【さんま】の旬は秋だけではなかった!春や夏にも味わえるってホント?

【さんま】の旬は秋だけではなかった!春や夏にも味わえるってホント?

秋が旬といわれるさんまですが、地域によっては春や夏に旬のさんまがとれることもあります。旬のさんまは脂乗りが良く体も大きいので、いろいろな食べ方が楽しめます。そこで秋以外にも旬があるさんまの秘密を、とれる地域やおいしい食べ方と併せてご紹介しましょう。

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記事の目次

  1. 1.秋の味覚の代表「さんま」の旬は?
  2. 2.さんまの旬が秋といわれる理由
  3. 3.さんまの旬の時期と獲れる地域
  4. 4.旬のさんまのおすすめの食べ方
  5. 5.さんまの旬は見逃し厳禁!

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秋の味覚の代表「さんま」の旬は?

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さまざまな食材の旬が重なる秋は、脂がのった青魚・さんまの旬としても有名です。旬の秋さんまは脂肪をたっぷりと蓄えているうえに、さんま特有の風味が強いところもおいしさの魅力に挙げられます。

さんまの生態はまだわかっていないことも多く、産卵時期についても「年に2回産卵する」という説と「冬に産卵する」という説があります。しかも産卵の仕組みや生態にももよくわからない点が多いため、人口飼育が非常に難しい魚です。

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そんなさんまは一般的に「秋が旬」といわれていますが、地域によっては「春が旬」「夏が旬」という地域もあります。

一般的に「秋が旬」といわれるさんまが「春が旬」「夏が旬」といわれる理由については、あまり知られていません。そんなさんまの旬の違いは、地域(産地)の違いに関係しています。

さんまの旬が秋といわれる理由

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秋の風を感じるようになると店先に並ぶようになるのがさんまなので、「さんまの旬=秋」というイメージがあります。

今では漁獲量の減少によってさんまのイメージも変わりましたが、かつては「安くて栄養満点な魚」として家庭でもよく食べられていたものです。そんなさんまの旬が秋といわれるようになったのは、さんま特有の生態と関係しています。

さんまは回遊魚

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さんまはダツ目さんま科さんま属の魚で、主に北太平洋に生息しています。そんなさんまが日本で旬食材といわれているのは、北太平洋だけにとどまらず日本近海・アメリカ大陸沿岸・メキシコやアラスカ海域などにも分布しているからです。

さんまは胃を持たない魚なので、エサを食べても30分以内に消化してしまいます。さらにオキアミ類などが主なエサで、季節によっていろいろな海域に移動しエサを食べて成長します。

さんまのような生態を持つ魚類は「回遊魚」と呼ばれていますが、一般的な回遊魚の特徴と異なるものを持っているのがさんまです。

Photo bylockerswatanabe

回遊魚の多くは産卵地が決まっており、孵化した幼魚はエサをもとめて移動しながら成長し、成魚になると産卵のために産卵地に戻ってくることが多いです。ところがさんまは産卵地が広範囲に広がっています。

そもそも北太平洋に広く分布する魚種ですから、日本近海以外にも産卵地はあります。ただしさんまのエサであるオキアミ類の発生する時期や海域には規則性があるため、生まれた場所もふくめて回遊するのがさんまの特徴です。

広範囲に移動する回遊魚ですが、回遊魚にしてはさんまの寿命は短いといえます。概ね2年が寿命ですから、2年目の成魚がいわゆる「旬のさんま」です。

成魚となる秋頃に日本近海に現れる

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世界中の海を泳ぎながら成長するさんまですが、どのような回遊経路をたどっているのかについては未だによくわかっていません。

世界中の海に分布するさんまは「太平洋系群」「中央太平洋系群」「東部太平洋系東群」に分かれている、と長らく考えられていました。

ところがこの説も現在の研究では、それぞれの系統には遺伝子レベルに大きな違いが見られず、区分の明確な基準にはならないと考えられています。

Photo by omoon

ちなみ日本のさんまの旬が秋といわれるのは、夏にオホーツク海を回遊して成長したさんまが、秋になると産卵のために寒流に乗って東北、関東、近畿、九州の沖合まで南下するからです。

