【接点復活剤】がないときの代用品をご紹介！シリコンスプレーや鉛筆も使える？

家のスイッチ、ゲーム機、スマホの充電器、パソコンのコネクタなど、身の回りにはたくさんの電装系部品や電子機器があります。

そんな電子機器には通電のために必要な「金属接点」と呼ばれるものがあるのですが、金属接点に汚れやサビがつくとうまく可動しなくなり、接触不良を起こしやすくなります。そんな時に金属接点専用の洗浄アイテムとしてよく知られているのが「接点復活剤」です。

毎日使う電化製品も時代とともにどんどん進歩し、高性能・高品質なだけでなく小型化も進んでいます。最も分かりやすいのが「スマホ（携帯電話）」でしょう。

部品の1つひとつが小型化されていくことによって、スマホ本体の大きさもどんどんコンパクトになっています。パソコンも同じで、昔は巨大なデスクトップ型パソコンしかありませんでした。

それが今ではカバンで持ち運びができるほどコンパクトなノート型パソコンも、技術の進歩によってリーズナブルな価格で買えます。

このように暮らしの中にはたくさんの電子機器がありますが、いずれの商品も金属接点に汚れやサビができるとうまく通電できなくなり、接触不良を起こします。

完全に壊れてしまった場合や部品の寿命による接触不良であれば専門店で修理をするしかありません。ただし汚れやサビが原因で起こる接触不良は、接点復活剤を使うことで機能を回復させることができます。

「接点復活剤」という呼び方だといまいちイメージがしにくいのですが、端的に説明すると「電子部品専用の汚れ落とし洗剤」です。

そのため定期的にメンテナンスを行う場合は接点復活剤を常備していることが多いのですが、一般家庭で接点復活剤を常備しているケースはそれほど多くありません。

できれば定期的にセルフメンテナンスを行った方が本体の寿命も長くなるのですが、わざわざ専門性の高い接点復活剤を購入しなくても、身近にあるアイテムを使って代用することができます。

もともと金属の汚れ落としを目的としているのが接点復活剤ですから、金属に使えるアイテムであれば代用品になるともいえます。代用品の中にもいろいろなアイテムがありますが、まったく違う目的で使われるアイテムが代用品として使えることも多いです。

ただし代用品を使用する際は、代用アイテムの主原料や特徴をチェックし、使用に問題がないかを確認することが、安全に使うためのポイントになります。

接点復活剤の代用品としてよく知られているのが「コンタクトスプレー」です。使用できる対象には精密機器の接点も含まれるので、接点復活剤代用アイテムとして人気があります。

車やバイクのメンテナンスやカスタマイズをセルフで行う際の必須アイテムなので、わざわざ接点復活材を買わずにコンタクトスプレーで済ませることも多いです。

「接点機能の回復」という点では接点復活剤と変わらない効果がありますし、樹脂やプラスチックにも使えるのがコンタクトスプレーなので、「幅広い用途で使える」という点では接点復活剤よりもお得といえます。

ちなみに接点復活剤の用途に車やバイクの電装系は含まれていませんが、コンタクトスプレーは主に車やバイクのメンテナンスアイテムとして発売されているので、用途にもはっきりと明記されているのが違いです。

ですからコンタクトスプレーは接点復活材の代用品としておすすめですが、接点復活材をコンタクトスプレーの代用品として使用する場合は、「使用対象物によって代用できないことがある」という点を覚えておきましょう。

呉工業のクレ5-56も、接点復活剤の代用品としておすすめのアイテムです。クレ5-56の特徴はなんといってもあらゆる金属・電気系統に使用できる点でしょう。

そのため家電製品や精密機械はもちろん、車、バイク、自転車、計器類、スポーツ用品など、さまざまな対象物の接点復活剤代用アイテムとして使える点がおすすめです。

クレ5-56の成分は鉱物油・石油系溶剤・防さび剤なので、汚れ落としを目的とした接点復活剤の代用品であるだけでなく、防さび剤の代用品としても効果を発揮します。

さらにクレ5-56は潤滑効果が高いので、「汚れを落として接点機能を回復させる」と「可動部の動きを滑らかにして接点機能を回復させる」の2つを同時に発揮するのがクレ5-56の魅力です。

クレ5-56は容量はバリエーションも豊富ですし、屋内や車内などの接点復活剤代用アイテムに便利な無香性タイプもあります。無香性タイプはプラスチックや樹脂にも使用できるので、使いやすい接点復活剤の代用品として選ぶならクレ5-56無香性タイプもおすすめです。

接点部分の汚れを落として症状を改善させるのであれば、接点復活剤の代用品として無水エタノールを使うのもおすすめです。無水エタノールはエタノール（エチルアルコール）の1種ですが、一般的なエタノールと比べるとエタノールの純度が高い点が特徴に挙げられます。

一般的なエタノールの場合、精製時の成分のうち93％がエタノールで、残りの7％は水分です。これに対して無水エタノールは特殊な化学処理によってエタノールの純度を99.5％以上まで高めています。つまり「無水エタノール＝高純度なエタノール」というわけです。

汚れ落としアイテムとして接点復活剤を使用する部分の素材は主に金属ですから、精製の段階で水分が7％も含まれている一般的なエタノールを代用品に使うとサビの原因になります。

