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ラッコの生態
ラッコは食肉目イタチ科ラッコ属に分類される哺乳類です。ラッコは4℃~10℃程の冷たい海に生息しています。主に北アメリカから千島列島の沿岸に生息していますが、一時はラッコの毛皮の乱獲によってその数は激減しました。
日本でも毛皮の乱獲によって一時は日本で見掛ける事ができなくなりました。しかし1980年に北海道東部で目撃され、その後もラッコの繁殖も確認されるようになりました。ラッコは2000年に、国際自然保護連合によって絶滅危惧種に指定されました。
ラッコはイタチ科ですが、同じイタチ科で水に適応できたのがカワウソ類です。カワウソ類に対し、ラッコはさらに海に進出し、陸に依存せずに生息できる稀有な存在です。ラッコは海岸からおよそ1km以内の海に生息しています。
ラッコは岩場が多く、海藻が繁茂している場所を好みます。ラッコはほとんど海の上で過ごし、貝や甲殻類、ウニなどを食べています。ラッコはお腹に貝をのせ、石を使って貝を割る行動が特徴的です。
ラッコはそれぞれお気に入りの石を一つ持っており、脇腹のたるみをポケットのように使ってしまっています。石以外でも道具は使用できるようで、日本の水族館の水槽で貝を割り、水槽の強化ガラスにヒビが入った事例もあります。
ラッコは昼行性で単独行動をしていますが、繁殖期にはペアで行動します。ラッコは休む際は波の少ない場所で海藻につかまり、夜眠るときは海藻を体に巻き付けて流されないようにする工夫も見られます。
ラッコは一日のうち5~8時間も毛づくろいをいています。繁盛に毛づくろいをするのは防寒のためです。ラッコの毛はふさふさですが、皮下脂肪の少ないラッコはふさふさの毛で寒さから身を守っています。赤ちゃんの頃は母親に毛づくろいしてもらいます。
水族館にいるラッコの数
日本では1982年に水族館で飼育されるとたちまちブームとなりました。ラッコを見たいという声に応えて、多くの水族館でラッコが飼育されるようになります。一番多い時では28もの水族館で122頭ものラッコが日本で飼育されていました。
その後アメリカが輸出規制を強化したため新しくラッコを水族館に迎え入れる事ができなくなりました。2000年にはラッコは絶滅危惧種に指定され、日本では2003年にロシアから輸入され水族館に迎え入れられて以後輸入は途絶えています。
ラッコブームが去り、水族館のラッコは老衰や繁殖のため他の水族館に移動させるなどし飼育数が激減しました。また、水族館で生まれ育ったラッコは、世代が進むにつれて繁殖しなかったり母乳が出なかったりと繁殖が難しくなっていったのもラッコが減った原因の一つです。
2020年にはラッコの生体を見られる水族館は6施設8頭と減り続け、2021年9月現在は2施設4頭となっています。今後も水族館にラッコの輸入は望めないので、日本で見られる貴重なラッコといえるでしょう。
ラッコがいる水族館
ここからは現在ラッコを鑑賞できる水族館をご紹介します。ラッコブームの際は多くの水族館でその姿を見る事ができましたが、その数は激減し水族館でラッコは中々見る事ができません。
日本には現在4頭のラッコが水族館にいますが、現在姿を見られるのは2施設3頭のみです。須磨海浜水族園では改装のためラッコは移送され現在は見られないので注意しましょう。
鳥羽水族館(三重県)
鳥羽水族館は三重県鳥羽市にある老舗の水族館です。1955年5月15日に三重県鳥羽市に開園し、2021年に開館56年となる鳥羽水族館は、飼育生物数日本一を誇っています。
三重県の鳥羽水族館は飼育生物の種類数が約1200種と日本動物園水族館協会に加盟する日本の水族館の中で一番多いのが特徴です。
三重県の鳥羽水族館には日本で唯一飼育しているジュゴンが有名ですが、カピバラやスナドリネコなど陸の動物も楽しめるのが魅力でしょう。三重県の鳥羽水族館では長年ラッコを飼育してきた水族館です。1984年には鳥羽水族館は、日本の水族館で初めてラッコの繁殖に成功しました。
三重県にある鳥羽水族館のラッコは、厳しい極寒の海や湖に住む動物のいる「極地の海」コーナーにいます。現在鳥羽水族館ではラッコ、キラとメイの2頭を飼育しています。
ラッコのいる水槽は、大きなメインの水槽とサブの水槽が陸上部分で繋がっており、出産時や治療の際隔離もできるよう配慮されています。
鳥羽水族館の極地の海コーナーには、ラッコのほかにクリオネやイロワケイルカ、バイカルアザラシなどがいます。三重県の鳥羽水族館の営業時間は9時~17時まで、入館は閉館時間の1時間前までです。鳥羽水族館の入館料は、大人2500円、小人1300円、幼児600円です。
名称 | 鳥羽水族館 |
住所 | 三重県鳥羽市鳥羽3-3-6 |
須磨海浜水族園(兵庫県)
