようです。
そこで本記事では、にんじんの皮はむくべきなのか、それとも、皮をむかないほうがいいのかについて紹介します。
にんじんの皮をむくメリット
にんじんの皮をむくメリットは以下のようなことが挙げられます。
- 食べやすい
- 味が染みやすくなる
食べやすい
にんじんの皮をむく大きなメリットは、食べやすいということ。にんじんは出荷される前によく洗われるので、その工程でほとんどの皮はなくなってしまうと言います。しかし、実際にそのまま食べると皮感が残っていて、繊維質や口当たりの悪さを感じることがあります。
また、にんじん特有の香りや土臭さも強く感じるので、にんじんが苦手な場合は皮をむいたほうが食べやすくなるでしょう。
味が染みやすくなる
にんじんは皮をむくと味が染み込みやすくなります。煮物やスープにするために乱切りや拍子切りなどにする場合は、皮をむいてから調理したほうが味が染みやすくなるのでおすすめです。
にんじんの上手なむき方は?
にんじんは包丁やピーラーを使って皮をむくことができます。ただ、にんじんは硬く、包丁を使うと厚くむけてしまうのでピーラーを使うことをおすすめします。ピーラーで皮をむくときは縦に持ち、上から下に向かってむきます。
にんじんの半分あたりから下に向かってむき、上下を返して残りの半分をむくようにすると、不慣れでも簡単にできます。また、にんじんが細い場合や持ちにくい場合は、まな板に寝かせて横にスライドさせるようにむくと安全です。
にんじんの皮をむかないメリット
にんじんの皮むかない派の人は意外と多くいます。皮をむかないと農薬が残っているのでは?と思うかもしれませんが、出荷時に残留農薬などはきちんと検査されています。家庭菜園などのものでも、調理する前に洗えば農薬を落とすことができるので過度に心配しなくても平気でしょう。
にんじんの皮をむかずに食べるメリットは以下のようなことが挙げられます。
- 皮をむかないほうが栄養価が高い
- 捨てる部分が減ってエコ
- 皮をむく手間が省けるので時短になる
皮をむかないほうが栄養価が高い
にんじんの皮部分には、内部に比べて多くの栄養素があります。これは多くの野菜にも共通することですが、皮部分は直接日光に当たるため、光合成によってできた栄養素や紫外線から守るための抗酸化作用などが多く含まれているのです。
皮付きの方が食物繊維やβ-カロテン(ビタミンA)が豊富に含まれるため、効率よく栄養を摂りたい場合は皮付きで食べるようにしましょう。
捨てる部分が減ってエコ
にんじんの皮をむいてしまうと、その分捨てる部分が増え食べられるところが減ってしまい、エコではありません。その分、皮をむかずに食べればエコですし、栄養も摂れます。皮をむいて食べる場合でも、皮部分だけ違う調理法で食べるようにするといいでしょう。
皮をむく手間が省けるので時短になる
皮をむかないメリットとしては、時短になることも挙げられます。洗ったらそのまま切って調理するだけなので手間がかかりません。
むかない場合の注意点
にんじんは皮をむかなくても食べられますが、皮付きのまま調理するとにんじんの色味がくすむことがあります。ただ、家庭で食べる分にはそこまで気にならないでしょう。
また、皮付きのまま食べる場合はよく洗ってから食べるようにしましょう。出荷される時点で土や農薬などはほとんど落ちていますが、衛生面を考えてしっかりと洗い、傷んでいないかなどを確認しましょう。
にんじんの皮を使ったおすすめレシピ5選
ここからは皮付きのにんじんや、にんじんの皮を使った簡単なレシピを紹介します。繊維質の多い皮部分ですが、細かく切ったりしっかり火を通せば食べやすくなります。
にんじんのきんぴら
今回はにんじんだけのきんぴらを紹介します。にんじんだけでも十分美味しいですし、ごぼうやレンコン、いんげんなど好きな具材をプラスして楽しみましょう。
- 【材料】
-
- 皮付きにんじん…1本(皮のみの場合は3~4本分)
- ごま油…大さじ1
- 醤油…小さじ2
- みりん…小さじ2
- 【作り方】
-
- にんじんをよく洗い、千切りにする
- フライパンにごま油をひいて熱し、にんじんを入れて炒める
- 全体に火が通ったら醤油とみりんを加えて、汁気がなくなるまで炒めて完成
にんじんのたらこ炒め
ぷちぷちしたたらこの食感とごま油の香ばしさ、そしてにんじんのシャキッと感が食欲をそそる超簡単な炒め物。あっという間に出来上がるので、お弁当にもおすすめです。
- 【材料】
-
- 皮付きにんじん…1本
- たらこ…1腹
- ごま油…大さじ2
- 料理酒…小さじ1
- みりん…小さじ1
- 醤油…適量
- 【作り方】
-
- にんじんをよく洗い、千切りにする
- たらこは皮に切れ込みを入れて、中を出しておく
- フライパンにごま油をひいて熱し、にんじんを入れて炒める
- 全体に火が通ったらたらこと酒、みりんを加えて、塩気が足りない場合は醤油を加える
- 汁気がなくなるまで炒めて完成
にんじんの皮の浅漬け
にんじんの皮の食感を活かして、浅漬けにするのもおすすめ。きゅうり、大根、キャベツなどと一緒にポリ袋に入れて浅漬けの素を入れれば完成です。
- 【材料】
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- にんじんの皮…好きなだけ
- きゅうりやキャベツなど好みの野菜…好きなだけ
- 浅漬けの素…適量
- 【作り方】
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- にんじんの皮と他の野菜を食べやすい大きさに切る
- ジッパー付き保存袋に1を入れて、浅漬けの素を適量入れる
- 冷蔵庫で保存して半日程度経ったら完成
にんじんの皮のかき揚げ
にんじんの皮は天ぷらにすると風味がよく食べやすくなります。もちろん皮付きのにんじんでもOKです。人参の栄養素は油との相性がよく、油で揚げることで風味も引き立ちます。家でにんじんを収穫したときなどはにんじんの葉も一緒に天ぷらにすると食べやすく、無駄がありません。
- 【材料】
-
- にんじんの皮…好きなだけ
- 薄力粉…大さじ1~2程度
- 揚げ油
- 【作り方】
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- にんじんの皮を食べやすい長さに切る
- ポリ袋に薄力粉とにんじんの皮を入れて、全体に粉をまぶす
- 揚げ油を温め、いくつかのまとまりになるように揚げて完成
皮付きにんじんのグラッセ
ハンバーグやステーキなどの付け合わせにぴったりな、にんじんのグラッセ。彩りもいいのでお弁当のすきま埋めにもぴったりです。電子レンジで作るので、時短にもなります。
- 【材料】
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- 皮付きにんじん…1本
- 水…大さじ3
- バター…10g
- 塩…ひとつまみ
- 砂糖…お好みで(入れる場合は小さじ1程度)
- 【作り方】
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- にんじんをよく洗い、小さめの乱切りにする
- 耐熱ボウルにすべての材料を入れて、ふんわりとラップをして600W3分程度加熱する
- にんじんが柔らかくなったら完成
にんじんの皮はむくべきか?調査結果まとめ
にんじんは皮をむいても、むかなくてもそれぞれメリットがあるため、メニューや好みで使い分ければいいでしょう。皮をむいて食べるときは、むいた皮も別の料理に活用してみましょう。