その点無水エタノールは純度99.5％以上のエタノールですから、含まれる水分量は限りなくゼロに近いです。しかも気化しやすい特徴もあるので、使い方によっては接点復活剤よりも使いやすい場合があります。

なお無水エタノールは接点復活剤の代用以外にも、家中の殺菌・除菌や油脂汚れ専用洗剤の代用品としても使える点がおすすめです。ですから接点復活剤の使用頻度がそれほど多くないのであれば、無水エタノールを接点復活剤の代用品にした方がお得ともいえます。

セルフネイルを楽しむ人なら必ず持っている除光液も、接点復活剤代用アイテムとして使うことができます。除光液はメーカーによってさまざまな商品が販売されているので、含まれる成分もメーカーや商品によって違うのが特徴の1つです。

ただし共通する使用目的が「マニキュアを落とす」なので、ほとんどの商品の主成分には有機溶剤・アセトンが使われています。アセトンは除光液の蓋を開けたときに感じる独特なにおいのもととなる成分で、油脂も拭くだけで落とすことができるほど強力です。

しかもアセトンは気化しやすいという特徴も持っています。そのため除光液の成分には水も含まれるのですが、大半がアセトンと香料なので、汚れ落としを目的とした接点復活剤の代用アイテムとしておすすめです。

なお使用する際はめん棒に除光液をしみこませ、汚れをめん棒に吸着させながら落としていきます。めん棒を使えば細かい部分の汚れ落としにも使えますし、主成分のアセトンはすぐに気化するので、サビを気にせず使えるところも接点復活剤の代用アイテムとしておすすめです。

車やバイクのメンテナンスで人気のパーツクリーナーも、接点復活剤代用アイテムとして使うことができます。パーツクリーナーもメーカーによってさまざまな種類が販売されていますが、使用目的はいずれの商品も「金属パーツに付着した汚れを落とす」です。

しかもかなり頑固な油脂汚れも塗布するだけで簡単に落とせるのが魅力で、こまめにメンテナンスやカスタマイズをする人の必須アイテムでもあります。

そんな便利なメンテナンスアイテムも、接点機能の回復に効果ありです。接点部分の汚れが原因で不具合が起きている場合は、汚れを落とすことによって機能が回復します。

ただし金属部品には水が使えないので、汚れを落とす際には金属専用の汚れ落とし剤が欠かせません。その点パーツクリーナーは金属パーツ専用の洗浄アイテムですから、接点復活剤代用アイテムとしての条件を満たしています。

家の中にあるいろいろなアイテムが接点復活剤の代用アイテムとして使えるのですが、中には代用アイテムとしての使用を推奨しないものもあります。その1つが「鉛筆」です。

鉛筆そのものを接点復活剤の代用品とするのではなく、鉛筆の芯（黒い部分）を接点復活剤の代用にするというのですが、代用品として鉛筆を使用する方法はおすすめできません。

そもそも鉛筆が接点復活剤の代用品になるという根拠は、細長く固めた顔料（芯）の主成分が炭素だという点にあります。炭素は電気を通しやすいという性質があるため、理論上は「通電機能が回復する＝接点復活剤の代用になる」と解釈することが可能です。

ただし鉛筆芯をパウダー状にした場合、誤って大量に吸い込んでしまうと肺に鉛筆芯の主成分・炭素が残ってしまう危険があります。また目の粘膜を刺激することもあるため、鉛筆の本来の目的（文字や絵を描く）以外で使用しない方がよいでしょう。

鉛筆同様「接点復活剤の代用アイテム」として名前が挙がるシリコンスプレーも、実際に代用品として使うことは避けた方が良いです。

シリコンスプレーはスプレー型接点復活剤と基本的な使い方は同じですし、可動が悪い部分に塗布するとなめらかに動くようになる点に注目すれば、シリコンスプレーと接点復活剤の効果は同じといえます。

しかもシリコンスプレーは金属だけでなく、樹脂やプラスチックにも使用可能です。このようにいろいろな用途に使えるシリコンスプレーは、ある意味で接点復活剤以上に便利なアイテムともいえます。

ただしシリコンスプレーを接点復活材の代用品として推奨しない理由は、シリコンスプレーの成分に「シリコーン」が含まれているからです。シリコーンはケイ素から作られるのですが、火花に触れると酸化シリコンに変化し、そのまま接点周辺に付着します。

すべての電装系部品が通電によって火花を発するわけではないのですが、スイッチ系の部品は通電時に火花を起こしやすいです。そのためシリコンスプレーを使用すると、かえって接触不良を起こす場合があります。

ですからさまざまな使い方ができる便利なシリコンスプレーですが、接点復活剤代用アイテムとして使用するのは控えた方がよいでしょう。

頻繁に使うなら正規の接点復活剤を用意するのがおすすめですが、ちょっとした接触不良や修理に出す前のお試しセルフメンテであれば、身近なアイテムが代用品になります。

ただし使用する対象物が電子機器類ですから、接点復活剤の代用品でセルフメンテを試みる場合も代用品の成分と特徴を理解したうえで使用しましょう。

※ご紹介した商品やサービスは地域や店舗、季節、販売期間等によって取り扱いがない場合や、価格が異なることがあります。