産卵期が近いさんまはエサをたっぷりと食べて脂肪を蓄えていますから、日本近海で姿を現す秋には旬食材の条件を満たした立派な成魚となっています。

しかも海面近くを集団で移動する浮魚の一種ですから、浮魚漁で旬のさんまを大量に水揚げできることも「秋の旬食材」といわれるようになった所以です。

さんまの旬の時期と獲れる地域

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胃がないために常にエサを求めて各国の海を泳ぎ渡っているさんまのうち、夏場をオホーツク海沿岸で過ごしたさんまは、秋になると産卵のために日本近海を南下していきます。

そのためさんま漁がおこなわれる地域によって漁のピーク時が違うのが特徴です。さんま漁の時期が地域ごとに違うことが、旬の違いにも関係します。

北海道・三陸は夏の終わりから秋にかけて

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最も早くさんま漁が始まるのは、夏場のえさ場として多くのさんまが集まるオホーツク海近くの北海道です。北海道周辺の海では8月にさんま漁が始まります。さんまは回遊魚ですから、北海道沖から三陸に向かて移動します。

ですから北海道でさんま漁が始まると、ほどなく三陸沖でさんま漁が始まるのが一般的な流れです。北海道および三陸沖のさんま漁は8月~9月がピークなので、この地域では「夏が旬」「初秋が旬」といわれます。

さんまの群れはその後関東方面に向かって移動を始めますが、三陸沖では10月頃までさんま漁がおこなわれるので、「三陸のさんまの旬は秋」という表現も多いです。

相模湾や駿河湾で獲れる春さんま

Photo by sqm

相模湾や駿河湾でもさんま漁が盛んですが、この地域でとれるさんまは「春が旬」です。秋が旬のさんまは産卵のために南下するところを水揚げするのですが、相模湾や駿河湾のさんまは、夏のエサ場であるオホーツク海へ北上するさんまの群れを水揚げします。

この時期のさんまは空腹状態に近いですから、脂ののった秋が旬のさんまと比べると体も小さいですし脂乗りも劣ります。その代わりさんま特有の香りはしっかりと感じられるので、香りを楽しむさんま料理にすることが多いです。

なおオホーツク海に向かう前に水揚げされるさんまは「春さんま」と呼ばれ、地域では春の旬食材として人気があります。

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【さんま】は冷凍保存でおいしさ長持ち!正しい下処理のやり方は?
さんまは、秋が旬の魚です。旬の時期になると漁獲量も増え、市場の値段が下がると同時に味わいが良くなります。長期間保存するために、冷凍して保存する方法を採用すると便利です。さんまを冷凍保存するための正しい下処理などのやり方を紹介します。

旬のさんまのおすすめの食べ方

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「秋の魚」と書くさんまですが、さんまの旬は春や夏にもあります。ただし春や夏に旬を迎えるさんまは地域が限定されていますし、鮮度落ちが早いさんまですから秋以外の旬さんまは地元で消費されることが多いです。

そんなさんまも近年は不漁が続きいつのまにかに高級魚の仲間入りをしていますが、さんま漁が盛んな地域では「季節の風物詩」としてさんま料理を食べることがよくあります。

脂乗りが良くサイズも大きな旬のさんまが安く手に入った時には、いろいろな食べ方でさんまのおいしさを堪能するのがおすすめです。

お刺身・握り

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鮮度落ちが早くなかなか生で食べる機会が少ないさんまですが、旬のさんまはたっぷりの脂が旨味に変わるため、刺身やにぎり寿司にする食べ方も人気です。

ただし家庭で刺身やにぎり寿司にする場合は、「鮮度の良いさんまを選ぶこと」が重要なポイントとなります。さんまは内臓まで食べられる珍しい魚ですが、そうはいっても傷むのが早いのは内臓です。

Photo bytakedahrs

ですからお腹の部分がだらりとしている(触ってもハリがない)さんまは、刺身・にぎり寿司用のさんまには使えません。腹を指で触ってもしっかりと張りを感じるのであれば、水揚げからそれほど時間が経っていない新鮮なさんまといえます。

