ロシアで人気の博物館「クンストカメラ」へ行こう!人体標本があるって本当?

ロシアで人気の博物館「クンストカメラ」へ行こう!人体標本があるって本当?

ロシアにある博物館「クンストカメラ」をご存知でしょうか?18世紀から続く、収蔵品数も展示内容も全てが奇想天外な博物館です。今ではとても再現不可能なものもあり、クンストカメラでの経験は驚きの連続です。ロシアに来たなら絶対おすすめの博物館です。

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記事の目次

  1. 1.「クンストカメラ」はロシアで最も古い博物館
  2. 2.クンストカメラってどんな博物館なの?
  3. 3.クンストカメラの歴史
  4. 4.クンストカメラの展示物
  5. 5.クンストカメラは建物も注目
  6. 6.クンストカメラの基本情報
  7. 7.クンストカメラはロシアで人気の観光スポット

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フレデリック・ルイシュのコレクション

Photo by christopherhu

クンストカメラには多くの解剖学に関する展示物がありますが、その中でも有名なのがオランダの解剖学者、フレデリック・ルイシュのコレクションです。彼はエタノール漬けの胎児や人体標本を集め続け、なんと50年以上も続けていました。

ルイシュは17世紀、病死や流産による遺体を解剖し、それを自宅の「驚異の部屋」に保管していました。それがピョートル1世の目に留まり、クンストカメラで展示されるに至りました。

ルイシュの人体標本の特徴は、解剖した人体の遺骨を樹脂で固め、花やレースとともに装飾、まるで盆栽のように表現したことです。この「悪趣味」と「人体の美しさ」間スレスレの所を行く作品は、クンストカメラで(銅版画、模型含め)いくつかを見る事ができます。

アルベルト・セーバのコレクション

Photo by Bibliothèque - Les Champs Libres - Rennes

ルイシュと同じ時代のオランダ、アルベルト・セーバという薬理学者がこのクンストカメラの展示物の充実を後押ししたといっても過言ではありません。セーバは哺乳類、鳥類、昆虫、爬虫類といったあらゆる標本コレクションを提供しました。

セーバが提供した動物の標本や剥製の中には、人間と同じく単眼や双頭のものも多くあります。当時はこれらのように体に異変の起こっている動物は災厄の前兆とされていたため、展示された当初はかなり波紋を呼んだそうです。

不思議な動物や人体標本の数々は、一言で悪趣味とは言い表せない、神秘的なものを感じることができます。変わった形で生を受けて、そして生きていたのだと考えると、生き物の生命には底知れぬものがあるのだと考えさせられます。

エカチェリーナ1世の愛人と妹の頭部

Photo byStockSnap

クンストカメラの中で最も度肝を抜く展示物が、「本物の頭部」ですが、その中にはピョートル1世とエカチェリーナ1世にまつわるものもあるのです。

その頭部のひとつ、ウィレム・モンスはピョートル1世の妻・エカチェリーナ1世の愛人でした。ピョートル1世が発覚した浮気に激怒し、モンスを処刑、その頭部をアルコール漬けにし、しばらく寝室に飾っていたという話があります。

Photo byPublicDomainPictures

そして、もうひとつの頭部はウィレム・モンスの妹、アンナ・モンスのものです。彼女はピョートル1世の愛人で、兄のウィレムが処刑する前に病死していました。結果として、兄ともに頭部をアルコール漬けすることとなりました。

ピョートル1世の猟奇的な一面を感じさせられる二つの頭部は、実際にクンストカメラで見る事ができるので、グロテスクなものが苦手でない方はぜひ一目見てみてはいかがでしょうか。

クンストカメラは建物も注目

Photo by Peer.Gynt

クンストカメラはその内部の奇妙さに注目が集まっていますが、実は建物も非常に芸術的な面があります。

ワシリエフスキー島・ネヴァ川の川岸に位置するクンストカメラの外観は、淡いエメラルドグリーンの外壁が特徴です。まるで対岸にあるエルミタージュ美術館と対になっているような見た目になっています。

この2箇所がサンクトペテルブルクの芸術・学問の中心として栄えているのも頷けるほど、サンクトペテルブルク市内でもとても目を惹く象徴的な建物です。

豪華なバロック様式で建築

ヨーロッパの建築様式を取り入れたサンクトペテルブルク同様に、クンストカメラもヨーロッパの主流の建築様式であったバロック様式を取り入れています。ロシア皇帝の権力を示す宮殿に引けをとらないほど、とても美しい豪華な仕様になっています。

エメラルドグリーンの壁と、白い装飾模様が特徴的です。外観は撮影自由なので、ぜひ博物館見学前に帝政時代そのもののロシアの光景を体感してみてはいかがでしょうか。

内装は華麗なストゥッコ装飾

Photo by Raymond June

博物館内部に入ると奇抜な展示物に目を奪われがちですが、実は内装も美しいのです。イサアク大聖堂のような派手な天井や壁画はありませんが、漆喰で装飾模様を作り出しているストゥッコ装飾で彩られているのが特徴です。

クリーム色の壁に白い縁取りがされており、ホールや塔の入口はアーチ状になっていて、天井が高いという印象を与えられます。

入館すると奇妙な2対の人形に迎えられます。1体は非常に背が高く頭が大きく、牙の生えた浅黒い顔をしています。もう1体はトラの剥製に、どこかの民族の仮面や槍がセットになっています。この人形のインパクトに押され、ついつい素敵な内装がスルーされてしまいがちです。

中央の塔の頂上に大きな天球儀

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クンストカメラの基本情報

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