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味噌汁は沸騰させちゃダメ!
「味噌汁は沸騰させてはいけない」と聞いたことがありませんか?出汁なら理解できますが、味噌汁となると「なぜ沸騰はダメ?」と不思議に思いませんか。他のおかずを作り、目を離した瞬間につい「沸騰してしまった!」という事もあるでしょう。
昔から和朝食に必須の味噌汁は、芯から身体の温効果を高める栄養豊かな定番メニューです。最近はインスタントも出回っていますが、煮干や鰹節でしっかり出汁を取った味噌汁は格別の美味しさがあります。
ではなぜ沸騰させてはいけないのでしょう?沸騰させると単に味がまずくなるのはもちろん、他にも理由があるのは明白です。そこで、沸騰させてはいけない理由を徹底的に調べました。基本的なレシピが知りたい人は、ぜひチェックしてみて下さい。
味噌汁を沸騰させない方がいい理由
この項目では「味噌汁を沸騰させてはいけない」具体的な理由と考えられる現象を、以下のようにまとめました。味噌汁を沸騰させることによる香りやうま味、栄養の状態に舌触りや食感の変化について、今からみていきましょう。
沸騰させると香りや風味が落ちる
味噌汁を沸騰させることで、独特の良い香りやうま味が感じられなくなります。香りの元でもあるアルコールは「味噌」内に多く含まれます。樽内で味噌が熟成中に、酵母により糖をアルコール等の香り成分に変化させたものが「煮え花(にえばな)」です。
味噌汁が煮え始めた香りや風味が、「煮え花」でも一番良い状態といわれています。アルコールなどに含まれる香り成分は、90℃以上で気化します。その理由から、沸騰するだけでアルコールは気化され、同時に香りも喪失します。
ちなみに「温め直し」も、味噌の香りを失います。最も香りがいい状態で味噌汁が美味しくいただける温度は75℃で、沸騰前の温度は95℃です。沸騰前の状態で器に注ぎ入れ、しばらくして食べ始めると徐々に適温になります。
舌触りが悪くなる
沸騰した味噌汁は、水分が蒸発してしまい煮詰まった状態になります。長く煮立たせ沸騰することで味噌の素材である大豆や米粒が分離してしまい、ザラッとした舌触りが悪い味噌汁に変化します。分離した大豆や米粒が悪い舌触りの理由でもあります。
味噌と水分の良いバランスが維持された味噌汁が、沸騰することで水分が蒸発され味噌の比率が増えるので味が濃くなります。さらに風味も落ち、先の「ザラッとした舌触り」も加わるため、沸騰させた味噌汁はどうしても不味いと感じるのです。
麦や米のこうじ味噌を使うと似たような舌触りになります。しかし、そのこうじ味噌を使ってもないのに、ザラザラした舌触りを感じるなら、1度沸騰したものとみていいでしょう。
乳酸菌や酵素などの栄養が減少
発酵食品の味噌に含まれる乳酸菌や酵素は熱に弱く、味噌汁の沸騰で激減します。乳酸菌は体内摂取で腸内の善玉菌が増えるので、乳酸菌が活きた状態で沸騰前に摂取したいものです。味噌汁の沸騰で多彩な栄養摂取が困難となり、栄養価そのものが落ちる可能性があります。
味噌汁の沸騰で多彩な栄養摂取が困難となり、栄養価そのものが落ちる可能性があります。味噌汁の沸騰だけで多くの貴重な栄養が失われます。作る時は沸騰に気をつけたいものです。
味噌汁を沸騰させてしまったら
味噌汁を沸騰させてはいけない!と頭ではわかっていても、味噌汁の沸騰はタイミングが狂えば誰もがやってしまう「失敗例」です。しかし、安心してください。失敗した後の対処法もしっかりと存在します。沸騰させてしまったら、以下のような対処してみましょう。
少量の味噌を加える
万が一でも味噌汁を沸騰させたなら、迷わず新たに少量の味噌を加えてみましょう。沸騰させてしまったら、慌てずに火を止め、少量の味噌(10g)を入れるだけです。
それだけで味噌独特のうま味が復活します。味噌を大量に入れ過ぎると一気に塩辛くなるので、味噌の量に注意が必要です。味を調整しつつ少量ずつ味噌を溶きながら鍋に入れ、風味と香りを蘇らせます。
また、余った味噌汁を翌日に温め直す時でも少量の味噌を加えることで、独特の風味や香りが復活し、おいしくいただけるようになります。単に温めるだけではない点が重要なのです。
吸い口をプラス
沸騰してしまった味噌汁に「吸い口」をプラスすることで違った風味となり、新たに美味しい味噌汁が楽しめます。「吸い口」とは、味噌汁に添える「香り付け」を意味します。主にネギやショウガ、柚子や山椒、七味唐辛子などが吸い口とされます。