このような新鮮な旬のさんまが手に入った時には、お店に行かなければなかなか食べられない刺身やにぎり寿司にする食べ方がおすすめです。

塩焼き

Photo by yoppy

旬のおいしさをシンプルに楽しめるおすすめの食べ方が「塩焼き」です。下処理を丁寧にすることがおいしく仕上げるポイントですが、旬だからこそ楽しめる脂たっぷりのさんまは、おつまみにもおかずにもなります。

屋外で楽しむなら七輪で豪快に焼いた塩焼きさんまがおすすめですが、わざわざ専門の調理器具を使わなくても、家庭にあるフライパンでおいしい塩焼きさんまを作ることも可能です。脂乗りが良いさんまですから、切らずにまるごと焼いた方がおいしいのは間違いありません。

ただし旬のさんまは体も大きいですから、一般的な家庭用フライパンだと体が飛び出してしまうことがあります。

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このような場合は無理にフライパンに押し込めると焼きムラができるので、旬ならではのおいしさが半減します。ですからフライパンを使った塩焼きさんまのレシピでは、「半分に切ってからフライパンで焼く」がおすすめです。

また焼く前に塩を全体的に振っておくことも、おいしい塩焼きさんまに仕上げるコツといえます。塩を振ると余分な水分がさんまから出てきますが、染み出る水分の中には臭みのもととなる成分も含まれるので、塩処理後の塩焼き秋刀魚の方が臭みがなくおいしいです。

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なお旬のさんまは、内臓を取らずに塩焼きしましょう。旬のさんまは内臓に臭みや苦みがほとんどありませんし、さんまの身には含まれない希少な栄養成分も含まれます。

内臓が苦手な人も多いですが「旬のさんまなら食べられる」という人も多いので、鮮度の良い旬のさんまが手に入った時にはぜひ試してみてください。

さんまごはん

Photo by whitefield_d

塩焼き秋刀魚をほぐしてご飯に混ぜ込むさんまごはんもありますが、せっかくならさんま漁が盛んな地域で昔から食べられているさんまごはんレシピにチャレンジしてみるのはいかがですか?

「簡単なのにさんまの旨味が凝縮していておいしい」と評判なのが、岐阜で有名な郷土料理「さよりめし」です。使用する食材はさよりではなくさんまなのですが、岐阜では昔からさんまの炊き込みご飯を「さよりめし」と呼んでいます。

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さよりめしレシピにはいろいろありますが、昔から作られているのは「生さんまをまるごと炊飯器に入れるレシピ」です。内臓をそのまま使っても良いのですが、子どもがいる場合は内臓を取り除いた生さんまを半分に切って炊き込んだほうが食べやすいでしょう。

地元では下処理したさんまに、ニンジンとネギのみじん切りを加えて炊き込むレシピが定番ですが、秋が旬のキノコ類を加えるのもおすすめです。味付けは醤油と酒のみなので、炊き込みご飯ですが旬のさんまのおいしさをまるごと堪能できるおすすめの食べ方といえます。

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旬のさんまは、焼きさんまにするのがおすすめです。おいしい焼きさんまは魚焼きグリルを使うと簡単なのですが、フライパンを使ってもおいしく焼けます。しかもフライパンなら焼いた後の片付けも簡単です。そこでフライパンを使ったおすすめ焼きさんまレシピをご紹介します。
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秋が旬のさんまは、身だけでなく内臓も食べられます。さんまの内臓は独特な味がするので取り除く人も多いのですが、内臓には栄養がたくさん含まれているので食べるのがおすすめです。そんなさんまの内臓の食べ方を、下処理法やおすすめレシピと併せてをご紹介します。

さんまの旬は見逃し厳禁!

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「秋が旬」というイメージが強いさんまですが、実は春・夏も地域によっては旬のさんまが食べられます。秋以外でも旬のさんまはおいしいですし、いろいろな食べ方で楽しめるところが魅力です。

なお地域によって旬の時期が違うので、春・夏・秋のそれぞれに旬のさんまが食べられる地域をチェックしておくとよいでしょう。

akemi
ライター

akemi

小学生の娘の子育てに格闘しつつも、毎日の暮らしがちょっぴり楽しくなることを探すのが趣味です。仕事で全国各地をまわった経験から、街で見かけたおもしろいこと、ステキな景色、珍しいグルメなどを紹介します。

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