なすの旬は秋だけではない！季節ごとのおすすめの食べ方は？

野菜には旬の時期があり、食べごろといわれる季節が最もおいしく栄養価が高いといわれます。なすのなかでも、全国的に流通されている「長なす」は、いつが旬なのでしょうか？まずは、長なすの旬の時期について説明します。

なすに限らず、多くの野菜が通年で販売されるようになりました。そのため、野菜の旬がわからなくなったといわれます。長なすも見かける機会が多い品種ですが、旬の時期は5月～10月初め頃になります。

なすは、気温が高い所でも栽培がしやすい野菜で、15度～30度位までの温度なら育てられます。そのため、初夏から秋まで旬の時期が長くなっています。また、ビニールハウスでの栽培も行われているため、旬ではない冬場も出回るようになりました。

なすは、東北から九州まで広いエリアで栽培されている野菜です。旬の盛りともいえる7月～8月は、長なすだけでなく、たくさんの種類のなすが並びます。定番の長なすをはじめ、丸なすや賀茂なす、色も、紫、白、緑とさまざまな種類があります。

旬の時期は種類が多いだけでなく、なすの栄養価も高くなります。なすの皮には、アンチエイジングで注目のポリフェノール「ナスニン」が含まれています。栄養素だけなく、旬のおいしさを堪能するのであれば、皮ごと食べるのがおすすめです。

「秋茄子は嫁に食わすな」という諺があるように、秋に穫れるなすはおいしいといわれます。秋茄子の「秋」は、9月～10月頃のことをいい、なすの旬でいえば、終わりの時期の「名残」になります。なぜ、秋茄子はおいしいのでしょうか？

夏と比べると気温が低くなり涼しくなる秋に穫れるなすは、実が引き締まっています。水分量が増えるため、旨味も増します。これらの理由が、秋茄子がおいしいといわれる所以です。夏よりも実もやわらかくなるため、秋茄子にまつわる諺が生まれたのでしょう。

また、なすには体を冷やす作用もあり、女性の体には良くないという説から生まれた諺ともいわれます。食べ過ぎは良くありませんが、和、洋、中、どんな味付けにも合うなすは、カリウムや食物繊維も含まれていて積極的に摂りたい野菜です。

夏から秋にかけての旬の時期は、他の季節と比べても安く買うことができます。ヘルシーでおいしい食生活を考えている人は、旬の時期の新鮮な味を楽しみましょう。なすは、旬の時期が一番出回っているので、おいしい料理が楽しめます。

なすは、細長いものの他に、丸い形や小ぶりの物まで、大きさや形も何種類もあります。日本料理で登場するのが、丸い形の「賀茂なす」です。田楽や煮物と幅広い料理に使われるなすで、京都の伝統野菜といわれます。

賀茂なすが食べられる時期は、5月～9月となっており、一般的ななすの旬と変わりません。長なすとの違いは、賀茂なすは露地栽培が中心ということでしょう。旬の時期を逃してしまうと食べることが難しい品種になります。

賀茂なすは、京都の伝統的な野菜として広く知られています。江戸時代には栽培が始まっており、明治時代に賀茂なすといわれる名称が付いたそうです。油と相性が良く、火を通すと柔らかくなる賀茂なすは、京都の夏の訪れを告げる野菜のひとつでしょう。

なすのなかでも、旬の時期しか味わえない贅沢感も賀茂なすの魅力です。京のブランド野菜で高級品としても有名な賀茂なすは、日本料理の醍醐味も感じられます。初夏から秋にかけて見かけた時には、旬の食材として味わってみましょう。

夏から秋はなすの旬の時期ということもあり、たくさんの種類が並びます。そのなかから、鮮度が良いものを見分けるのは、結構大変です。旬の時期こそ新鮮さにこだわって選んでみませんか？状態の良いなすを見分けるポイントを見ていきましょう。

注目をしたいのが、ヘタの状態です。新鮮なものはヘタにピンとしたハリがあり、トゲもしっかりと立っています。萎れているものやヘタの色が変色しているものは、鮮度も落ちているので食べるのはおすすめできません。

続いて、なすの皮の部分もチェックをしましょう。新鮮で状態がよいものは、皮にツヤがあります。古くなると皮の部分がブヨブヨになり、シワが出てきます。旬の時期でも見かける皮の傷は、鮮度には問題はありませんが、味は落ちるので、食べる時に傷の部分を除いてください。

新鮮ななすは、水分が多く、重みがあります。特に旬のなすはたっぷり含まれる水分量がおいしさの秘訣です。手で持ってみてずっしりとした重さが感じられない時は、鮮度が落ちている可能性もあります。見た目と重さの両方をチェックして旬のおいしさをたっぷり味わいましょう。

