柳川の伝統行事「柳川雛祭り さげもんめぐり」へ行こう！お祭りの見どころは？

基本の配置は上の方に飛ぶもの、山のもの、木に咲くもの、木になるもの、下の方に水中のもの、動物、人形、最下段に這い人形となっていますが、その家族や作者の好みもあり今では自由に配置されることが多いです。

這い人形は生まれてハイハイするようになった親の喜びを表しているもので、子供の豊かな成長を願う意味が込められています。他にも例えば蝶の飾りには、さなぎから蝶へ美しく成長していく意味があり、美しく着飾って嫁に出したいという親心を表しています。

5個5連1毬のものもあり、伝統的な飾りは雛壇の両脇に大きなさげもんや小さなさげもんを飾り、雛壇の周りに這い人形等を飾ります。さげもんは一つ一つの小物に家族の愛情が詰まっており、母から娘へ、そしてその孫たちへと代々大切に受け継がれてきている伝統行事です。

さげもんは古くから伝わる柳川の伝統行事で、女の子が生まれると初節句のお祝い用に祖母や親戚たちが心をこめて一針一針縫いあげていきます。雛祭りが近づくとできあがったものを雛壇の両脇に飾ります。

豪華な雛壇を用意できない家庭でも、親戚や知人から贈られた着物の端切れを縫い合わせてさげもんを飾り、雛壇の代わりにしてお祝いしていました。

昔、奥女中がお姫様が生まれると琴爪入れなどに使えるような袋物を、健やかな成長を願って繕い贈ったのが始まりだと言われています。彼女たちが里帰りにその風習を持ち帰り、その風習が今、形を変えて女の子の初節句のお祝いであるさげもんとして残っています。

家族の愛が感じられる祈りと願いの伝統行事「柳川雛祭りさげもんめぐり」の魅力と見どころを詳しく紹介していきます。

柳川雛祭りさげもんめぐり最大の見どころは「おひな様水上パレード」です。柳川のおもてなしの心から生まれたお祭りで、雛祭りのムードを盛大に盛り上げています。

「水の郷、柳川」ならではのイベントで、晴れ着姿のかわいらしい稚児たちが雅楽隊、お内裏様とお雛様たちと一緒に「どんこ舟」に乗って堀割を巡っていきます。稚児は地元の幼稚園児・保育園児の女の子たちです。

稚児たち約70名をあわせた約200人が10隻の舟に分かれて乗り、1時間20分ほどの水上パレードを繰り広げます。このお祭りの見どころはなんといってもかわいらしい稚児たちです。金色の冠を被り、雛壇色の着物を着て舟に揺られている様子は、風景の一部のように美しい光景です。

さげもん祭りの水上パレードは通常のお堀めぐりとは逆のコースで、下流から上流に船を漕いでいくのが特徴です。稚児たちがこれからの人生を上っていけるようにという願いがこめられており、水天宮から西鉄「柳川駅」近くの三柱（みはしら）神社まで約4キロ運航します。

稚児たちが水上パレードをする川の上にも手製のさげもんが飾られ、川面に映るさげもん飾りの色合いが美しいです。堀割沿いの柳並木が春の風に揺られ、雅楽の調べが響く中、鮮やかな衣装を着た稚児たちが小さな手で岸にいる人たちに手を振ってくれます。

まったく他人の観光客でも、この子たちが幸せに暮らせる世の中であるようにと思わず願いたくなるほどかわいらしい姿です。おひな様水上パレードは例年3月中旬の日曜日11時から開催され、雨天になると翌週に延期になります。開催期間中、1回しか開催されないのでご注意ください。

水上パレードは稚児以外にも先着50組で、7歳以下の女の子とその母親は乗船することができます。