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イスパハンの名前の由来
栗を使ったスイーツのモンブランにアルプスの山の名称が付いているように、お菓子の名前には様々な由来があります。女性に人気のスイーツ「イスパハン」は、イランの都市の名前が由来になっています。
イスパハンは8世紀末にジャーメモスクが作られたことで発展した都市で、イランの政治、交通、文化の拠点としても有名です。16世紀末から18世紀にかけて繁栄し、アッバース1世が作った新市街の「イマーム広場」と「イマームモスク」は、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
イスパハンの美しい街並みは「イランの真珠」ともいわれます。イランの繁栄の歴史が残っている街は、現在は観光地になっており、世界中から観光客が訪れます。スイーツの名前から、ペルシアの歴史を思い馳せることもできます。
イスパハンという名前のバラ
イスパハンのマカロンはローズピンクで色付けされています。イランの都市の名前がついた同名のバラの花も、イスパハンの名前の由来のひとつといわれます。
イスパハンは19世紀に作られるようになったバラの花の品種で、最高品種といわれる「ダマスクローズ」の一種になります。可憐なピンク色のバラは、香りが高いことでも有名です。
東欧や中東ではバラの香りがするスイーツが作られています。イスパハンも、地名や花の名前だけでなく、地元の人たちが愛するお菓子からインスピレーションを受けて作られたのでしょう。
マカロンやクリーム、フランボワーズ、ライチを組み合わせることで、単なるバラの香りのお菓子ではなく、洗練されたスイーツに仕上がりました。イスパハンの名前の由来を知れば、ローズピンクの色合いやバラの香りも納得できるでしょう。
イスパハンはどこでつくられたの?
イスパハンは、名前の由来から中東がルーツのスイーツと考える人もいるでしょう。実は、フランス・パリの有名店の代表的なスイーツです。流行の発信地でもあるパリで作られたことで、広く知られるようになりました。
イスパハンの洗練されたデザインは、有名なメゾンも多いパリならではのものといえます。マカロンとバラ、フランボワーズ、ライチの組み合わせは、伝統的なフランス菓子とは一味違うものになっています。
イスパハンはフランス菓子でありながら、ライチが加わった分、どこかオリエンタルな趣が感じられるスイーツです。美しいお菓子は、美食の国フランスらしいスイーツといえるでしょう。
フランス・パリで最初につくられた
イスパハンは、1997年パリの老舗パティスリー「ラデュレ」の副社長だったピエール・エルメが考案したスイーツです。当時のラデュレは経営難に陥っており、パティシェ界のピカソと呼ばれていたピエール・エルメを再建のために招聘しました。
ピエール・エルメはラデュレを再建する際に、イスパハンの他にチョコレートを使ったプレジュール シュクレ等のスイーツを考案しています。イスパハンは、ラデュレを代表するマカロン・パリジャンにバラの香りを付け、フランボワーズやクリーム、ライチを組み合わせた斬新なものでした。
翌年の1998年ラデュレから独立したピエール・エルメは、パリではなく日本に自身のお店をオープンします。自らの店舗である「ピエール・エルメ・パリ」で、イスパハンを販売したことから日本での人気に火が付きました。
2008年にはラデュレも日本に進出し、イスパハンやマカロンの販売を手掛けています。イスパハンは、パリの有名店が作ったバラ色のスイーツとして多くの人に知られるようになりました。