なすは、あまりクセがないことからどんな食材とも合います。旬の時期は、和洋中、エスニックと色々な料理に使って、なすの味を楽しみたいところです。夏は、なす以外にも旬の野菜が豊富で、これらの食材を組み合わせたレシピにも挑戦してみましょう。

夏が旬のトマトやピーマン、ズッキーニはなすと相性抜群の野菜です。簡単でおいしいイタリアンのレシピなら、おしゃれななす料理が作れます。食卓がマンネリ気味という人におすすめの旬の野菜を使った簡単レシピをご紹介します。

イタリアンというと手間がかかって大変というイメージがあります。家庭料理は、旬の食材を使い、自宅にある調味料で作れる簡単なレシピが多く、気軽に挑戦できます。シチリアやナポリの伝統料理「カポナータ」は、旬のなすをおいしく食べるのにピッタリです。

材料は、なす、パプリカやズッキーニ、セロリといった旬の野菜、トマトの水煮缶、そして味付けに使う、ニンニク、お酢、砂糖、しお、コショウ、オリーブオイルになります。

なすをはじめとした旬の野菜は食べやすい大きさにカットして素揚げにしてください。カロリーが気になる人は、油をたらしたお湯でサッと茹がいてもよいでしょう。

別の鍋にオリーブオイルとみじん切りにしたニンニクを入れて香りが出てきたら、下拵えを済ませた野菜とトマト缶を加えて煮込みます。沸騰してきたところで、お酢や砂糖、塩、コショウといった調味料を加えてください。弱火で煮詰めたら完成です。

甘酸っぱいカポナータは、冷めてもおいしく、パスタのソースや肉料理にも使えます。簡単で日持ちもするので、なすや旬の野菜がたくさんある時に作ってみてください。

旬も終わりに近づく秋のなすは、夏と比べると皮が硬くなるので、生で食べるには適していません。ただし、火を通すと実の部分がトロトロになり、旨味がアップします。

旬のおいしさを丸ごと味わうのに向いた秋のなすは、油を使った料理がおすすめです。特に和風のレシピは、簡単に作れて料理上手に見せてくれます。旬の秋茄子の旨味を存分に味わう最強の簡単レシピをご紹介します。

旬の味覚はシンプルなものこそおいしいといわれます。手が込んでいるように見えて簡単なのが「なす田楽」です。甘辛い味噌味と旬のなすのハーモニーは、一足早く食欲の秋を楽しめます。

材料は、なす、味噌、みりん、日本酒、サラダ油です。お好みの味噌とみりん、日本酒を合わせて、鍋でひと煮立ちさせて、田楽のタレを作ります。なすは、輪切りにして、油を入れて温めたフライパンに並べて焼きます。焦げ目がついて、なすが柔らかくなったら、味噌ダレをのせます。

なす田楽は、できたての熱々を頬張るのがおいしい料理です。タレは、市販の田楽のタレを使ってもよいでしょう。旬のラストを味わうのおすすめの調理法といえます。

もう一品も、ごはんのお供やお酒のおつまみにおすすめの旬のなすがおいしく食べられるレシピです。「なすとこんにゃくの味噌炒め」は、旬のなすと歯触りが良いこんにゃくの絶妙の組み合わせが楽しめます。カポナータと同様に作り置きもできます。

材料は、なす、こんにゃく、味噌、みりん、日本酒、醤油、油とお好みで七味唐辛子です。先に味噌とみりん、日本酒を合わせて「合わせ調味料」を作っておきましょう。なすは、大きさを揃えて乱切りにして、水にさらします。こんにゃくは、一口サイズにカットし、下茹でをしてください。

油を入れて温めたフライパンに水を切ったなすを入れて炒めます。なすがしんなりと柔らかくなったら、水気を取ったこんにゃくをいれて、合わせて調味料をからめて煮込みます。仕上げに醤油を回し入れたら、好みで七味唐辛子をかけて完成です。

スーパーマーケットでは、1年中見かけるなすですが、最もおいしいのは旬といわれる初夏から秋にかけて収穫されたものになります。旬の時期は、長なすだけでなく、珍しい品種のなすを見かけることもあります。

今回ご紹介をしたレシピは、旬に穫れたなすをおいしく食べるのに最適です。簡単に作ることができるので、ご自宅で料理をする時に挑戦してください。

※ご紹介した商品やサービスは地域や店舗、季節、販売期間等によって取り扱いがない場合や、価格が異なることがあります。