適温の味噌汁に吸い口を加えるだけで、うま味や香りがレベルアップされ、さらにおいしく深化します。沸騰してしまい風味が落ちた味噌汁でも、吸い口をプラスするだけで味噌とは違う香りやうま味を醸し出し、美味しく楽しめます。
味噌汁をおいしく食べるコツ
生活に根付いている味噌汁は、その食べ方やレシピも十人十色です。美味しく食べる「食べ方」も同様です。それでも、一般的に言われる味噌汁を美味しく食べる(作る)コツがちゃんとあります。その味噌汁を美味しく食べる(作る)コツをお伝えします。
具材を入れる順番に気を付ける
美味しく味噌汁を食べる(作る)コツですが、鍋に入れる具材の順番に拘りましょう。味噌汁の具材にもよりますが、豚汁など具沢山の味噌汁は特に気を付けましょう。例えば「山の物」や「里の物」に「海の物」を意識してみると選ぶ参考になります。
豆腐+ワカメなら里の物と海の物、鮭のアラ+ねぎなら海の物と里の物、シメジと玉子なら山の物と里の物、と具体的するとわかりやすいでしょう。具材単体でも十分おいしいですが、違う項目から1種ずつ選ぶとバランス良くなり、おいしく仕上がります。
山の物のゴボウと里の物の豚肉を合わせた具沢山の味噌汁は、おかずに成り得る栄養価があります。山のゴボウと里の物の豚肉など多彩な具材が入った豚汁が良い例です。そして具材の種類が多ければ多い分、鍋に入れる順番にこだわると、さらに美味しく仕上がるのです。
根菜類は水の状態から鍋に入れる
鍋に入れる具材の順番ですが、ちょっとした2つのコツがあります。1つめのコツは「火が通りにくい具材から鍋に入れる」です。人参や大根などの根菜類や、じゃがいもなどのイモ類など、固くて火が通りにくい食材は、沸騰せずに水の状態から鍋に入れ、しっかり加熱しましょう。
好きな固さに火を通すとあとは仕上げるだけです。鮭のアラなどの魚介類は、湯の沸騰後に入れると臭みが出にくくなります。根菜と魚介を一緒に煮込むことで深い味わいの出汁が楽しめます。2つめのコツは「火が通りやすい具材は食べる直前に入れる」です。
豆腐や溶き卵にワカメは、しっかり煮込む必要はありません。このような火の通りやすい具材は、沸騰状態でサッと入れて、短時間で火を通しましょう。
出汁をきちんと取る
味噌の風味と共に出汁の香りを感じるだけで、味噌汁のおいしさがアップします。出汁は作り置きが便利です。しかし、少々手間であっても、味噌汁の調理直前に出汁を準備したほうが、風味が強い味噌汁に仕上がります。以下は基本的な各種出汁のとり方です。
「昆布」出汁は、分量の水に一晩浸けるだけで、ヌメりやにごりそして臭みが抑えられます。沸騰前に鍋から必ず昆布を取り出すだけです。「かつお節」出汁には、「花かつお」などの薄削りや厚削りを使います。
沸騰したお湯にかつお節を入れて火を止め、アク取りしつつ鍋底に鰹節が沈殿するまで放置します。その後は濾します。「煮干し」出汁は、鮮度が良い煮干しを使います。火にかけて煮出すと、煮干し風味のはっきりした家庭的な味に、水出しだとクセが抑えられ、まろやか風味になります。
知っておきたい!基本の味噌汁のレシピ
最後に基本に立ち返り、味噌汁の基本レシピをご紹介します。舌触りを気にする必要がない、基本レシピをみていきましょう。事前準備として、昆布は乾いた布巾で汚れを拭き、3cm幅にカットします。
鍋に水やカットした昆布を入れ1時間程浸します。豆腐は1cm角にカットします。乾燥わかめは水で戻した後に水気を取り、食べやすい大きさにカットします。
ここから調理工程です。水に浸けた昆布が入ったままの鍋を弱火にかけ、ゆっくりとうま味を引き出します。沸騰寸前に昆布を取り出し、しっかりと沸騰させます。沸騰後に火を止めかつお節を加え、そのままかつお節が沈殿するまで5〜6分程置きます。
かつお節が沈殿したことを確認後に取り出します。ボウルにザルとキッチンペーパーをかぶせ、鍋に入ったかつお節入りの出汁を濾します。濾した出汁を再び鍋に戻し、水で戻したわかめを入れ1度沸騰させた後に豆腐を加えます。
レードル(おたま)に味噌を溶きながら入れ、鍋全体に混ぜ合わせます。沸騰直前に火を止め、器に盛り付け完成です。味噌の量は、出汁200mlに対して味噌15gを基本的な目安にすると良いでしょう。
味噌汁は沸騰させないように気を付けよう!
味噌汁の沸騰がNGの理由が、わかっていただけましたでしょうか?味噌の特性を考えると納得です。味噌汁を作るなら、基本レシピや、食べごろの温度を確実に把握したいものです。
毎日のお味噌汁を美味しくいただくためにも、今回ご紹介の基本レシピや記事内容を参考に、味噌汁を作る時は沸騰させないように気をつけましょう。