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ビステッカの魅力は、肉の歯ごたえです。肉に厚みがあるからこそ、しっかりと歯ごたえを感じることができます。噛み締めた時の旨味を感じられる、そのためには薄切りではなく厚切りの肉を使う必要があります。
雌牛の肩ロース肉を使う
Tボーンステーキといわれるビステッカに使われる部位は、雌牛の肩ロースの部分です。この部分は、サーロインと呼ばれます。ステーキ用の肉では定番の部位ですが、ビステッカは骨付きの牛肉を使います。そのため、サーロインと反対側にあるフィレ肉も一緒に食べられます。
ビステッカに雌牛を使用するのは、筋肉質で赤身の部分が多いからです。雄牛は脂肪分が多いため、ビステッカには向いていません。ビステッカに適しているのは、出産前の雌牛が向いているといわれます。経産牛や高齢の牛よりも肉が柔らかく、スジが少ないからです。
ビステッカ用の肉は熟成肉を使用する店も少なくありません。屠殺直後よりも時間を置くことで肉の味が落ち着くからです。ビステッカの美味しさにこだわるための技術といえます。
また、伝統にこだわる店では、キアニーナ牛の仔牛を使います。元々筋肉質で肉質が固めのキアニーナ牛は、成牛よりも仔牛の方が柔らかく調理向きです。美味しいビステッカ用の肉は歯ごたえだけでなく、肉質も重視して選びます。
焼くときにひっくり返すのは一度
伝統的なビステッカの焼き方は、炭火で一気に焼き上げます。ひっくり返すのは1回だけになります。近年、薄切り肉やステーキでは、何回もひっくり返した方が美味しいといわれますが、骨付きの塊肉を使うビステッカにこの方法は当てはまりません。
上手に焼くには、焼く前にお肉を常温に戻しておきます。また、直火ではなく、遠火で焼くのもビステッカを美味しくするポイントです。肉の表面に肉汁が出てきたタイミングで裏返すと美味しいビステッカになります。
焼く前には味付けはしない
ステーキを焼く時は、塩コショウを振ってから焼くのが一般的です。伝統的なビステッカは、塩コショウなどの下味は付けずに焼きます。焼く前に塩コショウを振るとその分お肉が焦げやすくなります。味付けは食べる前に行うのが、本場のビステッカです。
表面をサッと焼くだけのレアで提供
本場フィレンツェのビステッカの大きな特徴が、お肉に火を通しすぎないということです。赤身肉は脂肪分が少なく、火を通しすぎるとお肉が固くなり、パサパサになります。
表面はこんがりで中はレアというのが、ビステッカの理想的な焼き加減です。ただ、直火で焼くと外側は真っ黒で中は生焼けということもあります。遠火にすることで、生焼けを避けてお肉の中も丁度良い焼き加減にできます。
ビステッカの由来
ビステッカは、トスカーナの郷土料理です。フィレンツェだけでなく、ローマやミラノでビステッカを食べる時も、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナといいます。
日本では、ビステッカをTボーンステーキと呼ぶこともあります。骨の形が「アルファベットのT」に似ているのが名前の由来になっています。なぜ、イタリアではTボーンステーキをビステッカと呼ぶのでしょうか?その名前の由来についても見ていきましょう。
15世紀ごろのフィレンツェで行われていた祭り
15世紀にフィレンツェで行われたお祭りが、ビステッカの起源ではないかといわれています。メディチ家の菩提寺にもなっているサン・ロレンツォ教会では、毎年8月10日にお祭りが開催されます。
メディチ家が統治していた時代のサン・ロレンツォのお祭りでは、大きな塊肉を焼いてカットしたものが振舞われていました。この塊肉が後のビステッカになったといわれます。
イギリス人が「beef steak」と言ったのがきっかけ
メディチ家が来場者に振舞っていたお肉が、ビステッカと呼ばれるようになったのは、イギリス式のビーフステーキに似ていたからといわれます。配られていたお肉を見たイギリス人が「beef steak?」と聞いたのが、イタリア人によってbisteccaと変化した説が有力です。