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霊峰富士を御神体とする富士浅間神社
世界遺産に登録されている日本一の山・富士山は、山岳信仰の象徴でもあります。日本の神様は「八百万(やおよろず)の神」といわれるほど数が多いのが特徴なのですが、その理由は「神様は自然の中にいる」という日本神道の考え方がもとになっているからです。
特に日本人にとって山は特別な存在です。山はたくさんの恵みを人間に与えてくれますが、その反面荒々しい姿も見せます。火山の噴火や天変地異は科学が発達していなかった時代の日本人にとって最大の脅威であり、こうした自然現象はすべて神様の怒りの表れであると考えます。
そのため日本では実りの時期には感謝の祈りを、天変地異が起きた時には神様の怒りを鎮めるための祈りを捧げ、神様と共存する暮らしを続けてきました。
富士信仰というのは古来からある山の神様への信仰と考え方は同じです。富士信仰も最初は富士山に住む山の神様に対する信仰でしたが、そこから富士山そのものを神様と見立てるようになり、さらに仏教が日本に伝わることによって山岳信仰と仏教が融合した「山林仏教」へ発展します。
この頃から富士山は「霊峰富士」と呼ばれるようになり、山岳修行者たちが富士山詣でを兼ねて富士山登山をするようになります。さらに平安時代末期から室町時代になると富士山は修験場として確立され、庶民の間でも富士山詣でのための富士登山が人気となっていきます。
富士山を神様とする富士山信仰とあわせて注目したいのが、浅間信仰です。浅間信仰は富士山信仰と同時に発展したのですが、富士浅間神社を中心としている点が特徴にあります。
浅間信仰では、富士山に住まわれる神様を信仰の対象としています。浅間信仰ももともとは富士山信仰と同じなので、富士山そのものが神様と考えています。ただし「神様=富士山」というぼんやりとした存在ではなく、「神様=山の神様」と限定したことで対象をはっきりさせました。
神様の存在が分かりやすくなったことで、その神様を祀るための神社が建てられるようになります。その中心となったのが、富士浅間神社です。現在では全国に約1300社もある浅間神社ですが、その総本山は静岡県富士宮市にある富士山本宮浅間大社になります。
なお富士山本宮浅間神社は、浅間大神を祀った神社です。ですから浅間神社を参拝するということは、浅間神社に祀られている浅間大神に詣でることを意味します。
そのため富士信仰では富士山そのものを神様と考え、富士山のことを「修験場」と表現します。これに対して浅間信仰では、富士山のことを「霊場」と表現し、浅間神社に祀られている富士山の神様にお参りすることを富士詣といいます。