須磨海浜水族園は、兵庫県にある水族館で地元では「スマスイ」と呼ばれ愛されています。2021年8月、神戸市立須磨海浜水族園の人気者だったオスの
ラッコ、 ラッキーが亡くなりました。ラッキーの死因は老衰で、人間の都市でいえば100歳に相当する22歳でした。水族館でつがいで飼育されているラッコは、これで日本国内でなくなってしまいました。ラッキーはメスの明日花と共に、
以前より水族館の建て替えのため千葉県にある水族館、鴨川シーワールドに預けられていました。須磨海浜水族園には「ラッコ館」があり、今まで22頭を飼育してきました。また、2021年3月より須磨海浜水族園は須磨海浜公園全体の再整備事業に伴い本館以外は改装のため閉鎖されています。2024年の改装が終わるまで、ラッコを見る事はできません。
残った1頭明日花は須磨海浜水族園の改装のため引き続き鴨川シーワールドに預けられるようです。現在須磨水族園にいる唯一のラッコ明日花は現在22歳ですが、ラッコの平均年齢は15~20歳といわれています。
ラッコ館の再オープンは2024年を予定していますが、唯一のラッコ明日花もその頃には25歳となります。須磨海浜水族園のリニューアル後に元気な姿を見せてほしいと地元のファンは願っています。
須磨海浜水族園はラッコ館に生体がいなくなってしまっても、ラッコの興味深い生態を子供たちに伝え続けていきたいとしています。
須磨海浜水族園の改装は2021年3月から開始されました。本園以外の鑑賞ができないため入園料金が変更となっています。大人1300円が700円、中人800円が400円、小人が500円が300円です。営業時間は9時~17時で、閉園の1時間前までに入園する必要があります。
名称 | 須磨海浜水族園 |
住所 | 兵庫県神戸市須磨区若宮町1-3-5 |
マリンワールド海の中道(福岡県)
福岡県にある水族館マリンワールド海の中道では、2021年9月現在1頭のラッコを見る事ができます。2021年2月にメスのラッコ、マナが亡くなり、福岡県マリンワールド海の中道のラッコは1頭となりました。
マナは一緒に飼育されていたオスのラッコリロと仲が良く繁殖も期待されていました。マナは2021年のはじめに妊娠が確認されていました。ところがその後マナの体調が悪化、手術を行うも2月に亡くなりました。
ラッコのリロは、福岡県の水族館であるマリンワールド海の中道2階の出口近くにあるラッコプールにいます。ラッコのリロは福岡県マリンワールド海の中道ではアイドルのような存在です。
2020年に行われた「マリンワールドナンバーワンの漢(おとこ)は俺だ!」というファン投票を行ったところ、堂々の1位を獲得しています。
福岡県にあるマリンワールド海の中道の営業時間は9時~17時30分まで、入館は16時30分までです。入館料金は大人・高校生2350円、小中学生1100円、幼児600円です。
名称 | マリンワールド海の中道 |
住所 | 福岡県福岡市東区西戸崎18−28 |
水族館以外の野生のラッコが見られる場所
水族館以外の野生でラッコが見られる場所をご紹介します。ラッコは冷たい海に生息するので、野生のラッコを日本で見られるのは北海道です。
霧多布岬
野生のラッコは時々北海道の東部で目撃される事があります。北海道の霧多布岬では野生のラッコの親子の姿を目撃されています。調査保護活動を行っているNPOによると、これらの野生のラッコは2016年頃北方領土から流れ着いたとされるといいます。
霧多布岬で目撃される野生のラッコは5~6頭確認でき、チシマラッコという亜種のようです。野生のラッコを見られるとSNSなどで広まり、多くの人がラッコの姿を見ようと霧多布岬を訪れるようになりました。霧多布岬のある浜中町も観光資源として期待しています。
野生のラッコを見に行く際、大声で騒いだり、ドローンを飛ばして観察したりするなどマナーの悪い観察の仕方をすると野生のラッコにはストレスになります。元々ストレスには弱いので、浜中町は野生のラッコを守るためラッコの鑑賞時の手引書を作成、配布しています。
北海道でラッコが増えている?
一時は乱獲のために日本では絶滅したラッコでしたが、年々北海道の海で野生のラッコが目撃されつつあります。人間による捕獲数が減ったことも理由の一つのようです。このまま野生のラッコが増えるよう、ラッコにストレスを与えずに注意しながら優しく見守りたいものです。
ラッコに会いに水族館へ行こう!
日本国内でラッコを見られる水族館は2021年9月現在2施設のみです。ラッコはイタチ科の中でも主に海上で生活するめずらしい動物です。水族館で貝を割る姿や毛づくろいする姿などラッコ独特のしぐさを観察するのも面白いでしょう。
今後自然繁殖させるのが難しいラッコは、日本国内の水族館で増える事は難しいかもしれません。ラッコのユニークな生態をぜひ水族館で確認してみてください。