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1899年東京の「煉瓦亭」のメニューに登場
とんかつの語源は、「豚」を音読みした「とん」に、フランス料理の「カツレツ」にあり、その2つを組み合わせて生まれたのが「とんかつ」という名前です。
フランス料理の「カツレツ」はフランス語では「コートレット(côtelette)」と読み、「カツレツ」というのは日本語読みした和製フランス語と言えるでしょう。元々、フランス料理においてはスライスした仔牛肉にパン粉をつけて揚げ焼きした料理でした。
そんなフランス料理のカツレツ(コートレット)にヒントを得て、煉瓦亭が豚肉を使った「ポークカツレツ」が最初のとんかつと言われています。登場したのは1899年でなんと100年以上の歴史がある料理なのです。
煉瓦亭は、オムライスやカキフライ、ハヤシライスといった今では定番となっているメニューを多く生み出しており、洋食の名店として知られています。煉瓦亭で作られていた「ポークカツレツ」は、製法はほぼ今と同じでパン粉をつけて油で揚げるというものでした。
味付けは当初デミグラスソースをかけていましたが、客から味がくどいとの指摘があったため、デミグラスソースからウスターソースをかけるスタイルに変更しました。今のソースをかけるスタイルがこの頃すでに確立されていました。
1929年「ポンチ軒」が今のとんかつに
煉瓦亭で作られていた「ポークカツレツ」は、パン粉を使って揚げるという調理方法やウスターソースをかけるという食べ方など、すでに現在のとんかつにかなり近いものとなっていました。
しかし、当時の煉瓦亭では薄い豚肉を使用して揚げており、現在の定番となっている厚い肉を使ったとんかつとは少し違ったものでした。煉瓦亭の「ポークカツレツ」から現在のいわゆる「とんかつ」に進化させたのがポンチ軒でした。
1929年、ポンチ軒が「とんかつ」というメニューの提供をはじめました。ポンチ軒のとんかつはそれまでのポークカツレツと異なり、厚い豚肉を使った現在のとんかつのスタイルとなりました。
諸説ありますが、厚い豚肉にしっかりと火を通す製法を生み出したポンチ軒が現在のとんかつの発祥とされています。揚げたとんかつを包丁で切り分け、茶碗によそったご飯・漬物・味噌汁という定食スタイルで提供し、和食としてのとんかつが人気となりました。
元々はフランス料理に由来があるとんかつですが、和食として広がっているのはポンチ軒のメニュー「とんかつ」の影響と言えるでしょう。こうしてとんかつは日本中に広がり、日本人のソウルフードとして愛される和食メニューとなりました。
幅広いメニューの広がりを見せるとんかつ
最初はロースカツやヒレカツといったものだけでしたが、現在は様々なバリエーションが登場し、幅広いメニューとなっています。
和食だけでなく中華風・イタリア風アレンジも
和食の定番メニューのとんかつですが、現在はアレンジされたとんかつも登場しています。ミルフィーユカツなどの薄い肉を重ねて揚げたとんかつが有名ですが、それ以外にも中華風のとんかつやイタリア風のとんかつも登場しています。
中華風のとんかつとしては、中華風のアンをかけたあんかけのカツ丼などがあります。中華風のアンで食べるカツ丼は、和食のいわゆるカツ丼のように和風だしの味わいとはまた一味違う風味が楽しめます。